四半期報告書-第156期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響による景気減速から先行き不透明な状況が続きました。日本経済においても新型コロナウイルス感染症の影響により設備投資は弱い動きとなっており厳しい状況が続きましたが、一方で公共投資は大規模自然災害からの復旧・復興対策などに向けて堅調に推移しました。
当社グループの主要市場である石油・ガス市場においては新型コロナウイルス感染症の影響と原油価格下落の影響が継続し、案件の遅延や延期の動きがありました。半導体市場においては引き続き設備投資は回復傾向にあるものの、米中貿易摩擦の影響により一部の設備投資で延期が見られました。日本国内の建築設備市場においては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響による工事中断や遅延の動きがありました。
このような環境下、当第3四半期連結累計期間の受注高は、国内建築設備市場における需要回復遅れや石油・ガス市場における投資先送り、諸外国での移動制限の影響などもあり風水力事業を中心に前年同期を下回りました。売上高については、風水力事業や環境プラント事業で前年同期を下回りましたが、5Gやデータセンターの需要拡大、リモートワークの普及など半導体需要の高まりを受けて精密・電子事業が大きく伸長しており、全体では前年同期を上回りました。営業利益については、精密・電子事業の増収に加え、風水力事業における製品の採算性改善や固定費抑制などにより、前年同期を上回りました。
当第3四半期連結累計期間における受注高は3,660億81百万円(前年同期比3.6%減)、売上高は3,693億78百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は222億55百万円(前年同期比9.8%増)、経常利益は205億15百万円(前年同期比2.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は123億57百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2018年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2018年3月30日)を第1四半期連結会計期間の期首から適用しています。詳細については、「第4 経理の状況1 四半期連結財務諸表注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
前述のとおり、第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を同様に変更しています。詳細については、「第4経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
2.O&M(Operation & Maintenance) ………………………プラントの運転管理・メンテナンス
DBO(Design, Build, Operate)…………………………プラントの設計・調達・建設に加え、建設後の
運転管理・メンテナンスを一定期間請け負う。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて受取手形及び売掛金が271億4百万円、仕掛品が204億32百万円減少した一方、現金及び預金が644億62百万円増加したことなどにより、292億28百万円増加し、6,244億67百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて工事損失引当金が72億42百万円減少した一方、短期借入金が277億75百万円、流動負債その他(前受金等)が145億48百万円増加したことなどにより、294億2百万円増加し、3,328億13百万円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産について、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益123億57百万円及び連結範囲の変動に伴う利益剰余金5億25百万円により増加した一方、「収益認識に関する会計基準」等の適用による当期首残高44億73百万円の減少及び配当金の支払い57億13百万円により26億94百万円増加したことに加え、為替換算調整勘定が36億19百万円減少したことなどにより、前年度末に比べて1億73百万円減少し、2,916億54百万円となりました。自己資本は2,836億76百万円で、自己資本比率は45.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の回収が進んだ結果、641億13百万円の収入超過(前年同期比468億55百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出222億96百万円などにより、206億61百万円の支出超過(前年同期比46億29百万円の支出増加)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、434億51百万円の収入超過(前年同期比422億26百万円の収入増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で280億43百万円増加したことや、配当金を57億13百万円支払ったことなどにより、204億34百万円の収入超過(前年同期比170億27百万円の収入増加)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から654億21百万円増加し、1,587億72百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
自己資本は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために自己資本を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.3~0.5を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、資金の流動性については、連結売上高の2か月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、手許流動性を確保しています。また、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。
