有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復傾向となりました。
一方、緊迫化している中東情勢の影響によりエネルギー価格が上昇し、物価上振れが個人消費を下押しするリスクが高まっております。また、米国の通商政策をめぐる動向や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは2025年度から2027年度までの3カ年を対象とするグループ中期経営計画「For the ocean, for life 2027」の初年度をスタートいたしました。消費者起点の連携による持続可能な価値創造の仕組みを、各エリアのニーズに合わせて展開するために長期経営ビジョンを再定義し、「バリューサイクルの構築」「グローカル戦略の推進」「「挑戦と共創」の企業文化の醸成」に取り組んでおります。
その結果、売上高は1,105,890百万円(前期比2.5%増)、営業利益は31,191百万円(前期比2.7%増)、経常利益は31,251百万円(前期比3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22,182百万円(前期比4.7%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、事業ユニットの編成については、主に事業類似性の観点から、当連結会計年度より、「水産資源」の北米ユニットにおける欧州事業を「食材流通」の水産商事ユニットに移管しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にクロマグロ、ブリ、カンパチの養殖を行う養殖ユニット、北米を事業拠点とし、北米の豊富な水産資源を背景とした水産物の加工・販売を展開する北米ユニットから構成され、中期経営計画で掲げた「持続可能な事業の選択と集中」にもとづき、不採算事業の構造改革、グローカルでの川下戦略を強化しております。
当連結会計年度は、構造改革(操業効率の改善と一部事業の撤退、北米生産拠点の統合)、生産改善効果(高水温対策、プロダクトミックスの最適化)及び販売増加(養殖魚、スケソウダラ製品)が貢献し、全体として増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は129,371百万円(前期比1.4%増)、営業利益は2,445百万円(前期は営業損失3,899百万円)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物及び農産物を取り扱う農畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、加工技術力、食材提供力を結集して業態ニーズに応える商品を提案しています。
当連結会計年度は、国内外における水産物の販売単価上昇や主力商品の収益性を高めたことに加え、2025年5月に取得した欧州子会社の収益も貢献し、増収となりました。一方で、コスト増を補いきれなかったほか、輸入冷凍豚肉の価格変動の影響により、減益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は769,943百万円(前期比2.5%増)、営業利益は15,777百万円(前期比12.5%減)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、国内外において家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート・調味料・フリーズドライ製品・ペットフード等の製造・販売を行う加工食品ユニット、化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成されています。
当連結会計年度は、ペットフード事業(タイ)における北米向け販売や医薬品向け素材の販売が堅調に推移し、増収となりました。一方で、国内加工食品における価格改定後の販売計画未達や原材料高値水準並びにコスト増により減益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は185,752百万円(前期比3.3%増)、営業利益は10,074百万円(前期比27.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
総資産は751,702百万円となり、前期に比べ70,491百万円増加いたしました。これは、主として棚卸資産及び有形固定資産の増加によるものであります。
負債は460,215百万円となり、前期に比べ54,400百万円増加いたしました。これは、主として有利子負債の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は291,487百万円となり、前期に比べ16,090百万円増加いたしました。
各セグメントの資産は次のとおりであります。
水産資源事業の総資産は161,274百万円となり、前期に比べ13,346百万円増加いたしました。これは、主として有形固定資産の増加によるものであります。
食材流通事業の総資産は325,056百万円となり、前期に比べ44,282百万円増加いたしました。これは、主として棚卸資産の増加によるものであります。
加工食品事業の総資産は156,082百万円となり、前期に比べ535百万円減少いたしました。これは、主として現預金の減少によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金を、主として設備投資及び借入金の返済に使用した結果、当連結会計年度末には52,931百万円と前連結会計年度末に比べ4,509百万円増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は24,804百万円(前連結会計年度は39,179百万円の収入)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は21,164百万円(前連結会計年度は1,886百万円の支出)となりました。これは、主として設備投資及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は808百万円(前連結会計年度は29,352百万円の支出)となりました。これは、主として連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得及び借入金の返済によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当期より、一部事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a.生産・仕入実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、販売実績額が総販売実績額の100分の10以上となる販売先がないため省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前連結会計年度を27,259百万円上回る1,105,890百万円となりました。
