有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 16:02
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113項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、概ね厳しい状況で推移いたしました。本年3月の緊急事態宣言の解除後も、より感染力の強い変異株の影響もあり、感染者数が再び増加するなど、収束時期が見通せない不透明な状況が続いております。各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが一部で見られるものの、感染の動向が内外経済に与える影響や、金融資本市場の変動などに注視を要する状況にあります。
このような状況のなか、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べて、156百万円減少して3,716百万円となりました。これは主に、受取手形の増加168百万円、電子記録債権の増加214百万円および現金及び預金の増加92百万円による一方で、商品及び製品の減少627百万円によるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて、57百万円減少して4,578百万円となりました。これは主に、投資有価証券の増加74百万円および保険積立金の増加39百万円による一方で、建物(純額)の減少25百万円、機械及び装置(純額)の減少82百万円、建設仮勘定の減少21百万円および繰延税金資産の減少27百万円によるものです。
この結果、資産合計は前事業年度末に比べて、213百万円減少して8,295百万円となりました。
当事業年度末の流動負債は前事業年度末に比べて、74百万円減少して2,388百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加32百万円による一方で、支払手形の減少42百万円、買掛金の減少17百万円、未払金の減少20百万円および前受金の減少23百万円によるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて、207百万円減少して2,046百万円となりました。これは主に、退職給付引当金の増加9百万円および役員退職慰労引当金の増加16百万円による一方で、長期借入金の減少237百万円によるものです。
この結果、負債合計は前事業年度末に比べて、281百万円減少して4,434百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて、67百万円増加して3,860百万円となりました。これは主に、当期純利益45百万円およびその他有価証券評価差額金の増加61百万円による一方で、剰余金の配当により利益剰余金が48百万円減少したためです。
この結果、自己資本比率は前事業年度末の44.6%から46.5%となりました。
b.経営成績
当事業年度の売上高は、黄銅弁関連製品が2,719百万円(前期比0.9%減)、鉄鋼弁関連製品が1,347百万円(前期比3.6%増)、その他120百万円(前期比18.7%増)、作業屑が464百万円(前期比19.0%減)となり、合計で4,652百万円(前期比1.5%減)となりました。
製品商品売上高のうち、LPガス容器用弁は、競争が激化したことにより、売上高は1,817百万円(前期比2.7%減)となりました。また、設備用はコロナ禍で工事案件が減少し、売上高は786百万円(前期比10.9%減)となりました。一方で、バルク付属機器は、予想どおりに交換需要が持続し、売上高は903百万円(前期比15.4%増)となりました。船舶用は前期より引き続き造船市場が堅調であり、売上高は350百万円(前期比25.2%増)となりましたが、車載用の売上高は微減の154百万円(前期比0.2%減)となりました。
また、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から全社で可能な限りの休業を実施した結果、工場稼働が低下したために作業屑の売上高が大幅に減少し、総売上高も前期比で減少しました。
損益面につきましては、積極的に休業を実施し工場稼働を低下させたため、棚卸資産が大幅に減少(前期末比610百万円の減少)し損益面にマイナスの影響を及ぼしましたが、雇用調整助成金の助けを借りながら全社的に大幅な経費削減に取り組んだことにより、営業利益は84百万円(前期比137.1%増)、経常利益は79百万円(前期比268.6%増)および当期純利益は45百万円(前期比748.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して92百万円増加し、当事業年度末には218百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は373百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益80百万円、たな卸資産の減少額610百万円および助成金の受取額106百万円により増加する一方で、割引手形の減少額320百万円および休業手当の支払額138百万円により減少するものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は15百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入16百万円により増加する一方で、有形固定資産の取得による支出31百万円により減少するものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は264百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増額32百万円により増加する一方で、長期借入金の返済による支出232百万円および配当金の支払額48百万円により減少するものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、高圧ガス用バルブおよび関連機器類の製造、販売を主たる業務にしておりますが、製品種類別に示すと下記のとおりになります。
当事業年度の生産実績は、下記のとおりであります。
製品種類等当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
黄銅弁(千円)2,602,64794.4
鉄鋼弁(千円)1,175,69290.0
合計3,778,33993.0

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は、一部の製品につき受注生産を行っておりますが、基本的には需要予測に基づく見込み生産を行っておりますので記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、下記のとおりであります。
製品種類等当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
黄銅弁(千円)2,719,77199.1
鉄鋼弁(千円)1,347,875103.6
その他(千円)120,450118.7
屑売上高(千円)464,45681.0
合計4,652,55598.5