なお、足許では新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手許流動性と資金調達枠の確保に努めます。代替流動性と社債の発行枠の状況は以下のとおりです。
代替流動性
当座貸越契約 50億円
コミットメントライン契約 800億円
いずれの契約においても、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
社債発行枠
社債 発行登録枠 600億円
コマーシャルペーパー 発行限度枠 400億円
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、89億97百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当該第3四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(6) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
受注高 | 379,803 | 366,081 | △13,721 | △3.6 |
売上高 | 366,461 | 369,378 | 2,917 | 0.8 |
営業利益 | 20,269 | 22,255 | 1,985 | 9.8 |
売上高営業利益率 (%) | 5.5 | 6.0 | - | - |
経常利益 | 20,010 | 20,515 | 504 | 2.5 |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 11,863 | 12,357 | 493 | 4.2 |
1株当たり四半期純利益 (円) | 122.25 | 129.73 | 7.48 | 6.1 |
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響による景気減速から先行き不透明な状況が続きました。日本経済においても新型コロナウイルス感染症の影響により設備投資は弱い動きとなっており厳しい状況が続きましたが、一方で公共投資は大規模自然災害からの復旧・復興対策などに向けて堅調に推移しました。
当社グループの主要市場である石油・ガス市場においては新型コロナウイルス感染症の影響と原油価格下落の影響が継続し、案件の遅延や延期の動きがありました。半導体市場においては引き続き設備投資は回復傾向にあるものの、米中貿易摩擦の影響により一部の設備投資で延期が見られました。日本国内の建築設備市場においては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響による工事中断や遅延の動きがありました。
このような環境下、当第3四半期連結累計期間の受注高は、国内建築設備市場における需要回復遅れや石油・ガス市場における投資先送り、諸外国での移動制限の影響などもあり風水力事業を中心に前年同期を下回りました。売上高については、風水力事業や環境プラント事業で前年同期を下回りましたが、5Gやデータセンターの需要拡大、リモートワークの普及など半導体需要の高まりを受けて精密・電子事業が大きく伸長しており、全体では前年同期を上回りました。営業利益については、精密・電子事業の増収に加え、風水力事業における製品の採算性改善や固定費抑制などにより、前年同期を上回りました。
当第3四半期連結累計期間における受注高は3,660億81百万円(前年同期比3.6%減)、売上高は3,693億78百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は222億55百万円(前年同期比9.8%増)、経常利益は205億15百万円(前年同期比2.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は123億57百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2018年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2018年3月30日)を第1四半期連結会計期間の期首から適用しています。詳細については、「第4 経理の状況1 四半期連結財務諸表注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
セグメント | 受注高 | 売上高 | セグメント損益 | ||||||
前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | |
風水力 | 237,252 | 221,713 | △6.5 | 228,088 | 220,868 | △3.2 | 8,333 | 11,317 | 35.8 |
環境プラント | 52,107 | 47,994 | △7.9 | 48,498 | 44,011 | △9.3 | 5,541 | 4,044 | △27.0 |
精密・電子 | 89,290 | 95,239 | 6.7 | 88,721 | 103,381 | 16.5 | 6,274 | 7,483 | 19.3 |
報告セグメント計 | 378,649 | 364,948 | △3.6 | 365,308 | 368,261 | 0.8 | 20,149 | 22,846 | 13.4 |
その他 | 1,153 | 1,133 | △1.7 | 1,152 | 1,116 | △3.1 | 100 | △536 | - |
調整額 | - | - | - | - | - | - | 19 | △54 | - |
合計 | 379,803 | 366,081 | △3.6 | 366,461 | 369,378 | 0.8 | 20,269 | 22,255 | 9.8 |
前述のとおり、第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更したため、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を同様に変更しています。詳細については、「第4経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
セグメント | 2020年12月期第3四半期の事業環境 | 2020年12月期第3四半期の 事業概況と受注高の増減率(注)1 | ||