セグメント別の主な増減の内訳は、食材流通事業の増収18,879百万円、加工食品事業の増収6,001百万円となります。
食材流通事業の主な増収要因は、国内外における水産物の販売単価上昇や主力商品の収益性を高めたことに加え、2025年5月に取得した欧州子会社の収益によるものであります。
加工食品事業の主な増収要因は、ペットフード事業(タイ)における北米向け販売や医薬品向け素材の販売が堅調に推移したことによるものであります。
連結会計年度のセグメント別売上高
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度から18,875百万円増加し、951,909百万円(前期比2.0%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.4ポイント好転し、86.1%となりました。販売費及び一般管理費は、労務費の増加及び企業変革費用の発生等により、前連結会計年度から7,574百万円増加し、122,790百万円(前期比6.6%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.4ポイント悪化し、11.1%となりました。研究開発費は、前連結会計年度から220百万円増加し、2,064百万円(前期比12.0%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度を809百万円上回る31,191百万円(前期比2.7%増)となりました。
セグメント別の主な増減の内訳は、水産資源事業の増益6,345百万円、加工食品事業の減益3,854百万円、食材流通事業の減益2,244百万円となります。
水産資源事業の主な増益要因は、構造改革(操業効率の改善と一部事業の撤退、北米生産拠点の統合)、生産改善効果(高水温対策、プロダクトミックスの最適化)及び販売増加(養殖魚、スケソウダラ製品)の貢献によるものであります。
一方で、加工食品事業の主な減益要因は、国内加工食品における価格改定後の販売計画未達や原材料高値水準並びにコスト増によるものであります。
食材流通事業の主な減益要因は、コスト増を補いきれなかったほか、輸入冷凍豚肉の価格変動の影響によるものであります。
なお、営業利益の売上高に対する比率は、2.8%(前連結会計年度は2.8%)となりました。
連結会計年度のセグメント別営業利益
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度を1,003百万円下回る31,251百万円(前期比3.1%減)となりました。主な増減の内訳は、為替差益の減少1,452百万円、支払利息の増加321百万円、受取配当金の減少310百万円、営業利益の増加809百万円となります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を1,082百万円下回る22,182百万円(前期比4.7%減)となり、1株当たり当期純利益は146円75銭(前連結会計年度は153円97銭)となりました。なお、当社は、2026年1月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。そのため、前連結会計年度の1株当たり当期純利益は、当該株式分割の影響を考慮した金額を記載しております。増減の内訳は、経常利益の減少1,003百万円、特別利益の減少449百万円、特別損失の増加992百万円、法人税等の減少865百万円、非支配株主に帰属する当期純利益の減少496百万円となります。
なお、特別損益は、前連結会計年度に比べ1,441百万円の損益悪化となりました。これは主に、投資有価証券売却益の減少等により特別利益が449百万円減少し、また、本社移転費用を計上したこと等により特別損失が992百万円増加したことによるものであります。
法人税等合計は前連結会計年度に比べ865百万円減少しており、法人税等合計の税金等調整前当期純利益に対する比率が0.4ポイント減の28.5%となっております。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ70,491百万円増加し、751,702百万円(前期比10.3%増)となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ42,892百万円増加し、457,468百万円(前期比10.3%増)となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ27,598百万円増加し、294,234百万円(前期比10.4%増)となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加26,727百万円並びに有形固定資産の増加13,720百万円となります。
なお、売上債権回転日数については47.4日(前期比2.3日増)、棚卸資産回転日数については93.8日(前期比8.6日増)となっており、いずれも正常な水準の範囲内と判断しております。
売上債権回転日数及び棚卸資産回転日数
なお、セグメント別資産の内訳は、次のとおりであります。
連結会計年度のセグメント別資産
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ54,400百万円増加し、460,215百万円(前期比13.4%増)となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ44,379百万円増加し、281,295百万円(前期比18.7%増)となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ10,020百万円増加し、178,920百万円(前期比5.9%増)となりました。
主な増減の内訳は、コマーシャル・ペーパーの増加24,000百万円、社債の増加18,000百万円、仕入債務の増加9,105百万円となります。
また、有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ35,968百万円増加し、306,880百万円となりました。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ16,090百万円増加し、291,487百万円(前期比5.8%増)となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益等による利益剰余金の増加16,623百万円、その他有価証券評価差額金の増加3,944百万円、為替換算調整勘定の増加3,685百万円及び資本剰余金の減少10,213百万円となります。
なお、自己資本比率は棚卸資産及び有形固定資産等の増加に伴う総資産の増加により、32.9%となり、前連結会計年度末(33.7%)に比べ、0.8ポイント悪化いたしました。
また、1株当たり純資産は利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末の1,519円24銭から1,635円34銭となりました。なお、当社は2026年1月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。そのため、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産を算定しております。
