有価証券報告書-第6期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/09/28 14:00
【資料】
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【項目】
101項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
平成30年4月に経済産業省が発表した「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、平成29年における中古品市場規模(自動車、バイクを除く。)の総額約2.1兆円(前年比11.7%増)のうち、「メルカリ」などのフリマアプリ市場は4,835億円とされており、前年比58.4%の成長を遂げています。
このような事業環境において、当社グループは、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の継続的な成長に向けて、TVCMやオンライン広告を中心としたマーケティング施策を実施すると共に、ライブ配信での商品販売機能「メルカリチャンネル」、スマートフォン本体の簡単出品機能や本・DVD等におけるバーコード出品機能など、様々な新機能の提供を開始いたしました。それに伴い、「メルカリ」の国内累計ダウンロード数は平成30年6月末には75.7百万件に達し、前連結会計年度末比で20.2百万件の増加となりました。また、平成30年7月13日時点でサービス開始日(平成25年7月2日)からの日本国内累計出品数が10億品を突破いたしました。
一方、米国ではCtoCマーケットプレイス「Mercari」の拡大に向けて、経営陣の強化を実施いたしました。新たな経営陣のもと、現地でのアプリ開発推進や配送機能の向上を進め、平成30年3月には米国におけるより効果的なブランド認知の構築を目指し、アプリロゴのデザイン変更を含む「Mercari」のリブランディングを行いました。「Mercari」の米国累計ダウンロード数は、前連結会計年度末比で11.6百万件増加し、平成30年6月末には39.9百万件に達しております。更なる認知拡大に向け、幅広いターゲットへリーチ可能なオンライン広告を中心に、リブランディング後はラジオ広告等のオフライン広告のトライアルも開始いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高35,765百万円(前年同期比62.0%増)、広告宣伝費の使用等に伴い営業損失4,422百万円(前連結会計年度は2,775百万円の損失)、経常損失4,741百万円(前連結会計年度は2,779百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失7,041百万円(前連結会計年度は4,207百万円の損失)となりました。
なお、当社グループはマーケットプレイス関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ63,262百万円増加し、117,752百万円となりました。これは主に、平成30年6月19日に東京証券取引所マザーズへ新規上場したことに伴い公募による新株式の発行(ブックビルディング方式による募集)等を行い、現金及び預金が58,294百万円増加したこと
に加え、未収入金が1,641百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ13,256百万円増加し、63,329百万円となりました。これは主に、短期借入金が2,500百万円減少した一方で、新規借入の実施により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が9,128百万円増加したことに加え、未払金が2,613百万円増加したこと
によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ50,005百万円増加し、54,422百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が7,041百万円減少した一方で、東京証券取引所マザーズ上場時の公募による新株式の発行(ブックビルディング方式による募集)により資本金及び資本準備金がそれぞれ28,516百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ58,294百万円増加(前年同期比114.6%増)し、当連結会計年度末には109,157百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、3,437百万円(前連結会計年度は6,351百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失4,935百万円に、未払金の増加額2,217百万円を調整したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,944百万円(前連結会計年度は936百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出692百万円、敷金の差入による支出738百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、63,617百万円(前連結会計年度は21,323百万円の獲得)となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ上場時の公募による新株式の発行(ブックビルディング方式による募集)による収入52,026百万円、運転資金拡充のための長期借入れによる収入16,000百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはマーケットプレイス関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
マーケットプレイス関連事業35,765162.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は、35,765百万円となりました。これは主に流通総額が増加したことによるものであります。
b. 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、6,806百万円となりました。これは主に売上高が増加したことによるものであります。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、33,381百万円となりました。これは主に広告宣伝費16,851百万円によるものであり、この結果、営業損失は4,422百万円となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は主に受取保険金の計上により37百万円、営業外費用は主に上場関連費用の計上により355百万円となり、この結果、経常損失は4,741百万円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券評価損により、特別損失193百万円の計上があったため税金等調整前当期純損失は4,935百万円となり、法人税等合計2,106百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は7,041百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的に広告宣伝等にコストを投下してきており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、前記「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。