四半期報告書-第127期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響が和らぐなかで世界経済は回復傾向にあったものの、ウクライナ情勢等に伴う資源価格をはじめとする物価上昇の長期化に加え、これを抑えるための各国中央銀行による金融引き締め等が継続され、世界経済が後退する懸念が高まりました。
当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいては、エネルギーソリューションズ分野(石油精製、石油化学・化学、ガス処理、LNG等)では、世界各地での経済活動の再開に伴ってエネルギー需要の回復が進み、さらにエネルギー安全保障と低炭素化の両立の観点から、環境負荷が比較的少ない天然ガス(液化天然ガス(LNG)を含む)の重要性が高まり、産油・産ガス諸国で設備投資が実行に移され、多くの案件で着実な進展がみられました。また、ファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野(発電、受入基地、医薬、医療、水処理、鉄道等)では、世界的な低・脱炭素化の動きを背景に、アジア地域を中心に再生可能エネルギー発電や産業インフラ関連の投資計画が進捗しました。サステナブルソリューションズ分野(水素・燃料アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)、スペシャリティケミカル、ケミカルリサイクル、グリーンケミカル等)では、同様に世界的な低・脱炭素化の潮流を受け、水素や資源循環分野を中心に、具体的な設備投資計画として複数の低・脱炭素関連案件が着実に前進しました。
同事業の国内マーケットにおいては、既存製油所の改修・保全のほか、ライフサイエンスやヘルスケア、ケミカル分野を中心としたインフラ分野への設備投資が継続的に行われるとともに、水素・燃料アンモニアや持続可能な航空燃料(SAF)分野などの低・脱炭素関連案件で引き続き進展がみられました。
機能材製造事業においては、触媒・ファインケミカル分野では、COVID-19の影響が和らぐなかで世界各地で経済活動が再開され、顧客の製品需要は概ね堅調に推移したものの、世界的なインフレーションの進行により消費者の購買意欲が減退し、エレクトロニクス市場で事業環境の悪化が見られました。ファインセラミックス分野では、活況であった半導体関連市場において景気の減速感が強まるなか、電気自動車やハイブリッド車向けのパワー半導体の需要が引き続き好調に推移しました。
なお、当社グループは引き続き、激変する外部環境を注視し、適宜情報収集及びリスク対応を実施するとともに、COVID-19の感染拡大の防止に努め、当社グループ社員をはじめとする関係者の安全に配慮して事業を遂行しました。
以上のような経営環境のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績等は、以下のとおりとなりました。
経営成績
受注高
この結果、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は、為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額を加え、1兆5,932億76百万円となりました。
セグメント別状況
総合エンジニアリング事業
当社グループは、当連結会計年度においてエネルギーソリューションズ分野(サステナブルソリューションズ分野を含む)とファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野を合わせた海外分野で6,700億円、国内分野で1,700億円の計8,400億円の受注を目指しています。顧客の設備投資が回復に向かい案件が増加するなかで、引き続き、確実に収益をあげることができる案件を選別し、受注目標の達成に向けて取り組みました。
当第3四半期連結累計期間において、エネルギーソリューションズ分野では、サウジアラビア国営石油会社向け原油・ガス分離設備建設プロジェクト、マレーシア国営石油会社(ペトロナス社)向けニアショアFLNGプラント建設プロジェクト、タイにおけるVCM(塩化ビニルモノマー)・PVC(ポリ塩化ビニル)生産能力増強プロジェクトを受注したほか、米国キャメロンLNGプラント拡張工事に関わる基本設計役務、ナイジェリアにおけるFLNGプラントの基本設計役務などを受注しました。加えて日揮グローバル株式会社が、ペトロナス社と石油資源開発株式会社が推進するマレーシアにおける二酸化炭素の回収・貯留 (CCS)共同スタディに参画したほか、ペトロナス社とJX石油開発株式会社が進めるマレーシア国内の各産業施設から排出されるCO2に加えて、日本をはじめとするマレーシア国外からのCO2の分離・回収、輸送、圧入・貯留からなる具体的なCCSサプライチェーン構築に関する共同スタディに参画、またインドネシアのアンモニア生産拠点における温室効果ガス(GHG)測定実施に関する覚書を締結するなど、化石エネルギーの低・脱炭素化にも積極的に取り組みました。
ファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野では、前連結会計年度に受注した案件を着実に遂行するとともに、提案型・構想型での顧客開拓や案件の組成・獲得を目指し、鋭意営業活動に取り組みました。
