有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 14:21
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当期における当グループの経営環境は、米国の関税政策の不確実性、世界各地で継続する軍事侵攻に伴う地政学的リスクの高まり、インフレの継続等、世界経済の先行きが不透明な状況が続きました。こうした中、工作機械の需要は大手企業向けでは底堅く推移しました。一方、中堅・中小事業者においては設備投資に慎重な姿勢が継続しましたが、需要は総じて回復基調で推移しました。
こうした事業環境のもと、当グループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率生産とエネルギー消費量削減を自律的に両立し、脱炭素化に貢献する当グループの工作機械を「Green-Smart Machine」と位置づけ、自動化・生産性向上ソリューションや脱炭素ソリューションとともにグローバルに展開しました。こうした活動を通じて、受注獲得に注力するとともに、収益力改善、資本効率向上に注力し、ものづくりを巡る社会課題の解決を通じて企業価値向上に努めました。
地域別の市況については、米国は、大手企業を中心に、航空、宇宙・衛星、防衛関連、医療機器、データセンタ・エネルギー関連等からの需要が堅調に推移し、年度後半は回復基調が鮮明となりました。中堅・中小事業者では、関税政策の不確実性、金利の状況等から、設備投資に対する慎重な姿勢が続きましたが、米州の下期の受注高は過去最高を記録しました。
この米国の需要拡大の流れはグローバルな広がりを見せつつあり、日本においても航空、宇宙、防衛関連をはじめとして、一般産業機械、造船、発電関連、医療機器等、様々な産業において、年度後半に設備投資が活発化し始めました。一方で中堅・中小事業者においては、自動車に対する米国関税措置の影響もあり設備投資に慎重な姿勢が継続しました。
欧州は、自動車産業の停滞、輸出産業の不振に加え、米国の関税政策の影響等、景気の先行きが不透明であることから、需要は弱含みで推移しました。こうした状況下において、航空機、防衛関連においては需要増の流れとなりました。
中国は、産業政策が設備投資の下支えとなる中、半導体製造装置、風力発電、一般産業機械等からの需要が底堅く推移しました。また大手EVメーカーからの大型投資案件を着実に受注に結び付け、受注は堅調に推移しました。第4四半期においては、大手EVメーカーからの大型投資案件の受注が一服したものの、引き続き需要は総じて底堅く推移しています。
その他のアジアにおいては、国や地域による濃淡はありますが、需要は底堅く推移しました。
このような市況の下、2025年9月22日から26日にかけてドイツハノーバー市で開催された欧州工作機械見本市(EMO Hannover 2025)に出展し、ニーズが高まる5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の工程集約型工作機械や自動化システムを提案しました。また、2025年11月11日から14日にかけて、本社工場で開催したオークママシンフェア2025では、国内外から多くのお客様をお招きし、人手不足や熟練作業者不足等の課題解決に向け、「使い易さ」をコンセプトに5軸制御マシニングセンタ、複合加工機を中心としたスマートマシンによる工程集約及び自動化システムと、それらを活用した生産性向上のための具体的なソリューションを提案し、販売促進を図りました。
利益面につきましては、部材コストの上昇、輸送コストの高止まり、人的資本投資の強化等の影響を受ける中、生産効率の向上、内製化の拡大等によるコスト低減に注力するとともに、コスト増加及び米国関税負担の販売価格への転嫁に努めました。一方、工作機械需要が伸び悩む中、年度前半は工場の操業度が本格回復に至らなかったことに加え、受注機の契約納期が年度後半に集中したことから、上期の売上・利益の下押し要因となりました。年度後半においては、需要が総じて回復基調で推移する中、豊富な受注残を確実に生産・出荷することで、売上・利益の確保に繋げました。
製造面では、2025年9月に可児工場(岐阜県可児市)内に、物流機能と流通加工(ユニット組立機能)を兼ね備えた「オークマPDC(Process Distribution Center)」を竣工し、2026年1月より稼働を開始しました。倉庫機能と物流をオークマPDCに集約することで配送効率を高めるとともに、ユニット生産等の高付加価値工程を併設することにより、物流費用の削減とScope3における温室効果ガス排出量の削減を図っていきます。
また、中期経営計画2025の取組の一環として、革新的な自動化技術の開発・提供や、お客様の生産改革に向けたサポートビジネスを展開するため、江南工場(愛知県江南市)の再開発を進めてきました。
2026年1月には、「Dream Site Engineered Solutions」を竣工し、稼働を開始しました。本施設では、受注した自動化ラインの集中生産を行うとともに、近年、顧客要求の高い秘匿性を確保しながら、お客様にテスト加工や自動化ラインの構築、機能確認をしていただく場として活用いたします。併せて自動化ラインの集中生産により、本社工場(愛知県大口町)及び可児工場の本機の組立スペースを拡大し、強みとする5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の生産能力を一段と高め、需要に応じた柔軟な生産体制の構築を進めています。
さらに次世代の自動化やお客様の生産改革等に繋がるソリューションを共創する「Global Innovation Center」を、「Dream Site Engineered Solutions」と隣接して建設し、2026年5月より稼働を開始しました。
これらの結果、当期の連結受注額は240,844百万円(前期比11.7%増)、連結売上高は235,888百万円(前期比14.1%増)、連結営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)、連結経常利益は16,380百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)となりました。
次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
日本は、航空、宇宙、防衛関連をはじめとして、一般産業機械、造船、発電関連、医療機器等、様々な産業において、年度後半に設備投資が活発化し始めました。一方で中堅・中小事業者においては、自動車に対する米国関税措置の影響もあり設備投資に慎重な姿勢が継続しました。
このような状況の下、売上高は181,120百万円(前期比8.0%増)となりました。損益面では、部材コストの上昇、輸送コストの高止まり、人的資本投資の強化等の影響を受ける中、生産効率の向上、内製化の拡大等によるコスト低減に注力するとともに、コスト増加及び米国関税負担の販売価格への転嫁に努めました。一方、工作機械需要が伸び悩む中、上期は工場の操業度が本格回復に至らなかったことに加え、受注機の契約納期が下期に集中したことから、上期の売上・利益の下押し要因となりました。下期においては、需要が総じて回復基調で推移する中、豊富な受注残を確実に生産・出荷することで、売上・利益の確保に繋げました。この結果、営業利益は8,830百万円(前期比4.5%減)となりました。
② 米州
米国は、大手企業を中心に、航空、宇宙・衛星、防衛関連、医療機器、データセンタ・エネルギー関連等からの需要が堅調に推移し、下期は回復基調が鮮明となりました。中堅・中小事業者では、関税政策の不確実性、金利の状況等から、設備投資に対する慎重な姿勢が続きました。
このような状況の下、売上高は68,524百万円(前期比8.5%増)、営業利益は2,959百万円(前期比1.9%減)となりました。
③ 欧州
欧州は、自動車産業の停滞、輸出産業の不振に加え、米国の関税政策の影響等、景気の先行きが不透明であることから、需要は弱含みで推移しました。こうした状況下において、航空機、防衛関連においては需要増の流れとなりました。
このような状況の下、売上高は34,490百万円(前期比1.5%増)、営業利益は677百万円(前期比32.3%減)となりました。
