有価証券報告書-第159期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いたものの製造業の企業収益や生産に減速感がみられ、世界経済も米中貿易摩擦や中国経済の減速、英国のEU離脱問題等から減速傾向が継続する中、第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済が甚大な影響を受け、先行きは不透明さが増しております。
このような環境の下、当社グループは『中期経営計画《Go for Next 100》』に基づき、中長期で持続的な成長を実現するために高付加価値品へのシフトを進めるべくスペシャルガラスの生産設備を順次計画通り立ち上げ、人材投資、研究開発も積極的に実施いたしました。
この結果、連結売上高は85,722百万円(前年同期比4.2%の増収)、連結営業利益は8,160百万円(前年同期比0.5%の減益)、連結経常利益は8,202百万円(前年同期比8.2%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,771百万円(前年同期比27.7%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
繊維事業は、売上高3,616百万円と前年同期比25.6%の減収となり、営業損失は221百万円(前連結会計年度は営業損失373百万円)となりました。
原繊材事業は、売上高25,017百万円と前年同期比5.4%の減収となり、営業利益は3,091百万円と前年同期比21.5%の減益となりました。
機能材事業は、売上高19,843百万円と前年同期比41.3%の増収となり、営業利益は2,919百万円と前年同期比43.7%の増益となりました。
設備材事業は、売上高21,396百万円と前年同期比1.8%の減収となり、営業利益は444百万円と前年同期比29.3%の減益となりました。
ライフサイエンス事業は、売上高15,052百万円と前年同期比9.9%の増収となり、営業利益は2,878百万円と前年同期比8.8%の増益となりました。
その他の事業は、売上高796百万円と前年同期比45.7%の減収となり、営業利益は467百万円と前年同期比120.7%の増益となりました。
当連結会計年度において、実質支配力基準によりBaotek Industrial Materials Ltd.を持分法適用関連会社から連結子会社に変更しております。
上記の変更を踏まえ、当連結会計年度末における総資産は172,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,824百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金、機械装置及び運搬具の増加などであります。
負債は74,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,860百万円増加しました。主な要因は、社債、長期借入金の増加などであります。
純資産は98,704百万円となり、自己資本比率は54.2%と前連結会計年度末に比べ5.2ポイント減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金10,614百万円、投資活動により使用した資金16,917百万円、財務活動により得られた資金12,628百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ6,550百万円増加し、当連結会計年度末には22,695百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、前連結会計年度の5,317百万円の増加から、10,614百万円の増加となりました。これは主に「①財政状態及び経営成績の状況」で記載いたしましたとおりの事業活動の結果、税金等調整前当期純利益が7,592百万円となったほか、減価償却費5,388百万円などにより資金が増加した一方、法人税等の支払額1,073百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、前連結会計年度の11,389百万円の減少から16,917百万円の減少となりました。これは主に、固定資産の取得による支出17,176百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、前連結会計年度の3,948百万円の増加から12,628百万円の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入11,462百万円、社債の発行による収入10,000百万円により資金が増加したことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(ア)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(イ)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込生産を行っており、受注生産はほとんどありません。
(ウ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
日東紡グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
『中期経営計画《Go for Next 100》』の3年目となる当連結会計年度は、高付加価値化を推進するために基盤強化に努め、設備投資、人材投資、研究開発に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結経常利益は8,202百万円(前年同期比8.2%の減益)となりました。
また、補助金収入993百万円など計2,280百万円の特別利益を計上し、一方、災害による損失1,083百万円など計2,890百万円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,771百万円(前年同期比27.7%の減益)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策につきましては、前述の「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営環境」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
繊維事業では、日東紡(中国)有限公司の持分譲渡や市況の低迷によって売上高は減少しましたが、値上げの浸透や中国から日本への生産移管を実施しました。
この結果、当事業は売上高3,616百万円と前年同期比25.6%の減収となり、営業損失は221百万円(前連結会計年度は営業損失373百万円)となりました。
また、セグメント資産は4,929百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,291百万円減少しました。
グラスファイバー事業部門に属する原繊材事業、機能材事業、設備材事業では、高付加価値品へのシフトを進めるべく生産設備を立ち上げ、順次、収益貢献が始まりましたが、基盤強化施策に伴う費用の増加の影響を受けました。グラスファイバー事業部門に属する各事業の状況と具体的な取り組みは以下のとおりです。
原繊材事業においては、電子材料向けガラスヤーンはスペシャルガラスの新溶融炉立ち上げによるNEヤーンの販売開始やスマートフォン向け極細ヤーンの回復がありましたが、汎用品は低迷しました。強化プラスチック用途の複合材は厳しい状況が継続しました。また、基盤強化施策に伴う人件費及び減価償却費の増加、当社連結子会社の富士ファイバーグラス㈱での火災事故、台風19号による福島工場の浸水被害の影響もありました。
この結果、当事業は売上高25,017百万円と前年同期比5.4%の減収となり、営業利益は3,091百万円と前年同期比21.5%の減益となりました。
また、セグメント資産は61,606百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,100百万円増加しました。