海外子会社では、ベトナム法人における工場向け大型太陽光発電導入プロジェクト、インドネシア法人におけるガス処理プラント建設プロジェクト、シンガポール法人における複数のケミカルプラント建設プロジェクトなどを受注しました。
また、海外における低・脱炭素関連案件の専門組織として日揮グローバル株式会社に昨年9月に設立したサステナブルソリューションズでは、資源循環分野における概念設計役務を受注したほか、実現可能性が高い複数の水素関連案件の概念設計や基本設計、EPC役務の受注に向けて鋭意営業活動に取り組んでおります。
さらに、エネルギー需要の増大によって中長期的に海外プラント市場が拡大していくことが見込まれるなかで、グループとして海外のプラント建設プロジェクトの遂行キャパシティを拡大させていくために、インド・チェンナイ市にオペレーションセンターを新設し、昨年11月にオペレーションを開始しました。早期にエンジニア250名体制を目指すとともに、将来的には1,000名体制へと拡大していく計画です。
国内分野では、既存製油所や化学プラントの保全工事のほか、複数の医薬品製造工場や病院の建設プロジェクト、大阪府におけるSAF(持続可能な航空燃料)製造設備建設工事、新潟県におけるブルー水素・アンモニア製造実証試験の地上設備建設工事などを受注しました。加えて、東邦瓦斯株式会社などが推進するLNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収の技術開発・実証事業※1に参画するなど国内での低・脱炭素関連の取組みも大きく前進しました。
また、デジタルツインによる既存設備保全の高度化支援を目的とする新会社「ブラウンリバース株式会社」を設立し、3Dビューア「INTEGNANCE® VR」の提供を開始するなど、ビジネスモデルの多角化に向けた取組みにも注力しました。
さらに、前連結会計年度に設立したコーポレートベンチャーキャピタルファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じて、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を開発するスタートアップのほか、医療関連のスタートアップや、AIを搭載したウエアラブル端末、植物由来のプラスチック代替素材を製造するスタートアップなどへの出資を行いました。
このほか、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025(BSP2025)」で掲げる重点戦略のなかの「将来の成長エンジンの確立」に向けた取組みとして、昨年4月に東洋エンジニアリング株式会社と燃料アンモニア製造プラント及びアンモニア受入基地のFS、FEED、EPCプロジェクトの受注・遂行に関するアライアンス契約を締結しました。また、米KBR社ともアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結し、当社グループ、東洋エンジニアリング株式会社及び米KBR社共同で、北米や中東・北アフリカなどで検討が進む案件獲得に向けて、営業活動を推進しました。
また、当社、コスモ石油株式会社、株式会社レボインターナショナルの3社で廃食用油を原料とした国産SAFの製造・供給事業※2を推進していくために、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立したほか、岩谷産業株式会社及び豊田通商株式会社とともに、愛知県名古屋港近郊における廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造事業の事業化検討を開始し、さらに帝人株式会社及び伊藤忠商事株式会社とともに、ポリエステル製品をケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「株式会社RePEaT(リピート)」の設立に向けた合弁契約を締結し、ポリエステル製品のリサイクル事業を推進するなどしました。
※1 NEDO「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」における取組みの再委託先
※2 NEDO「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築」に採択
機能材製造事業
触媒分野においては、燃料需要や化学製品需要が徐々に回復したことから、FCC触媒やケミカル・環境保全触媒を中心に、国内外で触媒需要が堅調に推移しました。
ファインケミカル事業においては、世界的なインフレーションの進行により消費者の購買意欲が減退したエレクトロニクス市場の事業環境悪化の影響を受けたものの、化粧品材及びオプト材の需要は堅調に推移しました。
ファインセラミックス分野においては、活況であった半導体関連市場においてデバイスメーカーの生産調整や新規設備投資の抑制が行われ、半導体製造装置関連分野への影響が出始めており顧客動向を注視しています。一方で、電気自動車やハイブリッド車向けのパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板の需要は引き続き旺盛であり、昨年6月及び7月に高熱伝導窒化ケイ素基板等の増産に向けた設備投資及び用地の取得を決定しました。また、セラミックス事業の拡大に向けて、昭和電工マテリアルズ株式会社から事業譲受した同社セラミックス事業部門が、昨年7月1日付でJFCマテリアルズ株式会社として事業を開始しました。同社は、当社グループの機能材製造事業会社である日本ファインセラミックス株式会社(以下、JFC)の子会社として、JFCグループの生産能力の向上及び業績拡大に貢献していく予定です。
