四半期報告書-第158期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前第3四半期連結累計期間の関連する数値について暫定的な会計処理の確定の内容を反映させています。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中、経済活動の正常化によって持ち直しの動きがみられました。日本経済においても、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や行動制限の緩和が進む中で、設備投資は持ち直しの動きがみられました。一方、国内外の経済における先行きについては、原材料価格の高騰や半導体不足、ウクライナ情勢に伴う資源価格への影響、金融引き締めによる為替変動など依然として不透明な状況が継続しました。
当社グループの主要市場である建築設備市場や石油・ガス市場においては、新型コロナウイルス感染症の対策緩和による需要回復が進む一方で、インフレや長期化するウクライナ情勢などの影響によって一部投資案件に遅れがみられました。半導体市場においては一部の顧客で投資計画を見直す動きはみられるものの、需要は高水準で推移しました。また、日本の国土強靭化関連の公共投資については引き続き堅調に推移しました。
このような事業環境下、当第3四半期連結累計期間の受注高は、風水力事業および精密・電子事業で前年同期を上回りました。売上収益は、風水力事業において海外を中心に行動制限緩和等からの需要増加で順調に伸びました。精密・電子事業では、部材不足や出荷遅れの状況は継続していますが半導体需要は引き続き旺盛で、顧客の工場稼働水準も依然として高く、製品・サービス&サポート共に売上収益を伸ばしました。また、各事業において第2四半期に上海におけるロックダウンの影響を受けた現地の海外子会社では工場稼働停止や物流停滞による製品の出荷遅れなどが生じていましたが、第3四半期に入り改善傾向にあります。
営業利益は、原材料価格の高騰や人件費を中心とした固定費の増加、環境プラント事業における一過性費用の発生など減益要因はあるものの、風水力事業、精密・電子事業における増収や収益性改善に加え、円安がプラスに寄与したことで、全体としては前年同期を上回りました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における受注高は5,945億34百万円(前年同期比3.1%増)、売上収益は4,800億54百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益は426億59百万円(前年同期比15.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は272億94百万円(前年同期比11.8%増)となり、いずれの項目においても過去最高額を更新しました。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて現金及び現金同等物が58億84百万円減少した一方、棚卸資産が536億23百万円、のれん及び無形資産が210億9百万円、有形固定資産が71億96百万円増加したことなどにより、883億37百万円増加し、8,080億74百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて社債、借入金及びリース負債が265億73百万円、営業債務及びその他の債務が124億9百万円、契約負債が66億80百万円増加したことなどにより、558億37百万円増加し、4,539億17百万円となりました。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本は、自己株式を199億3百万円消却し、配当金を182億16百万円支払った一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益272億94百万円を計上し、在外営業活動体の換算差額が233億41百万円増加したことなどにより、前年度末に比べて325億円増加し、3,541億56百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は3,443億84百万円で、親会社所有者帰属持分比率は42.6%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益は堅調であったものの、棚卸資産の増加による支出457億44百万円があった結果、前年同期より収入が418億11百万円減少した233億5百万円の収入超過となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出176億41百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出145億26百万円などにより、322億21百万円の支出超過(前年同期比9億72百万円の支出減少)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、89億16百万円の支出超過(前年同期比408億39百万円の収入減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で172億7百万円増加したことや、配当金の支払い182億16百万円などにより、61億70百万円の支出超過(前年同期比119億31百万円の支出減少)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から58億84百万円減少し、1,306億3百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
