有価証券報告書-第11期(2022/07/01-2023/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度は、筋肉質でグローバルな事業基盤を構築し、成長と収益のバランスを意識した経営に取り組んで参りました。その結果、連結で過去最高の売上高と営業利益を達成しています。主力サービスである「メルカリ」がサービス開始10周年を迎えたMarketplaceでは通期GMV(注1)が1兆円規模に到達し、Fintechでは将来の成長を支えるグループシナジーの創出に向けて、新サービス(「メルカード」、ビットコイン取引サービス)をローンチするなど、新しい取り組みを開始した一年となりました。
Marketplaceでは、「CtoCとBtoCの連携強化を通じた出品増」を当期の事業方針として取り組みました。効果が積み上がる施策への規律ある投資が奏功し、MAU(注2)は2,260万人、通期GMVは前年同期比10%増加の9,846億円、調整後営業利益率(注3)は44%と、着実な成長と高い収益性を実現することができました。プロダクト面においては、新機能の追加や改修がより迅速にできるシステム環境を構築するため、「メルカリ」アプリ内部システムの刷新を実施いたしました。また、Fintechとの連携によるグループシナジー最大化に向け、ロイヤルティプログラムを開始するなど、来期以降の更なる成長に向けた施策を推進いたしました。
Fintechでは、「グループシナジー強化による循環型金融の促進」を当期の事業方針として取り組みました。「メルカード」やビットコイン取引サービスを開始するなど、今後のグループシナジー創出に向けて着実に進捗いたしました。定額払いを中心としたCreditサービスも好調に伸長したことで収益力が引き続き向上し、新規サービスへの投資を拡大しつつも通期では調整前営業黒字(注4)を計上いたしました。定額払いの成長が牽引し債権残高(注5)が1,178億円まで伸長する中、独自のAI与信を活かした厳格な与信コントロール等により債権回収率(注6)も98.7%と向上し、健全な成長を実現しています。
以上の結果、Japan Regionの当連結会計年度の業績は、売上高122,199百万円(前年同期比22.0%増)、セグメント利益34,464百万円(前年同期比107.3%増)となりました。
USでは、「出品と購入両方の促進に向けたプロダクトの磨き込みに注力」を当期の事業方針として取り組みました。主に既存ユーザに向けた効率的なマーケティング活動を実施したことに加えて、小型荷物の配送料金を低減する新プランの導入や一括配送オプションの導入など、購入の促進と購入者負担の軽減に向けた様々な施策を実施しました。一方で、昨年度に引き続きインフレをはじめとする外部環境の影響によって購入の鈍化傾向が継続したことで、通期GMV成長率は前年同期比11%の減少となりました。以上の結果、「Mercari」のGMVは当連結会計年度において1,015百万米ドル(1,395億円。月次平均為替レート換算での積み上げ)となり前年同期比で130百万米ドル減少し、MAUは477万人となりました。売上高は44,440百万円(前年同期比6.8%増)となりました。一方、より筋肉質な経営に向けて、費用の見直しを行い、セグメント損失は8,804百万円(前年同期は12,135百万円の損失)と大きく改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高172,064百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益17,023百万円(前年同期は3,715百万円の損失)、経常利益17,449百万円(前年同期は3,896百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益13,070百万円(前年同期は7,569百万円の損失)となりました。
(注)1.「Gross Merchandise Value」の略。流通取引総額のことを指す。
2.「Monthly Active Users」の略。1ヶ月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングしたユーザの四半期平均の人数。
3.Fintechとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除した利益。
4.Marketplaceとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除する前の利益。
5.当期末時点における「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の債権残高(破産更生債権等を除く)。
6.11ヶ月前に請求を行った「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の金額に対して11ヶ月以内に回収を完了した四半期累計の加重平均割合(破産更生債権等を除く)。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ75,430百万円増加し、415,292百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・現金及び預金の主な増減理由は「当期のキャッシュ・フローの概況」に記載しております。
・未収入金は、主に「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」の利用増加に伴い、前連結会計年度末に比べ35,427百万円増加しております。
・差入保証金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、法令に基づいた供託を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ34,834百万円増加しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ58,199百万円増加し、360,063百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・借入金は、主に翌月払い及び定額払い債権の流動化を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ26,179百万円増加しております。
