有価証券報告書-第11期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、個人消費や企業活動が停滞し非常に厳しい状況で推移しました。2020年5月の政府による緊急事態宣言の解除以降、経済・社会活動は緩やかに再開されましたが、依然として同ウイルス感染症の拡大傾向が続いており、景気の先行き不透明な状況が続いております。
一方で世界経済におきましても、中国では比較的早めに景気回復基調が見られましたが、米国や欧州においては同ウイルスの感染拡大の影響から景気回復が鈍化あるいは悪化している状況が続いております。
世界的な農業を取り巻く環境としましては、国連食糧農業機関(FAO)が2020年に「国際植物防疫年2020」の開始を宣言しました。FAOによると、およそ世界の食料の80%以上が植物由来であり、このうち最大40%が病害虫の被害で失われているとされています。このためFAOは、飢餓、貧困、経済発展等の重要な課題に取り組むためには、農作物を病害虫や雑草から守るための施策を促進し、実行することが重要であるとしています。
また2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の中でも、飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する、という目標があり、当社グループが注力している事業内容と一致しております。
当社グループでは市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図り、世界の農業が抱える課題解決に引き続き取り組んでまいります。
当社におきましては2020年2月に丸善薬品産業株式会社と業務提携契約を結び、国内市場において生産者重視の営業体制を構築しました。
以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は202億88百万円(前連結会計年度比16億21百万円減少、同7.4%減)、営業利益15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、経常利益13億46百万円(前連結会計年度比5億8百万円増加、同60.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17,747.9%増)となりました。
当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。
農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤や殺菌剤「ショウチノスケ」、グリーン農薬(注1)「サフオイル」などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して好調に推移しましたが、殺虫剤「ハチハチ」や水稲除草剤の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」の販売が好調に推移し拡大することができましたが、殺菌剤「ガッテン」、殺虫剤「オンコル」の出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は96億22百万円(前連結会計年度比7億29百万円減少、同7.1%減)となりました。
肥料・バイオスティミュラント(注2)分野では、国内においては、養液土耕栽培システムの出荷が増加しましたが、海外においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて需要が減少したオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の花卉資材やバイオスティミュラント剤「アトニック」の出荷が昨年比で減少しました。これらの結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は106億66百万円(前連結会計年度比8億91百万円減少、同7.7%減)となりました。
(注1)グリーン農薬:農薬登録を有する天然・食品添加物由来又は有機JAS適合農薬など使用回数に制限のない安心安全な環境にも優しい防除資材
(注2)バイオスティミュラント:植物が本来持つ能力や機能を高め、耐寒性、耐暑性、病害虫耐性及び成長促進を促す物質や技術の総称
一方で、前連結会計年度ではクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収に伴う取得原価の再配分の影響で、売上原価が多額になっておりましたが、当連結会計年度においてはその影響がなかったことで、営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)となりました。
また、OATアグリフロンティア社の清算結了による特別利益を1億54百万円計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17747.9%増)となりました。
なお薬害につきましては、原因の特定がなされておりますので、今後の再発防止に努めてまいります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。
(注)主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(3)財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は288億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億76百万円減少しました。その内訳は、流動資産が5百万円増加、固定資産が8億81百万円減少したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は144億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が3億21百万円増加、受取手形及び売掛金が3億33百万円増加、商品及び製品が3億98百万円減少、原材料及び貯蔵品が1億72百万円減少、仕掛品が1億35百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は144億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億81百万円減少しました。その主な要因は、のれんが3億51百万円減少、土地が1億15百万円減少、顧客関係資産が97百万円減少、機械装置及び運搬具が96百万円減少したことによるものであります。
② 負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は108億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億91百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が3億86百万円減少、短期借入金が4億32百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は104億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が4億76百万円減少、長期預り金が37百万円減少したことによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の部は76億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億24百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8億37百万円、剰余金の配当2億16百万円、為替換算調整勘定の増加1億13百万円等によるものであります。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億99百万円増加し、当連結会計年度末には35億27百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は19億37百万円(前連結会計年度は23億92百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益13億76百万円、減価償却費8億42百万円、のれん償却額5億70百万円、たな卸資産の減少額7億36百万円等に対して、支出面では、売上債権の増加額3億7百万円、法人税等の支払額6億1百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は2億58百万円(前連結会計年度は4億64百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億17百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は13億39百万円(前連結会計年度は8億93百万の支出)となりました。これは主として収入面では、長期借入金による収入27億79百万円によるものです。また主な支出面では、短期借入金の減少額1億55百万円、長期借入金の返済による支出35億76百万円、配当金の支払額2億16百万円等によるものであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は156億58百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は35億27百万円となっております。