親会社所有者帰属持分は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために親会社所有者帰属持分を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.6(IFRS)を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の2か月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。
契約の種別ならびに当第3四半期連結会計期間末の借入未実行残高は次のとおりです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、106億9百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
受注高 | 576,821 | 594,534 | 17,712 | 3.1 |
売上収益 | 419,926 | 480,054 | 60,127 | 14.3 |
営業利益 | 37,050 | 42,659 | 5,608 | 15.1 |
売上収益営業利益率 (%) | 8.8 | 8.9 | - | - |
親会社の所有者に帰属する 四半期利益 | 24,414 | 27,294 | 2,879 | 11.8 |
基本的1株当たり四半期利益 (円) | 257.80 | 296.61 | 38.81 | 15.1 |
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中、経済活動の正常化によって持ち直しの動きがみられました。日本経済においても、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や行動制限の緩和が進む中で、設備投資は持ち直しの動きがみられました。一方、国内外の経済における先行きについては、原材料価格の高騰や半導体不足、ウクライナ情勢に伴う資源価格への影響、金融引き締めによる為替変動など依然として不透明な状況が継続しました。
当社グループの主要市場である建築設備市場や石油・ガス市場においては、新型コロナウイルス感染症の対策緩和による需要回復が進む一方で、インフレや長期化するウクライナ情勢などの影響によって一部投資案件に遅れがみられました。半導体市場においては一部の顧客で投資計画を見直す動きはみられるものの、需要は高水準で推移しました。また、日本の国土強靭化関連の公共投資については引き続き堅調に推移しました。
このような事業環境下、当第3四半期連結累計期間の受注高は、風水力事業および精密・電子事業で前年同期を上回りました。売上収益は、風水力事業において海外を中心に行動制限緩和等からの需要増加で順調に伸びました。精密・電子事業では、部材不足や出荷遅れの状況は継続していますが半導体需要は引き続き旺盛で、顧客の工場稼働水準も依然として高く、製品・サービス&サポート共に売上収益を伸ばしました。また、各事業において第2四半期に上海におけるロックダウンの影響を受けた現地の海外子会社では工場稼働停止や物流停滞による製品の出荷遅れなどが生じていましたが、第3四半期に入り改善傾向にあります。
営業利益は、原材料価格の高騰や人件費を中心とした固定費の増加、環境プラント事業における一過性費用の発生など減益要因はあるものの、風水力事業、精密・電子事業における増収や収益性改善に加え、円安がプラスに寄与したことで、全体としては前年同期を上回りました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における受注高は5,945億34百万円(前年同期比3.1%増)、売上収益は4,800億54百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益は426億59百万円(前年同期比15.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は272億94百万円(前年同期比11.8%増)となり、いずれの項目においても過去最高額を更新しました。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
セグメント | 受注高 | 売上収益 | セグメント損益 | ||||||
前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | |
風水力 | 258,545 | 286,673 | 10.9 | 237,829 | 270,247 | 13.6 | 15,011 | 17,658 | 17.6 |
環境プラント | 119,647 | 76,848 | △35.8 | 50,002 | 52,247 | 4.5 | 4,101 | 472 | △88.5 |
精密・電子 | 197,292 | 229,952 | 16.6 | 130,862 | 156,487 | 19.6 | 18,060 | 25,581 | 41.6 |
報告セグメント計 | 575,484 | 593,474 | 3.1 | 418,694 | 478,982 | 14.4 | 37,174 | 43,712 | 17.6 |
その他 | 1,336 | 1,059 | △20.7 | 1,231 | 1,072 | △13.0 | △96 | △1,062 | - |
調整額 | - | - | - | - | - | - | △26 | 9 | - |
合計 | 576,821 | 594,534 | 3.1 | 419,926 | 480,054 | 14.3 | 37,050 | 42,659 | 15.1 |
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
セグメント | 2022年12月期 第3四半期の事業環境 | 2022年12月期 第3四半期の事業概況と受注高の増減率 (注1) | ||
