有価証券報告書-第104期(2022/01/01-2022/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末(2022年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2021年12月31日)と比較して497億78百万円増加し、7,479億7百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して206億8百万円増加し、2,189億95百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して291億69百万円増加し、5,289億12百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,246億34百万円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益261億84百万円(同20.1%減)、経常利益340億58百万円(同24.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益281億67百万円(同0.9%増)となりました。
部門別の経営成績は次のとおりです。
「電子・情報」の分野は、売上高1,487億64百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。「機能材料・その他」の分野は、売上高1,758億70百万円(同27.9%増)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて278億60百万円減少し、1,068億62百万円となりました。
営業活動によって得られた資金は315億63百万円(前連結会計年度比383億17百万円の収入減)となりました。
投資活動に使用した資金は571億55百万円(同254億円の支出増)となりました。
財務活動に使用した資金は58億74百万円(同233億4百万円の支出減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
(注)生産金額は、平均販売価額により算出したものです。
b.受注実績
基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
です。
前連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの相手先も当該割
合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2023年3月31日)において判断したものです。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(総資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して497億78百万円増加し、7,479億7百万円
となりました。流動資産では、期末に向けて出荷が減少したこと等により、商品及び製品が増加しました。ま
た、価格の高騰やサプライチェーンの混乱に備えた調達により、原材料及び貯蔵品が増加しました。固定資産で
は、減価償却が進んだ一方で、設備投資や円安による外貨建て資産の円換算額の増加等により有形固定資産が増
加しました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して206億8百万円増加し、2,189億95百万円
となりました。流動負債では、原材料等の仕入高の増加により支払手形及び買掛金が、また、返済期限が1年以
内の長期借入金を振り替えたことにより短期借入金がそれぞれ増加しました。一方、社債を償還しました。
固定負債では、海外子会社において設備投資のための借入を行い、また当社初となるグリーンローンによる資
金調達を行ったこと等から、長期借入金が増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して291億69百万円増加し、5,289億12百万
円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により利益剰余金が増加しました。また、主要な通貨において円安に振れたことから、為替換算調整勘定が増加しました。
b.経営成績
(当連結会計年度の経営成績)
(部門別の経営成績)
2022年度(当連結会計年度)は、中期経営計画「EGP2026」の計画初年度です。
当連結会計年度においては、世界的にサプライチェーンが混乱しましたが、早期の調達や調達先の拡大等に取
り組んだことで、生産活動や製品出荷、設備投資に大きな影響を与えることなく事業を遂行してまいりました。
また、各事業分野において将来を見据えた戦略を着実に実行し、目標の達成に向けて歩みを進めることができま
した。
FPD用ガラス事業では、中国での事業基盤強化のため、中国厦門の生産拠点において新たに加工設備の投資
を行い、第10.5世代サイズの溶融・成形から加工までの一貫生産体制を構築しました。ガラス繊維事業では、マ
レーシアにおいて設備投資を行い、今後も成長が見込まれる自動車関連市場におけるコスト競争力向上とグロー
バル供給体制強化を図ってきました。光関連・電子デバイス用ガラス事業では、半導体分野等において拡販や新
製品の事業化を進めました。医薬用管ガラス事業では、将来の需要を見据えマレーシアで生産能力増強のための
投資を行いました。
一方、研究開発の取り組みにおいては、全固体ナトリウムイオン二次電池の開発が進展したほか、無色透明ガ
ラスとして世界一高い屈折率を持つガラスを開発し、宝飾ガラスinfiora®の事業を開始しました。
