有価証券報告書-第18期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(以下「当期」)における当社グループを取り巻く経営環境は、スマートフォン市場の成長停滞や、顧客による有機EL(OLED)ディスプレイの採用拡大、中国の競合メーカーとの競争激化等による厳しい状況が続きました。また、第4四半期連結会計期間(以下「当第4四半期」)には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、世界的なサプライチェーンの停滞や急速な個人消費の落ち込みが生じました。
かかる状況に対応するため、当社グループは、当期上期において、国内従業員の3割強に当たる大幅な人員削減、白山工場(石川県白山市)の稼働停止、茂原工場後工程ライン(V2ライン)の閉鎖、スマートフォン用生産設備の減損(主に白山工場の事業用資産)等の構造改革を実行し、固定費の低減を進めました。本構造改革の効果は当期下期よりフルに発現しており、当期通期では約300億円の固定費削減効果が生じました。2021年3月期(以下「来期」)は更に年間約200億円の固定費削減効果が生じることが見込まれています。また、当期12月からは当社初となるOLEDディスプレイの量産出荷を開始しました。本OLEDディスプレイの当期における売上高寄与は限定的でしたが、来期以降の事業ポートフォリオの拡充に寄与することが見込まれています。
当社グループにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響としては、海外の製造子会社及び取引先の受託製造会社(EMS)を含む後工程生産工場にて生産の一時停止や稼働率の低下がありました。各生産拠点の早期生産再開と稼働率回復に努めましたが、都市封鎖による人員の不足や部材の不足等による出荷量の減少、及び顧客からの需要減が生じました。
この結果、当社グループの当期売上高は前連結会計年度(以下「前期」)比20.8%減の504,022百万円となりました。上述のとおり固定費削減が進んだ他、諸経費等の削減もあり販売費及び一般管理費も前期比11,332百万円減の37,136百万円となりましたが、売上高減少による利益減をカバーできず、売上総損失は1,399百万円(前期は売上総利益21,237百万円)、営業損失は38,536百万円(前期は27,230百万円の損失)となりました。また、営業外費用として持分法適用会社であった株式会社JOLEDの株式に係る持分法による投資損失10,007百万円を計上したこと等により、経常損失は57,758百万円(前期は40,367百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失として白山工場を中心とする固定資産の減損損失や早期割増退職金等を含む事業構造改善費用67,178百万円を計上したほか、上記のJOLED株式の譲渡による投資有価証券売却益30,594百万円を計上したこと等により、101,417百万円の損失(前期の親会社株主に帰属する当期純損失は106,585百万円)となりました。
(アプリケーション分野別売上高の状況)
① モバイル分野
スマートフォン、タブレット用のディスプレイを含むモバイル分野の当期の売上高は、売上高全体の69.6%を占める350,802百万円(前年同期比24.9%減)となりました。スマートフォン市場の成長停滞や、顧客によるOLEDディスプレイ採用拡大、中国競合メーカーによる増産等により競争が激化したため、不採算製品からの撤退や白山工場の稼働停止を行いました。また、当第4四半期には、新型コロナウイルスの影響により海外での後工程生産への制約や顧客からの需要減による売上高の減少が生じました。
② 車載分野
クラスターやヘッドアップディスプレイ等の自動車用ディスプレイを中心とする車載分野の当期の売上高は、売上高全体の20.5%を占める103,562百万円(前年同期比7.8%減)となりました。中国経済の減速や米中貿易摩擦の影響等による主要地域における自動車販売の不振を背景に車載ディスプレイ需要が停滞する中、新型コロナウイルスの影響から部材不足等による後工程生産の滞りが生じたこともあり、出荷量が減少しました。
③ ノンモバイル分野
ノンモバイル分野にはデジタルカメラやウェアラブル機器等の民生機器用及び医療用モニター等の産業用のディスプレイの他、特許収入等が含まれます。当期の当分野の売上高は、売上高全体の9.9%を占める49,656百万円(前年同期比13.6%減)となりました。
超高精細なVR用ディスプレイが売上を伸ばし、ウェアラブル機器向けも好調を維持したものの、売上高比率の高いデジタルカメラ向けや米中貿易摩擦の影響を受けたノートPC向けが減少したことにより減収となりました。新型コロナウイルスの感染拡大対策としてフィリピン国内で行われた都市封鎖により、ノンモバイル分野向けディスプレイの後工程生産を主として担うフィリピンの当社生産子会社の生産が一時停止し、また、生産開始後も工場の低稼働が続いたことから、出荷に影響が生じました。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当社グループの生産品目は、広範囲かつ多種多様であり、その性能、構造、形式、販売条件などは一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、販売価格による生産額の集計は行っておりません。また、当社グループの生産体制は、主として国内の生産拠点で担っている前工程、中国、台湾及びフィリピンの製造子会社による後工程に区分して管理されております。
