四半期報告書-第157期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。なお、当社グループは当第1四半期連結累計期間より、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)を適用しており、前第1四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による不透明感は残るものの、各国の財政・金融政策などの実施やワクチン接種の普及により持ち直しの動きがみられました。日本経済においては、大都市圏を中心に緊急事態宣言が再び発出されるなど一部で経済活動が抑制されましたが、外需向けは好調で、設備投資は底入れの兆しがみられました。
当社グループの主要市場である半導体市場においては、世界的な半導体需要の増加により半導体メーカの設備投資が高水準で推移するなど拡大基調となりました。石油・ガス市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響と原油価格下落の影響が継続しているものの、一部で案件が動き出すなど回復がみられました。日本国内の建築設備市場は縮小傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復がみられました。また、国土強靭化関連の公共投資については昨年に引き続き堅調に推移しました。
このような環境下、当第1四半期連結累計期間の受注高は、環境プラント事業における廃棄物処理施設の大型案件の獲得や精密・電子事業における半導体需要の着実な取り込みなどにより前年同期を大幅に上回りました。売上収益は精密・電子事業を中心に全事業で増収となりました。営業利益は、精密・電子事業の増収に加え、風水力事業での製品収益性改善施策などが寄与したことにより前年同期を上回りました。
当第1四半期連結累計期間における売上収益は1,352億68百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は122億30百万円(前年同期比103.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は85億69百万円(前年同期比155.9%増)となりました。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて契約資産が85億86百万円減少した一方、営業債権及びその他債権が177億39百万円、現金及び現金同等物が155億40百万円増加したことなどにより、338億47百万円増加し、6,786億19百万円となりました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて契約負債が93億48百万円、社債、借入金及びリース負債が80億97百万円増加したことなどにより、254億5百万円増加し、3,732億99百万円となりました。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末における資本について、利益剰余金が配当金の支払い57億22百万円により減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益85億69百万円により28億47百万円増加したことに加えて、在外営業活動体の為替差額が53億58百万円増加したこと等により前年度末に比べて84億42百万円増加し、3,053億20百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は2,980億20百万円で、親会社所有者帰属持分比率は43.9%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、堅調な営業利益に支えられ、243億75百万円の収入超過(前年同期比38億80百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出95億95百万円などにより、97億2百万円の支出超過(前年同期比40億91百万円の支出増加)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、146億72百万円の収入超過(前年同期比2億10百万円の収入減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で61億78百万円増加したことや、配当金を57億22百万円支払ったことなどにより、17億18百万円の支出超過(前年同期比234億79百万円の支出増加)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から155億40百万円増加し、1,360億84百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
自己資本は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために自己資本を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.6を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の2カ月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。
なお、新型コロナウィルス感染症による事業環境の急変に備え、手元流動性と資金調達枠の確保に引き続き努めます。代替流動性の状況は以下のとおりです。