今後も世界経済は不確実性が高く将来の予測が困難な状況が続くものと思われますが、当社グループとして
は、中期経営計画のスローガンを旗印に、“自らが変化し、スピードをあげて”事業に邁進していくことで「E
GP2026」の経営目標を達成してまいります。
部門別の状況は次のとおりです。
「電子・情報」分野では、FPD用ガラスは、第2四半期以降得意先の生産調整の影響を受け、売上は前連結
会計年度を下回りました。電子デバイス用ガラスは、半導体やイメージセンサ向けを中心に需要が堅調に推移
し、売上は前連結会計年度を上回りました。これらの結果、電子・情報の売上は前連結会計年度比で減少しまし
た。
「機能材料・その他」分野では、ガラスファイバは、第3四半期に入り自動車部品向け高機能樹脂用途を中心
に需要が弱くなりましたが、円安に加え、製品価格の改定、物流やエネルギーコストに係るサーチャージが売上
を下支えしました。医薬用管ガラスや耐熱ガラスは、第4四半期に需要が軟化したものの、円安等が売上に寄与
しました。これらの結果、機能材料・その他の売上は前連結会計年度を上回りました。
これらにより、売上高は3,246億34百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。
損益面では、原燃料価格や物流費の高騰、円安の進行等によりコストが上昇する中、費用削減や生産性改善等
の取り組みを強化し、製品価格の改定や各種サーチャージによるコストの回収に努めました。しかしながら、F
PD用ガラスを中心とした稼働率低下による原価高が大きく影響し、営業利益は261億84百万円(同20.1%減)
となりました。この結果、売上高営業利益率は8.1%と前連結会計年度と比べ、3.1ポイント下がりました。
また、営業利益の減少に加えて、営業外収益において海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替
差益が前連結会計年度に比べ減少したこと等により、経常利益は340億58百万円(同24.3%減)となりました。
特別損益については、前連結会計年度は、2020年に発生した国内事業場の停電等に関して多額の特別損失を計
上したため58億40百万円の損失となった一方、当連結会計年度は、上記停電に係る受取保険金を特別利益に計上
したこと等により54億59百万円の利益となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は395億17百万円(同1.0%増)となりました。また、法人税、住民税
及び事業税は81億11百万円を、法人税等調整額は29億10百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は
281億67百万円(同0.9%増)となりました。
なお、1株当たり当期純利益は302円76銭(同4.0%増)となりました。
(2023年2月3日公表の2023年度の業績予想)
2023年度については、世界経済は、インフレーションの加速や地政学リスクによる影響など先行き不透明な状
況が続くものの緩やかに持ち直すと見込んでいます。
「電子・情報」分野においては、FPD用ガラスは、中国市場を中心に緩やかな回復が期待されるものの、年
前半は得意先の生産調整の影響を大きく受けるものと見込んでいます。電子デバイス用ガラスは、半導体や自動
車等の注力市場において拡販と開発品の事業化を推進していきます。
「機能材料・その他」分野においては、ガラスファイバは、自動車関連市場向けを中心に需要が徐々に回復す
るものと予想しています。医薬用管ガラスは、年後半には需要が回復する見込みです。耐熱ガラスは、需要が一
巡するものの、底堅い売上を見込んでいます。
損益面では、原燃料価格のさらなる高騰や稼働調整等が利益を圧迫する見込みです。引き続き、費用削減や生
産性改善、需要動向に対応した稼働に取り組むとともに、製品価格の改定やサーチャージによるコスト回収を進
めることで利益の確保に努めてまいります。一方、新製品や新たな製造プロセスの開発など将来を見据えた成長
投資は、手を緩めることなく着実に進めてまいります。
当社グループでは、2022年度から5か年の新中期経営計画「EGP2026」をスタートしています。
初回の「EGP2018」では「企業理念の浸透」、「事業の拡大」、「積極的なM&A」に、2回目の「E
GP2021」では「事業基盤の強化」、「プロセス技術の革新」、「研究開発の推進」に取り組んできまし
た。これらの結果、2015年度と2021年度を比較すると、事業規模の拡大だけでなく、事業ポートフォリオを大き
く改善することができました。
「EGP2026」では、目指すべき企業像である“世界一の特殊ガラスメーカー”の実現に向けて、「既存
事業の持続的な成長」、「戦略事業の立ち上げ」、「カーボンニュートラルの推進」に全社を挙げて取り組んで
まいります。「EGP2026」については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課
題等(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 <中期経営計
画「EGP2026」>をご覧ください。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に
記載しています。
[中期経営計画の変遷]

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度並みに推移しました。一方、販売の減速や原材
料及び貯蔵品の増加により棚卸資産が増加するとともに、法人税等の支払いが増加したこと等により、営業活動