自己資本比率及び1株当たり純資産
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、24,804百万円の収入(前連結会計年度は39,179百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益39,501百万円及び減価償却費18,318百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて営業活動の結果得られた資金が14,375百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、棚卸資産の増減額の減少21,673百万円、売上債権の増減額の減少13,871百万円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、21,164百万円の支出(前連結会計年度は1,886百万円の支出)となりました。水産資源事業、食材流通事業を中心とした有形固定資産の取得による支出25,342百万円、投資有価証券の売却による収入10,889百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて投資活動の結果使用した資金が19,277百万円増加いたしましたが、主な増減の内訳は、有形固定資産の取得による支出の増加6,338百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加6,262百万円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、808百万円の支出(前連結会計年度は29,352百万円の支出)となりました。連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出15,404百万円、借入金の返済による支出9,940百万円、社債の発行による収入17,912百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて財務活動の結果使用した資金が28,544百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、借入金の返済による支出の減少26,945百万円、コマーシャル・ペーパーの増加19,000百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出の増加15,300百万円となります。
(財務方針)
当社グループは、中期経営計画「For the ocean, for life 2027」のもと、R&I格付けA-維持を前提とした財務健全性の確保及び持続的な成長に向けた投資のバランスを確保しつつ、株主還元の充実により、企業価値の向上に取り組んでおります。
2028年3月期に向けた財務目標として、営業利益400億円、ROIC5%、成長投資1,400億円以上、配当性向30%以上(累進配当)、PBR1倍以上を掲げており、収益性及び資本効率の向上と積極的な成長投資の実施、適切な財務バランスの維持に努めてまいります。
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。また、国内の金融機関とコミットメントラインを設定しております。
当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しており、これらの調達手段と合わせ、十分な流動性を確保していると考えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4,509百万円増加し、52,931百万円となりました。
(資本の財源並びに資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、資金調達コストとリスク分散の観点から、短期運転資金においてはコマーシャル・ペーパー、長期運転資金においては社債による直接調達も組み入れ、直接金融と間接金融をバランスよく活用しております。
当社グループは国内連結子会社を含めたキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、運転資金及び設備投資資金の調達は、主に当社の借入及びグループ各社の事業活動から生じるキャッシュ・フローを集中させた自己資金によっております。
社債については、安定的な長期資金の調達手段として継続的な発行を基本方針としております。なお、当社はこれまで環境持続型の漁業・養殖事業等に資金使途を限定したブルーボンドの発行実績を有しており、今後もサステナブルファイナンスの活用を検討してまいります。
(資金需要の動向)
当社グループでは、中期経営計画「For the ocean, for life 2027」において3カ年で1,400億円以上の成長投資を計画しており、設備投資を含む戦略投資、運転資金、有利子負債の返済及び利息の支払い並びに配当及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
既存の事業基盤を維持・継続するための定常投資のほか、バリューサイクルの構築・強化及びグローカル戦略の推進に向けた成長投資等のため、引き続き資金を充当してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の経営者は、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、下記については、重要なものとして、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(ⅰ)固定資産の減損
(ⅱ)棚卸資産の評価
(ⅲ)繰延税金資産の回収可能性
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。
(ⅳ)貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、流動資産で△609百万円、固定資産で△1,241百万円の貸倒引当金を計上しております。
取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額には不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が売上債権、貸付金等の貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅴ)投資有価証券の減損
当社グループは、その他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについては、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に原則として減損処理を行い、30~50%程度下落した場合に、回復可能性を判断して減損処理を行うこととしております。市場価格のない株式等については、当該有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合には回復可能性がないものとして判断し、30%~50%程度下落した場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、当該有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、投資有価証券として48,505百万円計上しております。
