有価証券報告書-第64期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:23
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【項目】
145項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の概要
当連結会計年度における世界経済は、米国においては、雇用環境が底堅く経済を下支えしていましたが、欧州・中国においては、英国のEU離脱問題や、長期化する米中貿易摩擦の影響等から景気は減速傾向にありました。期末にかけては、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、世界的に経済活動の自粛を余儀なくされ、主要国において経済が大幅に悪化いたしました。
わが国経済では、雇用・所得環境の改善等が内需の底堅さを支えていましたが、度重なる自然災害や消費税増税等により景気が落ち込む中、新型コロナウイルス感染拡大の影響により急激に悪化しました。
当社グループの主要な取引先であるアパレル業界においては、販売チャネルの多様化、低価格志向・選別消費の傾向が依然として根強く残るなか、天候不順等による消費マインドの低下もマイナス要因となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、サプライチェーンの途絶や、外出自粛及び休業要請により店舗における販売が大幅に減少する等、一層厳しい状況が続きました。
このような状況の中、当社グループでは、上半期においては、気候要因によるアパレル業界の生産調整や、顧客の物流施策の変更等により、売上高が減少しました。下半期に入り、特定の大手SPA向けのカジュアルウェアを中心に受注が回復傾向に転じたものの、上半期の低迷をリカバリーするまでには至りませんでした。利益につきましては、生産性の向上や固定費の削減等に努めましたが、売上高の減少に伴う利益の減少を十分に補うことはできませんでした。
当社グループが展開する国ごとの生産状況は以下のとおりであります。
(中国)
顧客の物流施策の変更等により、特定の大手SPA向けのカジュアルウェア等の売上が減少しました。また、新
型コロナウイルス感染症の影響で、一時的に工場の操業停止を余儀なくされましたが、比較的早期に操業を再開し、生産活動に与える影響は限定的なものに留まりました。
(バングラデシュ)
カジュアルウェア及びワーキングウェアの生産は比較的順調に進みましたが、インナーウェアの受注が伸び悩み、前連結会計年度に完成したTM Textiles& Garments Ltd.第3期工場の生産は低調に推移しました。
(ミャンマー)
前連結会計年度に増床工事が完了したMYANMAR POSTARION CO., LTDのシュエピター工場では順調に生産ラインの拡大を進め、生産体制の強化に取り組みました。
(ベトナム)
PHU THO MATSUOKA CO.,LTDの第3期工場では、受注は伸び悩みましたが、需給バランスを見据えたライン増設に取り組む等、効率性を重視した運営に努めたほか、ベトナムでのさらなる生産能力拡大を目指し、2019年11月にAN NAM MATSUOKA GARMENT CO., LTDを設立しました。
(インドネシア)
前連結会計年度より操業を開始しましたPT. MATSUOKA INDUSTRIES INDONESIAの稼働が軌道に乗り始め、新設備の導入により生産性向上を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は571億12百万円(前期比9.9%減)、営業利益は26億3百万円(同22.6%減)となり、営業外費用として鞄事業に係る債権に対して貸倒引当金を計上したこと等により経常利益は25億23百万円(同22.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失としてBAC GIANG MATSUOKACO.,LTDにおける減損損失を計上したこと等により11億75百万円(同65.3%減)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べて1億10百万円減少し、442億24百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて4億50百万円減少し、188億67百万円となり、純資産は前連結会計年度末に比べて3億39百万円増加し、253億57百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー22億82百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー14億93百万円の使用、財務活動によるキャッシュ・フロー1億44百万円の使用となった結果、前連結会計年度末に比べて5億23百万円増加し、90億14百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは22億82百万円の獲得(前期は48億77百万円の獲得)となりました。主な要因としては、法人税等の支払14億90百万円、売上債権の増加6億45百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上21億97百万円、減価償却費の計上13億95百万円、貸倒引当金の増加7億82百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは14億93百万円の使用(前期は33億19百万円の使用)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出10億74百万円、無形固定資産の取得による支出3億49百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1億44百万円の使用(前期は13億88百万円の使用)となりました。主な要因としては、長期借入れによる収入8億27百万円等があったものの、配当金の支払額4億99百万円、短期借入金の純減額1億57百万円、長期借入金の返済による支出1億53百万円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、アパレルOEM事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
金額(百万円)前期比(%)
アパレルOEM事業49,23590.9
合計49,23590.9

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、アパレルOEM事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
アパレルOEM事業49,51882.114,54565.7
合計49,51882.114,54565.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、受注残高が著しく減少しております。これは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い需要が減少したためであります。
c.販売実績
生産国別の販売実績は次のとおりであります。
国名当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
販売高(百万円)前期比(%)
中国30,79281.4
バングラデシュ13,71486.2
ベトナム7,698119.4
ミャンマー3,917122.0
インドネシア967-
その他21138.2
合計57,11290.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Toray Industries(H.K.)Ltd.13,40921.211,47920.1
東レインターナショナル株式会社15,83425.011,43020.0
