有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 15:42
【資料】
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【項目】
145項目
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策等を背景に緩やかな回復基調にて推移しておりましたが、第4四半期以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、足元では景況感が急速に落ち込み、経済活動の停滞から先行き不透明な状況が続いております。
学校教育を取り巻く環境としては、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」に基づき、情報活用能力の育成、授業の改善及び教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行しております。また政府が公表した「GIGAスクール構想」によって、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備が開始されており、新型コロナウイルス感染拡大による学校の臨時休校の長期化から、その推進は加速するものと見込まれております。
このような市場動向のもと、当連結会計年度の当社グループ業績は、次のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は3,186,605千円(前年同期比56.9%増)となりました。これは新たに進路部門の売上が計上されたほか、学習部門及び情報基盤部門も増収となったことによるものです。
当連結会計年度の営業利益は241,902千円(前年同期比211.3%増)となりました。これは主に、情報基盤部門が増益となったことによるものです。
当連結会計年度の経常利益は234,402千円(前年同期比281.0%増)となりました。これは主に、営業利益の増加によるものです。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は154,352千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益10,575千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(学習部門)
学習部門においては、高校・大学のCALL教室向けに、講義支援システム「CaLaboEX」や画像転送システム「S600-OP」等の受注が前年比で増加したことや、株式会社VERSION2が提供するeラーニングシステム「Glexa」の販売が伸びたこと等により、売上高は1,178,046千円(前年同期比2.2%増)となりました。仕入販売の比率が増えたことなどにより、セグメント利益は323,969千円(前年同期比0.0%減)となりました。
(進路部門)
進路部門においては、第2四半期連結累計期間より、株式会社昭栄広報及び株式会社エーアンドシーの業績を連結に含んでおりますが、進学相談会の開催及び進学情報誌の刊行により売上高は893,124千円、セグメント利益は11,780千円となりました。
(情報基盤部門)
情報基盤部門においては、全国の教育委員会からの受注が好調であり、フィルタリングソフト「InterSafe」、次世代アプライアンス「ezContainer」、リカバリソフト「Winkeeper」「WinkeeperTB」、統合ICT管理システム「ExtraConsole」及び無線LAN最適化ソリューション「Tbridge」等が前年同期比で増加しました。結果、売上高は1,115,434千円(前年同期比27.2%増)、セグメント利益は400,842千円(前年同期比62.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より494,478千円増加し、1,181,067千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、507,794千円の収入(前年同期は380,131千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益252,141千円に加え、減価償却費198,546千円、売上債権の減少184,953千円が計上されたことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、872千円の収入(前年同期は9,229千円の支出)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入221,841千円及び貸付金の回収による収入94,735千円があった一方で、無形固定資産の取得による支出103,465千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出126,330千円が生じたことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,188千円の支出(前年同期は111,337千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出12,204千円が生じたことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
学習部門292,71398.1
進路部門169,851-
情報基盤部門95,568119.4
その他34,85048.1
合計592,984131.5

(注) 1.前連結会計年度までは製品製造原価とソフトウエアのうち自社開発分(資産計上分)の合計による金額を表示しておりましたが、当連結会計年度より製造原価による金額での表示に変更しております。この変更に伴い、前年同期比につきましても製造原価による金額により表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
学習部門1,178,046102.2
進路部門893,124-
情報基盤部門1,115,434127.2
その他--
合計3,186,605156.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a)市場販売目的のソフトウエアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウエアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益が減少した場合、ソフトウエアの減価償却費が増加する可能性があります。
(b)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合、繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。
(c)のれんの減損
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は3,186,605千円(前年同期比56.9%増)となりました。内訳は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度は、売上原価が1,262,874千円(前年同期比24.2%増)、売上総利益が1,923,730千円(前年同期比89.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,681,828千円(前年同期比79.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は241,902千円(前年同期比211.3%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は13,159千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は20,659千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は234,402千円(前年同期比281.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は97,789千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は154,352千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益10,575千円)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末における資産の額は、3,031,414千円(前連結会計年度末は2,408,486千円)となり、622,928千円増加しました。これは主に、現金及び預金が494,838千円増加したことによるものです。
負債の額は、1,399,103千円(前連結会計年度末は928,945千円)となり、470,158千円増加しました。これは主に、退職給付に係る負債の増加256,999千円、前受金の増加63,267千円によるものです。
なお、退職給付に係る負債の増加は、株式会社昭栄広報の貸借対照表を連結したことが主な要因となります。
純資産の額は、1,632,311千円(前連結会計年度末は1,479,540千円)となり、152,770千円増加しました。これは主に利益剰余金が148,320千円増加した一方で自己株式が227千円増加したことによるものです。
c.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
d. 経営戦略の現状と見通し
学校教育を取り巻く環境としては、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」に基づき、情報活用能力の育成、授業の改善及び教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行しております。また政府が公表した「GIGAスクール構想」によって、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備が開始されており、新型コロナウイルス感染拡大による学校の臨時休校の長期化から、その推進は加速するものと見込まれております。このような環境変化に対して、市場のニーズを満たす新製品を継続的に投入できるようにするとともに、既存製品のバージョンアップにも積極的に取り組んでまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。