有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などには不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が連結貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅵ)退職給付会計
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。また、一部連結子会社では、確定拠出制度を採用しております。
当社においては、退職給付信託を設定しております。
退職給付型の制度において、退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の見積り・前提を用いております。
割引率については、デュレーション法(加重平均期間アプローチ)により算出した期間に対応する国債のイールド・カーブから抜粋した利回りを加重平均割引率とする方法を採用しております。
当連結会計年度においては、退職給付に係る資産として9,954百万円、退職給付に係る負債として20,990百万円を計上しております。
これらの見積り・前提に用いる割引率、退職率及び死亡率などについては、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しておりますが、実際の結果がこれらの見積り・前提と異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、退職給付関係に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」に記載のとおりであります。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
中期経営計画「For the ocean, for life 2027」において掲げております「財務KGI」の状況は次のとおりであります。
当社グループでは、中期経営計画の最終年度となる2027年度計画において、UmEV9,000百万円以上、売上高1,150,000百万円、営業利益40,000百万円、EBITDA64,000百万円、ROIC5.0%、ROE9.0%及びネットD/Eレシオ1.0倍以下を目標にしております。
売上高は前連結会計年度を27,259百万円上回る1,105,890百万円、営業利益は前連結会計年度を809百万円上回る31,191百万円、EBITDAは営業利益の増加等により前連結会計年度を1,506百万円上回る53,086百万円となりました。また、ROICは投下資本の増加等により前連結会計年度の4.3%から0.2ポイント悪化し4.1%、ROEは前連結会計年度の10.7%から1.4ポイント悪化し9.3%、ネットD/Eレシオは前連結会計年度と同様に1.0倍となりました。
この結果、UmEVは前連結会計年度を8,184百万円下回る4,592百万円となりました。引き続き収益性と資本効率性の向上に努め、当社グループ全体の企業価値の向上に取り組んでまいります。
(注)UmEV(Umios Economic Value):事業活動の成果に伴う経済付加価値額として、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の差(UmEVスプレッド)に、投下資本を乗じ算出しております。
(1)経営成績等の状況の概況
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復傾向となりました。
一方、緊迫化している中東情勢の影響によりエネルギー価格が上昇し、物価上振れが個人消費を下押しするリスクが高まっております。また、米国の通商政策をめぐる動向や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは2025年度から2027年度までの3カ年を対象とするグループ中期経営計画「For the ocean, for life 2027」の初年度をスタートいたしました。消費者起点の連携による持続可能な価値創造の仕組みを、各エリアのニーズに合わせて展開するために長期経営ビジョンを再定義し、「バリューサイクルの構築」「グローカル戦略の推進」「「挑戦と共創」の企業文化の醸成」に取り組んでおります。
その結果、売上高は1,105,890百万円(前期比2.5%増)、営業利益は31,191百万円(前期比2.7%増)、経常利益は31,251百万円(前期比3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22,182百万円(前期比4.7%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、事業ユニットの編成については、主に事業類似性の観点から、当連結会計年度より、「水産資源」の北米ユニットにおける欧州事業を「食材流通」の水産商事ユニットに移管しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
水産資源事業
水産資源事業は、国内外で漁業を行う漁業ユニット、国内において主にクロマグロ、ブリ、カンパチの養殖を行う養殖ユニット、北米を事業拠点とし、北米の豊富な水産資源を背景とした水産物の加工・販売を展開する北米ユニットから構成され、中期経営計画で掲げた「持続可能な事業の選択と集中」にもとづき、不採算事業の構造改革、グローカルでの川下戦略を強化しております。
当連結会計年度は、構造改革(操業効率の改善と一部事業の撤退、北米生産拠点の統合)、生産改善効果(高水温対策、プロダクトミックスの最適化)及び販売増加(養殖魚、スケソウダラ製品)が貢献し、全体として増収増益となりました。
以上の結果、水産資源事業の売上高は129,371百万円(前期比1.4%増)、営業利益は2,445百万円(前期は営業損失3,899百万円)となりました。
食材流通事業
食材流通事業は、国内外にわたり水産物の調達・市場流通も含む販売ネットワークを持つ水産商事ユニット、多様な業態に対して水産商材や業務用商材の製造・販売を行う食材流通ユニット、国内外の畜産物及び農産物を取り扱う農畜産ユニットから構成され、グループにおける原料調達力、加工技術力、食材提供力を結集して業態ニーズに応える商品を提案しています。
当連結会計年度は、国内外における水産物の販売単価上昇や主力商品の収益性を高めたことに加え、2025年5月に取得した欧州子会社の収益も貢献し、増収となりました。一方で、コスト増を補いきれなかったほか、輸入冷凍豚肉の価格変動の影響により、減益となりました。
以上の結果、食材流通事業の売上高は769,943百万円(前期比2.5%増)、営業利益は15,777百万円(前期比12.5%減)となりました。
加工食品事業