以上のような取組みのもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間のセグメント別の経営成績については、以下のとおりとなりました。
第1四半期連結会計期間より、業績管理方法を変更したことに伴い、従来各事業セグメントに配分していた当社のグループ管理運営費用は、各事業セグメントに配分しない全社費用としてセグメント別営業利益の算定に含めておりません。また、前年同期比較につきましては、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報について変更後の算定方法より作成したものに基づき行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産が7,153億93百万円となり、前連結会計年度末比で211億18百万円増加となりました。また、純資産は4,139億1百万円となり、前連結会計年度末比で262億38百万円増加となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当社グループは、自らのパーパス(存在意義)を“Enhancing planetary health”と再定義し、パーパスを道標として長期経営ビジョン「2040年ビジョン」並びに中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025(BSP2025)」を2021年5月に策定しました。2021年度から2025年度の5年間は、「2040年ビジョン」の1stフェーズ、挑戦の5年間と位置づけ、BSP2025において「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、戦略投資に積極的に取り組むことで収益の拡大、多様化を進めてまいります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は60億77百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(参考)受注高、売上高及び受注残高
(単位:百万円)
(注)1.第1四半期連結会計期間より受注高の集計方法を変更し、機能材製造事業の受注高を含めております。
2.総合エンジニアリング事業の「当第3四半期連結会計期間末受注残高」は、当第3四半期連結累計期間における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額81,547百万円を含んでいます。
3.その他の事業の「当第3四半期連結会計期間末受注残高」は、当第3四半期連結累計期間における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額20百万円を含んでいます。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響が和らぐなかで世界経済は回復傾向にあったものの、ウクライナ情勢等に伴う資源価格をはじめとする物価上昇の長期化に加え、これを抑えるための各国中央銀行による金融引き締め等が継続され、世界経済が後退する懸念が高まりました。
当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいては、エネルギーソリューションズ分野(石油精製、石油化学・化学、ガス処理、LNG等)では、世界各地での経済活動の再開に伴ってエネルギー需要の回復が進み、さらにエネルギー安全保障と低炭素化の両立の観点から、環境負荷が比較的少ない天然ガス(液化天然ガス(LNG)を含む)の重要性が高まり、産油・産ガス諸国で設備投資が実行に移され、多くの案件で着実な進展がみられました。また、ファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野(発電、受入基地、医薬、医療、水処理、鉄道等)では、世界的な低・脱炭素化の動きを背景に、アジア地域を中心に再生可能エネルギー発電や産業インフラ関連の投資計画が進捗しました。サステナブルソリューションズ分野(水素・燃料アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)、スペシャリティケミカル、ケミカルリサイクル、グリーンケミカル等)では、同様に世界的な低・脱炭素化の潮流を受け、水素や資源循環分野を中心に、具体的な設備投資計画として複数の低・脱炭素関連案件が着実に前進しました。
同事業の国内マーケットにおいては、既存製油所の改修・保全のほか、ライフサイエンスやヘルスケア、ケミカル分野を中心としたインフラ分野への設備投資が継続的に行われるとともに、水素・燃料アンモニアや持続可能な航空燃料(SAF)分野などの低・脱炭素関連案件で引き続き進展がみられました。