そのため、前工程及び後工程の生産量の単純合計がそのまま連結ベースの生産量ともならないことから、生産実績を金額又は数量で示すことはしておりません。
② 受注実績
当社グループは顧客から提示された生産計画に基づく見込生産を行っているため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社のグループは単一セグメントであるため、アプリケーション分野別に記載を行っております。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前期末(2019年3月末)比148,756百万円減少の389,746百万円となりました。この主な要因は、売掛金が21,322百万円減少、在庫適正化によりたな卸資産が31,781百万円減少、白山工場の生産設備の減損等により有形固定資産が60,061百万円減少、及びJOLED株式の売却により投資有価証券が24,108百万円減少したことです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前期末比201,257百万円減少の336,382百万円となりました。これは主に、株式会社INCJとのリファイナンスにより有利子負債が87,841百万円減少、買掛金が87,153百万円減少、前受金が12,823百万円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前期末比52,500百万円増加の53,363百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失101,417百万円を計上した一方、いちごトラスト及び株式会社INCJに対する152,400百万円の第三者割当増資により株主資本が前期末比50,982百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は13.1%(前連結会計年度末は△0.2%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は66,380百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,608百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失98,446百万円の計上の他、運転資金の支出等により、87,111百万円の支出(前連結会計年度は6,604百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出16,075百万円があった一方、持分法適用関連会社であった株式会社JOLEDの株式の売却による収入46,320百万円等により、28,069百万円の収入(前連結会計年度は36,614百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、Ichigo Trust及び株式会社INCJに対する第三者割当による優先株式の発行、及び株式会社INCJからの借入並びに同社によるリファイナンスに伴う資金の増減の結果、57,682百万円の収入(前連結会計年度は30,968百万円の収入)となりました。
(資金調達の状況)
当社では、事業環境の急激な変化の結果、資金繰り及び収益性が大きく悪化するに至り、前期においても親会社株主に帰属する当期純利益で赤字を計上したことから純資産の毀損が生じるとともに、当社単独での事業継続を前提とした場合、当社の現預金残高(連結)が当社の足元の運転資金(事業上必要となる資本的支出を含む。)として当社の事業価値の維持に最低限必要と見込まれる水準を下回ることとなる可能性が否定できない状況に陥りました。このような状況を受け、当社は、悪化した資金繰りの抜本的な解決や上場会社として適切な純資産額水準の確保のためには、大規模な資本性資金が早期に必要であると判断し、当社に対する資本性資金の提供を含む支援をいただけるスポンサーの選定を行いました。その結果、2020年1月31日にいちごトラストとの間で資本提携契約を締結し、本資本提携契約に基づき、2020年3月26日にいちごトラストに対する第三者割当の方法によるB種優先株式の発行及び第11回新株予約権の発行を行い、同日、B種優先株式に係る504億円の調達を完了いたしました。調達した資金は、主として成長事業における設備投資に250億円、運転資金として249.3億円等に充当いたします。