によって得られた資金は315億63百万円(前連結会計年度比383億17百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主としてFPD用ガラス及びガラスファイバ設備の取得により、投資活動に使用した資金は571億55百万円
(同254億円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株主への配当金の支払い及び社債の償還があったものの、新たにグリーンローンによる資金調達を行ったこと
から、財務活動によって使用した資金は58億74百万円(同233億4百万円の支出減)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額36億5百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物
の残高は、前連結会計年度末と比べ278億60百万円減少し、1,068億62百万円となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強固な財務基盤を目指すとともに、経営全般のさらなる効率化を
追求するべく、キャッシュ・フロー重視、資産効率重視(金融資産・棚卸資産の圧縮、設備の生産性向上と集
約)、財務の健全性を財務方針に掲げています。
設備投資に関しては、設備の更新やガラス溶融炉の定期修繕のほか、マーケットの成長やカスタマーニーズに
応じた投資を行うとともに、工場の強健化やカーボンニュートラルの実現に向けた投資を実行してまいります。
研究開発に関しても、会社の成長基盤となる基礎的研究開発を継続的に行うとともに、成長分野への事業展開を
見据えた製品開発を進めてまいります。
当社グループの所要資金は、主として設備資金及び運転資金であり、これらを自己資金、借入金及び社債の発
行等で賄っています。また、グループファイナンスを活用することで手許資金の活用を図っています。一方、当
社グループは機動的な資金調達を行うため、国内金融機関と総額250億円のコミットメントライン契約を締結して
います。当社としましては、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持していることに加えて、日本格付研
究所の格付は「シングルAプラス」となっていることから、安定的に資金調達ができるものと認識しています。
なお、当社は、2022年11月、グリーンファイナンス・フレームワークを策定し、当社初となるグリーンローン
により、国内金融機関5社から総額100億円の資金調達を実施しました。本フレームワークは、株式会社日本格付
研究所(JCR)からグリーンボンド原則・ガイドライン及びグリーンローン原則・ガイドラインへの適合性に
ついて最上位である「Green1(F)」の評価を得ています。
今後も、健全な財務基盤の下、事業環境の変化する中においても安定した事業運営が行えるよう努めてまいり
ます。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資、並びにこれらの活動を支える売上と利益が不可欠であると考えます。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率を重要な指標と位置付けています。
2022年2月2日に公表しました中期経営計画「EGP2026」においても、これらを経営目標として掲げ、確実に達成してまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、下記のものが特に重要なものと判断しています。
・繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは、繰延税金資産を計上するにあたり、繰延税金資産の回収可能性について、納税主体ごとに将来減算一時差異の解消スケジュール、将来課税所得及びタックスプランニング等に基づき判断しています。将来課税所得の見積りは、経営者によって作成された事業計画を基礎としています。
課税所得の発生状況は、将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の回収可能性に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末(2022年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2021年12月31日)と比較して497億78百万円増加し、7,479億7百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して206億8百万円増加し、2,189億95百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して291億69百万円増加し、5,289億12百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,246億34百万円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益261億84百万円(同20.1%減)、経常利益340億58百万円(同24.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益281億67百万円(同0.9%増)となりました。
部門別の経営成績は次のとおりです。
「電子・情報」の分野は、売上高1,487億64百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。「機能材料・その他」の分野は、売上高1,758億70百万円(同27.9%増)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて278億60百万円減少し、1,068億62百万円となりました。