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、前期と比較すると回復基調にあり、サウジアラビア、カタール等で大型案件が始動している。一方、中国では計画されている超大型石油化学コンプレックスや旧式小型製油所の統合・効率化案件がCO2排出量調整のために遅延している。 ・水インフラ市場は、中国、東南アジアの案件に動きがあり回復傾向にある。北米では価格競争が厳しいものの老朽化設備更新案件が再開している。 ・建築設備市場は、原材料費高騰などによる投資抑制傾向が継続している。また、中国はゼロコロナ政策強化の影響等により鈍化傾向が継続している。 <国内>・建築設備市場は、建築着工棟数は回復傾向にある。 ・社会インフラの更新・補修に対する投資は、堅調に推移している。 | <海外>・石油・ガス関連の受注は前年同期を上回る。 ・水インフラの受注は前年同期を下回る。 ・建築設備向けの受注は前年同期を上回る。 <国内>・建築設備向けの受注は前年同期を上回る。 ・公共向けの受注は総合評価案件やアフターサービスの受注拡大等の施策効果はあるものの、大型案件の受注があった前年同期を下回る。 | ![]() |
コンプレッサ・ タービン | ・新規製品市場は、ウクライナ情勢やインフレ等の影響もあり、北米で案件の遅延や中止が継続している。中国では経済の先行き不透明感の高まりにより鈍化傾向が継続している。インド、中東では石油精製・石油化学市場の案件に動きはあるものの、全体的に顧客の投資判断が慎重になっており、競争環境が厳しくなっている。 ・サービス市場は、定期修理時期を迎えるプラントが多く、全般的にメンテナンス・修理・部品等の需要が堅調に推移している。 ・LNG市場(クライオポンプ)は、一部案件に動きが出てきており、回復傾向にある。 | ・製品の受注は、一部案件の発注時期の見直しにより前年同期を下回る。 ・サービス分野の受注は移動制限の緩和により前年同期を上回る。 | ![]() | |
冷熱 | ・国内では、産業系市場を中心に投資が回復し設備更新案件が再開している。また、建築設備市場も徐々に回復傾向にある。 ・中国は脱炭素化規制を見越した設備投資が活発であるが、原材料費高騰が継続しており、電力不足や物流の混乱などが懸念される。 | ・国内の受注は、前年同期を上回る。 ・中国の受注は製品の受注が堅調なため前年同期を上回る。 | ![]() | |
環境プラント (注2) | ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおりに推移している。 ・既存施設のO&Mの発注量は例年どおり推移している。 ・民間向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等の産業廃棄物処理施設は、一定の建設需要が継続している。 | ・公共向け廃棄物処理施設の大型案件を4件受注したが、1件あたりの受注金額が大きかった前期同期を下回る。 <大型案件の受注状況>・公共向け廃棄物処理施設のDBO案件(1件) ・公共向け廃棄物処理施設の長期包括運営契約(2件) ・公共向け基幹的設備改良工事(1件) | ![]() |
セグメント | 2022年12月期 第3四半期の事業環境 | 2022年12月期 第3四半期の事業概況と受注高の増減率 (注1) | ||
精密・電子 | ・5Gやテレワーク及びIoTの普及拡大により生じた半導体不足は、一部で解消の動きがあるとの報道はあるものの、半導体製造メーカの設備投資は引き続き高水準にある。 | ・半導体製造メーカの活発な設備投資を背景に、受注高は引き続き前年同期を上回る。 ・顧客工場は高水準の稼働を継続しており、サービス&サポートは引き続き堅調に推移。 | ![]() |
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
+5%以上の場合は | ![]() | 、△5%以下の場合は | ![]() | 、±5%の範囲内の場合は | ![]() | で表しています。 |
2.O&M(Operation & Maintenance) …………………プラントの運転管理・メンテナンス DBO(Design, Build, Operate)……………………プラントの設計・調達・建設に加え、建設後の運転管 理・メンテナンスを一定期間請け負う。 |
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて現金及び現金同等物が58億84百万円減少した一方、棚卸資産が536億23百万円、のれん及び無形資産が210億9百万円、有形固定資産が71億96百万円増加したことなどにより、883億37百万円増加し、8,080億74百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて社債、借入金及びリース負債が265億73百万円、営業債務及びその他の債務が124億9百万円、契約負債が66億80百万円増加したことなどにより、558億37百万円増加し、4,539億17百万円となりました。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本は、自己株式を199億3百万円消却し、配当金を182億16百万円支払った一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益272億94百万円を計上し、在外営業活動体の換算差額が233億41百万円増加したことなどにより、前年度末に比べて325億円増加し、3,541億56百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は3,443億84百万円で、親会社所有者帰属持分比率は42.6%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益は堅調であったものの、棚卸資産の増加による支出457億44百万円があった結果、前年同期より収入が418億11百万円減少した233億