これにより、当社の資金繰り及び財務状況は改善をいたしましたが、その一方で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により事業への影響が生じており、今後の当社事業や財務への影響も正確に見通せない状況が続いております。このため、当社は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の長期化等によって当社の受注状況、取引先との協議状況や事業活動等に悪影響が生じた場合に必要となり得る追加運転資金の確保への手当てを行うとともに、財務体質の更なる良化により資金調達の選択肢を増やし資金調達余力を向上させるため、2020年7月21日付で、いちごトラストとの間で、いちごトラストに対する第三者割当によるD種優先株式(調達総額50億円)及びE種優先株式を目的とする第12回新株予約権(行使時の調達総額554億円)の発行(以下D種優先株式の発行と併せて「本第三者割当」)による追加の資金調達に関する資本提携契約を締結いたしました。本追加資本提携契約に基づき、当社は、2020年8月28日に本第三者割当を実施し、D種優先株式に係る50億円の調達を完了する予定です。当該50億円は運転資金に充当し、第12回新株予約権の行使により発行するE種優先株式に係る最大554億円の調達につきましては、借入金の弁済に充当する予定です。なお、本第三者割当に先立ち、いちごトラストが当該時点で保有する第11回新株予約権の全部を放棄することを、いちごトラストと合意しております。
当社は、上記資金調達により今後必要となる可能性がある追加運転資金への手当てを行い当社の事業価値を維持するとともに、財務体質の更なる良化により資金調達の選択肢を増やし、資金調達余力を向上させることで、将来的な資金需要(新型コロナウイルスの感染拡大の長期化や更なる景気後退等により、当社の受注状況、取引先との協議状況や事業活動等に更なる悪影響が生じることに伴う想定以上の必要運転資金の増加を含む。)に対して機動的に対応できる可能性が高まるものと考えております。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、「2 事業等のリスク (26) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消するための当社グループの取り組みについては、「2 事業等のリスク (26) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度(以下「当期」)における当社グループを取り巻く経営環境は、スマートフォン市場の成長停滞や、顧客による有機EL(OLED)ディスプレイの採用拡大、中国の競合メーカーとの競争激化等による厳しい状況が続きました。また、第4四半期連結会計期間(以下「当第4四半期」)には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、世界的なサプライチェーンの停滞や急速な個人消費の落ち込みが生じました。
かかる状況に対応するため、当社グループは、当期上期において、国内従業員の3割強に当たる大幅な人員削減、白山工場(石川県白山市)の稼働停止、茂原工場後工程ライン(V2ライン)の閉鎖、スマートフォン用生産設備の減損(主に白山工場の事業用資産)等の構造改革を実行し、固定費の低減を進めました。本構造改革の効果は当期下期よりフルに発現しており、当期通期では約300億円の固定費削減効果が生じました。2021年3月期(以下「来期」)は更に年間約200億円の固定費削減効果が生じることが見込まれています。また、当期12月からは当社初となるOLEDディスプレイの量産出荷を開始しました。本OLEDディスプレイの当期における売上高寄与は限定的でしたが、来期以降の事業ポートフォリオの拡充に寄与することが見込まれています。
当社グループにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響としては、海外の製造子会社及び取引先の受託製造会社(EMS)を含む後工程生産工場にて生産の一時停止や稼働率の低下がありました。各生産拠点の早期生産再開と稼働率回復に努めましたが、都市封鎖による人員の不足や部材の不足等による出荷量の減少、及び顧客からの需要減が生じました。
この結果、当社グループの当期売上高は前連結会計年度(以下「前期」)比20.8%減の504,022百万円となりました。上述のとおり固定費削減が進んだ他、諸経費等の削減もあり販売費及び一般管理費も前期比11,332百万円減の37,136百万円となりましたが、売上高減少による利益減をカバーできず、売上総損失は1,399百万円(前期は売上総利益21,237百万円)、営業損失は38,536百万円(前期は27,230百万円の損失)となりました。また、営業外費用として持分法適用会社であった株式会社JOLEDの株式に係る持分法による投資損失10,007百万円を計上したこと等により、経常損失は57,758百万円(前期は40,367百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失として白山工場を中心とする固定資産の減損損失や早期割増退職金等を含む事業構造改善費用67,178百万円を計上したほか、上記のJOLED株式の譲渡による投資有価証券売却益30,594百万円を計上したこと等により、101,417百万円の損失(前期の親会社株主に帰属する当期純損失は106,585百万円)となりました。
