有価証券報告書-第81期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 9:57
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175項目

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結業績については、売上高は、土木工事の一部において着手遅延や協議遅延等による影響等はあったものの、概ね予定通りに進捗したことにより、計画値136,000百万円に対し2.9%減の132,049百万円(前連結会計年度比4.8%増)となった。
売上総利益は、売上高前年対比増加や工事採算性の向上等もあり15,039百万円(前連結会計年度比10.5%増)となり、販売費及び一般管理費9,786百万円(前連結会計年度は9,457百万円)を控除し、営業利益は、計画値5,100百万円に対し3.0%増の5,252百万円(前連結会計年度比26.7%増)となった。
営業外損益は、為替差益等を計上したものの、シンジケートローン手数料等金融費用発生等により476百万円の損失(前連結会計年度は468百万円の損失)となり、経常利益は、計画値4,300百万円に対し11.1%増の4,775百万円(前連結会計年度比29.9%増)となった。なお、売上高経常利益率は3.6%(前連結会計年度比0.7ポイント増)、総資産経常利益率は3.4%(前連結会計年度比0.4ポイント増)となった。
特別損益は、保有資産見直し等に伴う一部固定資産の売却等により188百万円の利益(前連結会計年度は6百万円の損失)となり、法人税、住民税及び事業税1,128百万円(前連結会計年度は607百万円)及び法人税等調整額430百万円(前連結会計年度は24百万円)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画値2,700百万円に対し26.1%増の3,403百万円(前連結会計年度比12.0%増)となった。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりである。
(土木事業)
土木事業については、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は68,062百万円(前連結会計年度比3.7%増)、セグメント利益は5,466百万円(前連結会計年度比10.5%増)となった。
(建築事業)
建築事業については、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は53,155百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益は2,680百万円(前連結会計年度比87.6%増)となった。
(開発事業等)
開発事業等については、開発事業等売上高は10,830百万円(前連結会計年度比27.3%増)、セグメント利益は662百万円(前連結会計年度比31.7%増)となった。
(注)セグメント別の記載において、売上高については「外部顧客への売上高」の金額を記載しており、セグメント利益については連結損益計算書の営業利益と調整を行っている。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
① 受注実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)金額(百万円)
土木事業59,62459,247( 0.6%減)
建築事業48,84559,713(22.2%増)
開発事業等--
合計108,470118,960( 9.7%増)

(注) 受注実績の開発事業等については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。
② 売上実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)金額(百万円)
土木事業65,62568,062( 3.7%増)
建築事業51,81053,155( 2.6%増)
開発事業等8,50510,830(27.3%増)
合計125,941132,049( 4.8%増)

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。
① 受注高、売上高、繰越高及び施工高
期別種類別前期
繰越高
(百万円)
当期
受注高
(百万円)

(百万円)
当期
売上高
(百万円)
次期繰越高当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち施工高
(%)(百万円)
第80期
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
建設事業土木工事142,79956,599199,39962,834136,5640.346863,167
建築工事68,21146,760114,97249,36065,6120.637449,552
211,011103,360314,371112,194202,1770.4843112,719
開発事業等1,0531,0531,053
合計211,011104,414315,425113,248202,177
第81期
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
建設事業土木工事136,56454,727191,29264,180127,1110.16863,780
建築工事65,61255,405121,01750,37670,6410.752150,523
202,177110,132312,309114,557197,7520.3590114,303
開発事業等1,2231,2231,223
合計202,177111,355313,533115,780197,752

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 次期繰越高の施工高は支出金により手持高の施工高を推定したものである。
3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致する。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
第80期(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
土木工事10.289.8100
建築工事25.974.1100
第81期(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
土木工事32.167.9100
建築工事44.855.2100

(注) 百分比は請負金額比である。
③ 売上高
期別区分官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
第80期
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
建設事業土木工事44,57018,26362,834
建築工事9,92439,43649,360
54,49557,699112,194
開発事業等889651,053
合計54,58358,664113,248
第81期
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
建設事業土木工事45,93918,24164,180
建築工事9,38540,99050,376
55,32559,231114,557
開発事業等801,1421,223
合計55,40560,374115,780

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第80期 請負金額10億円以上の主なもの
地方共同法人日本下水道事業団石巻市石巻港排水ポンプ場他2施設復興建設工事その2
気仙沼市(仮称)新一般廃棄物最終処分場土木建築工事
内閣府平成30年度赤嶺トンネル(北側)工事
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構北陸新幹線、南越(仮称)駅新築
土佐市土佐市新庁舎建設工事

第81期 請負金額10億円以上の主なもの
国土交通省令和2年度 北勢BP坂部トンネル工事
八千代市村上給水場施設改良(土木・建築)工事
兵庫県県立総合射撃場(仮称)整備事業 敷地造成・整備工事
TOBISHIMA BRUNEI SDN.BHD.金融庁ビル新築工事
安芸市安芸市新庁舎建設工事

2 第80期及び第81期ともに、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
④ 手持高(2023年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
建設事業土木工事79,78647,324127,111
建築工事28,89341,74770,641
108,68089,072197,752
開発事業等
合計108,68089,072197,752

(注) 手持工事のうち請負金額50億円以上の主なものは、次のとおりである。
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線、札樽トンネル(富丘)2028年1月完成予定
関西電力株式会社新丸山ダム事業に伴う笠置発電所防水壁他設置工事のうち主要土木工事2025年9月完成予定
田川広域水道企業団白鳥浄水場(仮称)及び大浦調整池建設工事(土木工事・建築工事)2026年3月完成予定
株式会社ファイネス株式会社ファイネス本社物流センター建設計画2025年3月完成予定
大和ハウス工業株式会社(仮称)ロイジェント横川5丁目PJ新築工事2025年1月完成予定

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に、当社グループを取り巻く経営環境については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境」に、当社グループの目標とする経営指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題等」にそれぞれ記載のとおりである。
(2) 財政状態
総資産は、借入金の増加等による現金預金3,751百万円の増加、立替工事の増加等による受取手形・完成工事未収入金等16,084百万円の増加、未収消費税等の増加等による流動資産その他3,846百万円の増加等及び連結子会社による不動産物件販売促進等による販売用不動産1,705百万円の減少等これらに起因する流動資産の増加並びに退職給付に係る資産1,202百万円の増加等これらに起因する固定資産の増加により、前連結会計年度末比22,813百万円増の150,869百万円となった。
報告セグメント別の資産は、次のとおりである。
(土木事業)
土木事業については、87,017百万円(前連結会計年度比24.1%増)となった。
主な増加要因は、受取手形・完成工事未収入金等の増加等によるものである。
(建築事業)
建築事業については、36,354百万円(前連結会計年度比24.5%増)となった。
主な増加要因は、受取手形・完成工事未収入金等の増加等によるものである。
(開発事業等)
開発事業等については、27,090百万円(前連結会計年度比4.4%減)となった。
主な減少要因は、連結子会社の販売用不動産の減少等によるものである。
負債は、支払手形・工事未払金等1,416百万円の増加、預り金3,670百万円の増加、借入金16,202百万円の増加等及び未払消費税等の納付等による流動負債その他1,495百万円の減少等により、前連結会計年度末比19,740百万円増の102,066百万円となった。なお、有利子負債残高は34,846百万円となり、自己資本に対する比率であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末比0.3ポイント増の0.7倍となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益3,403百万円の計上及び2023年3月期株式配当金1,153百万円の支払い等により、前連結会計年度末比3,072百万円増の48,803百万円となった。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比3.4ポイント減の32.3%となった。
今後も自己資本の充実を図りつつ新規事業を含めた事業投資を行うことで、将来的な収益基盤の拡充に向けた戦略推進を加速させていく。
(3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,992百万円の資金減少(前連結会計年度は6,332百万円の資金増加)となった。主な資金増加項目は、税金等調整前当期純利益の計上4,964百万円、連結子会社による不動産物件販売促進等による販売用不動産の減少1,705百万円及び仕入債務の増加1,261百万円、預り金の増加3,669百万円であり、主な資金減少項目は、立替工事の増加等による売上債権の増加15,914百万円、未収消費税等の増加3,525百万円及び未払消費税等の減少1,857百万円である。なお、営業活動によるキャッシュ・フローの売上高に対する比率である営業CFマージンは、前連結会計年度末比12.6ポイント減の△7.6%となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,441百万円の資金減少(前連結会計年度は508百万円の資金減少)となった。主な内訳は、事業用資産投資等に伴う有形固定資産の取得による支出1,173百万円等である。なお、将来の成長のための投資については、配当政策、事業リスク等を勘案し剰余金の範囲内で実施する方針である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,912百万円の資金増加(前連結会計年度は1,446百万円の資金増加)となった。主な内訳は、短期借入金の純増額15,850百万円、長期借入れによる収入12,721百万円及び長期借入金の返済による支出12,483百万円である。
これらにより、現金及び現金同等物の期末残高は3,584百万円増加し、23,673百万円(前連結会計年度比17.8%増)となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりである。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、建設工事の立替資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、設備投資等によるものである。
(財政政策)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。資金調達については、金融機関からのタームローンによる借入れをベースとして、不足が生じる場合には当座貸越或いはリボルビングラインによる借入れ等でそれを賄っている。また、これらの資金調達契約を締結することにより、必要な資金水準の維持や緊急的な資金需要に対応可能であることから、資金の流動性は確保しているものと思料する。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び仮定を用いている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合がある。
当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、使用される当社の見積り等が、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えられるものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。