営業活動によって得られた資金は315億63百万円(前連結会計年度比383億17百万円の収入減)となりました。
投資活動に使用した資金は571億55百万円(同254億円の支出増)となりました。
財務活動に使用した資金は58億74百万円(同233億4百万円の支出減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| ガラス事業 | 346,893 | 121.1 |
| 合計 | 346,893 | 121.1 |
(注)生産金額は、平均販売価額により算出したものです。
b.受注実績
基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| ガラス事業 | 324,634 | 111.2 |
| 合計 | 324,634 | 111.2 |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
です。
前連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
| 相手先 | 金額(百万円) | 割合(%) |
| LGディスプレイ㈱ | 41,898 | 14.3 |
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの相手先も当該割
合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2023年3月31日)において判断したものです。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
| 前連結会計年度末 (百万円) | 当連結会計年度末 (百万円) | 増減 (百万円) | |
| 総資産 | 698,129 | 747,907 | 49,778 |
| 負債 | 198,386 | 218,995 | 20,608 |
| 純資産 | 499,742 | 528,912 | 29,169 |
(総資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して497億78百万円増加し、7,479億7百万円
となりました。流動資産では、期末に向けて出荷が減少したこと等により、商品及び製品が増加しました。ま
た、価格の高騰やサプライチェーンの混乱に備えた調達により、原材料及び貯蔵品が増加しました。固定資産で
は、減価償却が進んだ一方で、設備投資や円安による外貨建て資産の円換算額の増加等により有形固定資産が増
加しました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して206億8百万円増加し、2,189億95百万円
となりました。流動負債では、原材料等の仕入高の増加により支払手形及び買掛金が、また、返済期限が1年以
内の長期借入金を振り替えたことにより短期借入金がそれぞれ増加しました。一方、社債を償還しました。
固定負債では、海外子会社において設備投資のための借入を行い、また当社初となるグリーンローンによる資
金調達を行ったこと等から、長期借入金が増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して291億69百万円増加し、5,289億12百万
円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により利益剰余金が増加しました。また、主要な通貨において円安に振れたことから、為替換算調整勘定が増加しました。
b.経営成績
(当連結会計年度の経営成績)
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (%) | |
| 売上高 | 292,033 | 324,634 | 11.2 |
| 営業利益 | 32,779 | 26,184 | △20.1 |
| (営業利益率) | (11.2%) | (8.1%) | - |
| 経常利益 | 44,979 | 34,058 | △24.3 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 27,904 | 28,167 | 0.9 |
(部門別の経営成績)
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 比率 (%) | |
| 電子・情報 | 154,556 | 52.9 | 148,764 | 45.8 | △5,792 | △3.7 |
| 機能材料・その他 | 137,476 | 47.1 | 175,870 | 54.2 | 38,393 | 27.9 |
| 合計 | 292,033 | 100.0 | 324,634 | 100.0 | 32,601 | 11.2 |
2022年度(当連結会計年度)は、中期経営計画「EGP2026」の計画初年度です。
当連結会計年度においては、世界的にサプライチェーンが混乱しましたが、早期の調達や調達先の拡大等に取
り組んだことで、生産活動や製品出荷、設備投資に大きな影響を与えることなく事業を遂行してまいりました。
また、各事業分野において将来を見据えた戦略を着実に実行し、目標の達成に向けて歩みを進めることができま
した。
FPD用ガラス事業では、中国での事業基盤強化のため、中国厦門の生産拠点において新たに加工設備の投資
を行い、第10.5世代サイズの溶融・成形から加工までの一貫生産体制を構築しました。ガラス繊維事業では、マ
レーシアにおいて設備投資を行い、今後も成長が見込まれる自動車関連市場におけるコスト競争力向上とグロー
バル供給体制強化を図ってきました。光関連・電子デバイス用ガラス事業では、半導体分野等において拡販や新
