四半期報告書-第206期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 15:10
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態および経営成績に影響を及ぼしております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)および(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(1)経営成績の状況
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
親会社株主に
帰属する四半期純利益
(百万円)
1株当たり
四半期純利益
(円)
当第3四半期
連結累計期間
159,82020,07115,978240.88
前第3四半期
連結累計期間
138,67112,3458,458127.51
増減21,1497,7257,520113.37
増減率(%)+15.3+62.6+88.9+88.9

当第3四半期連結累計期間における事業環境は、日本の景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、持ち直しの動きに弱さがみられます。製造業では設備投資や生産は持ち直しに足踏みがみられ、輸出はおおむね横ばいとなっております。海外の景気は、米国では持ち直しており、新興国では持ち直しの動きがみられる一方、中国では回復テンポがこのところ鈍化しております。
このような状況の中、当社グループにおいては、半導体製造装置向け製品の需要が高水準で推移したことに加え、自動車部品の需要が新型コロナウイルス感染症の流行前の水準まで回復したことにより、当社グループの売上高は、前年同四半期に対し21,149百万円(15.3%)増加の159,820百万円となりました。
売上原価については、売上高の増加に伴い前年同四半期に対し13,103百万円(12.3%)増加の119,900百万円となりました。また、販売費及び一般管理費については、前年同四半期に対し320百万円(1.6%)増加の19,847百万円となりました。
営業利益については、売上高の増加により、前年同四半期に対し7,725百万円(62.6%)増加の20,071百万円となり、営業利益率は12.6%となりました。
営業外収益については、主に為替差益の増加により前年同四半期に対し549百万円(31.8%)増加の2,276百万円となりました。また、営業外費用については、主に為替差損の減少により前年同四半期に対し692百万円(72.1%)減少の268百万円となりました。
上記の結果、経常利益については、前年同四半期に対し8,967百万円(68.4%)増加の22,080百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同四半期に対し7,520百万円(88.9%)増加の15,978百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
<プラント向け工事・販売>(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減増減率(%)
売上高42,73342,880146+0.3
セグメント利益4,7784,173△604△12.7

プラント向け工事・販売については、収益認識会計基準等の適用に伴い工事契約に係る収益認識の方法を変更したことにより、売上高は前年同四半期に対し0.3%増の42,880百万円となりました。一方で、利益率の高いメンテナンスの件数が減少したため、セグメント利益は前年同四半期に対し12.7%減の4,173百万円となりました。
<工業製品>(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減増減率(%)
売上高32,12335,7373,613+11.3
セグメント利益4,3856,5722,187+49.9

工業製品については、電子部品・半導体関連市場の回復により、ふっ素樹脂製品、無機断熱材の需要が堅調に推移したことに加え、中国市場での環境製品の需要が高水準で推移したため、売上高は前年同四半期に対し11.3%増の35,737百万円、セグメント利益は前年同四半期に対し49.9%増の6,572百万円となりました。
<高機能製品>(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減増減率(%)
売上高17,25826,3299,070+52.6
セグメント利益2,2575,7643,507+155.4

高機能製品については、半導体の需要が好調に推移したため、売上高は前年同四半期に対し52.6%増の26,329百万円、セグメント利益は前年同四半期に対し155.4%増の5,764百万円となりました。
<自動車部品>(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減増減率(%)
売上高27,38333,3846,000+21.9
セグメント利益9943,2212,226+223.9

自動車部品については、前年同四半期に新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な需要減がありましたが、前年第3四半期以降、国内外の需要は回復しているため、売上高は前年同四半期に対し21.9%増の33,384百万円、セグメント利益は前年同四半期に対し223.9%増の3,221百万円となりました。
<建材>(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減増減率(%)
売上高19,17021,4882,317+12.1
セグメント利益
又は損失(△)
△69339408-

建材については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う着工の遅れや工期遅延の影響が緩和され、フロア工事の需要が回復したため、売上高は前年同四半期に対し12.1%増の21,488百万円、セグメント利益は339百万円(前年同四半期はセグメント損失69百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、現金及び預金が4,681百万円、電子記録債権が2,430百万円、土地が2,154百万円、原材料及び貯蔵品が2,105百万円、商品及び製品が2,069百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して15,893百万円増加の235,496百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における負債は、賞与引当金が890百万円減少しましたが、電子記録債務が1,431百万円、流動負債のその他に含まれる預り金等が1,338百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して2,022百万円増加の85,174百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、利益剰余金が10,967百万円、その他有価証券評価差額金が1,532百万円、為替換算調整勘定が1,157百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して13,871百万円増加の150,322百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して4,476百万円増加し44,066百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は15,880百万円(前年同四半期は9,816百万円の獲得)となりました。
これは、法人税等の支払額6,945百万円、棚卸資産の増加3,953百万円等により資金が減少しましたが、税金等調整前四半期純利益22,138百万円、減価償却費4,833百万円および仕入債務の増加1,164百万円等により資金が増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は6,140百万円(前年同四半期は4,425百万円の支出)となりました。
これは、関係会社の清算による収入1,547百万円等により資金が増加しましたが、有形固定資産の取得による支出7,250百万円等により資金が減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は5,901百万円(前年同四半期は5,520百万円の支出)となりました。
これは、配当金の支払額5,411百万円等により資金が減少したことによります。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4,105百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、プラント向け工事・販売の受注残高が17,653百万円と前年同四半期末と比較し、33.2%の減少となりました。これは、主に収益認識会計基準等の適用に伴い工事契約に係る収益認識の方法を変更したことによるものです。
工業製品の受注残高が8,003百万円と前年同四半期末と比較し、46.9%の増加となりました。これは中国での環境関連製品の需要が増加したことによるものです。
高機能製品の生産高が18,104百万円、受注高が32,375百万円、受注残高が12,144百万円と前年同四半期と比較し、それぞれ53.1%、76.9%、147.5%の増加となりました。これは、半導体製造装置向け関連製品の需要が増加したことによるものです。
自動車部品の生産高が28,494百万円と前年同四半期と比較し、32.5%の増加となりました。これは、世界的に自動車部品関連製品の需要が増加したことによるものです。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画の主なものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名
設備の
所在地
セグメント
の名称
設備の
内容
投資予定額資金調達
方法
着手および完了予定投資目的
総額
(百万円)
既支払額(百万円)着手完了
ニチアス㈱
袋井工場
袋井工場
(静岡県
袋井市)
高機能製品製造設備1,70036自己資金
及び
借入金
2021年6月2022年10月生産能力
増強
ニチアス㈱
鶴見工場
鶴見工場
(横浜市
鶴見区)
高機能製品製造設備300137自己資金
及び
借入金
2021年8月2022年4月生産能力
増強
㈱熊本
ニチアス
本社工場
(熊本県
菊池郡)
高機能製品製造設備30072自己資金
及び
借入金
2021年9月2022年4月生産能力増強
㈱福島
ニチアス
本社工場
(福島県
相馬郡)
高機能製品製造設備2005自己資金
及び
借入金
2021年9月2022年4月生産能力
増強
ニチアス㈱
羽島工場
羽島工場
(岐阜県
羽島市)
高機能製品製造設備1,400-自己資金
及び
借入金
2021年10月2023年10月BCP対応

(7)経営成績に重要な影響を与える要因について
当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(8)経営戦略の現状の見通し及び対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(9)財務政策
運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、社債の発行および金融機関からの借入れにより調達しております。
(10)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
新型コロナウイルス感染症の影響による会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。