機能材製造事業においては、触媒・ファインケミカル分野では、COVID-19の影響が和らぐなかで世界各地で経済活動が再開され、顧客の製品需要は概ね堅調に推移したものの、世界的なインフレーションの進行により消費者の購買意欲が減退し、エレクトロニクス市場で事業環境の悪化が見られました。ファインセラミックス分野では、活況であった半導体関連市場において景気の減速感が強まるなか、電気自動車やハイブリッド車向けのパワー半導体の需要が引き続き好調に推移しました。
なお、当社グループは引き続き、激変する外部環境を注視し、適宜情報収集及びリスク対応を実施するとともに、COVID-19の感染拡大の防止に努め、当社グループ社員をはじめとする関係者の安全に配慮して事業を遂行しました。
以上のような経営環境のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績等は、以下のとおりとなりました。
経営成績
| 当第3四半期連結累計期間 (百万円) | 前年同期増減率(%) | |
| 売上高 | 416,618 | 30.4 |
| 営業利益 | 25,319 | 65.1 |
| 経常利益 | 33,494 | 68.6 |
| 親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 22,551 | - |
受注高
| 当第3四半期連結累計期間 (百万円) | 割合(%) | |
| 海外 | 582,808 | 81.8 |
| 国内 | 129,607 | 18.2 |
| 合計 | 712,416 | 100.0 |
この結果、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は、為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額を加え、1兆5,932億76百万円となりました。
セグメント別状況
総合エンジニアリング事業
当社グループは、当連結会計年度においてエネルギーソリューションズ分野(サステナブルソリューションズ分野を含む)とファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野を合わせた海外分野で6,700億円、国内分野で1,700億円の計8,400億円の受注を目指しています。顧客の設備投資が回復に向かい案件が増加するなかで、引き続き、確実に収益をあげることができる案件を選別し、受注目標の達成に向けて取り組みました。
当第3四半期連結累計期間において、エネルギーソリューションズ分野では、サウジアラビア国営石油会社向け原油・ガス分離設備建設プロジェクト、マレーシア国営石油会社(ペトロナス社)向けニアショアFLNGプラント建設プロジェクト、タイにおけるVCM(塩化ビニルモノマー)・PVC(ポリ塩化ビニル)生産能力増強プロジェクトを受注したほか、米国キャメロンLNGプラント拡張工事に関わる基本設計役務、ナイジェリアにおけるFLNGプラントの基本設計役務などを受注しました。加えて日揮グローバル株式会社が、ペトロナス社と石油資源開発株式会社が推進するマレーシアにおける二酸化炭素の回収・貯留 (CCS)共同スタディに参画したほか、ペトロナス社とJX石油開発株式会社が進めるマレーシア国内の各産業施設から排出されるCO2に加えて、日本をはじめとするマレーシア国外からのCO2の分離・回収、輸送、圧入・貯留からなる具体的なCCSサプライチェーン構築に関する共同スタディに参画、またインドネシアのアンモニア生産拠点における温室効果ガス(GHG)測定実施に関する覚書を締結するなど、化石エネルギーの低・脱炭素化にも積極的に取り組みました。
ファシリティインフラストラクチャーソリューションズ分野では、前連結会計年度に受注した案件を着実に遂行するとともに、提案型・構想型での顧客開拓や案件の組成・獲得を目指し、鋭意営業活動に取り組みました。
海外子会社では、ベトナム法人における工場向け大型太陽光発電導入プロジェクト、インドネシア法人におけるガス処理プラント建設プロジェクト、シンガポール法人における複数のケミカルプラント建設プロジェクトなどを受注しました。
また、海外における低・脱炭素関連案件の専門組織として日揮グローバル株式会社に昨年9月に設立したサステナブルソリューションズでは、資源循環分野における概念設計役務を受注したほか、実現可能性が高い複数の水素関連案件の概念設計や基本設計、EPC役務の受注に向けて鋭意営業活動に取り組んでおります。
さらに、エネルギー需要の増大によって中長期的に海外プラント市場が拡大していくことが見込まれるなかで、グループとして海外のプラント建設プロジェクトの遂行キャパシティを拡大させていくために、インド・チェンナイ市にオペレーションセンターを新設し、昨年11月にオペレーションを開始しました。早期にエンジニア250名体制を目指すとともに、将来的には1,000名体制へと拡大していく計画です。
国内分野では、既存製油所や化学プラントの保全工事のほか、複数の医薬品製造工場や病院の建設プロジェクト、大阪府におけるSAF(持続可能な航空燃料)製造設備建設工事、新潟県におけるブルー水素・アンモニア製造実証試験の地上設備建設工事などを受注しました。加えて、東邦瓦斯株式会社などが推進するLNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収の技術開発・実証事業※1に参画するなど国内での低・脱炭素関連の取組みも大きく前進しました。