代替流動性
当座貸越契約 50億円
コミットメントライン契約 800億円
いずれの契約においても、当第1四半期連結累計期間末の借入実行残高はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、27億18百万円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
受注高 | 124,139 | 159,456 | 35,316 | 28.4 |
売上収益 | 123,454 | 135,268 | 11,813 | 9.6 |
営業利益 | 6,012 | 12,230 | 6,217 | 103.4 |
売上収益営業利益率 (%) | 4.9 | 9.0 | - | - |
親会社の所有者に帰属する 四半期利益 | 3,349 | 8,569 | 5,220 | 155.9 |
基本的1株当たり四半期利益 (円) | 35.20 | 89.85 | 54.65 | 155.2 |
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による不透明感は残るものの、各国の財政・金融政策などの実施やワクチン接種の普及により持ち直しの動きがみられました。日本経済においては、大都市圏を中心に緊急事態宣言が再び発出されるなど一部で経済活動が抑制されましたが、外需向けは好調で、設備投資は底入れの兆しがみられました。
当社グループの主要市場である半導体市場においては、世界的な半導体需要の増加により半導体メーカの設備投資が高水準で推移するなど拡大基調となりました。石油・ガス市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響と原油価格下落の影響が継続しているものの、一部で案件が動き出すなど回復がみられました。日本国内の建築設備市場は縮小傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復がみられました。また、国土強靭化関連の公共投資については昨年に引き続き堅調に推移しました。
このような環境下、当第1四半期連結累計期間の受注高は、環境プラント事業における廃棄物処理施設の大型案件の獲得や精密・電子事業における半導体需要の着実な取り込みなどにより前年同期を大幅に上回りました。売上収益は精密・電子事業を中心に全事業で増収となりました。営業利益は、精密・電子事業の増収に加え、風水力事業での製品収益性改善施策などが寄与したことにより前年同期を上回りました。
当第1四半期連結累計期間における売上収益は1,352億68百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は122億30百万円(前年同期比103.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は85億69百万円(前年同期比155.9%増)となりました。
《事業セグメント別の概況》
(単位:百万円)
セグメント | 受注高 | 売上収益 | セグメント損益 | ||||||
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減率 (%) | |
風水力 | 79,137 | 78,957 | △0.2 | 79,094 | 81,932 | 3.6 | 4,631 | 7,958 | 71.8 |
環境プラント | 4,518 | 28,583 | 532.6 | 17,278 | 19,403 | 12.3 | 2,404 | 2,605 | 8.3 |
精密・電子 | 40,024 | 51,395 | 28.4 | 26,642 | 33,468 | 25.6 | △229 | 2,024 | - |
報告セグメント計 | 123,680 | 158,936 | 28.5 | 123,015 | 134,804 | 9.6 | 6,806 | 12,588 | 85.0 |
その他 | 459 | 519 | 13.2 | 439 | 463 | 5.5 | △742 | △347 | - |
調整額 | - | - | - | - | - | - | △50 | △10 | - |
合計 | 124,139 | 159,456 | 28.4 | 123,454 | 135,268 | 9.6 | 6,012 | 12,230 | 103.4 |
《事業セグメント別の事業環境と事業概況》
セグメント | 2021年12月期 第1四半期の事業環境 | 2021年12月期 第1四半期の事業概況と受注高の増減率(注1) | ||
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、新型コロナウイルス感染症及び原油価格下落の影響が残っているものの、前期と比較すると回復基調にあり、サウジアラビア、カタール等で大型案件が始動している。中国では超大型石油化学コンプレックスや旧式小型製油所の統合・効率化案件が活発に動いている。 ・水インフラ市場は、中国、東南アジアの案件に動きがあり回復傾向にある。北米でも老朽化設備更新案件が再開している。 <国内>・建築設備市場は、建築着工棟数の減少等により縮小傾向にある。 ・社会インフラの更新・補修に対する投資は、前期を上回る。 | <海外>・石油・ガス関連の受注は前年同期を上回る。 ・水インフラの受注は、前年同期を上回る。 <国内>・建築設備向けの受注はサービス体制強化施策の効果により前年同期を上回る。 ・公共向けの受注は総合評価案件やアフターサービスの受注拡大等の施策効果はあったものの、大型案件の受注があった前年同期を下回る。 | ![]() |
