四半期報告書-第152期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/05 13:03
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【項目】
37項目
三菱電機グループの要約四半期連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。三菱電機グループは要約四半期連結財務諸表の作成において資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っており、実際の業績がこれらの見積りと異なる場合があります。
(1)業績
当第1四半期連結累計期間の景気は、米国では、企業・家計部門ともに持ち直しが継続しましたが、中国では、企業・家計部門ともに新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響による下押しがみられました。日本や欧州では、生産が減少するなど持ち直しは緩やかになりました。また、一部素材価格の上昇や物流費の高止まり、部材の需給逼迫の長期化などの動きがみられました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
前年第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年第1四半期
連結累計期間比
売上高10,664億円10,677億円12億円増
営業利益827億円339億円488億円減
税引前四半期純利益895億円468億円426億円減
親会社株主に帰属する四半期純利益618億円334億円283億円減

①売上高
売上高は、上海ロックダウンの影響などによる減少がありましたが、為替円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比12億円増加の1兆677億円となりました。インフラ部門では、社会システム、電力システム、防衛・宇宙システムの全ての事業で減少しました。ライフ部門では、ビルシステム事業は増加しましたが、空調・家電事業は減少しました。インダストリー・モビリティ部門では、自動車機器事業は増加しましたが、FAシステム事業は減少しました。ビジネスプラットフォーム部門では、情報システム・サービス事業、電子デバイス事業共に増加しました。
<売上高における為替影響額>
前年第1四半期
連結累計期間
期中平均レート
当第1四半期
連結累計期間
期中平均レート
当第1四半期
連結累計期間
売上高への影響額
連結合計--約570億円増
内、米ドル110円131円約250億円増
内、ユーロ132円139円約50億円増
内、人民元17.1円19.7円約120億円増

②営業利益
営業利益は、ビジネスプラットフォーム部門などの増益はありましたが、ライフ部門、インダストリー・モビリティ部門、インフラ部門の減益により、前年同四半期連結累計期間比488億円減少の339億円となりました。営業利益率は、売上原価率の悪化などにより、前年同四半期連結累計期間比4.6ポイント悪化の3.2%となりました。
売上原価率は、為替円安影響はありましたが、素材価格上昇の影響に加え、電子部品の需給逼迫に伴う操業度低下によるライフ部門の悪化などにより、前年同四半期連結累計期間比2.5ポイント悪化しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比215億円増加し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比2.0ポイント悪化しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比3億円減少し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.1ポイント悪化しました。
③税引前四半期純利益
税引前四半期純利益は、営業利益の減少などにより、前年同四半期連結累計期間比426億円減少の468億円、売上高比率は4.4%となりました。
④親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の減少などにより、前年同四半期連結累計期間比283億円減少の334億円、売上高比率は3.1%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
①インフラ
社会システム事業の事業環境は、海外の公共分野における投資が堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた国内鉄道各社における設備投資計画の見直しの動きが継続しました。このような状況の中、同事業は、受注高は海外の公共分野の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は国内の交通事業の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りました。
電力システム事業の事業環境は、国内電力会社の設備投資の回復基調が継続し、再生可能エネルギーの拡大に伴う電力安定化の需要などが堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は海外の発電事業や国内の電力流通事業の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は国内の発電事業の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りました。
防衛・宇宙システム事業は、受注高は宇宙システム事業の大口案件の増加により前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は防衛システム事業の大口案件の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比93%の1,742億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比89億円悪化の32億円の損失となりました。
②インダストリー・モビリティ
FAシステム事業の事業環境は、半導体・電子部品などのデジタル関連分野やリチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連分野での設備投資を中心に、国内外で需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は上海ロックダウンの影響などによる中国向けの減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りました。
自動車機器事業の事業環境は、電動車を中心とした市場の拡大に伴う電動化関連製品などの需要が堅調に推移しましたが、半導体部品の需給逼迫などの影響により一部地域を除いて新車販売台数が前年同四半期連結累計期間を下回りました。このような状況の中、同事業は、円安の影響などにより、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比101%の3,644億円となりました。
営業利益は、円安の影響はありましたが、素材価格・物流費の上昇などにより、前年同四半期連結累計期間比119億円減少の227億円となりました。
③ライフ
ビルシステム事業の事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷から回復の動きが見られました。このような状況の中、同事業は、受注高は中国向けの減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は円安の影響や国内・アジアの増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回りました。
空調・家電事業の事業環境は、上海ロックダウンや電子部品の需給逼迫の影響などがありました。このような状況の中、同事業は、国内・中国・北米向け家庭用・業務用空調機器の減少などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比101%の4,383億円となりました。
営業利益は、円安の影響はありましたが、素材価格・物流費の上昇や操業度低下などにより、前年同四半期連結累計期間比310億円減少の137億円となりました。
④ビジネスプラットフォーム
情報システム・サービス事業の事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた案件が再開するなど、需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業はITインフラサービス事業・システムインテグレーション事業の増加により、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
電子デバイス事業の事業環境は、通信需要の高まりにより通信用光デバイスの需要が堅調に推移しましたが、自動車向けのパワー半導体の減少などがありました。このような状況の中、同事業は、受注高は液晶事業の終息などにより前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は円安の影響や通信用光デバイスを中心とした高周波光デバイスの増加などにより、前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比106%の932億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比35億円増加の74億円となりました。
⑤その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比112%の1,798億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比1億円増加の39億円となりました。
(2)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比114億円増加の5兆1,194億円となりました。売上債権が1,650億円減少した一方、棚卸資産が1,366億円、その他の金融資産が304億円それぞれ増加したことがその主な要因です。
棚卸資産の増加は、為替円安影響に加え、インダストリー・モビリティ部門やライフ部門での需要回復や半導体・電子部品の部材逼迫の影響などによるものです。売上債権の減少は、前連結会計年度の売上計上案件の回収などによるものです。
負債の部は、未払費用が471億円、買入債務が248億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比444億円減少の1兆9,661億円となりました。なお、リース負債を除く社債・借入金残高は前連結会計年度末比26億円増加の2,198億円、借入金比率は4.3%(前連結会計年度末に対し変動なし)となりました。
資本の部は、配当金の支払い549億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益334億円の計上及び為替円安等を背景としたその他の包括利益累計額722億円の増加等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比513億円増加の3兆272億円、親会社株主帰属持分比率は59.1%(前連結会計年度末比+0.8ポイント)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが546億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが544億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは2億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは688億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比400億円減少の6,871億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の減少に加え、棚卸資産の増加等により、前年同四半期連結累計期間比670億円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社取得などに伴う有価証券等の取得や有形固定資産の取得の増加等により、前年同四半期連結累計期間比225億円の支出増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期連結累計期間に社債償還による支出があった影響等により、前年同四半期連結累計期間比246億円の支出減少となりました。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」からの重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、492億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。