・預り金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、前連結会計年度末に比べ24,308百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17,230百万円増加し、55,228百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・資本金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・資本剰余金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、前連結会計年度末に比べ13,070百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,359百万円減少し、当連結会計年度末には202,047百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、36,883百万円(前連結会計年度は26,217百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益16,389百万円、預り金の増加額23,608百万円、未収入金の増加額35,381百万円、差入保証金の増加額34,831百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、632百万円(前連結会計年度は671百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出471百万円、投資有価証券の取得による支出286百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、26,839百万円(前連結会計年度は62,065百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額867百万円、長期借入による収入25,660百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は、172,064百万円となりました。これは主に流通総額が増加したことによるものであります。
b. 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、57,639百万円となりました。これは主に売上高が増加したことによるものであります。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、97,401百万円となりました。これは主に広告宣伝費32,023百万円、支払手数料23,184百万円、給料及び手当12,298百万円によるものであり、この結果、営業利益は17,023百万円となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は716百万円となりました。これは主に、受取利息501百万円、還付消費税等34百万円、補助金収入139百万円によるものであります。営業外費用は主に為替差損及び支払利息の計上により290百万円となり、この結果、経常利益は17,449百万円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券評価損及びリース解約損、解約違約金により特別損失1,063百万円の計上があったため、税金等調整前当期純利益は16,389百万円となり、法人税等合計3,474百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は13,070百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的に広告宣伝等にコストを投下しており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入、社債の発行、債権流動化で賄っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、前記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。
当連結会計年度は、筋肉質でグローバルな事業基盤を構築し、成長と収益のバランスを意識した経営に取り組んで参りました。その結果、連結で過去最高の売上高と営業利益を達成しています。主力サービスである「メルカリ」がサービス開始10周年を迎えたMarketplaceでは通期GMV(注1)が1兆円規模に到達し、Fintechでは将来の成長を支えるグループシナジーの創出に向けて、新サービス(「メルカード」、ビットコイン取引サービス)をローンチするなど、新しい取り組みを開始した一年となりました。
Marketplaceでは、「CtoCとBtoCの連携強化を通じた出品増」を当期の事業方針として取り組みました。効果が積み上がる施策への規律ある投資が奏功し、MAU(注2)は2,260万人、通期GMVは前年同期比10%増加の9,846億円、調整後営業利益率(注3)は44%と、着実な成長と高い収益性を実現することができました。プロダクト面においては、新機能の追加や改修がより迅速にできるシステム環境を構築するため、「メルカリ」アプリ内部システムの刷新を実施いたしました。また、Fintechとの連携によるグループシナジー最大化に向け、ロイヤルティプログラムを開始するなど、来期以降の更なる成長に向けた施策を推進いたしました。
Fintechでは、「グループシナジー強化による循環型金融の促進」を当期の事業方針として取り組みました。「メルカード」やビットコイン取引サービスを開始するなど、今後のグループシナジー創出に向けて着実に進捗いたしました。定額払いを中心としたCreditサービスも好調に伸長したことで収益力が引き続き向上し、新規サービスへの投資を拡大しつつも通期では調整前営業黒字(注4)を計上いたしました。定額払いの成長が牽引し債権残高(注5)が1,178億円まで伸長する中、独自のAI与信を活かした厳格な与信コントロール等により債権回収率(注6)も98.7%と向上し、健全な成長を実現しています。
以上の結果、Japan Regionの当連結会計年度の業績は、売上高122,199百万円(前年同期比22.0%増)、セグメント利益34,464百万円(前年同期比107.3%増)となりました。
USでは、「出品と購入両方の促進に向けたプロダクトの磨き込みに注力」を当期の事業方針として取り組みました。主に既存ユーザに向けた効率的なマーケティング活動を実施したことに加えて、小型荷物の配送料金を低減する新プランの導入や一括配送オプションの導入など、購入の促進と購入者負担の軽減に向けた様々な施策を実施しました。一方で、昨年度に引き続きインフレをはじめとする外部環境の影響によって購入の鈍化傾向が継続したことで、通期GMV成長率は前年同期比11%の減少となりました。以上の結果、「Mercari」のGMVは当連結会計年度において1,015百万米ドル(1,395億円。月次平均為替レート換算での積み上げ)となり前年同期比で130百万米ドル減少し、MAUは477万人となりました。売上高は44,440百万円(前年同期比6.8%増)となりました。一方、より筋肉質な経営に向けて、費用の見直しを行い、セグメント損失は8,804百万円(前年同期は12,135百万円の損失)と大きく改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高172,064百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益17,023百万円(前年同期は3,715百万円の損失)、経常利益17,449百万円(前年同期は3,896百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益13,070百万円(前年同期は7,569百万円の損失)となりました。