(6)経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における取り組みとして、農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤、殺菌剤「ショウチノスケ」、殺虫剤殺ダニ剤「サフオイル」を中心に積極的な営業活動を展開してまいりました。一方で海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」、殺菌剤「ガッテン」「カリグリーン」、殺虫剤「オンコル」を中心に米州、アジア地域で積極的な営業活動を展開してまいりました。肥料・バイオスティミュラント分野においては、養液土耕栽培システム及びその肥料、「ハウス肥料」、「OK-Fシリーズ」などの既存製品に積極的な営業活動を展開してまいりました。更に、国内において子会社であるスペインのLIDA Plant Research, S.L.のバイオスティミュラント「リダバイタル」「アルガミックス」「フルボディ」の販売を開始しました。またオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)はコロナ禍の影響を受け収益が大きく悪化する予測ではありましたが、徐々に回復し当社連結グループの売上高に貢献しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、売上高営業利益率は7.5%(前連結会計年度比2.5%増)、連結ROEは12.9%(前連結会計年度比12.8%増)となりました。
当社グループが目標とする経営指標である営業利益、売上高営業利益率、連結ROEにつきましては、すべて前連結会計年度比で回復いたしました。その要因としましては、前連結会計年度はクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収にともなう取得原価の再配分に伴う一過性費用が収益を大きく悪化させる要因となっておりましたが、当連結会計年度は一過性費用の影響が解消されたことにより売上原価を大きく減少させることが挙げられます。また、当連結会計年度において、投資有価証券評価損59百万円、子会社である潤禾(舟山)植物科技有限公司の固定資産減損損失47百万円などを特別損失を計上いたしましたが、連結ROEを大きく悪化させる影響はありませんでした。
当社グループが主に事業を展開する農業業界においては、国内販売におきましては、農業生産額の減少などにともない市場は縮小傾向にあり、事業環境としてはやや厳しい状況が続くものと考えられます。また、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的には拡大傾向で推移するものと予想しております。
このような中、当社グループは、「新中期経営計画 2021-2023」に基づいた重要課題に取り組み、2023年12月期には売上高234億40百万円(当連結会計年度比15.5%増)、営業利益24億50百万円(当連結会計年度比62.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億10百万円(当連結会計年度比68.5%増)、ROE13.6%(当連結会計年度比0.7%増)を達成し、持続的成長軌道に乗せるよう目指してまいります。
過去5年間の経営指標の推移
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5~15年間で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初予想していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、販売目的で保有する棚卸資産は収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては、直近の販売価額、市場環境等を勘案しておりますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することになった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、個人消費や企業活動が停滞し非常に厳しい状況で推移しました。2020年5月の政府による緊急事態宣言の解除以降、経済・社会活動は緩やかに再開されましたが、依然として同ウイルス感染症の拡大傾向が続いており、景気の先行き不透明な状況が続いております。
一方で世界経済におきましても、中国では比較的早めに景気回復基調が見られましたが、米国や欧州においては同ウイルスの感染拡大の影響から景気回復が鈍化あるいは悪化している状況が続いております。
世界的な農業を取り巻く環境としましては、国連食糧農業機関(FAO)が2020年に「国際植物防疫年2020」の開始を宣言しました。FAOによると、およそ世界の食料の80%以上が植物由来であり、このうち最大40%が病害虫の被害で失われているとされています。このためFAOは、飢餓、貧困、経済発展等の重要な課題に取り組むためには、農作物を病害虫や雑草から守るための施策を促進し、実行することが重要であるとしています。
また2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の中でも、飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する、という目標があり、当社グループが注力している事業内容と一致しております。
当社グループでは市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図り、世界の農業が抱える課題解決に引き続き取り組んでまいります。
当社におきましては2020年2月に丸善薬品産業株式会社と業務提携契約を結び、国内市場において生産者重視の営業体制を構築しました。
以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は202億88百万円(前連結会計年度比16億21百万円減少、同7.4%減)、営業利益15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、経常利益13億46百万円(前連結会計年度比5億8百万円増加、同60.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17,747.9%増)となりました。
当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。
農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤や殺菌剤「ショウチノスケ」、グリーン農薬(注1)「サフオイル」などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して好調に推移しましたが、殺虫剤「ハチハチ」や水稲除草剤の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」の販売が好調に推移し拡大することができましたが、殺菌剤「ガッテン」、殺虫剤「オンコル」の出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は96億22百万円(前連結会計年度比7億29百万円減少、同7.1%減)となりました。
肥料・バイオスティミュラント(注2)分野では、国内においては、養液土耕栽培システムの出荷が増加しましたが、海外においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて需要が減少したオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の花卉資材やバイオスティミュラント剤「アトニック」の出荷が昨年比で減少しました。これらの結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は106億66百万円(前連結会計年度比8億91百万円減少、同7.7%減)となりました。
(注1)グリーン農薬:農薬登録を有する天然・食品添加物由来又は有機JAS適合農薬など使用回数に制限のない安心安全な環境にも優しい防除資材
(注2)バイオスティミュラント:植物が本来持つ能力や機能を高め、耐寒性、耐暑性、病害虫耐性及び成長促進を促す物質や技術の総称
一方で、前連結会計年度ではクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収に伴う取得原価の再配分の影響で、売上原価が多額になっておりましたが、当連結会計年度においてはその影響がなかったことで、営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)となりました。
また、OATアグリフロンティア社の清算結了による特別利益を1億54百万円計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17747.9%増)となりました。
なお薬害につきましては、原因の特定がなされておりますので、今後の再発防止に努めてまいります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
アグリテクノ事業 | 9,517 | 91.4 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