機能材事業では、高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラスの需要が引き続き旺盛で、原繊材セグメントの新溶融炉の増設により機能材セグメントのスペシャルガラス・クロス販売が拡大しました。またBaotek Industrial Materials Ltd.が連結子会社となり売上高が増加しました。
この結果、当事業は売上高19,843百万円と前年同期比41.3%の増収となり、営業利益は2,919百万円と前年同期比43.7%の増益となりました。
また、セグメント資産は22,323百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,231百万円増加しました。
設備材事業では、設備・建設資材向けガラスクロス及び住宅向け断熱材の販売減に加え、設備投資に伴う減価償却費の増加等がありました。
この結果、当事業は売上高21,396百万円と前年同期比1.8%の減収となり、営業利益は444百万円と前年同期比29.3%の減益となりました。
また、セグメント資産は22,155百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円減少しました。
ライフサイエンス事業では、免疫系体外診断薬を中心に国内、海外向けの販売に注力し販売が堅調に推移しました。スペシャリティケミカルス分野においては、高付加価値品を国内外に安定的に供給しました。また飲料分野では、多品種小ロットの需要への幅広い対応を継続して行いました。
この結果、当事業は売上高15,052百万円と前年同期比9.9%の増収となり、営業利益は2,878百万円と前年同期比8.8%の増益となりました。
また、セグメント資産は16,529百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,937百万円増加しました。
その他の事業は、産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。
この結果、売上高796百万円と前年同期比45.7%の減収となり、営業利益は467百万円と前年同期比120.7%の増益となりました。
また、セグメント資産は2,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ658百万円減少しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原燃料費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュフロー(当社グループはフリー・キャッシュフローを営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産活用をはじめとした投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義しております。)、社債の発行及び間接調達により十分な資金を確保しており、借入枠100億円のコミットメントラインにより財務の安定性及び流動性を補完しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いたものの製造業の企業収益や生産に減速感がみられ、世界経済も米中貿易摩擦や中国経済の減速、英国のEU離脱問題等から減速傾向が継続する中、第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済が甚大な影響を受け、先行きは不透明さが増しております。
このような環境の下、当社グループは『中期経営計画《Go for Next 100》』に基づき、中長期で持続的な成長を実現するために高付加価値品へのシフトを進めるべくスペシャルガラスの生産設備を順次計画通り立ち上げ、人材投資、研究開発も積極的に実施いたしました。
この結果、連結売上高は85,722百万円(前年同期比4.2%の増収)、連結営業利益は8,160百万円(前年同期比0.5%の減益)、連結経常利益は8,202百万円(前年同期比8.2%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,771百万円(前年同期比27.7%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
繊維事業は、売上高3,616百万円と前年同期比25.6%の減収となり、営業損失は221百万円(前連結会計年度は営業損失373百万円)となりました。
原繊材事業は、売上高25,017百万円と前年同期比5.4%の減収となり、営業利益は3,091百万円と前年同期比21.5%の減益となりました。
機能材事業は、売上高19,843百万円と前年同期比41.3%の増収となり、営業利益は2,919百万円と前年同期比43.7%の増益となりました。
設備材事業は、売上高21,396百万円と前年同期比1.8%の減収となり、営業利益は444百万円と前年同期比29.3%の減益となりました。
ライフサイエンス事業は、売上高15,052百万円と前年同期比9.9%の増収となり、営業利益は2,878百万円と前年同期比8.8%の増益となりました。
その他の事業は、売上高796百万円と前年同期比45.7%の減収となり、営業利益は467百万円と前年同期比120.7%の増益となりました。
当連結会計年度において、実質支配力基準によりBaotek Industrial Materials Ltd.を持分法適用関連会社から連結子会社に変更しております。
上記の変更を踏まえ、当連結会計年度末における総資産は172,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,824百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金、機械装置及び運搬具の増加などであります。
負債は74,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,860百万円増加しました。主な要因は、社債、長期借入金の増加などであります。
純資産は98,704百万円となり、自己資本比率は54.2%と前連結会計年度末に比べ5.2ポイント減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金10,614百万円、投資活動により使用した資金16,917百万円、財務活動により得られた資金12,628百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ6,550百万円増加し、当連結会計年度末には22,695百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、前連結会計年度の5,317百万円の増加から、10,614百万円の増加となりました。これは主に「①財政状態及び経営成績の状況」で記載いたしましたとおりの事業活動の結果、税金等調整前当期純利益が7,592百万円となったほか、減価償却費5,388百万円などにより資金が増加した一方、法人税等の支払額1,073百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、前連結会計年度の11,389百万円の減少から16,917百万円の減少となりました。これは主に、固定資産の取得による支出17,176百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、前連結会計年度の3,948百万円の増加から12,628百万円の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入11,462百万円、社債の発行による収入10,000百万円により資金が増加したことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(ア)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