製品の事業化を進めました。医薬用管ガラス事業では、将来の需要を見据えマレーシアで生産能力増強のための
投資を行いました。
一方、研究開発の取り組みにおいては、全固体ナトリウムイオン二次電池の開発が進展したほか、無色透明ガ
ラスとして世界一高い屈折率を持つガラスを開発し、宝飾ガラスinfiora®の事業を開始しました。
今後も世界経済は不確実性が高く将来の予測が困難な状況が続くものと思われますが、当社グループとして
は、中期経営計画のスローガンを旗印に、“自らが変化し、スピードをあげて”事業に邁進していくことで「E
GP2026」の経営目標を達成してまいります。
部門別の状況は次のとおりです。
「電子・情報」分野では、FPD用ガラスは、第2四半期以降得意先の生産調整の影響を受け、売上は前連結
会計年度を下回りました。電子デバイス用ガラスは、半導体やイメージセンサ向けを中心に需要が堅調に推移
し、売上は前連結会計年度を上回りました。これらの結果、電子・情報の売上は前連結会計年度比で減少しまし
た。
「機能材料・その他」分野では、ガラスファイバは、第3四半期に入り自動車部品向け高機能樹脂用途を中心
に需要が弱くなりましたが、円安に加え、製品価格の改定、物流やエネルギーコストに係るサーチャージが売上
を下支えしました。医薬用管ガラスや耐熱ガラスは、第4四半期に需要が軟化したものの、円安等が売上に寄与
しました。これらの結果、機能材料・その他の売上は前連結会計年度を上回りました。
これらにより、売上高は3,246億34百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。
損益面では、原燃料価格や物流費の高騰、円安の進行等によりコストが上昇する中、費用削減や生産性改善等
の取り組みを強化し、製品価格の改定や各種サーチャージによるコストの回収に努めました。しかしながら、F
PD用ガラスを中心とした稼働率低下による原価高が大きく影響し、営業利益は261億84百万円(同20.1%減)
となりました。この結果、売上高営業利益率は8.1%と前連結会計年度と比べ、3.1ポイント下がりました。
また、営業利益の減少に加えて、営業外収益において海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替
差益が前連結会計年度に比べ減少したこと等により、経常利益は340億58百万円(同24.3%減)となりました。
特別損益については、前連結会計年度は、2020年に発生した国内事業場の停電等に関して多額の特別損失を計
上したため58億40百万円の損失となった一方、当連結会計年度は、上記停電に係る受取保険金を特別利益に計上
したこと等により54億59百万円の利益となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は395億17百万円(同1.0%増)となりました。また、法人税、住民税
及び事業税は81億11百万円を、法人税等調整額は29億10百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は
281億67百万円(同0.9%増)となりました。
なお、1株当たり当期純利益は302円76銭(同4.0%増)となりました。
(2023年2月3日公表の2023年度の業績予想)
| 第2四半期(累計) | 通期 | EGP2026目標値 | |
| 売上高 | 1,600億円 | 3,400億円 | 4,000億円 |
| 営業利益 | 30億円 | 100億円 | 450億円 |
| (営業利益率) | (1.9%) | (2.9%) | (11%) |
| 経常利益 | 30億円 | 100億円 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 20億円 | 80億円 | - |
2023年度については、世界経済は、インフレーションの加速や地政学リスクによる影響など先行き不透明な状
況が続くものの緩やかに持ち直すと見込んでいます。
「電子・情報」分野においては、FPD用ガラスは、中国市場を中心に緩やかな回復が期待されるものの、年
前半は得意先の生産調整の影響を大きく受けるものと見込んでいます。電子デバイス用ガラスは、半導体や自動
車等の注力市場において拡販と開発品の事業化を推進していきます。
「機能材料・その他」分野においては、ガラスファイバは、自動車関連市場向けを中心に需要が徐々に回復す
るものと予想しています。医薬用管ガラスは、年後半には需要が回復する見込みです。耐熱ガラスは、需要が一
巡するものの、底堅い売上を見込んでいます。
損益面では、原燃料価格のさらなる高騰や稼働調整等が利益を圧迫する見込みです。引き続き、費用削減や生
産性改善、需要動向に対応した稼働に取り組むとともに、製品価格の改定やサーチャージによるコスト回収を進
めることで利益の確保に努めてまいります。一方、新製品や新たな製造プロセスの開発など将来を見据えた成長
投資は、手を緩めることなく着実に進めてまいります。
当社グループでは、2022年度から5か年の新中期経営計画「EGP2026」をスタートしています。
初回の「EGP2018」では「企業理念の浸透」、「事業の拡大」、「積極的なM&A」に、2回目の「E
GP2021」では「事業基盤の強化」、「プロセス技術の革新」、「研究開発の推進」に取り組んできまし
た。これらの結果、2015年度と2021年度を比較すると、事業規模の拡大だけでなく、事業ポートフォリオを大き
く改善することができました。
「EGP2026」では、目指すべき企業像である“世界一の特殊ガラスメーカー”の実現に向けて、「既存
事業の持続的な成長」、「戦略事業の立ち上げ」、「カーボンニュートラルの推進」に全社を挙げて取り組んで