加工食品事業は、国内外において家庭用冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート・調味料・フリーズドライ製品・ペットフード等の製造・販売を行う加工食品ユニット、化成品の製造・販売を行うファインケミカルユニットから構成されています。
当連結会計年度は、ペットフード事業(タイ)における北米向け販売や医薬品向け素材の販売が堅調に推移し、増収となりました。一方で、国内加工食品における価格改定後の販売計画未達や原材料高値水準並びにコスト増により減益となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は185,752百万円(前期比3.3%増)、営業利益は10,074百万円(前期比27.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
総資産は751,702百万円となり、前期に比べ70,491百万円増加いたしました。これは、主として棚卸資産及び有形固定資産の増加によるものであります。
負債は460,215百万円となり、前期に比べ54,400百万円増加いたしました。これは、主として有利子負債の増加によるものであります。
非支配株主持分を含めた純資産は291,487百万円となり、前期に比べ16,090百万円増加いたしました。
各セグメントの資産は次のとおりであります。
水産資源事業の総資産は161,274百万円となり、前期に比べ13,346百万円増加いたしました。これは、主として有形固定資産の増加によるものであります。
食材流通事業の総資産は325,056百万円となり、前期に比べ44,282百万円増加いたしました。これは、主として棚卸資産の増加によるものであります。
加工食品事業の総資産は156,082百万円となり、前期に比べ535百万円減少いたしました。これは、主として現預金の減少によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金を、主として設備投資及び借入金の返済に使用した結果、当連結会計年度末には52,931百万円と前連結会計年度末に比べ4,509百万円増加いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は24,804百万円(前連結会計年度は39,179百万円の収入)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は21,164百万円(前連結会計年度は1,886百万円の支出)となりました。これは、主として設備投資及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は808百万円(前連結会計年度は29,352百万円の支出)となりました。これは、主として連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得及び借入金の返済によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当期より、一部事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a.生産・仕入実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 水産資源事業(百万円) | 144,730 | 99.4 |
| 食材流通事業(百万円) | 658,412 | 104.1 |
| 加工食品事業(百万円) | 145,119 | 105.8 |
| 報告セグメント計(百万円) | 948,262 | 103.6 |
| その他(百万円) | 20,553 | 131.3 |
| 合計(百万円) | 968,816 | 104.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 水産資源事業(百万円) | 129,371 | 101.4 |
| 食材流通事業(百万円) | 769,943 | 102.5 |
| 加工食品事業(百万円) | 185,752 | 103.3 |
| 報告セグメント計(百万円) | 1,085,067 | 102.5 |
| その他(百万円) | 20,822 | 103.2 |
| 合計(百万円) | 1,105,890 | 102.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、販売実績額が総販売実績額の100分の10以上となる販売先がないため省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
売上高は前連結会計年度を27,259百万円上回る1,105,890百万円となりました。
セグメント別の主な増減の内訳は、食材流通事業の増収18,879百万円、加工食品事業の増収6,001百万円となります。
食材流通事業の主な増収要因は、国内外における水産物の販売単価上昇や主力商品の収益性を高めたことに加え、2025年5月に取得した欧州子会社の収益によるものであります。
加工食品事業の主な増収要因は、ペットフード事業(タイ)における北米向け販売や医薬品向け素材の販売が堅調に推移したことによるものであります。
連結会計年度のセグメント別売上高
| (単位:百万円) | ||||
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比 | 増減率 (%) |
| 水産資源事業 | 127,638 | 129,371 | 1,733 | 1.4 |
| 食材流通事業 | 751,063 | 769,943 | 18,879 | 2.5 |
| 加工食品事業 | 179,751 | 185,752 | 6,001 | 3.3 |
| その他 | 20,178 | 20,822 | 644 | 3.2 |
| 合計 | 1,078,631 | 1,105,890 | 27,259 | 2.5 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度から18,875百万円増加し、951,909百万円(前期比2.0%増)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.4ポイント好転し、86.1%となりました。販売費及び一般管理費は、労務費の増加及び企業変革費用の発生等により、前連結会計年度から7,574百万円増加し、122,790百万円(前期比6.6%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.4ポイント悪化し、11.1%となりました。研究開発費は、前連結会計年度から220百万円増加し、2,064百万円(前期比12.0%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度を809百万円上回る31,191百万円(前期比2.7%増)となりました。
セグメント別の主な増減の内訳は、水産資源事業の増益6,345百万円、加工食品事業の減益3,854百万円、食材流通事業の減益2,244百万円となります。