コンプレッサ・ タービン | ・新規製品市場全体としては、中国で石油化学が依然堅調に推移している。北米のシェールガス関連では、全体としては遅延、停滞している。インド・中東では、石油精製、石油化学市場に動きが出てきている。 ・サービス市場は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動制限に一部緩和が見られるものの、指導員派遣で影響が続いており、全体として低調に推移している。 ・LNG市場(クライオポンプ)は、一部案件に動きはあるものの、投資判断が遅延傾向にある。 | ・製品の受注は、北米における案件延期、投資抑制の影響もあり、前年同期を下回る。 ・サービス分野の受注は、前年同期を下回る。 | ![]() | |
冷熱 | ・国内では、全般的には回復しつつあるが、宿泊施設等の一部の市場は新型コロナウイルス感染症の影響を受け回復が遅れている。 ・中国では、市場は2019年並みに回復したものの、価格競争が激化している上、需要増に伴い材料費値上げが進みつつある。 | ・国内の受注は前年同期並み。 ・中国の受注は前年同期を上回る。 | ![]() | |
環境プラント | ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は例年どおりに推移している。 ・既存施設のO&M(注2)の発注量は例年どおり推移している。 ・民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続している。 | ・公共向け廃棄物処理施設の大型案件を2件受注し、大型案件の受注がなかった前年同期を大幅に上回る。 <大型案件の受注状況>・公共向け廃棄物処理施設の基幹的設備改良工事及び長期包括運営契約(1件) ・公共向け長期包括運営契約(1件) | ![]() | |
精密・電子 | ・半導体市場及び半導体製造装置市場は、5GやIoTの普及拡大による半導体需要の高まりを背景に拡大基調にある。 | ・ファウンドリ、メモリメーカ、ロジックの設備投資はいずれも拡大基調にあり、受注は前年同期を上回る。 ・顧客は高水準の稼働を継続しており、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を一部で受けつつも、サービス&サポートは引き続き堅調に推移した。 | ![]() |
(注)1.矢印は受注高の前年同期比の増減率を示しています。
+5%以上の場合は | ![]() | 、△5%以下の場合は | ![]() | 、±5%の範囲内の場合は | ![]() | で表しています。 |
2.O&M(Operation & Maintenance) ……プラントの運転管理・メンテナンス |
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産総額は、前年度末に比べて契約資産が85億86百万円減少した一方、営業債権及びその他債権が177億39百万円、現金及び現金同等物が155億40百万円増加したことなどにより、338億47百万円増加し、6,786億19百万円となりました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債総額は、前年度末に比べて契約負債が93億48百万円、社債、借入金及びリース負債が80億97百万円増加したことなどにより、254億5百万円増加し、3,732億99百万円となりました。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末における資本について、利益剰余金が配当金の支払い57億22百万円により減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益85億69百万円により28億47百万円増加したことに加えて、在外営業活動体の為替差額が53億58百万円増加したこと等により前年度末に比べて84億42百万円増加し、3,053億20百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は2,980億20百万円で、親会社所有者帰属持分比率は43.9%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、堅調な営業利益に支えられ、243億75百万円の収入超過(前年同期比38億80百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出95億95百万円などにより、97億2百万円の支出超過(前年同期比40億91百万円の支出増加)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、146億72百万円の収入超過(前年同期比2億10百万円の収入減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金が純額で61億78百万円増加したことや、配当金を57億22百万円支払ったことなどにより、17億18百万円の支出超過(前年同期比234億79百万円の支出増加)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から155億40百万円増加し、1,360億84百万円となりました。
② 財務戦略の基本方針
当社グループは、企業価値向上のために適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としており、強固な財務体質と高い資本効率をともに兼ね備えることが重要だと考えています。