まいります。「EGP2026」については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課
題等(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 <中期経営計
画「EGP2026」>をご覧ください。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に
記載しています。
[中期経営計画の変遷]

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 69,881 | 31,563 | △38,317 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △31,754 | △57,155 | △25,400 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △29,178 | △5,874 | 23,304 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 134,723 | 106,862 | △27,860 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度並みに推移しました。一方、販売の減速や原材
料及び貯蔵品の増加により棚卸資産が増加するとともに、法人税等の支払いが増加したこと等により、営業活動
によって得られた資金は315億63百万円(前連結会計年度比383億17百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主としてFPD用ガラス及びガラスファイバ設備の取得により、投資活動に使用した資金は571億55百万円
(同254億円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株主への配当金の支払い及び社債の償還があったものの、新たにグリーンローンによる資金調達を行ったこと
から、財務活動によって使用した資金は58億74百万円(同233億4百万円の支出減)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額36億5百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物
の残高は、前連結会計年度末と比べ278億60百万円減少し、1,068億62百万円となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強固な財務基盤を目指すとともに、経営全般のさらなる効率化を
追求するべく、キャッシュ・フロー重視、資産効率重視(金融資産・棚卸資産の圧縮、設備の生産性向上と集
約)、財務の健全性を財務方針に掲げています。
設備投資に関しては、設備の更新やガラス溶融炉の定期修繕のほか、マーケットの成長やカスタマーニーズに
応じた投資を行うとともに、工場の強健化やカーボンニュートラルの実現に向けた投資を実行してまいります。
研究開発に関しても、会社の成長基盤となる基礎的研究開発を継続的に行うとともに、成長分野への事業展開を
見据えた製品開発を進めてまいります。
当社グループの所要資金は、主として設備資金及び運転資金であり、これらを自己資金、借入金及び社債の発
行等で賄っています。また、グループファイナンスを活用することで手許資金の活用を図っています。一方、当
社グループは機動的な資金調達を行うため、国内金融機関と総額250億円のコミットメントライン契約を締結して
います。当社としましては、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持していることに加えて、日本格付研
究所の格付は「シングルAプラス」となっていることから、安定的に資金調達ができるものと認識しています。
なお、当社は、2022年11月、グリーンファイナンス・フレームワークを策定し、当社初となるグリーンローン
により、国内金融機関5社から総額100億円の資金調達を実施しました。本フレームワークは、株式会社日本格付
研究所(JCR)からグリーンボンド原則・ガイドライン及びグリーンローン原則・ガイドラインへの適合性に
ついて最上位である「Green1(F)」の評価を得ています。
今後も、健全な財務基盤の下、事業環境の変化する中においても安定した事業運営が行えるよう努めてまいり
ます。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資、並びにこれらの活動を支える売上と利益が不可欠であると考えます。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率を重要な指標と位置付けています。
2022年2月2日に公表しました中期経営計画「EGP2026」においても、これらを経営目標として掲げ、確実に達成してまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、下記のものが特に重要なものと判断しています。
・繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは、繰延税金資産を計上するにあたり、繰延税金資産の回収可能性について、納税主体ごとに将来減算一時差異の解消スケジュール、将来課税所得及びタックスプランニング等に基づき判断しています。将来課税所得の見積りは、経営者によって作成された事業計画を基礎としています。
課税所得の発生状況は、将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の回収可能性に影響を与える可能性があります。