また、デジタルツインによる既存設備保全の高度化支援を目的とする新会社「ブラウンリバース株式会社」を設立し、3Dビューア「INTEGNANCE® VR」の提供を開始するなど、ビジネスモデルの多角化に向けた取組みにも注力しました。
さらに、前連結会計年度に設立したコーポレートベンチャーキャピタルファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じて、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を開発するスタートアップのほか、医療関連のスタートアップや、AIを搭載したウエアラブル端末、植物由来のプラスチック代替素材を製造するスタートアップなどへの出資を行いました。
このほか、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025(BSP2025)」で掲げる重点戦略のなかの「将来の成長エンジンの確立」に向けた取組みとして、昨年4月に東洋エンジニアリング株式会社と燃料アンモニア製造プラント及びアンモニア受入基地のFS、FEED、EPCプロジェクトの受注・遂行に関するアライアンス契約を締結しました。また、米KBR社ともアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結し、当社グループ、東洋エンジニアリング株式会社及び米KBR社共同で、北米や中東・北アフリカなどで検討が進む案件獲得に向けて、営業活動を推進しました。
また、当社、コスモ石油株式会社、株式会社レボインターナショナルの3社で廃食用油を原料とした国産SAFの製造・供給事業※2を推進していくために、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立したほか、岩谷産業株式会社及び豊田通商株式会社とともに、愛知県名古屋港近郊における廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造事業の事業化検討を開始し、さらに帝人株式会社及び伊藤忠商事株式会社とともに、ポリエステル製品をケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「株式会社RePEaT(リピート)」の設立に向けた合弁契約を締結し、ポリエステル製品のリサイクル事業を推進するなどしました。
※1 NEDO「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」における取組みの再委託先
※2 NEDO「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築」に採択
機能材製造事業
触媒分野においては、燃料需要や化学製品需要が徐々に回復したことから、FCC触媒やケミカル・環境保全触媒を中心に、国内外で触媒需要が堅調に推移しました。
ファインケミカル事業においては、世界的なインフレーションの進行により消費者の購買意欲が減退したエレクトロニクス市場の事業環境悪化の影響を受けたものの、化粧品材及びオプト材の需要は堅調に推移しました。
ファインセラミックス分野においては、活況であった半導体関連市場においてデバイスメーカーの生産調整や新規設備投資の抑制が行われ、半導体製造装置関連分野への影響が出始めており顧客動向を注視しています。一方で、電気自動車やハイブリッド車向けのパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板の需要は引き続き旺盛であり、昨年6月及び7月に高熱伝導窒化ケイ素基板等の増産に向けた設備投資及び用地の取得を決定しました。また、セラミックス事業の拡大に向けて、昭和電工マテリアルズ株式会社から事業譲受した同社セラミックス事業部門が、昨年7月1日付でJFCマテリアルズ株式会社として事業を開始しました。同社は、当社グループの機能材製造事業会社である日本ファインセラミックス株式会社(以下、JFC)の子会社として、JFCグループの生産能力の向上及び業績拡大に貢献していく予定です。
以上のような取組みのもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間のセグメント別の経営成績については、以下のとおりとなりました。
| 総合エンジニア リング事業 (百万円) | 前年同期 増減率 (%) | 機能材製造事業 (百万円) | 前年同期 増減率 (%) | その他の事業 (百万円) | 前年同期 増減率 (%) | |
| 売上高 | 377,841 | 32.4 | 36,011 | 9.7 | 2,765 | 113.1 |
| 営業利益 | 22,838 | 68.4 | 5,911 | 3.6 | 608 | - |
