四半期報告書-第158期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資を中心とした民需に支えられ、緩やかな回復基調が続きました。世界経済は拡大基調が継続していましたが、当第3四半期以降は米中間の貿易摩擦や、中国経済の減速等から世界経済の停滞が懸念され、先行きの不透明さが増しております。
このような環境の下、当社グループは中期経営計画《Go for Next 100》に基づき、高付加価値品へのシフトを図り、生産性向上や原価低減を加速させるとともに、中長期で持続的な成長を実現するために、設備投資、人財投資、研究開発を積極的に実施しております。こうした事業基盤強化に伴う固定費の増加に加え、物価上昇や事業環境の変化等の収益圧迫要因がありました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は631億81百万円(前年同四半期比2.2%の減収)、営業利益は68億65百万円(前年同四半期比24.5%の減益)、経常利益は74億59百万円(前年同四半期比22.1%の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は55億67百万円(前年同四半期比37.9%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①繊維事業
繊維事業では、主力の芯地販売が日本及び中国でレディース向けを中心に好調に推移しました。また、値上げの浸透や中国から日本への生産移管により収益性が改善しました。
この結果、売上高は38億19百万円(前年同四半期比0.1%の増収)、営業損失は2億24百万円(前年同四半期は営業損失3億13百万円)となりました。
グラスファイバー事業部門
原繊材事業、機能材事業、設備材事業では、高付加価値品へのシフトを図り、営業活動の強化及び原価低減に取り組みましたが、基盤強化施策に伴う費用の増加に加え、物価上昇や一部高付加価値品の販売低迷の影響を受けました。グラスファイバー事業部門に属する各事業の状況と具体的な取り組みは以下のとおりです。
②原繊材事業
原繊材事業では、スマートフォンの生産調整の影響を受け、強化プラスチック用途の複合材や電子材料向けガラスヤーンの販売が、高付加価値品を中心として低下しました。また、第1四半期に実施した大型の設備改修により収益が悪化しました。
この結果、売上高は205億27百万円(前年同四半期比8.1%の減収)、営業利益は31億54百万円(前年同四半期比39.3%の減益)となりました。
③機能材事業
機能材事業では、高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラスの需要は引き続き堅調でしたが、2017年8月に生じた日東紡澳門玻纎紡織有限公司の台風被害により収益が悪化しました。
この結果、売上高は105億90百万円(前年同四半期比1.5%の増収)、営業利益は16億9百万円(前年同四半期比7.0%の減益)となりました。
④設備材事業
設備材事業では、設備・建設資材向けのガラスクロスの販売は安定的に推移しましたが、住宅向け断熱材は第1四半期に実施した大型の設備改修や物流費・資材費・燃料費などの上昇の影響により収益が悪化しました。
この結果、売上高は164億77百万円(前年同四半期比1.2%の増収)、営業利益は5億56百万円(前年同四半期比22.0%の減益)となりました。
⑤ライフサイエンス事業
ライフサイエンス事業では、免疫系体外診断薬を中心に国内、海外向けの販売に注力するとともに原価低減に努めましたが、研究・販売体制強化に伴う費用が増加しました。スペシャリティケミカルス分野においては、高付加価値品を国内外に安定的に供給しました。また飲料分野では、多品種小ロットの需要への幅広い対応を継続した一方で、原料費や物流費の上昇の影響を受けました。
この結果、売上高は105億58百万円(前年同四半期比4.9%の増収)、営業利益は22億21百万円(前年同四半期比12.5%の減益)となりました。
⑥その他の事業
その他の事業は、不動産・サービス事業及び産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。
この結果、売上高は12億7百万円(前年同四半期比27.2%の減収)、営業利益は1億48百万円(前年同四半期は営業損失1億7百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1,455億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億39百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金の減少などであります。
負債は570億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億18百万円減少しました。主な要因は、未払法人税等の減少などであります。
純資産は884億27百万円となり、自己資本比率は60.1%と前連結会計年度末に比べ1.2ポイント上昇しました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉及び当社を支えるステークホルダーとの良好な関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。もとより、上場会社である当社の株式は、株主又は投資家の皆様に自由に取引されるものであり、当社経営の支配権の移転を伴うような大量買付がなされる場合であっても、これが当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限りにおいて、当社は、これを一概に否定するものではありません。また、当社は、株式の大量買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきであると考えております。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、1)長年培われた技術資産や人的資産の流出を防ぎ、そのような技術資産や人的資産を中長期的視野で保護育成すること、2)顧客とのネットワークと当社の有するブランド力を維持・強化していくこと等に重点を置いた経営が必要不可欠であります。