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、中国は堅調だが、新型コロナウイルス感染症と原油価格下落の影響により、他の地域では軒並み案件が遅延・延期となっている。顧客からの引合いも低調で、少数の案件に多数のベンダーが入札し価格競争が激化している。 ・水インフラ市場は、中国、東南アジアで案件に動きがあり回復傾向にある。一方、北米では老朽化設備更新の需要が増加傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、発注者となる公共機関の機能低下に伴い各案件の始動が遅れている。 ・電力市場はCO2排出規制の影響を受けて石炭火力が低調であるが、ガス火力の需要は堅調。 <国内>・建築設備市場は、建築着工棟数の減少等により縮小傾向にある。 ・社会インフラの更新・補修に対する投資は、前年同期と同程度。 | <海外>・石油・ガス関連の受注は前年同期を下回る。 ・水インフラの受注は、前年同期を下回る。 ・電力関連の受注は前年同期を下回る。 <国内>・建築設備向けの受注は新型コロナウイルス感染症の影響による工事中断や着工遅延などにより、前年同期を下回る。 ・公共向けの受注は総合評価案件やアフターサービスの受注拡大等の施策の効果により前年同期を上回る。 | ![]() |
コンプレッサ・タービン | ・新規製品市場全体としては、中国で石油化学が依然堅調に推移している一方、北米ではシェールガス由来のエチレンプラントやLNGプロジェクトが遅延、停滞している。インド、ロシアでも引き続き投資が遅延傾向にある。 ・サービス市場は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動制限により、指導員派遣で影響が続いており、全体として低調に推移している。 ・LNG市場(クライオポンプ)は、一部案件に動きはあるものの、原油価格下落の影響が続いており、投資判断が遅延傾向にある。 | ・新規製品の受注は低調であるものの、厳しい価格競争や案件遅延の影響が大きかった前年同期を上回る。 ・サービス分野の受注は、前年同期を下回る。 | ![]() | |
冷熱 | ・国内では、生活様式の変化の影響を受けた宿泊施設や大型ショッピングセンター等の設備更新計画や既設製品の定期メンテナンス案件の延期・凍結が見られる。 ・中国では、火力発電等の一部業界で、市場回復が遅れている。 | ・国内の受注は前年同期を下回る。 ・中国の受注は前年同期を下回る。 | ![]() |
セグメント | 2020年12月期第3四半期の事業環境 | 2020年12月期第3四半期の 事業概況と受注高の増減率(注)1 | ||
環境プラント (注)2 | ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおり推移している。 ・既存施設のO&Mの発注量は例年どおり推移している。 ・民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続している。 | ・公共向け廃棄物処理施設のDBO案件1件、基幹改良工事1件を受注したが、大型の公共向けDBO案件及び基幹改良工事2件、民需案件2件を受注した前年同期を下回る。 <大型案件の受注状況>・公共向け廃棄物処理施設のDBO案件(1件) ・公共向け長期包括契約(前期までに落札したDBO案件の長期包括部分)(1件) ・公共向け廃棄物処理施設の基幹改良工事案件(1件) | ![]() | |
精密・電子 | ・半導体市場及び半導体製造装置市場は新型コロナウイルス感染症による経済活動停滞の影響を受けつつも、IoTやテレワークの普及等を中心とする半導体需要の底堅さにより、全体としては回復傾向にある。 ・ファウンドリ及びメモリメーカの設備投資は回復基調が続いているが、一方で米中貿易摩擦の影響を受け、一部の半導体設備投資で延期される案件が見られる。 | ・ファウンドリに加え、メモリメーカの設備投資は回復基調にあり、受注高は前年同期を上回る。 ・顧客の稼働は高い状況が継続されていること、また一部の顧客で、新型コロナウイルス感染症拡大による稼働停止リスクを低減するための安全在庫増加施策が継続されていることもあり、サービス&サポートは引き続き好調に推移している。 | ![]() |
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
+5%以上の場合は | ![]() | 、△5%以下の場合は | ![]() | 、±5%の範囲内の場合は | ![]() | で表しています。 |
2.O&M(Operation & Maintenance) ………………………プラントの運転管理・メンテナンス
DBO(Design, Build, Operate)…………………………プラントの設計・調達・建設に加え、建設後の
運転管理・メンテナンスを一定期間請け負う。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて受取手形及び売掛金が271億4百万円、仕掛品が204億32百万円減少した一方、現金及び預金が644億62百万円増加したことなどにより、292億28百万円増加し、6,244億67百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて工事損失引当金が72億42百万円減少した一方、短期借入金が277億75百万円、流動負債その他(前受金等)が145億48百万円増加したことなどにより、294億2百万円増加し、3,328億13百万円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産について、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益123億57百万円及び連結範囲の変動に伴う利益剰余金5億25百万円により増加した一方、「収益認識に関する会計基準」等の適用による当期首残高44億73百万円の減少及び配当金の支払い57億13百万円により26億94百万円増加したことに加え、為替換算調整勘定が36億19百万円減少したことなどにより、前年度末に比べて1億73百万円減少し、2,916億54百万円となりました。自己資本は2,836億76百万円で、自己資本比率は45.