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度当事業年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
矢崎エナジーシステム株式会社504,42010.7486,22910.5
昌栄機工株式会社473,98910.0387,0818.3
サンエツ金属株式会社380,4628.1286,1926.2

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
流動資産は、前事業年度末に比べて、156百万円減少して3,716百万円となりました。これは主に、受取手形の増加168百万円、電子記録債権の増加214百万円および現金及び預金の増加92百万円による一方で、商品および製品の減少627百万円によるものです。
(固定資産)
固定資産は、前事業年度末に比べて、57百万円減少して4,578百万円となりました。これは主に、投資有価証券の増加74百万円および保険積立金の増加39百万円による一方で、建物(純額)の減少25百万円、機械及び装置(純額)の減少82百万円、建設仮勘定の減少21百万円および繰延税金資産の減少27百万円によるものです。
(流動負債)
流動負債は前事業年度末に比べて、74百万円減少して2,388百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加32百万円による一方で、支払手形の減少42百万円、買掛金の減少17百万円、未払金の減少20百万円および前受金の減少23百万円によるものです。
(固定負債)
固定負債は、前事業年度末に比べて、207百万円減少して2,046百万円となりました。これは主に、退職給付引当金の増加9百万円および役員退職慰労引当金の増加16百万円による一方で、長期借入金の減少237百万円によるものです。
(純資産合計)
純資産は、前事業年度末に比べて、67百万円増加して3,860百万円となりました。これは主に、当期純利益45百万円およびその他有価証券評価差額金の増加61百万円による一方で、剰余金の配当により利益剰余金が48百万円減少したためです。
2)経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、黄銅弁関連製品が2,719百万円(前期比0.9%減)、鉄鋼弁関連製品が1,347百万円(前期比3.6%増)、その他120百万円(前期比18.7%増)、作業屑が464百万円(前期比19.0%減)となり、合計で4,652百万円(前期比1.5%減)となりました。
製品商品売上高のうち、LPガス容器用弁は、競争が激化したことにより、売上高は1,817百万円(前期比2.7%減)となりました。また、設備用はコロナ禍で工事案件が減少し、売上高は786百万円(前期比10.9%減)となりました。一方で、バルク付属機器は、予想どおりに交換需要が持続し、売上高は903百万円(前期比15.4%増)となりました。船舶用は前期より引き続き造船市場が堅調であり、売上高は350百万円(前期比25.2%増)となりましたが、車載用の売上高は微減の154百万円(前期比0.2%減)となりました。
(営業利益)
本社事務所の専有部分の一部返還等による不動産賃借料の減少7百万円のほか、他勘定振替高として表示しております休業手当として支払った本社・営業所の人件費43百万円などの結果、営業利益は84百万円(前期比137.1%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は前期比158百万円増の183百万円、営業外費用は前期比149百万円増の189百万円となりました。これは主として、営業外収益については助成金収入163百万円を計上したこと、営業外費用については休業手当153百万円を計上したことによるものです。
この結果、経常利益は79百万円(前期比268.6%増)となりました。
(当期純利益)
特別利益は前期比56百万円減の1百万円、特別損失は前期比57百万円減の0百万円となりました。これは、特別利益については前期において投資有価証券売却益47百万円および役員退職慰労引当金戻入額10百万円を計上したため、特別損失については前期において投資有価証券評価損53百万円を計上したこと等によるものです。
また、法人税、住民税及び事業税34百万円を計上しました。
この結果、当期純利益は45百万円(前期比748.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、営業活動の結果得られた資金は373百万円、投資活動の結果使用した資金は15百万円、および財務活動により使用した資金は264百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物は前事業年度末と比較して92百万円増加し、当事業年度末には218百万円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、主要原材料の黄銅材、鉄鋼材、ステンレス鋼材および鉄鋼鋳鍛造品等の原材料、人件費、外注加工費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金は、金融機関からの長期借入を基本としております。機動的かつ効率的な資金調達をすべく、取引銀行5行と当座貸越契約、取引銀行1行と特殊当座貸越契約を締結しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,628百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成にあたっては、期末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を行うことが必要となります。当社は、財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
見積り、判断および仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は次のとおりです。
(たな卸資産)
当社は、将来推定される需要および市場状況に基づく時価の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。今後の需要または市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社は、将来の回収可能性を十分に検討した上で、回収可能額を繰延税金資産として計上しております。なお、業績の動向によっては繰延税金資産の取崩が必要となる可能性があります。