外部者である買収者からの大量買付の提案を受けた際には、上記に加え、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、多岐にわたる事業分野やグループ企業間の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する事項等、様々な事項を適切に把握した上で、当該大量買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があります。
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者を、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えており、不適切な大量買付に対して、必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②基本方針の実現に資する取組みについて
(ア)当社の企業理念
当社グループは、『日東紡グループは、「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、“日東紡でよかった”と思われる企業グループを目指して経営・事業活動に取り組んでおります。
また当社グループは、経営理念をもとにして、会社の価値観を分かりやすい文章で表現した「日東紡宣言」を策定しております。社員一人ひとりが、この「日東紡宣言」を常に意識しながら、自ら考え、行動できるように努めております。
「日東紡宣言」
・日東紡グループは社会の「ベストパートナー」を目指します。
・私たちは、お客様の求めるものを絶えず追究し、お客様に「安心と信頼」を誠実にお届けすることを喜びとします。また、企業活動を通じ株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダー(社会)と共に喜びを分かち合うことを大切にします。
・私たちは自立した一人ひとりの社員の可能性を尊び、自由闊達にアイデアを出し合いながらチームワークにより力を発揮する企業集団を目指します。
・私たち企業グループは社員の成長が会社の成長であることを信じ、社員に成長と自己実現の機会を提供します。社員はまず第一に良き市民であり、深く考え、広く見渡し、果敢に行動します。そして粘り強くやり遂げます。
(イ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上への取組み
当社グループは、1923年(大正12年)に繊維メーカーとして創立して以来、永年にわたって技術、知識を蓄積・継承し、時代の変化をチャンスとして、その都度旺盛なパイオニア精神を発揮しながら、グラスファイバー事業、ライフサイエンス事業などに、幅広い事業基盤を築いてまいりました。
また海外展開においても、新規顧客の獲得や事業拠点の設立など、グローバルな活動を続けております。
さらに当社は、地球環境を継承し、持続的発展に貢献していくことを基本理念に盛り込んだ「日東紡環境憲章」を制定し、すべての事業活動において環境に配慮した製品・サービスを提供することで、環境保全にも努めております。
(ウ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の基盤となる仕組み(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社グループは、経営の透明性向上と法令遵守の徹底により企業価値を高めることがコーポレート・ガバナンスの基本であると認識し、環境の変化に迅速に対応できる内部統制システムを構築しております。
当社グループの「経営理念」、社会から信頼される企業であるための共通の価値観である「日東紡宣言」、そして行動指針である「日東紡行動綱領」「行動規準」について、経営トップが、率先垂範とグループ役職員への周知徹底を図っております。
また、当社グループの事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図ると共に、万が一、不測の事態が発生した場合には、損害の最小化を図る体制の整備も行っております。
具体的には以下の事項に取り組んでおります。
A) 2014年6月26日の定時株主総会における承認を受けて指名委員会等設置会社に移行しました。指名委員会等設置会社に移行することで、監督と執行の分離を一段と明確にし、「監督機能強化・透明性の高い経営」と「事業の迅速な執行・経営の機動性の向上」を図っております。顧客、株主、取引先、従業員等のステークホルダーの期待に、より的確に応えうる体制を構築することで、更なる企業価値向上を図ります。また、会社法第332条第6項に従い、取締役の任期は1年であります。
B) 取締役7名のうち4名を社外取締役としており、業務執行機関に対する取締役会の監督機能をより強化する体制を確立しております。
C) 法令に則り、指名・報酬・監査の各委員会を設置し、各委員会のメンバーの過半数は社外取締役であり、また全ての委員会の委員長は社外取締役になっています。透明性の高い公正な経営監視体制を確立しております。
D) 取締役の解任要件を、会社法の原則(会社法第339条第1項、第341条)に従い普通決議にしております。
E) 2017年6月末日をもって、相談役及び特別顧問制度を廃止し、より一層、透明性の高いガバナンスを構築して参ります。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大量買付が行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために、積極的な情報開示に努めるとともに、その時点において適切な対応をしてまいります。
④当社の取組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
上記②及び③の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な方策として策定されたものであり、上記①の会社の支配に関する基本方針及び株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は10億83百万円であります。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
(注) 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資を中心とした民需に支えられ、緩やかな回復基調が続きました。世界経済は拡大基調が継続していましたが、当第3四半期以降は米中間の貿易摩擦や、中国経済の減速等から世界経済の停滞が懸念され、先行きの不透明さが増しております。