アグリテクノ事業 | 931 | 89.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。
分野別の名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
農薬 | 9,622 | 93.0 |
肥料・バイオスティミュラント | 10,666 | 92.3 |
合計 | 20,288 | 92.6 |
(注)主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(3)財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は288億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億76百万円減少しました。その内訳は、流動資産が5百万円増加、固定資産が8億81百万円減少したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は144億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が3億21百万円増加、受取手形及び売掛金が3億33百万円増加、商品及び製品が3億98百万円減少、原材料及び貯蔵品が1億72百万円減少、仕掛品が1億35百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は144億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億81百万円減少しました。その主な要因は、のれんが3億51百万円減少、土地が1億15百万円減少、顧客関係資産が97百万円減少、機械装置及び運搬具が96百万円減少したことによるものであります。
② 負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は108億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億91百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が3億86百万円減少、短期借入金が4億32百万円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は104億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が4億76百万円減少、長期預り金が37百万円減少したことによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の部は76億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億24百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8億37百万円、剰余金の配当2億16百万円、為替換算調整勘定の増加1億13百万円等によるものであります。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億99百万円増加し、当連結会計年度末には35億27百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は19億37百万円(前連結会計年度は23億92百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益13億76百万円、減価償却費8億42百万円、のれん償却額5億70百万円、たな卸資産の減少額7億36百万円等に対して、支出面では、売上債権の増加額3億7百万円、法人税等の支払額6億1百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は2億58百万円(前連結会計年度は4億64百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億17百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は13億39百万円(前連結会計年度は8億93百万の支出)となりました。これは主として収入面では、長期借入金による収入27億79百万円によるものです。また主な支出面では、短期借入金の減少額1億55百万円、長期借入金の返済による支出35億76百万円、配当金の支払額2億16百万円等によるものであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は156億58百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は35億27百万円となっております。
(6)経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容
当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における取り組みとして、農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤、殺菌剤「ショウチノスケ」、殺虫剤殺ダニ剤「サフオイル」を中心に積極的な営業活動を展開してまいりました。一方で海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」、殺菌剤「ガッテン」「カリグリーン」、殺虫剤「オンコル」を中心に米州、アジア地域で積極的な営業活動を展開してまいりました。肥料・バイオスティミュラント分野においては、養液土耕栽培システム及びその肥料、「ハウス肥料」、「OK-Fシリーズ」などの既存製品に積極的な営業活動を展開してまいりました。更に、国内において子会社であるスペインのLIDA Plant Research, S.L.のバイオスティミュラント「リダバイタル」「アルガミックス」「フルボディ」の販売を開始しました。またオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)はコロナ禍の影響を受け収益が大きく悪化する予測ではありましたが、徐々に回復し当社連結グループの売上高に貢献しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、売上高営業利益率は7.5%(前連結会計年度比2.5%増)、連結ROEは12.9%(前連結会計年度比12.8%増)となりました。
当社グループが目標とする経営指標である営業利益、売上高営業利益率、連結ROEにつきましては、すべて前連結会計年度比で回復いたしました。その要因としましては、前連結会計年度はクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収にともなう取得原価の再配分に伴う一過性費用が収益を大きく悪化させる要因となっておりましたが、当連結会計年度は一過性費用の影響が解消されたことにより売上原価を大きく減少させることが挙げられます。また、当連結会計年度において、投資有価証券評価損59百万円、子会社である潤禾(舟山)植物科技有限公司の固定資産減損損失47百万円などを特別損失を計上いたしましたが、連結ROEを大きく悪化させる影響はありませんでした。
当社グループが主に事業を展開する農業業界においては、国内販売におきましては、農業生産額の減少などにともない市場は縮小傾向にあり、事業環境としてはやや厳しい状況が続くものと考えられます。また、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的には拡大傾向で推移するものと予想しております。
このような中、当社グループは、「新中期経営計画 2021-2023」に基づいた重要課題に取り組み、2023年12月期には売上高234億40百万円(当連結会計年度比15.5%増)、営業利益24億50百万円(当連結会計年度比62.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億10百万円(当連結会計年度比68.5%増)、ROE13.6%(当連結会計年度比0.7%増)を達成し、持続的成長軌道に乗せるよう目指してまいります。
過去5年間の経営指標の推移
2016年 12月期 | 2017年 12月期 | 2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | |
営業利益(百万円) | 1,603 | 1,882 | 1,743 | 1,077 | 1,512 |
売上高営業利益率(%) | 12.4 | 13.3 | 11.4 | 4.9 | 7.5 |
連結ROE(%) | 21.9 | 25.3 | 19.9 | 0.1 | 12.9 |
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5~15年間で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初予想していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、販売目的で保有する棚卸資産は収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては、直近の販売価額、市場環境等を勘案しておりますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することになった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。