第1四半期連結会計期間より、業績管理方法を変更したことに伴い、従来各事業セグメントに配分していた当社のグループ管理運営費用は、各事業セグメントに配分しない全社費用としてセグメント別営業利益の算定に含めておりません。また、前年同期比較につきましては、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報について変更後の算定方法より作成したものに基づき行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間末の連結財政状態は、総資産が7,153億93百万円となり、前連結会計年度末比で211億18百万円増加となりました。また、純資産は4,139億1百万円となり、前連結会計年度末比で262億38百万円増加となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当社グループは、自らのパーパス(存在意義)を“Enhancing planetary health”と再定義し、パーパスを道標として長期経営ビジョン「2040年ビジョン」並びに中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025(BSP2025)」を2021年5月に策定しました。2021年度から2025年度の5年間は、「2040年ビジョン」の1stフェーズ、挑戦の5年間と位置づけ、BSP2025において「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、戦略投資に積極的に取り組むことで収益の拡大、多様化を進めてまいります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は60億77百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(参考)受注高、売上高及び受注残高
(単位:百万円)
| 区分 | 前連結会計年度末受注残高 | 当第3四半期 連結累計期間 受注高 | 当第3四半期 連結累計期間 売上高 | 当第3四半期 連結会計期間末 受注残高 | |
| 総合エンジニアリング事業 | 1,207,832 | 669,611 | 377,841 | 1,581,148 | |
| 国内 | |||||
| エネルギートランジション関係 | |||||
| 石油・ガス関係 | 4,708 | 16,264 | 9,304 | 11,668 | |
| LNG関係 | 37 | 17 | 17 | - | |
| 化学関係 | 32,971 | 14,708 | 19,893 | 27,786 | |
| クリーンエネルギー関係 | 123,710 | 48,631 | 28,725 | 143,362 | |
| その他 | 15,476 | 645 | 9,990 | 6,126 | |
| 計 | 176,905 | 80,266 | 67,930 | 188,944 | |
| ヘルスケア・ライフサイエンス関係 | 72,672 | 20,770 | 18,779 | 74,663 | |
| 産業・都市インフラ関係 | 62 | 1,311 | 790 | 583 | |
| その他 | 1 | 534 | 133 | 402 | |
| 国内計 | 249,642 | 102,882 | 87,633 | 264,594 | |
| 海外 | |||||
| エネルギートランジション関係 | |||||
| 石油・ガス関係 | 509,212 | 330,548 | 98,913 | 798,443 | |
| LNG関係 | 417,813 | 145,548 | 162,750 | 422,029 | |
| 化学関係 | 11,957 | 63,216 | 12,366 | 64,746 | |
| クリーンエネルギー関係 | 8,093 | 2,054 | 7,570 | 3,082 | |
| その他 | 748 | 9,520 | 2,611 | 7,234 | |
| 計 | 947,826 | 550,888 | 284,211 | 1,295,536 | |
| ヘルスケア・ライフサイエンス関係 | 7,928 | 13,808 | 1,859 | 20,534 | |
| 産業・都市インフラ関係 | 2,434 | 1,898 | 4,010 | 478 | |
| その他 | - | 133 | 126 | 4 | |
| 海外計 | 958,190 | 566,728 | 290,208 | 1,316,554 | |
| 機能材製造事業 | 7,080 | 36,756 | 36,011 | 7,825 | |
| その他の事業 | 998 | 6,049 | 2,765 | 4,302 | |
| 合計 | 1,215,911 | 712,416 | 416,618 | 1,593,276 | |
(注)1.第1四半期連結会計期間より受注高の集計方法を変更し、機能材製造事業の受注高を含めております。
2.総合エンジニアリング事業の「当第3四半期連結会計期間末受注残高」は、当第3四半期連結累計期間における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額81,547百万円を含んでいます。
3.その他の事業の「当第3四半期連結会計期間末受注残高」は、当第3四半期連結累計期間における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額20百万円を含んでいます。