このような環境の下、当社グループは中期経営計画《Go for Next 100》に基づき、高付加価値品へのシフトを図り、生産性向上や原価低減を加速させるとともに、中長期で持続的な成長を実現するために、設備投資、人財投資、研究開発を積極的に実施しております。こうした事業基盤強化に伴う固定費の増加に加え、物価上昇や事業環境の変化等の収益圧迫要因がありました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は631億81百万円(前年同四半期比2.2%の減収)、営業利益は68億65百万円(前年同四半期比24.5%の減益)、経常利益は74億59百万円(前年同四半期比22.1%の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は55億67百万円(前年同四半期比37.9%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①繊維事業
繊維事業では、主力の芯地販売が日本及び中国でレディース向けを中心に好調に推移しました。また、値上げの浸透や中国から日本への生産移管により収益性が改善しました。
この結果、売上高は38億19百万円(前年同四半期比0.1%の増収)、営業損失は2億24百万円(前年同四半期は営業損失3億13百万円)となりました。
グラスファイバー事業部門
原繊材事業、機能材事業、設備材事業では、高付加価値品へのシフトを図り、営業活動の強化及び原価低減に取り組みましたが、基盤強化施策に伴う費用の増加に加え、物価上昇や一部高付加価値品の販売低迷の影響を受けました。グラスファイバー事業部門に属する各事業の状況と具体的な取り組みは以下のとおりです。
②原繊材事業
原繊材事業では、スマートフォンの生産調整の影響を受け、強化プラスチック用途の複合材や電子材料向けガラスヤーンの販売が、高付加価値品を中心として低下しました。また、第1四半期に実施した大型の設備改修により収益が悪化しました。
この結果、売上高は205億27百万円(前年同四半期比8.1%の減収)、営業利益は31億54百万円(前年同四半期比39.3%の減益)となりました。
③機能材事業
機能材事業では、高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラスの需要は引き続き堅調でしたが、2017年8月に生じた日東紡澳門玻纎紡織有限公司の台風被害により収益が悪化しました。
この結果、売上高は105億90百万円(前年同四半期比1.5%の増収)、営業利益は16億9百万円(前年同四半期比7.0%の減益)となりました。
④設備材事業
設備材事業では、設備・建設資材向けのガラスクロスの販売は安定的に推移しましたが、住宅向け断熱材は第1四半期に実施した大型の設備改修や物流費・資材費・燃料費などの上昇の影響により収益が悪化しました。
この結果、売上高は164億77百万円(前年同四半期比1.2%の増収)、営業利益は5億56百万円(前年同四半期比22.0%の減益)となりました。
⑤ライフサイエンス事業
ライフサイエンス事業では、免疫系体外診断薬を中心に国内、海外向けの販売に注力するとともに原価低減に努めましたが、研究・販売体制強化に伴う費用が増加しました。スペシャリティケミカルス分野においては、高付加価値品を国内外に安定的に供給しました。また飲料分野では、多品種小ロットの需要への幅広い対応を継続した一方で、原料費や物流費の上昇の影響を受けました。
この結果、売上高は105億58百万円(前年同四半期比4.9%の増収)、営業利益は22億21百万円(前年同四半期比12.5%の減益)となりました。
⑥その他の事業
その他の事業は、不動産・サービス事業及び産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。
この結果、売上高は12億7百万円(前年同四半期比27.2%の減収)、営業利益は1億48百万円(前年同四半期は営業損失1億7百万円)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1,455億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億39百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金の減少などであります。
負債は570億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億18百万円減少しました。主な要因は、未払法人税等の減少などであります。
純資産は884億27百万円となり、自己資本比率は60.1%と前連結会計年度末に比べ1.2ポイント上昇しました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉及び当社を支えるステークホルダーとの良好な関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。もとより、上場会社である当社の株式は、株主又は投資家の皆様に自由に取引されるものであり、当社経営の支配権の移転を伴うような大量買付がなされる場合であっても、これが当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限りにおいて、当社は、これを一概に否定するものではありません。また、当社は、株式の大量買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきであると考えております。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、1)長年培われた技術資産や人的資産の流出を防ぎ、そのような技術資産や人的資産を中長期的視野で保護育成すること、2)顧客とのネットワークと当社の有するブランド力を維持・強化していくこと等に重点を置いた経営が必要不可欠であります。
外部者である買収者からの大量買付の提案を受けた際には、上記に加え、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、多岐にわたる事業分野やグループ企業間の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する事項等、様々な事項を適切に把握した上で、当該大量買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があります。