(注)1.「Gross Merchandise Value」の略。流通取引総額のことを指す。
2.「Monthly Active Users」の略。1ヶ月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングしたユーザの四半期平均の人数。
3.Fintechとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除した利益。
4.Marketplaceとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除する前の利益。
5.当期末時点における「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の債権残高(破産更生債権等を除く)。
6.11ヶ月前に請求を行った「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の金額に対して11ヶ月以内に回収を完了した四半期累計の加重平均割合(破産更生債権等を除く)。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ75,430百万円増加し、415,292百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・現金及び預金の主な増減理由は「当期のキャッシュ・フローの概況」に記載しております。
・未収入金は、主に「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」の利用増加に伴い、前連結会計年度末に比べ35,427百万円増加しております。
・差入保証金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、法令に基づいた供託を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ34,834百万円増加しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ58,199百万円増加し、360,063百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・借入金は、主に翌月払い及び定額払い債権の流動化を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ26,179百万円増加しております。
・預り金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、前連結会計年度末に比べ24,308百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17,230百万円増加し、55,228百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・資本金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・資本剰余金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、前連結会計年度末に比べ13,070百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,359百万円減少し、当連結会計年度末には202,047百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、36,883百万円(前連結会計年度は26,217百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益16,389百万円、預り金の増加額23,608百万円、未収入金の増加額35,381百万円、差入保証金の増加額34,831百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、632百万円(前連結会計年度は671百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出471百万円、投資有価証券の取得による支出286百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、26,839百万円(前連結会計年度は62,065百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額867百万円、長期借入による収入25,660百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
販売高(百万円) | 前年同期比(%) | |
Japan Region | 122,199 | 122.5 |
US | 44,440 | 106.8 |
報告セグメント計 | 166,640 | 117.9 |
その他 | 5,423 | 95.5 |
合計 | 172,064 | 117.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は、172,064百万円となりました。これは主に流通総額が増加したことによるものであります。
b. 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、57,639百万円となりました。これは主に売上高が増加したことによるものであります。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、97,401百万円となりました。これは主に広告宣伝費32,023百万円、支払手数料23,184百万円、給料及び手当12,298百万円によるものであり、この結果、営業利益は17,023百万円となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は716百万円となりました。これは主に、受取利息501百万円、還付消費税等34百万円、補助金収入139百万円によるものであります。営業外費用は主に為替差損及び支払利息の計上により290百万円となり、この結果、経常利益は17,449百万円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券評価損及びリース解約損、解約違約金により特別損失1,063百万円の計上があったため、税金等調整前当期純利益は16,389百万円となり、法人税等合計3,474百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は13,070百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的に広告宣伝等にコストを投下しており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入、社債の発行、債権流動化で賄っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、前記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。