水産資源事業の主な増益要因は、構造改革(操業効率の改善と一部事業の撤退、北米生産拠点の統合)、生産改善効果(高水温対策、プロダクトミックスの最適化)及び販売増加(養殖魚、スケソウダラ製品)の貢献によるものであります。
一方で、加工食品事業の主な減益要因は、国内加工食品における価格改定後の販売計画未達や原材料高値水準並びにコスト増によるものであります。
食材流通事業の主な減益要因は、コスト増を補いきれなかったほか、輸入冷凍豚肉の価格変動の影響によるものであります。
なお、営業利益の売上高に対する比率は、2.8%(前連結会計年度は2.8%)となりました。
連結会計年度のセグメント別営業利益
| (単位:百万円) | ||||
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比 | 増減率 (%) |
| 水産資源事業 | △3,899 | 2,445 | 6,345 | - |
| 食材流通事業 | 18,021 | 15,777 | △2,244 | △12.5 |
| 加工食品事業 | 13,928 | 10,074 | △3,854 | △27.7 |
| その他 | 4,175 | 3,722 | △452 | △10.8 |
| 調整額 | △1,843 | △828 | 1,014 | - |
| 合計 | 30,381 | 31,191 | 809 | 2.7 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度を1,003百万円下回る31,251百万円(前期比3.1%減)となりました。主な増減の内訳は、為替差益の減少1,452百万円、支払利息の増加321百万円、受取配当金の減少310百万円、営業利益の増加809百万円となります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を1,082百万円下回る22,182百万円(前期比4.7%減)となり、1株当たり当期純利益は146円75銭(前連結会計年度は153円97銭)となりました。なお、当社は、2026年1月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。そのため、前連結会計年度の1株当たり当期純利益は、当該株式分割の影響を考慮した金額を記載しております。増減の内訳は、経常利益の減少1,003百万円、特別利益の減少449百万円、特別損失の増加992百万円、法人税等の減少865百万円、非支配株主に帰属する当期純利益の減少496百万円となります。
なお、特別損益は、前連結会計年度に比べ1,441百万円の損益悪化となりました。これは主に、投資有価証券売却益の減少等により特別利益が449百万円減少し、また、本社移転費用を計上したこと等により特別損失が992百万円増加したことによるものであります。
法人税等合計は前連結会計年度に比べ865百万円減少しており、法人税等合計の税金等調整前当期純利益に対する比率が0.4ポイント減の28.5%となっております。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ70,491百万円増加し、751,702百万円(前期比10.3%増)となりました。総資産のうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ42,892百万円増加し、457,468百万円(前期比10.3%増)となり、固定資産は前連結会計年度末に比べ27,598百万円増加し、294,234百万円(前期比10.4%増)となりました。
主な増減の内訳は、棚卸資産の増加26,727百万円並びに有形固定資産の増加13,720百万円となります。
なお、売上債権回転日数については47.4日(前期比2.3日増)、棚卸資産回転日数については93.8日(前期比8.6日増)となっており、いずれも正常な水準の範囲内と判断しております。
売上債権回転日数及び棚卸資産回転日数
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比 | 増減率 (%) | |
| 売上高(a) | 1,078,631 | 1,105,890 | 27,259 | 2.5 |
| 売上原価(b) | 933,033 | 951,909 | 18,875 | 2.0 |
| 受取手形、売掛金 及び契約資産(c) | 133,259 | 143,722 | 10,463 | 7.9 |
| 棚卸資産(d) | 218,005 | 244,733 | 26,727 | 12.3 |
| 売上債権回転日数(日) | 45.1 | 47.4 | 2.3 | 5.2 |
| (c)÷(a)×365 | ||||
| 棚卸資産回転日数(日) | 85.3 | 93.8 | 8.6 | 10.0 |
| (d)÷(b)×365 | ||||
なお、セグメント別資産の内訳は、次のとおりであります。
連結会計年度のセグメント別資産
| (単位:百万円) | ||||
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 前期比 | 増減率 (%) |
| 水産資源事業 | 147,928 | 161,274 | 13,346 | 9.0 |
| 食材流通事業 | 280,774 | 325,056 | 44,282 | 15.8 |
| 加工食品事業 | 156,618 | 156,082 | △535 | △0.3 |
| その他 | 62,649 | 64,799 | 2,149 | 3.4 |
| 調整額 | 33,241 | 44,489 | 11,248 | 33.8 |
| 合計 | 681,211 | 751,702 | 70,491 | 10.3 |
(注)当期より、一部の事業につき、報告セグメントの区分を変更しており、前期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えた数値となります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ54,400百万円増加し、460,215百万円(前期比13.4%増)となりました。負債のうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ44,379百万円増加し、281,295百万円(前期比18.7%増)となり、固定負債は前連結会計年度末に比べ10,020百万円増加し、178,920百万円(前期比5.9%増)となりました。
主な増減の内訳は、コマーシャル・ペーパーの増加24,000百万円、社債の増加18,000百万円、仕入債務の増加9,105百万円となります。
また、有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ35,968百万円増加し、306,880百万円となりました。
(純資産)
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ16,090百万円増加し、291,487百万円(前期比5.8%増)となりました。