5百万円の収入超過となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出176億41百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出145億26百万円などにより、322億21百万円の支出超過(前年同期比9億72百万円の支出減少)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、89億16百万円の支出超過(前年同期比408億39百万円の収入減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で172億7百万円増加したことや、配当金の支払い182億16百万円などにより、61億70百万円の支出超過(前年同期比119億31百万円の支出減少)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から58億84百万円減少し、1,306億3百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
親会社所有者帰属持分は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために親会社所有者帰属持分を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.6(IFRS)を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の2か月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。
契約の種別ならびに当第3四半期連結会計期間末の借入未実行残高は次のとおりです。
種別 | 金額 |
当座貸越契約 | 50億円 |
コミットメントライン契約 | 800億円 |
借入実行高 | △300億円 |
借入未実行残高 | 550億円 |
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、106億9百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
セグメント | 事業環境 | |
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、数年先まで活況が続くと見込まれていた中国において、CO2排出量抑制の観点から各案件の進捗は若干鈍化傾向にある。一方、中長期的とみられていた燃料用途としてのアンモニアの増加が加速すると共に、燃料用途の製油所に代わり材料用途の化成品製造プラント、既設プラントへのCO2回収・圧入設備の増設案件が増加していくと見込まれる。 ・水インフラ市場は、中国、東南アジア、北米は引き続き回復傾向にあり、アフリカでも需要の拡大が期待できるが、激しい価格競争が見込まれる。 ・電力市場では、CO2排出量削減の機運拡大で大型石炭火力市場が大幅に縮小すると見込まれる一方、代替燃料用ポンプの需要拡大が期待される。 ・建築設備市場は、欧米で原材料費高騰やサプライチェーンの混乱等による建設投資の抑制が継続すると見込まれ、先行き不透明である。中国は景気減速が継続するがそのペースは緩やかになると見込まれる。 ⦅国内⦆ ・感染症対策と経済活動の両立による回復の動きがみられ、広範囲に及んでいた建築資材の原材料不足、サプライチェーンの混乱は徐々に改善しているが、完全な収束は来期以降になるとみられる。 ・国土交通省が公表した「第5次社会資本整備重点計画」で激甚化・頻発化する自然災害、加速するインフラの老朽化が社会情勢の変化として取り上げられており、関連する社会インフラの更新・補修に対する投資は堅調に推移する見込みである。 ・国内石炭火力発電容量の大幅な縮減が検討されており、代替エネルギーとして再生可能エネルギーの開発及び原子力再稼働が進むと見込まれる。それに伴い、既設火力発電分野におけるアフターサービスの縮小傾向が強まる一方、アンモニア混焼、水素混焼及び水素専焼開発の動きが加速し、関連分野でポンプの需要が見込まれる。 |
コンプレッサ・タービン | ・新規製品市場では、全体的に顧客の投資判断の遅れが見込まれる。中国は経済の減速等が継続すると見込まれる。一方、中東やインドにおける石油精製関連等は需要が見込まれるが、投資判断が慎重になっており、厳しい競争環境は継続すると予想される。 ・サービス市場については、メンテナンス・修理・部品等の需要増加が継続すると見込まれる。 ・LNG市場は、エネルギー需給の逼迫が懸念されることから北米・中東の案件に動きが見込まれる。 | |
冷熱 | ・国内市場は、産業系市場が引き続き順調に回復が見込まれる。また、建築設備市場もメンテナンスへの投資が回復傾向と見込まれる。 ・中国市場は、将来の脱炭素化規制を見越した先行設備投資による需要が持続している。しかし経済全体ではゼロコロナ政策等の影響による景気減速の傾向が継続すると見込まれる。 | |
環境プラント | ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は、例年通り推移すると見込まれる。 ・民間向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等の産業廃棄物処理施設の建設需要は継続すると見込まれる。 ・既存施設のO&Mの需要は例年並みと見込まれる。 | |
精密・電子 | ・半導体製造装置市場は、短期的には部材調達難による生産供給体制への懸念が継続するとともに、メモリ価格下落や新しい対中国輸出規制、欧米を中心とするインフレによる経済減速懸念により、近年の急成長に対し一時的に調整局面を迎える可能性がある。しかし長期的には、ICAC5(IoT、Cloud、AI、Car(車の自動運転)、5G)、DX、GX向けの需要拡大を背景に、成長が継続すると見込まれる。 |