(アプリケーション分野別売上高の状況)
① モバイル分野
スマートフォン、タブレット用のディスプレイを含むモバイル分野の当期の売上高は、売上高全体の69.6%を占める350,802百万円(前年同期比24.9%減)となりました。スマートフォン市場の成長停滞や、顧客によるOLEDディスプレイ採用拡大、中国競合メーカーによる増産等により競争が激化したため、不採算製品からの撤退や白山工場の稼働停止を行いました。また、当第4四半期には、新型コロナウイルスの影響により海外での後工程生産への制約や顧客からの需要減による売上高の減少が生じました。
② 車載分野
クラスターやヘッドアップディスプレイ等の自動車用ディスプレイを中心とする車載分野の当期の売上高は、売上高全体の20.5%を占める103,562百万円(前年同期比7.8%減)となりました。中国経済の減速や米中貿易摩擦の影響等による主要地域における自動車販売の不振を背景に車載ディスプレイ需要が停滞する中、新型コロナウイルスの影響から部材不足等による後工程生産の滞りが生じたこともあり、出荷量が減少しました。
③ ノンモバイル分野
ノンモバイル分野にはデジタルカメラやウェアラブル機器等の民生機器用及び医療用モニター等の産業用のディスプレイの他、特許収入等が含まれます。当期の当分野の売上高は、売上高全体の9.9%を占める49,656百万円(前年同期比13.6%減)となりました。
超高精細なVR用ディスプレイが売上を伸ばし、ウェアラブル機器向けも好調を維持したものの、売上高比率の高いデジタルカメラ向けや米中貿易摩擦の影響を受けたノートPC向けが減少したことにより減収となりました。新型コロナウイルスの感染拡大対策としてフィリピン国内で行われた都市封鎖により、ノンモバイル分野向けディスプレイの後工程生産を主として担うフィリピンの当社生産子会社の生産が一時停止し、また、生産開始後も工場の低稼働が続いたことから、出荷に影響が生じました。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当社グループの生産品目は、広範囲かつ多種多様であり、その性能、構造、形式、販売条件などは一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、販売価格による生産額の集計は行っておりません。また、当社グループの生産体制は、主として国内の生産拠点で担っている前工程、中国、台湾及びフィリピンの製造子会社による後工程に区分して管理されております。
そのため、前工程及び後工程の生産量の単純合計がそのまま連結ベースの生産量ともならないことから、生産実績を金額又は数量で示すことはしておりません。
② 受注実績
当社グループは顧客から提示された生産計画に基づく見込生産を行っているため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社のグループは単一セグメントであるため、アプリケーション分野別に記載を行っております。
| アプリケーション分野 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| モバイル(百万円) | 350,802 | △24.9 |
| 車載(百万円) | 103,562 | △7.8 |
| ノンモバイル(百万円) | 49,656 | △13.6 |
| 合計(百万円) | 504,022 | △20.8 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| Apple Inc.グループ | 385,659 | 60.6 | 312,905 | 62.1 |
(2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前期末(2019年3月末)比148,756百万円減少の389,746百万円となりました。この主な要因は、売掛金が21,322百万円減少、在庫適正化によりたな卸資産が31,781百万円減少、白山工場の生産設備の減損等により有形固定資産が60,061百万円減少、及びJOLED株式の売却により投資有価証券が24,108百万円減少したことです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前期末比201,257百万円減少の336,382百万円となりました。