主な増減の内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益等による利益剰余金の増加16,623百万円、その他有価証券評価差額金の増加3,944百万円、為替換算調整勘定の増加3,685百万円及び資本剰余金の減少10,213百万円となります。
なお、自己資本比率は棚卸資産及び有形固定資産等の増加に伴う総資産の増加により、32.9%となり、前連結会計年度末(33.7%)に比べ、0.8ポイント悪化いたしました。
また、1株当たり純資産は利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末の1,519円24銭から1,635円34銭となりました。なお、当社は2026年1月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。そのため、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産を算定しております。
自己資本比率及び1株当たり純資産
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 前期比 | |
| 自己資本(a) | 229,568 | 247,236 | 17,668 |
| 総資産(b) | 681,211 | 751,702 | 70,491 |
| 自己資本比率(%)(a)÷(b) | 33.7 | 32.9 | △0.8 |
| 1株当たり純資産 | 1,519円24銭 | 1,635円34銭 | 116円10銭 |
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フローの状況
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 39,179 | 24,804 | △14,375 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,886 | △21,164 | △19,277 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △29,352 | △808 | 28,544 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 3,576 | 1,677 | △1,898 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 11,516 | 4,509 | △7,007 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 48,422 | 52,931 | 4,509 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、24,804百万円の収入(前連結会計年度は39,179百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益39,501百万円及び減価償却費18,318百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて営業活動の結果得られた資金が14,375百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、棚卸資産の増減額の減少21,673百万円、売上債権の増減額の減少13,871百万円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、21,164百万円の支出(前連結会計年度は1,886百万円の支出)となりました。水産資源事業、食材流通事業を中心とした有形固定資産の取得による支出25,342百万円、投資有価証券の売却による収入10,889百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて投資活動の結果使用した資金が19,277百万円増加いたしましたが、主な増減の内訳は、有形固定資産の取得による支出の増加6,338百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加6,262百万円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、808百万円の支出(前連結会計年度は29,352百万円の支出)となりました。連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出15,404百万円、借入金の返済による支出9,940百万円、社債の発行による収入17,912百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて財務活動の結果使用した資金が28,544百万円減少いたしましたが、主な増減の内訳は、借入金の返済による支出の減少26,945百万円、コマーシャル・ペーパーの増加19,000百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出の増加15,300百万円となります。
(財務方針)
当社グループは、中期経営計画「For the ocean, for life 2027」のもと、R&I格付けA-維持を前提とした財務健全性の確保及び持続的な成長に向けた投資のバランスを確保しつつ、株主還元の充実により、企業価値の向上に取り組んでおります。
2028年3月期に向けた財務目標として、営業利益400億円、ROIC5%、成長投資1,400億円以上、配当性向30%以上(累進配当)、PBR1倍以上を掲げており、収益性及び資本効率の向上と積極的な成長投資の実施、適切な財務バランスの維持に努めてまいります。
(資金の流動性)
手元流動性確保のため、主要な金融機関との関係維持・強化を図るほか、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。また、国内の金融機関とコミットメントラインを設定しております。
当社グループは各社が月次に資金繰り計画を作成するなどの方法により流動性リスクを管理しており、これらの調達手段と合わせ、十分な流動性を確保していると考えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4,509百万円増加し、52,931百万円となりました。
(資本の財源並びに資金調達の方法及び状況)
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、資金調達コストとリスク分散の観点から、短期運転資金においてはコマーシャル・ペーパー、長期運転資金においては社債による直接調達も組み入れ、直接金融と間接金融をバランスよく活用しております。
当社グループは国内連結子会社を含めたキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、運転資金及び設備投資資金の調達は、主に当社の借入及びグループ各社の事業活動から生じるキャッシュ・フローを集中させた自己資金によっております。
社債については、安定的な長期資金の調達手段として継続的な発行を基本方針としております。なお、当社はこれまで環境持続型の漁業・養殖事業等に資金使途を限定したブルーボンドの発行実績を有しており、今後もサステナブルファイナンスの活用を検討してまいります。