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者を、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えており、不適切な大量買付に対して、必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②基本方針の実現に資する取組みについて
(ア)当社の企業理念
当社グループは、『日東紡グループは、「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、“日東紡でよかった”と思われる企業グループを目指して経営・事業活動に取り組んでおります。
また当社グループは、経営理念をもとにして、会社の価値観を分かりやすい文章で表現した「日東紡宣言」を策定しております。社員一人ひとりが、この「日東紡宣言」を常に意識しながら、自ら考え、行動できるように努めております。
「日東紡宣言」
・日東紡グループは社会の「ベストパートナー」を目指します。
・私たちは、お客様の求めるものを絶えず追究し、お客様に「安心と信頼」を誠実にお届けすることを喜びとします。また、企業活動を通じ株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダー(社会)と共に喜びを分かち合うことを大切にします。
・私たちは自立した一人ひとりの社員の可能性を尊び、自由闊達にアイデアを出し合いながらチームワークにより力を発揮する企業集団を目指します。
・私たち企業グループは社員の成長が会社の成長であることを信じ、社員に成長と自己実現の機会を提供します。社員はまず第一に良き市民であり、深く考え、広く見渡し、果敢に行動します。そして粘り強くやり遂げます。
(イ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上への取組み
当社グループは、1923年(大正12年)に繊維メーカーとして創立して以来、永年にわたって技術、知識を蓄積・継承し、時代の変化をチャンスとして、その都度旺盛なパイオニア精神を発揮しながら、グラスファイバー事業、ライフサイエンス事業などに、幅広い事業基盤を築いてまいりました。
また海外展開においても、新規顧客の獲得や事業拠点の設立など、グローバルな活動を続けております。
さらに当社は、地球環境を継承し、持続的発展に貢献していくことを基本理念に盛り込んだ「日東紡環境憲章」を制定し、すべての事業活動において環境に配慮した製品・サービスを提供することで、環境保全にも努めております。
(ウ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の基盤となる仕組み(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社グループは、経営の透明性向上と法令遵守の徹底により企業価値を高めることがコーポレート・ガバナンスの基本であると認識し、環境の変化に迅速に対応できる内部統制システムを構築しております。
当社グループの「経営理念」、社会から信頼される企業であるための共通の価値観である「日東紡宣言」、そして行動指針である「日東紡行動綱領」「行動規準」について、経営トップが、率先垂範とグループ役職員への周知徹底を図っております。
また、当社グループの事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図ると共に、万が一、不測の事態が発生した場合には、損害の最小化を図る体制の整備も行っております。
具体的には以下の事項に取り組んでおります。
A) 2014年6月26日の定時株主総会における承認を受けて指名委員会等設置会社に移行しました。指名委員会等設置会社に移行することで、監督と執行の分離を一段と明確にし、「監督機能強化・透明性の高い経営」と「事業の迅速な執行・経営の機動性の向上」を図っております。顧客、株主、取引先、従業員等のステークホルダーの期待に、より的確に応えうる体制を構築することで、更なる企業価値向上を図ります。また、会社法第332条第6項に従い、取締役の任期は1年であります。
B) 取締役7名のうち4名を社外取締役としており、業務執行機関に対する取締役会の監督機能をより強化する体制を確立しております。
C) 法令に則り、指名・報酬・監査の各委員会を設置し、各委員会のメンバーの過半数は社外取締役であり、また全ての委員会の委員長は社外取締役になっています。透明性の高い公正な経営監視体制を確立しております。
D) 取締役の解任要件を、会社法の原則(会社法第339条第1項、第341条)に従い普通決議にしております。
E) 2017年6月末日をもって、相談役及び特別顧問制度を廃止し、より一層、透明性の高いガバナンスを構築して参ります。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大量買付が行われた際には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために、積極的な情報開示に努めるとともに、その時点において適切な対応をしてまいります。
④当社の取組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
上記②及び③の取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な方策として策定されたものであり、上記①の会社の支配に関する基本方針及び株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は10億83百万円であります。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金調達 方法 | 着手年月 | 完了予定 年月 | 完成後の 増加能力 | |
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | ||||||||
提出会社 | 富久山事業センター (福島県郡山市) | ライフサイエンス事業等 | 研究・ 技術開発 | 2,700 | 14 | 自己資金 | 2019年 2月 | 2020年 4月 | 研究開発体制の強化 |
(注) 上記の金額に消費税等は含まれておりません。