有価証券報告書-第7期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/09/27 15:00
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142項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及適用後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
① 経営成績の状況
2019年5月に経済産業省が発表した「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2018年における「メルカリ」などの日本国内フリマアプリ市場は6,392億円とされており、拡大を続けております。
このような事業環境において、当社グループは、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の継続的な成長に向けて、TVCMやオンライン広告を中心としたマーケティング施策に加え、CRM施策(注1)やカテゴリー強化施策を行ったことでMAU(注2)及び購入単価が着実に増加しております。カテゴリー強化施策の一環として「あんしん・あんぜんに」「手間なく」自動車の売買ができる「メルカリあんしん自動車保証」制度と「車検証2次元コード出品」機能を自動車本体カテゴリーの商品を対象に導入する等、カテゴリー強化に取り組んでおります。また潜在的な顧客層を開拓すべく、「メルカリ」の利用方法を学べる教室を開催するなど新しい試みを行っております。更に「メルカリ」が今後も持続的な成長を遂げるためには出品数の増加が重要であると考え、出品や梱包をより手軽に行える取り組みを進めております。その一環として、AI出品(注3)の継続的な改善に加え、バーコード出品の対象カテゴリの拡大、無償で使える梱包資材を用意した梱包コーナー「つつメルすぽっと」の拡大などを進めております。2019年6月にはコインランドリーにて洗いたての洋服などを出品用に撮影できる撮影ブースを設置した実証実験を開始しました。これらの結果、「メルカリ」の日本国内流通総額(注4)は当連結会計年度において4,902億円となり、前年同期比で1,434億円増加しております。
一方、米国ではCtoCマーケットプレイス「Mercari」の拡大に向けて、サービスの利便性向上を目指し、機能開発及び改善等に継続的に注力しております。最適な出品価格を提案する機能の実装や出品に特化したUIへの変更などにより利便性を高める一方、更なる認知及び利用者数の拡大に向け、新たにオンラインメディアやTVCM等でも出品者や購入者を増やすためのキャンペーンに取り組んで参りました。この結果、「Mercari」のMAUは200万人を突破し、米国内流通総額は当連結会計年度において402億円(為替レートについては、期中平均為替レート111.11円にて換算)となり、前年同期比で167億円増加しております。
2018年4月に経済産業省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、2025年までに日本のキャッシュレス決済比率を40%にするという目標が掲げられ、産官学によるキャッシュレス化に向けた取り組みが進められております。当社グループは、「メルカリ」で培った技術力と膨大な顧客・情報基盤をもとに、スマホ決済サービス「メルペイ」の提供を2019年2月に開始しました。業種・業界を超えた中立でオープンなパートナーシップを推進していく「OPENNESS」戦略によって加盟店を拡大してきたことに加えて、「メルペイあと払い」の外部加盟店への開放やネット決済への対応などサービスの拡充に取り組んだ結果、2019年6月18日には「メルペイ」登録者数(注5)が200万人を突破し、継続して順調に増加しております。また「2019年7月QRコード決済の満足度調査」(注6)において「総合満足度」で1位となるなど、利用者の高い支持を得ております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高51,683百万円(前年同期比44.5%増)、広告宣伝費の使用や人件費の増加等に伴い営業損失12,149百万円(前連結会計年度は4,422百万円の損失)、経常損失12,171百万円(前連結会計年度は4,741百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失13,764百万円(前連結会計年度は7,041百万円の損失)となりました。
なお、当社グループはマーケットプレイス関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)1.CRM(Customer Relationship Management)施策:ユーザ活性化を図る施策
2.MAU(Monthly Active Users):1カ月に一度以上「メルカリ」又は「Mercari」を利用するユーザ
3.AI出品:出品画像を認識し、リアルタイムに商品のタイトルやブランドを表示する出品サポート機

4.メルカリ カウル(2018年12月で終了)、メルカリ メゾンズ(2018年8月で終了)、CARTUNEを経由
した購入を含む
5.メルペイ「電子マネー」の登録を行ったユーザの累計。コード払いは除く
6.MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所が2019年7月に発表
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ45,933百万円増加し、163,685百万円となりました。これは主に、2019年6月28日に新規借入れを実行したこと等により、現金及び預金が16,420百万円増加したことに加え、未収入金が11,401百万円、預け金が4,597百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ49,419百万円増加し、112,748百万円となりました。これは主に、「メルペイ」のサービス開始に伴い預り金が22,088百万円増加したことに加え、新規借入れにより長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が24,691百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,485百万円減少し、50,936百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が13,809百万円減少した一方で、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴い、当社普通株式2,840,500株のオーバーアロットメントによる売出しを行ったこと等による新株の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ5,306百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、新規連結及び連結除外の調整に伴う現金及び現金同等物の減少額96百万円を合わせて、前連結会計年度末に比べ21,616百万円増加し、当連結会計年度末には130,774百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、7,289百万円(前連結会計年度は3,437百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失12,567百万円に、預り金の増加額22,077百万円、未収入金の増加額11,405百万円、預け金の増加額4,608百万円、未払金の増加額2,442百万円、貸倒引当金の増加額946百万円、株式報酬引当金の増加額905百万円を調整し、また、法人税等の支払額2,491百万円、及び差入保証金の増加額3,929百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、2,805百万円(前連結会計年度は1,944百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,699百万円、及び敷金の差入による支出940百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、32,200百万円(前連結会計年度は63,617百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50,000百万円、長期借入金の返済による支出25,308百万円、及び当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴い、当社普通株式2,840,500株のオーバーアロットメントによる売出しを行ったこと等による株式の発行による収入8,665百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはマーケットプレイス関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
マーケットプレイス関連事業51,683144.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は、51,683百万円となりました。これは主に流通総額が増加したことによるものであります。
b. 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、12,864百万円となりました。これは主に売上高が増加したことによるものであります。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、50,968百万円となりました。これは主に広告宣伝費19,317百万円、支払手数料9,130百万円、給料及び手当7,518百万円によるものであり、この結果、営業損失は12,149百万円となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は主に受取利息の計上により91百万円、営業外費用は主に支払利息の計上により112百万円となり、この結果、経常損失は12,171百万円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
主に投資有価証券評価損及び事業整理損により、特別損失396百万円の計上があったため税金等調整前当期純損失は12,567百万円となり、法人税等合計1,197百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は13,764百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的に広告宣伝等にコストを投下してきており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、前記「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。

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