有価証券報告書-第9期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/22 12:03
【資料】
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【項目】
117項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金、賞与引当金、返品調整引当金、売上割戻引当金、退職給付に係る負債、税金費用等の見積はそれぞれ適正であると判断しております。
(2)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は雇用・所得環境の改善や、企業収益が引き続き好調に推移したことで、景気の緩やかな回復基調が継続いたしました。しかし世界経済におきましては、米国が保護主義的な通商政策を進めており、中国との貿易摩擦やイランへの経済制裁が再開されるなど、依然として先行き不透明な状況も存在しております。
世界の農業をとりまく環境につきましては、今後も世界的な人口増加を背景に、農産物需要がますます世界中で増大することが予測されております。生態系への影響を最小限にするためにも、限られた耕作地を有効活用し、農業の生産性を上げるための農業生産資材や栽培技術の開発が非常に重要です。
また自然環境や社会問題などの解決を目的に2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」をめぐり、日本国内でも機運が高まってきており、サスティナビリティ(持続可能性)への取り組みは、企業の社会的責任として取り組んでいくべきものとなっております。
このような状況下、当社グループでは市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図ってまいりました。また7月にスペインのLIDA Plant Research, S.L.社とCAPA ECOSYSTEMS S.L.U.社の株式取得、8月に株式会社むさしのタネの増資引受、12月にベルグアース株式会社との資本業務提携とオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の株式取得など、国内外で積極的なM&Aもあわせて実行してまいりました。その結果、取得関連費用や試験研究費などの費用が先行して発生しましたが、将来にわたり継続的に高品質な製品供給ができる体制を積極的に整備してまいりました。
以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は152億78百万円(前連結会計年度比11億60百万円増加、同8.2%増)、営業利益17億62百万円(前連結会計年度比1億20百万円減少、同6.4%減)、経常利益17億57百万円(前連結会計年度比1億32百万円減少、同7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億57百万円(前連結会計年度比40百万円減少、同3.1%減)となりました。
当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の国内市場においては、7月に発生した西日本豪雨や9月に近畿地方を中心に大きな被害を出した台風21号や北海道胆振東部地震の発生などにより、農作物の生産に深刻な影響を及ぼした一年でした。
このような中、農薬分野では、国内においては、水稲用除草剤などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して好調に推移しましたが、殺虫剤「オンコル」や殺ダニ剤「ダニサラバ」の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「シフルメトフェン」、殺菌剤「カリグリーン」の販売が好調に推移し拡大することができましたが、除草剤「ベンゾフェナップ」の出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は103億44百万円(前連結会計年度比99百万円増加、同1.0%増)となりました。
肥料・バイオスティミュラント分野では、国内においては、養液土耕栽培用システム及び肥料の出荷が昨年比で増加したほか、主力製品である「ハウス肥料」や「OK-Fシリーズ」などの既存製品が堅調に推移しました。また海外向けのバイオスティミュラント剤「アトニック」につきましても、数年来拡大の続くベトナム市場での出荷量の増加や、チェコの子会社 Asahi Chemical Europe s.r.o.などを通じて積極的な営業活動を展開したことで、売上が好調に推移しました。その結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は49億34百万円(前連結会計年度比10億61百万円増加、同27.4%増)となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
アグリテクノ事業7,670119.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
アグリテクノ事業1,49999.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。
分野別の名称当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
農薬10,344101.0
肥料・バイオスティミュラント4,934127.4
合計15,278108.2

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年1月1日
至 2017年12月31日)
当連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
金額
(百万円)
割合(%)金額
(百万円)
割合(%)
住商アグロインターナショナル株式会社1,40910.01,65510.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は295億27百万円となり、174億33百万円増加しました。その内訳は、流動資産が45億4百万円増加、固定資産が129億29百万円増加したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は139億84百万円となり、45億4百万円増加しました。その主な要因は、受取手形及び売掛金が15億55百万円増加、商品及び製品13億円増加がしたことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は155億43百万円となり、129億29百万円増加しました。その主な要因は、建物及び構築物が6億11百万円増加、のれんが105億27百万円増加したことによるものであります。
② 負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は184億92百万円となり、142億44百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金が130億5百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は37億16百万円となり、22億3百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が18億60百万円増加、繰延税金負債が1億62百万円増加したことによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の部は73億18百万円となり、9億85百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が10億48百万円増加したことによるものであります。
(5)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億62百万円増加し、当連結会計年度末には22億94百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は4億87百万円(前連結会計年度は4億57百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益17億58百万円、減価償却費2億55百万円に対して、支出面では、たな卸資産の増加額11億6百万円、仕入債務の減少額3億47百万円、法人税等の支払額6億44百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は99億33百万円(前連結会計年度は2億50百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億43百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出95億42百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は110億93百万円(前連結会計年度は10億87百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の増加額113億19百万円、長期借入金の返済による支出42百万円、配当金の支払額1億94百万等によるものであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は166億63百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22億94百万円となっております。