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の回収が進んだ結果、641億13百万円の収入超過(前年同期比468億55百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出222億96百万円などにより、206億61百万円の支出超過(前年同期比46億29百万円の支出増加)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、434億51百万円の収入超過(前年同期比422億26百万円の収入増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で280億43百万円増加したことや、配当金を57億13百万円支払ったことなどにより、204億34百万円の収入超過(前年同期比170億27百万円の収入増加)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から654億21百万円増加し、1,587億72百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
自己資本は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために自己資本を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.3~0.5を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、資金の流動性については、連結売上高の2か月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、手許流動性を確保しています。また、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。
なお、足許では新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手許流動性と資金調達枠の確保に努めます。代替流動性と社債の発行枠の状況は以下のとおりです。
代替流動性
当座貸越契約 50億円
コミットメントライン契約 800億円
いずれの契約においても、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
社債発行枠
社債 発行登録枠 600億円
コマーシャルペーパー 発行限度枠 400億円
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、89億97百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当該第3四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(6) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
セグメント | 事業環境 | |
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、中国では堅調に推移すると見込まれる。中国以外の地域は新型コロナウイルス感染症による景気減退、特に原油価格下落の影響により、石油化学・石油精製プラント向け新規製品市場・サービス市場共に、多くの新規投資判断が保留されている状況だが、2021年以降、化成品製造用途のプラントから各案件が再始動していくと見込まれる。一方、燃料用途の石油精製プラント案件は中止される可能性がある。 ・水インフラ市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により、老朽化設備更新需要が中心である北米市場では遅延が続いており、再始動には相当の時間がかかると見込まれる。一方、中国、東南アジアでは新設インフラ案件中心であるため堅調に推移すると見込まれる。 ・電力市場では、CO2排出量削減の機運拡大で大型石炭火力市場が縮小すると見込まれる。 ・中東情勢の不安定化により、新規製品、サービス分野のプロジェクトが延期もしくは凍結される可能性がある。 <国内>・建築設備向け市場は、東京オリンピック・パラリンピックまでに開業を目指した首都圏の大型開発が一服し新規案件に切り替わるが、当社業績への影響は来期以降となる見込み。中小案件は新型コロナウイルス感染症の影響により、マンションやオフィス需要が停滞しており、新規の民間投資の冷え込みが懸念される。 ・公共向けは自然災害に対する事前防災対策や社会インフラの老朽化対策が推進されることにより堅調に推移すると見込まれる。 ・国内石炭火力発電容量の大幅な縮減が検討されており、縮減の際に必要となる代替エネルギーとして再生可能エネルギーの開発及び原子力再稼働が進むと見込まれる。それに伴い、火力発電分野におけるアフターサービスの縮小傾向が強まる可能性がある。 |
コンプレッサ・タービン | ・原油価格の低迷、新型コロナウイルス感染症による景気減退の影響により、石油化学・石油精製プラント向け新規製品市場・サービス市場共に、投資の落ち込みや投資判断の遅延が見込まれる。一方、新規製品市場では中国が堅調に推移し、サービス市場では中東で案件の動きが今後見込まれる。 ・LNG市場は北米では大型案件の遅延が見込まれる一方、中東・アフリカでは今後案件に動きが見込まれる。 | |
冷熱 | ・国内市場は、生活様式の激変を経て、宿泊施設や大型ショッピングセンター等の市場は縮小・低調のまま推移すると見込まれる。 ・中国市場全般は回復の基調にあるものの、火力発電など回復の遅れている市場では、価格競争が激化すると見込まれる。 | |
環境プラント | ·公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおりに推移すると見込まれる。 ·民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続すると見込まれる。 ·既存施設のO&Mの需要は例年並みと見込まれる。 ·新型コロナウイルスの感染状況によっては、発注の延期や工事進捗の遅延等が生じる可能性がある。 | |
精密・電子 | ・新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念に加え、米中貿易摩擦を発端とする半導体製造メーカの投資動向の変化が顕在化しつつあり、短期的な市況変化には注視が必要である。しかし中長期的にはICAC5(IoT, Cloud, AI, Car(車の自動運転), 5G)を中心とした半導体需要の拡大は継続し、半導体製造装置市場は成長が続く見通しである。 |