有価証券報告書-第22期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 15:19
【資料】
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【項目】
137項目
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀による金融政策等を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られ、全体として緩やかな回復基調にて推移いたしました。
現在の学校教育を取り巻く環境の変化としては、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」の公表及び教育政策「第3期教育振興基本計画」(計画期間2018~2022年度)の公表が挙げられます。これらに基づき、情報活用能力の育成、授業の改善及び教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行しております。
このような市場動向のもと、当連結会計年度の当社グループ業績は、次のとおりとなりました。
高校・大学市場では、教材提供クラウドサービス分野製品及び運用管理システム分野製品が前年同期比で増加した一方で、講義支援分野製品の販売及び一部ハードウエアの仕入販売が前年同期比で減少した結果、高校・大学市場における受注額は前年同期比で減少となりました。小学校・中学校市場における受注額は、授業支援分野製品が前年同期比で増加したことに加え、無害化製品が寄与し、前年同期比で増加しました。これにより、高校・大学市場と小学校・中学校市場の受注金額構成比は68%:32%となりました。これらに加え自治体への無害化製品等の販売が寄与したことで、売上高は2,030,388千円(前年同期比24,789千円増)となりました。
しかしながら、Chromebook等の新しい環境に対応するための製品開発の推進及びソフトウエアの減価償却負担が増加しことにより、製品製造原価が前年同期比で増加し、営業利益77,708千円(前年同期比123,376千円減)となりました。持分法による投資損失14,223千円(前年同期は持分法による投資利益36,336千円)を計上したことから、経常利益は61,524千円(前年同期比192,080千円減)となりました。さらに、小学校・中学校市場向けに展開している授業・学習支援システム 「らくらく先生シリーズ」について販売状況等を基にソフトウエア資産計上額の厳格な評価を行い、減損損失89,659千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10,575千円(前年同期比173,350千円減)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は2,408,486千円(前連結会計年度末は2,442,192千円)、負債合計は928,945千円(前連結会計年度末は926,301千円)、純資産合計は、1,479,540千円となりました。
なお、当社グループは、学校教育ICT事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より259,565千円増加し、686,589千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、380,131千円の収入(前年同期は141,438千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費171,601千円、減損損失89,659千円、仕入債務の増加59,414千円が計上されたことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,229千円の支出(前年同期は462,017千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入180,000千円があった一方で、無形固定資産の取得による支出が220,489千円生じたことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、111,337千円の支出(前年同期は16,012千円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出47,606千円が生じたことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
学校教育ICT事業546,733108.1

(注) 1.金額は製品製造原価とソフトウエアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
c. 販売実績
当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
学校教育ICT事業2,030,388101.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,030,388千円(前年同期比1.2%増)となりました。内訳は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度は、売上原価が1,017,027千円(前年同期比14.4%増)、売上総利益が1,013,360千円(前年同期比9.3%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は935,652千円(前年同期比2.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は77,708千円(前年同期比61.4%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は2,029千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は18,212千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は61,524千円(前年同期比75.7%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は△18,327千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10,575千円(前年同期比94.3%減)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末における資産の額は、2,408,486千円(前連結会計年度末は2,442,192千円)となり、33,705千円減少しました。これは主に、ソフトウエア等無形固定資産が53,135千円減少したことによるものです。
負債の額は、928,945千円(前連結会計年度末は926,301千円)となり、2,643千円増加しました。これは主に、長期借入金が62,208千円減少した一方で、買掛金が59,414千円増加したことによるものです。
純資産の額は、1,479,540千円となり(前連結会計年度末は1,515,890千円)となり、36,349千円減少しました。これは主に利益剰余金が10,575千円増加した一方で自己株式が47,606千円増加したことによるものです。
c.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
d. 経営戦略の現状と見通し
現在の学校教育を取り巻く環境の変化として、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」の公表および教育政策「第3期教育振興基本計画」(計画期間 2018~2022年度)に関する答申の公表が挙げられます。これらにより、情報活用能力の育成、授業の改善および教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行するものと見込まれます。このような環境変化に対して、市場のニーズを満たす新製品を継続的に投入できるようにするとともに、既存製品のバージョンアップにも積極的に取り組んでまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。