④ アジア・パシフィック
中国は、産業政策が設備投資の下支えとなる中、半導体製造装置、風力発電、一般産業機械等からの需要が底堅く推移しました。また大手EVメーカーからの大型投資案件を着実に受注に結び付け、受注は堅調に推移しました。第4四半期においては、大手EVメーカーからの大型投資案件の受注が一服したものの、引き続き需要は総じて底堅く推移しました。中国以外のアジアでは、国・地域や産業により濃淡はありますが、需要は底堅く推移しました。
このような状況の下、売上高は24,605百万円(前期比7.1%増)、営業利益は862百万円(前期比9.5%減)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、232,401百万円(前期比8.3%増)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前期比
(%)
受注残高
(百万円)
前期比
(%)
日本112,6235.956,076△7.8
米州78,34624.028,82851.9
欧州34,6554.913,2712.3
アジア・パシフィック15,21916.43,231△12.6
合計240,84411.7101,4075.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高
(百万円)
前期比
(%)
日本117,35522.2
米州68,4958.6
欧州34,3511.5
アジア・パシフィック15,68613.2
合計235,88814.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Gosiger Machine Tools, LLC23,70110.0
Morris Group, Inc.20,98610.124,22110.3

(注)1.前連結会計年度のGosiger Machine Tools, LLCに対する販売実績は、当該販売実績の総販
売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
① 貸倒引当金
当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
② 棚卸資産
当グループは、棚卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、退職給付債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
⑤ 投資有価証券の減損
当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等以外のものにつきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望等を総合的に勘案して回復可能性を判断しております。市場価格のない株式等につきましては、実質価額が取得価額を50%以上下回った場合には当該株式の発行会社の財政状態等を勘案して実質価額の回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 固定資産の減損
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。
(2) 当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。
なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下のとおりであります。
① 売上高
当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。
その結果、連結売上高は235,888百万円(前期比14.1%増)となりました。
② 営業利益
生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、連結営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して0.5%減少の6.6%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して2.3%減少の29.4%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して1.9%減少の22.8%となりました。
③ 経常利益
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は874百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は1,596百万円の利益となりました。また、その他の営業外費用として、為替差損345百万円等を計上し、連結経常利益は16,380百万円(前期比5.5%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は17,057百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して511百万円減少し、47,764百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、23,821百万円の収入となりました(前年同期は17,802百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益17,057百万円、減価償却費9,288百万円、棚卸資産の減少7,225百万円、及び退職給付に係る負債の増加2,084百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、売上債権の増加5,520百万円、仕入債務の減少4,030百万円、及び法人税等の支払額2,513百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、29,233百万円の支出となりました(前年同期は15,257百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、投資有価証券の売却による収入1,842百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、有形固定資産の取得による支出23,929百万円、及び無形固定資産の取得による支出5,556百万円等であります。有形固定資産の取得による支出の主な要因としましては、世界的に高まる工作機械の需要に応えるべく、「Global Innovation Center」と「Dream Site Engineered Solutions」の建設14,471百万円、Okuma America Corporation における「Global Repair Center」の建設3,023百万円、㈱日本精機商会における「オークマPDC」の建設2,350百万円の投資を行ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,925百万円の収入となりました(前年同期は3,498百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、長期借入れによる収入15,000百万円等であります。主な資金の減少項目としては、配当金の支払額6,050百万円、自己株式の取得による支出5,002百万円、及びリース債務の返済による支出971百万円等であります。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は26,885百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、47,764百万円となっております。
2026年度における重要な資本的支出としては、江南工場の塗装・乾燥設備、機械装置への投資を予定しております。その資金の調達源は、自己資金を予定しております。

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