(資金需要の動向)
当社グループでは、中期経営計画「For the ocean, for life 2027」において3カ年で1,400億円以上の成長投資を計画しており、設備投資を含む戦略投資、運転資金、有利子負債の返済及び利息の支払い並びに配当及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
既存の事業基盤を維持・継続するための定常投資のほか、バリューサイクルの構築・強化及びグローカル戦略の推進に向けた成長投資等のため、引き続き資金を充当してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の経営者は、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、下記については、重要なものとして、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(ⅰ)固定資産の減損
(ⅱ)棚卸資産の評価
(ⅲ)繰延税金資産の回収可能性
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。
(ⅳ)貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、流動資産で△609百万円、固定資産で△1,241百万円の貸倒引当金を計上しております。
取引先の財政状態、担保物の見積回収可能価額には不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が売上債権、貸付金等の貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅴ)投資有価証券の減損
当社グループは、その他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについては、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に原則として減損処理を行い、30~50%程度下落した場合に、回復可能性を判断して減損処理を行うこととしております。市場価格のない株式等については、当該有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合には回復可能性がないものとして判断し、30%~50%程度下落した場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
個別の回収可能性の検討にあたっては、当該有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などの見積り・前提を使用しております。
当連結会計年度においては、投資有価証券として48,505百万円計上しております。
有価証券の発行会社の財政状態、将来の展望などには不確実性を伴い、これらに対する経営者による判断が連結貸借対照表価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅵ)退職給付会計
当社グループは、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。また、一部連結子会社では、確定拠出制度を採用しております。
当社においては、退職給付信託を設定しております。
退職給付型の制度において、退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の見積り・前提を用いております。
割引率については、デュレーション法(加重平均期間アプローチ)により算出した期間に対応する国債のイールド・カーブから抜粋した利回りを加重平均割引率とする方法を採用しております。
当連結会計年度においては、退職給付に係る資産として9,954百万円、退職給付に係る負債として20,990百万円を計上しております。
これらの見積り・前提に用いる割引率、退職率及び死亡率などについては、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しておりますが、実際の結果がこれらの見積り・前提と異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、退職給付関係に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」に記載のとおりであります。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
中期経営計画「For the ocean, for life 2027」において掲げております「財務KGI」の状況は次のとおりであります。
当社グループでは、中期経営計画の最終年度となる2027年度計画において、UmEV9,000百万円以上、売上高1,150,000百万円、営業利益40,000百万円、EBITDA64,000百万円、ROIC5.0%、ROE9.0%及びネットD/Eレシオ1.0倍以下を目標にしております。
売上高は前連結会計年度を27,259百万円上回る1,105,890百万円、営業利益は前連結会計年度を809百万円上回る31,191百万円、EBITDAは営業利益の増加等により前連結会計年度を1,506百万円上回る53,086百万円となりました。また、ROICは投下資本の増加等により前連結会計年度の4.3%から0.2ポイント悪化し4.1%、ROEは前連結会計年度の10.7%から1.4ポイント悪化し9.3%、ネットD/Eレシオは前連結会計年度と同様に1.0倍となりました。
この結果、UmEVは前連結会計年度を8,184百万円下回る4,592百万円となりました。引き続き収益性と資本効率性の向上に努め、当社グループ全体の企業価値の向上に取り組んでまいります。
| 2024年度 | 2025年度 | 2027年度計画 (最終年度) | 前期比 | 計画比 | |
| UmEV(百万円) | 12,776 | 4,592 | 9,000 | △8,184 | △4,407 |
| 売上高(百万円) | 1,078,631 | 1,105,890 | 1,150,000 | 27,259 | △44,109 |
| 営業利益(百万円) | 30,381 | 31,191 | 40,000 | 809 | △8,808 |
| EBITDA(百万円) | 51,580 | 53,086 | 64,000 | 1,506 | △10,913 |
| ROIC(%) | 4.3 | 4.1 | 5.0 | △0.2 | △0.9 |
| ROE(%) | 10.7 | 9.3 | 9.0 | △1.4 | 0.3 |
| ネットD/Eレシオ(倍) | 1.0 | 1.0 | 1.0 | - | - |
(注)UmEV(Umios Economic Value):事業活動の成果に伴う経済付加価値額として、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の差(UmEVスプレッド)に、投下資本を乗じ算出しております。