これは主に、株式会社INCJとのリファイナンスにより有利子負債が87,841百万円減少、買掛金が87,153百万円減少、前受金が12,823百万円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前期末比52,500百万円増加の53,363百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失101,417百万円を計上した一方、いちごトラスト及び株式会社INCJに対する152,400百万円の第三者割当増資により株主資本が前期末比50,982百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は13.1%(前連結会計年度末は△0.2%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は66,380百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,608百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失98,446百万円の計上の他、運転資金の支出等により、87,111百万円の支出(前連結会計年度は6,604百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出16,075百万円があった一方、持分法適用関連会社であった株式会社JOLEDの株式の売却による収入46,320百万円等により、28,069百万円の収入(前連結会計年度は36,614百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、Ichigo Trust及び株式会社INCJに対する第三者割当による優先株式の発行、及び株式会社INCJからの借入並びに同社によるリファイナンスに伴う資金の増減の結果、57,682百万円の収入(前連結会計年度は30,968百万円の収入)となりました。
(資金調達の状況)
当社では、事業環境の急激な変化の結果、資金繰り及び収益性が大きく悪化するに至り、前期においても親会社株主に帰属する当期純利益で赤字を計上したことから純資産の毀損が生じるとともに、当社単独での事業継続を前提とした場合、当社の現預金残高(連結)が当社の足元の運転資金(事業上必要となる資本的支出を含む。)として当社の事業価値の維持に最低限必要と見込まれる水準を下回ることとなる可能性が否定できない状況に陥りました。このような状況を受け、当社は、悪化した資金繰りの抜本的な解決や上場会社として適切な純資産額水準の確保のためには、大規模な資本性資金が早期に必要であると判断し、当社に対する資本性資金の提供を含む支援をいただけるスポンサーの選定を行いました。その結果、2020年1月31日にいちごトラストとの間で資本提携契約を締結し、本資本提携契約に基づき、2020年3月26日にいちごトラストに対する第三者割当の方法によるB種優先株式の発行及び第11回新株予約権の発行を行い、同日、B種優先株式に係る504億円の調達を完了いたしました。調達した資金は、主として成長事業における設備投資に250億円、運転資金として249.3億円等に充当いたします。
これにより、当社の資金繰り及び財務状況は改善をいたしましたが、その一方で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により事業への影響が生じており、今後の当社事業や財務への影響も正確に見通せない状況が続いております。このため、当社は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の長期化等によって当社の受注状況、取引先との協議状況や事業活動等に悪影響が生じた場合に必要となり得る追加運転資金の確保への手当てを行うとともに、財務体質の更なる良化により資金調達の選択肢を増やし資金調達余力を向上させるため、2020年7月21日付で、いちごトラストとの間で、いちごトラストに対する第三者割当によるD種優先株式(調達総額50億円)及びE種優先株式を目的とする第12回新株予約権(行使時の調達総額554億円)の発行(以下D種優先株式の発行と併せて「本第三者割当」)による追加の資金調達に関する資本提携契約を締結いたしました。本追加資本提携契約に基づき、当社は、2020年8月28日に本第三者割当を実施し、D種優先株式に係る50億円の調達を完了する予定です。当該50億円は運転資金に充当し、第12回新株予約権の行使により発行するE種優先株式に係る最大554億円の調達につきましては、借入金の弁済に充当する予定です。なお、本第三者割当に先立ち、いちごトラストが当該時点で保有する第11回新株予約権の全部を放棄することを、いちごトラストと合意しております。
当社は、上記資金調達により今後必要となる可能性がある追加運転資金への手当てを行い当社の事業価値を維持するとともに、財務体質の更なる良化により資金調達の選択肢を増やし、資金調達余力を向上させることで、将来的な資金需要(新型コロナウイルスの感染拡大の長期化や更なる景気後退等により、当社の受注状況、取引先との協議状況や事業活動等に更なる悪影響が生じることに伴う想定以上の必要運転資金の増加を含む。)に対して機動的に対応できる可能性が高まるものと考えております。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、「2 事業等のリスク (26) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消するための当社グループの取り組みについては、「2 事業等のリスク (26) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおりであります。