有価証券報告書-第110期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/20 13:06
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国で成長の鈍化が見られた一方、日本や米国では緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、米国の関税措置がもたらす景気の下振れリスクから、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、為替が円安基調で推移する中、日本や北米は概ね堅調に推移しました。一方、中国ではEV化の加速や現地メーカーとの競合により、日系自動車メーカーの販売低迷が続き、アジアでも政治・経済情勢の影響から自動車の販売が落ち込むなど、厳しい事業環境が続きました。また、原材料・エネルギー価格の高止まりや人件費の上昇も、引き続きコスト面での重荷となりました。
化学品業界では、販売価格形成の基準となるナフサ価格は高水準で推移したものの、中国の需要低迷などが影響し、相場は軟調に推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループは生産・供給体制の更なる合理化や販売価格の適正化に向けた顧客との交渉を重ね、収益確保に努めるとともに、2025年3月期を最終年度とする第13次中期経営計画で定めた成長戦略を推進してまいりました。樹脂加工製品事業では、市場の変化や顧客ニーズを先取りした提案型開発に注力するとともに、展示会の開催などを通じて新規顧客の獲得に努めました。また、ドイツ系顧客向けビジネスを展開していたメキシコ子会社の譲渡を決定し、不採算部門の整理を進めるとともに、将来の成長が見込まれるインドで大規模な設備投資を行い、次期中期経営計画に向けた事業ポートフォリオの選択と集中を図りました。ケミカル事業では、「ものづくり事業の強化」と「グローバルビジネスの拡大」を掲げ、付加価値の高いコンパウンド材料の販売強化や、近年拠点を新設したインドやベトナムにおけるビジネス拡大に注力しました。また、新規事業の創出に向けたスタートアップ企業との連携や、サステナビリティ活動の深化にも取り組み、持続的な企業価値の向上を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、中国やアジアの減産はあったものの、円安の影響により、146,174百万円(前期比0.4%増)となりました。営業利益は、コスト改善や販売価格の適正化に努めたものの、減産が影響し、4,135百万円(同27.5%減)となりました。経常利益は、為替差損の計上により2,204百万円(同64.4%減)となりました。また、投資有価証券売却益2,042百万円を計上したものの、中国における減損損失やメキシコの子会社譲渡に伴う損失など特別損失11,769百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は7,814百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3,022百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(樹脂加工製品事業)
中国やアジアの減産により、グローバルの生産台数は減少しましたが、国内は堅調に推移し、さらに北米の増産と円安の追い風もあり、売上高は前期を上回りました。一方、営業利益は、原価低減や生産性向上などのコスト改善を進めたものの、中国やアジアの減産に加えて、北米で顧客の生産変動に伴う対応コストの増加や、メキシコ子会社の業績悪化などが影響し、前期を下回りました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は120,103百万円(前期比1.1%増)、営業利益は3,445百万円(同25.2%減)となりました。
(ケミカル事業)
日系自動車メーカーの減産の影響により自動車向け原材料の販売が伸び悩んだほか、前期の下期に発生した一過性の金型利益の反動減も影響しました。ものづくり分野では、顧客の生産調整の影響により医療向け高機能フィルムの販売が減少しました。一方、パソコン・スマートフォン市場の復調や生成AI市場の拡大に伴い、電機・電子分野は好調に推移しました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は26,070百万円(前期比3.1%減)、営業利益は1,235百万円(同19.7%減)となりました。
また、地域別の売上高の状況は次のとおりであります。
(日本)
日本では、自動車生産台数が堅調に推移した一方、ケミカル事業では顧客の生産調整の影響等により販売が伸び悩みました。その結果、売上高は37,563百万円(前期比0.4%減)となりました。
(北米)
北米では、自動車生産台数が前期比で増加し、為替の影響もプラスに寄与しました。その結果、売上高は74,646百万円(前期比13.2%増)となりました。
(アジア)
中国では、日系自動車メーカーの販売苦戦により、樹脂加工製品事業、ケミカル事業とも苦戦しました。アセアンでも、タイやインドネシアで生産台数が減少しました。その結果、売上高は33,736百万円(前期比19.2%減)となりました。
(その他)
その他の地域の売上高は226百万円(前期比4.0%増)となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は72,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,419百万円減少しました。これは主に、売掛金が2,719百万円、商品及び製品が1,345百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定資産は51,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,502百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が4,990百万円、建物及び構築物が2,684百万円、工具、器具及び備品が1,776百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、資産合計は124,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,921百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は52,805百万円となり、前連結会計年度末に比べ448百万円減少しました。これは主に、関係会社整理損失引当金が6,626百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が3,761百万円、短期借入金が1,267百万円、1年内返済予定の長期借入金が899百万円、電子記録債務が522百万円、その他が333百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定負債は6,917百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,961百万円減少しました。