繊維事業 | 3,154 | △35.1 |
原繊材事業 | 20,924 | △10.5 |
機能材事業 | 18,184 | 48.7 |
設備材事業 | 18,563 | 0.9 |
ライフサイエンス事業 | 14,313 | 10.2 |
その他の事業 | - | △100.0 |
合計 | 75,141 | 4.4 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(イ)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込生産を行っており、受注生産はほとんどありません。
(ウ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
繊維事業 | 3,616 | △25.6 |
原繊材事業 | 25,017 | △5.4 |
機能材事業 | 19,843 | 41.3 |
設備材事業 | 21,396 | △1.8 |
ライフサイエンス事業 | 15,052 | 9.9 |
その他の事業 | 796 | △45.7 |
合計 | 85,722 | 4.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
日東紡グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
2019年度(実績) | 2020年度目標 | 2023年度目標 | |
経常利益(百万円) | 8,202 | 12,000 | 15,000 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 5,771 | 8,000 | 10,000 |
ROE | 6.3% | 8.0%以上 | 10.0%以上 |
有利子負債(NET)(百万円) | 17,440 | 10,000以下 | 実質ゼロ |
自己資本比率 | 54.2% | 60.0%以上 | 70.0% |
設備投資(百万円) | 16,717 | 4年間累計 55,000 | - |
『中期経営計画《Go for Next 100》』の3年目となる当連結会計年度は、高付加価値化を推進するために基盤強化に努め、設備投資、人材投資、研究開発に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結経常利益は8,202百万円(前年同期比8.2%の減益)となりました。
また、補助金収入993百万円など計2,280百万円の特別利益を計上し、一方、災害による損失1,083百万円など計2,890百万円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,771百万円(前年同期比27.7%の減益)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策につきましては、前述の「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営環境」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
繊維事業では、日東紡(中国)有限公司の持分譲渡や市況の低迷によって売上高は減少しましたが、値上げの浸透や中国から日本への生産移管を実施しました。
この結果、当事業は売上高3,616百万円と前年同期比25.6%の減収となり、営業損失は221百万円(前連結会計年度は営業損失373百万円)となりました。
また、セグメント資産は4,929百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,291百万円減少しました。
グラスファイバー事業部門に属する原繊材事業、機能材事業、設備材事業では、高付加価値品へのシフトを進めるべく生産設備を立ち上げ、順次、収益貢献が始まりましたが、基盤強化施策に伴う費用の増加の影響を受けました。グラスファイバー事業部門に属する各事業の状況と具体的な取り組みは以下のとおりです。
原繊材事業においては、電子材料向けガラスヤーンはスペシャルガラスの新溶融炉立ち上げによるNEヤーンの販売開始やスマートフォン向け極細ヤーンの回復がありましたが、汎用品は低迷しました。強化プラスチック用途の複合材は厳しい状況が継続しました。また、基盤強化施策に伴う人件費及び減価償却費の増加、当社連結子会社の富士ファイバーグラス㈱での火災事故、台風19号による福島工場の浸水被害の影響もありました。
この結果、当事業は売上高25,017百万円と前年同期比5.4%の減収となり、営業利益は3,091百万円と前年同期比21.5%の減益となりました。
また、セグメント資産は61,606百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,100百万円増加しました。
機能材事業では、高速大容量通信に資する電子材料向けスペシャルガラスの需要が引き続き旺盛で、原繊材セグメントの新溶融炉の増設により機能材セグメントのスペシャルガラス・クロス販売が拡大しました。またBaotek Industrial Materials Ltd.が連結子会社となり売上高が増加しました。
この結果、当事業は売上高19,843百万円と前年同期比41.3%の増収となり、営業利益は2,919百万円と前年同期比43.7%の増益となりました。
また、セグメント資産は22,323百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,231百万円増加しました。
設備材事業では、設備・建設資材向けガラスクロス及び住宅向け断熱材の販売減に加え、設備投資に伴う減価償却費の増加等がありました。
この結果、当事業は売上高21,396百万円と前年同期比1.8%の減収となり、営業利益は444百万円と前年同期比29.3%の減益となりました。
また、セグメント資産は22,155百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円減少しました。
ライフサイエンス事業では、免疫系体外診断薬を中心に国内、海外向けの販売に注力し販売が堅調に推移しました。スペシャリティケミカルス分野においては、高付加価値品を国内外に安定的に供給しました。また飲料分野では、多品種小ロットの需要への幅広い対応を継続して行いました。
この結果、当事業は売上高15,052百万円と前年同期比9.9%の増収となり、営業利益は2,878百万円と前年同期比8.8%の増益となりました。
また、セグメント資産は16,529百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,937百万円増加しました。
その他の事業は、産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。
この結果、売上高796百万円と前年同期比45.7%の減収となり、営業利益は467百万円と前年同期比120.7%の増益となりました。
また、セグメント資産は2,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ658百万円減少しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原燃料費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュフロー(当社グループはフリー・キャッシュフローを営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産活用をはじめとした投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義しております。)、社債の発行及び間接調達により十分な資金を確保しており、借入枠100億円のコミットメントラインにより財務の安定性及び流動性を補完しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 」に記載しております。