株式会社ユニクロ8,02812.79,75617.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前シーズンから続く夏場の天候不順や暖冬により、春夏物と秋冬物のいずれもアパレル商戦が盛り上がりに欠く結果になり、アパレル業界が生産調整に入りました。売上高につきましては、下期に入り需要が急回復しましたが、第4四半期連結会計期間で新型コロナウイルス感染症の拡大による工場の操業停止や顧客の店舗閉鎖等による需要の減少等の影響もあり、上半期の売上高の減少をリカバリーするまでには至りませんでした。また、顧客の物流施策の変更の影響もあり、前連結会計年度に比べて62億89百万円減少の571億12百万円(前期比9.9%減)となりました。
生産国別の販売実績では、中国やバングラデシュで販売実績が減少する中、生産拡大に努めているベトナムにおいては当連結会計年度の販売実績が76億98百万円と前連結会計年度と比べて12億51百万円(同19.4%増)増加しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて50億88百万円減少の496億25百万円(同9.3%減)となりました。売上高の減少に伴い、売上原価が減少しております。上半期の操業度の低下や前連結会計年度に稼働を開始した工場の先行コスト等により粗利率も低下し、売上総利益は74億87百万円(同13.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて4億42百万円減少の48億84百万円(同8.3%減)となりました。協力工場向け債権に対する貸倒引当金繰入額が前連結会計年度に比べて3億31百万円減少の4億28百万円になったこと等による減少であります。 この結果、営業利益は26億3百万円(同22.6%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億98百万円増加の4億84百万円となりました。これは主に海外政府から輸出促進に関する補助金収入が発生したこと等によるものです。当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて1億65百万円増加の5億64百万円となりました。これは主に前連結会計年度に発生した為替差損1億32百万円が剥落したものの、鞄事業に係る債権に対して貸倒引当金繰入額を3億45百万円計上したこと等によるものです。この結果、経常利益は25億23百万円(同22.3%減)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は特別利益の発生はなく、前連結会計年度に発生した中国での土地使用権及び建物売却に伴う固定資産売却益24億59百万円の剥落により、前連結会計年度に比べて24億59百万円減少しております。当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて1億64百万円減少の3億26百万円となりました。これは主に減損損失が前連結会計年度に比べて1億7百万円増加の3億26百万円計上したものの、前連結会計年度に発生した中国での土地使用権及び建物売却に伴う解約違約金2億67百万円が剥落したこと等によるものです。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11億75百万円(同65.3%減)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1億10百万円減少し、442億24百万円となりました。 主な要因としては、商品及び製品の増加6億11百万円、受取手形及び売掛金の増加5億73百万円、現金及び預金の増加5億34百万円等があったものの、原材料及び貯蔵品の減少14億66百万円、長期の貸倒引当金の増加7億50百万円(引当金のため資産の残高は減少)等があったことによるものです。
商品及び製品の減少については、商品及び製品の納期に連動しております。納期はお客様の希望等に沿っており、仕掛品や原材料及び貯蔵品の期末金額は毎年変動いたします。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて4億50百万円減少し、188億67百万円となりました。主な要因としては、長期借入金の増加5億69百万円等があったものの、未払法人税等の減少4億66百万円、支払手形及び買掛金の減少2億89百万円、短期借入金の減少2億10百万円等があったことによるものです。
短期借入金の減少については、中国での資産売却による収入で金融機関へ返済しております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて3億39百万円増加し、253億57百万円となりました。 主な要因としては、配当金の支払4億99百万円、為替換算調整勘定の減少3億67百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加11億75百万円等があったことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
内容につきましては本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資本需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末において借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は69億95百万円、現金及び現金同等物の残高は90億14百万円となっております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業活動に支障が生じるような資金繰りの悪化は発生しておりません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営成績等に及ぼす影響については、連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づき見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として会社別及び工場別にグルーピングを行い、収益性が低下した資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
収益性の低下の評価において用いる将来キャッシュ・フローについては、各社及び各工場の事業計画等に基づき見積もっていますが、経営環境の変化等により当初見込んでいた利益が得られなかった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、施策の実施に努めております。
当社グループの主要取引先であるアパレル業界においては、国内市場の縮小や販売チャネルの多様化、低価格志向や選別消費などの消費者行動の変化がみられる中、新型コロナウイルス感染拡大は世界的な広がりを見せ、グローバルなサプライチェーンの途絶や、休業要請や外出自粛により小売店舗での販売が大幅に減少するなど、その影響と収束の時期も含めた先行きを見通すことは非常に困難な状況にあります。
このような状況から、今後の当社グループを取り巻く事業環境は、一層厳しい環境下にあると言わざるを得ません。当社グループでは、日々刻々と変化する事業環境や、想定される様々なリスクを見極め、柔軟に対応できる体制を構築することこそ、最優先課題であると考えております。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、グローバルなビジネスやサプライチェーンに対して、新たな課題を突き付けることになりました。一方で、当社グループがこれまで取り組んできたグローバルな拠点展開と連携は、今後予測される先行き不透明な将来に対応するための、ビジネスモデル構築の基盤となるものとであると認識しております。今後も、グローバルネットワークをより一層強化し、生産拠点の最適化及びリスクの分散化により安定的な生産体制づくりを進め、当社グループの強みである海外生産の優位性をさらに引き出せるよう、取り組んでまいります。

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