これは主に、繰延税金負債が2,462百万円、長期借入金が1,642百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、負債合計は59,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,409百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は64,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,512百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が1,179百万円増加した一方、利益剰余金が9,400百万円、その他有価証券評価差額金が2,894百万円減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より355百万円減少し、19,088百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは9,348百万円(前期は14,764百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△6,571百万円、減価償却費7,899百万円、関係会社整理損失引当金の増加額6,626百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△3,751百万円(前期は△6,630百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△6,664百万円、投資有価証券の売却による収入3,478百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△6,407百万円(前期は△7,221百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純減額△1,649百万円、長期借入金の返済による支出△2,822百万円、配当金の支払額△1,530百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
樹脂加工製品事業(百万円)129,17198.5
ケミカル事業(百万円)10,99895.8
合計(百万円)140,16998.3

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
樹脂加工製品事業115,67597.24,91392.4
ケミカル事業70,10697.32,03688.1
合計185,78197.26,95091.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの役割が代理人に該当する取引については純額で収益を認識しておりますが、受注高及び受注残高については総額の数値を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
樹脂加工製品事業(百万円)120,103101.1
ケミカル事業(百万円)26,07096.9
合計(百万円)146,174100.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Honda Development & Manufacturing of America, LLC48,42333.252,15635.7
本田技研工業株式会社21,77615.022,08115.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った商品・製品を提供することにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減した上で、適切な対応を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金と設備資金の二つです。運転資金の主なものは、製品を製造するための原材料仕入と製造費、商社として機能するための商品の仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等があります。設備資金の主なものは、増産や自動化・効率化、生産品目のモデルチェンジ対応のための建物や機械装置、金型等の有形固定資産取得に加え、情報処理のための無形固定資産取得等があります。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のために健全なバランスシートと適正な流動資産の保持を財務方針としております。運転資金、設備資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を充当し、不足分について有利子負債での調達を実施しております。長期借入については、事業計画に基づく資金需要、金利動向、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達を行っており事業継続に必要な資金を十分に賄えていると考えております。なお、投資有価証券の売却により調達した資金は、設備資金のほか、企業価値向上に向けての新規事業投資等に充当いたします。
また、不測の事態に備え、取引金融機関と当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結し、代替流動性を確保しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。また、当社グループは2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画を策定しており、最終年度である2025年3月期の目標値を営業利益率7.7%以上、ROE(自己資本利益率)9.0%以上に設定しております。当連結会計年度(2025年3月期)は、中国とアジアにおける主要顧客の減産に加えて、不採算部門の整理に伴う特別損失の計上も重なり、両指標とも未達となりました。
なお、株主還元については、将来における事業展開と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、安定した配当を継続実施していくことを基本方針としております。配当につきましては、DOE(自己資本配当率)の指標を用いて、DOE 2.2%を目途に配当を実施し、将来的には3.0%の水準まで引き上げる方針としております。
当連結会計年度を含む、直近2会計年度の各指標の推移は、次のとおりであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
営業利益率3.9%2.8%
ROE(自己資本利益率)4.2%-
自己資本比率53.4%51.1%
DOE(自己資本配当率)2.2%2.1%

(注)当連結会計年度に係るROE(自己資本利益率)については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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