自己資本は信用格付として維持すべき水準と考える『シングルAフラット(※)』となり、現在の事業推進に必要十分な状態となっています。従って、現在の当社の財務の状態においては、売上債権、棚卸資産を圧縮し、創出された資金を厳選した成長投資に振り向け固定資産を増強する一方、資本効率を高めるために自己資本を一定水準に抑制していきます。
(※)格付投資情報センター(R&I)による格付
③ 資金調達について
当社グループは、事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入や社債の発行などの外部資金を有効に活用していきます。D/Eレシオは0.4~0.6を基準に負債の活用を進め、資本コストの低減・資本効率の向上を図ります。
また、現金・預金等の水準(手元流動性)については、連結売上収益の2カ月分を目安に適正水準の範囲でコントロールする方針です。これに加えて、金融上のリスクに対応するためにコミットメントライン契約等を締結することで、代替流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金を当社に集中する制度を運用しています。
なお、新型コロナウィルス感染症による事業環境の急変に備え、手元流動性と資金調達枠の確保に引き続き努めます。代替流動性の状況は以下のとおりです。
代替流動性
当座貸越契約 50億円
コミットメントライン契約 800億円
いずれの契約においても、当第1四半期連結累計期間末の借入実行残高はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、27億18百万円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 今後の見通し
《事業セグメント別の事業環境の見通し》
セグメント | 事業環境 | |
風水力 | ポンプ | <海外>・石油・ガス市場は、中国では数年先まで活況が続くと見込まれる。中長期的には燃料用途としてのアンモニアプラント案件が大幅に増加すると共に、燃料用途の製油所に代わり材料用途の化成品製造プラント、既設プラントへのCO2回収・圧入設備の増設案件が増加していくと見込まれる。 ・水インフラ市場は、中国、東南アジア、北米は引き続き回復傾向にある。アフリカでも需要の拡大が期待できるが、激しい価格競争が見込まれる。 ・電力市場では、CO2排出量削減の機運拡大で大型石炭火力市場が大幅に縮小すると見込まれる一方、石炭火力発電所のアンモニア混焼用設備、CO2回収・圧入設備の需要拡大が期待される。 <国内>・建築設備向け市場は、東京オリンピック・パラリンピックまでに開業を目指した首都圏の大型開発が一服し新規案件に切り替わる。倉庫流通施設需要は堅調であるものの、医療、工場、宿泊関連施設などは新型コロナウイルス感染症再拡大により工事の発注時期がさらに先送りとなる見込み。中小案件は一部マンションで回復傾向が見られるがオフィスなどの需要は減少しており、回復のスピードは緩やかになると見込まれる。 ・社会インフラの更新・補修に対する投資は堅調に推移する見込み。国土交通省の「防災減災国土強靭化のための5カ年加速対策」により、事前防災対策、社会インフラの老朽化対策に15兆円が投入されるが、ポンプ設備への投資は横ばいとなる見込み。 ・国内石炭火力発電容量の大幅な縮減が検討されており、縮減の際に必要となる代替エネルギーとして再生可能エネルギーの開発及び原子力再稼働が進むと見込まれる。それに伴い、既設火力発電分野におけるアフターサービスの縮小傾向が強まる一方、アンモニア混焼、水素混焼及び水素専焼開発の動きが加速し、関連分野でポンプ需要の創出が見込まれる。 |
コンプレッサ・タービン | ・原油価格は回復傾向にあるが、新型コロナウイルス感染症による回復の遅れの影響により、石油化学・石油精製プラント向け新規製品市場・サービス市場共に、投資の落ち込みや投資判断の遅延が見込まれる。一方、新規製品市場では中国が堅調に推移し、インド・中東でも案件に動きが出てくると見込まれる。また、サービス市場でも案件の動きが今後見込まれる。 ・LNG市場は一部プロジェクトに動きはあるものの全体として遅延が見込まれる。 | |
冷熱 | ・国内市場は生活様式の変化の定着、また新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受け、宿泊施設や大型ショッピングセンター等の市場は縮小・低調のまま推移すると見込まれる。 ・中国市場全般は回復しているが、価格競争が一段と激化する上に、需要増に伴う材料費値上げが見込まれる。 | |
環境プラント | ・公共向け廃棄物処理施設の新規建設需要は、前期からの発注スケジュール延期等の影響により、2021年12月期の発注量は例年と同等かそれを上回ると見込まれる。 ・民間企業向けの木質バイオマス発電施設や廃プラスチック等を処理する産業廃棄物処理施設の建設需要は継続すると見込まれる。 ・既存施設のO&Mの需要は例年並みと見込まれる。 ・新型コロナウイルスの感染状況によっては、発注の延期や工事進捗の遅延等が生じる可能性がある。 | |
精密・電子 | ・半導体市場、半導体製造装置市場は2019年の調整期を経て拡大基調へ移行しており、短期的には米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の再拡大等への注視が必要だが、中長期的にはICAC5(IoT, Cloud, AI, Car(車の自動運転), 5G)需要を中心として、市場の成長見通しに変化はないと見込まれる。 |