四半期報告書-第151期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
三菱電機グループの要約四半期連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。三菱電機グループは要約四半期連結財務諸表の作成において資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っており、実際の業績がこれらの見積りと異なる場合があります。
(1)業績
当第1四半期連結累計期間の景気は、日本、米国、欧州などでは、個人消費は新型コロナウイルス感染症の感染状況などにより回復ペースにばらつきはあるものの、企業部門は総じて持ち直しが継続しました。また、中国では、前連結会計年度上期以降、輸出や生産を中心とする回復が継続しました。
この結果、前年第1四半期連結累計期間が新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたこともあり、前年同四半期連結累計期間比では大きく改善し、当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
①売上高
売上高は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門及び電子デバイス部門の増収などにより、前年同四半期連結累計期間比2,082億円増加の1兆664億円となりました。産業メカトロニクス部門では、FAシステム事業は半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心とした国内外での需要拡大を背景に増加し、自動車機器事業は前年第1四半期で既に回復基調に転じていた中国を除く全地域での新車販売の回復などにより増加しました。家庭電器部門では、欧米を中心に空調機器の需要が堅調に推移し増加しました。電子デバイス部門では、パワー半導体の需要回復などにより増加しました。
<売上高における為替影響額>
②営業利益
営業利益は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門などの増益により、前年同四半期連結累計期間比625億円増加の827億円となりました。営業利益率は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比5.4ポイント改善の7.8%となりました。
売上原価率は、為替円安影響に加え、売上高の増加に伴う操業度上昇などによる産業メカトロニクス部門、家庭電器部門の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比2.1ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比185億円増加しましたが、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比3.2ポイント改善しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比7億円増加し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.1ポイント改善しました。
③税引前四半期純利益
税引前四半期純利益は、営業利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比624億円増加の895億円、売上高比率は8.4%となりました。
④親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比439億円増加の618億円、売上高比率は5.8%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
①重電システム
社会インフラ事業の事業環境は、国内の発電関連の需要が減少し、また新型コロナウイルス感染症の影響を受け国内の鉄道各社の設備投資計画に見直しの動きがみられました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内の電力事業の減少など、売上高は国内の交通事業の減少などにより、ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
ビルシステム事業の事業環境は、インドなどの一部地域では新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復の遅れがありましたが、中国などでは回復がみられました。このような状況の中、同事業は中国などを中心に増加し、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比99%の2,636億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比67億円減少の118億円となりました。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業の事業環境は、半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に、国内外で需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
自動車機器事業の事業環境は、前年第1四半期で既に回復基調に転じていた中国を除く全地域において、新車販売台数が増加しました。このような状況の中、同事業は自動車用電装品やモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品の販売増加などにより、受注高・売上高とも前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比151%の3,565億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比384億円改善の350億円となりました。
③情報通信システム
情報システム・サービス事業の事業環境は、製造業向けを中心に延期されていたシステム開発案件の再開などがありましたが、システムインテグレーション事業やITインフラサービス事業などで大口案件の減少がありました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
電子システム事業は、受注高は宇宙システム事業の大口案件の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は防衛システム事業の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比101%の641億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比5億円改善の0億円となりました。
④電子デバイス
電子デバイス事業の事業環境は、自動車・民生向けのパワー半導体の需要が回復しました。このような状況の中、同事業は自動車・民生向けのパワー半導体の増加などにより、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比121%の603億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や機種構成の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比1億円増加の32億円となりました。
⑤家庭電器
家庭電器事業の事業環境は、欧米を中心に、テレワークの定着などにより家庭用空調機器の需要が増加し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた設備投資が回復し始めたことで業務用空調機器の緩やかな需要回復がありました。このような状況の中、同事業は、欧米を中心とした空調機器の増加などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比133%の3,153億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比257億円増加の393億円となりました。
⑥その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比122%の1,534億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比47億円改善の33億円となりました。
(2)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比1,011億円減少の4兆6,967億円となりました。棚卸資産が686億円増加した一方、売上債権が1,655億円減少したことがその主な要因です。
棚卸資産の増加は、産業メカトロニクス部門や家庭電器部門での需要回復に伴う在庫の増加などによるものです。売上債権の減少は、前連結会計年度の売上計上案件の回収などによるものです。
負債の部は、未払費用が501億円、その他の金融負債が447億円、買入債務が198億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比1,082億円減少の1兆8,190億円となりました。なお、リース負債を除く借入金・社債残高は前連結会計年度末比206億円減少の2,281億円、借入金比率は4.9%(前連結会計年度末比△0.3ポイント)となりました。
資本の部は、配当金の支払い558億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益618億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比51億円増加の2兆7,594億円、親会社株主帰属持分比率は58.8%(前連結会計年度末比+1.4ポイント)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,217億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが318億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは898億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは935億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比15億円減少の7,658億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の増加等はありましたが、売上債権の回収影響等により、前年同四半期連結累計期間比118億円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に設備投資を一部抑制したことに伴う当第1四半期連結累計期間の有形固定資産の取得の減少等により、前年同四半期連結累計期間比233億円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債償還による支出の増加や短期借入金の調達の減少等により、前年同四半期連結累計期間の1,123億円の収入から935億円の支出となりました。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」について変更があった事項は次のとおりであり、当該変更及び追加箇所については下線で示しています。
(前略)
世界経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症が景気に与える影響に依然として不確実性は残るものの、各国・地域でのワクチン普及に伴う経済活動正常化の動きに加え、米国や中国を中心とする経済対策等の効果もあり、総じてみれば景気回復が進展することが見込まれます。
(中略)
「倫理・遵法」については、近年発生した製品・サービス品質、労務、情報セキュリティーの問題の発生を厳粛に受け止め、再発防止を経営の最優先課題として各種取組みを進めています。品質に関わる不適切行為について、当社はこれまで3 回(2016 年度、2017 年度、2018~2019年度)、当社および当社子会社の点検を実施しました。特に、2018 年度から2019 年度にかけて実施した全社点検では、過去の反省を踏まえ、当社の国内全事業所と子会社121 社を点検対象とした上で、当社部門・子会社自身による品質データの実地確認と、当社監査部・経営企画室・品質保証推進部・研究所等にて構成した社内点検チームによる客観的な検証を実施しました。しかしながら、今回、新たに不適切な検査行為が判明したことを重く受け止め、公表のとおり、社長を室長とする緊急対策室を設置し、品質不適切行為の事実調査・真因究明と再発防止策の策定に加え、品質風土改革を実行してまいります。具体的には、社外弁護士を委員長とする調査委員会を設け、社外視点を入れた実態解明を行うとともに、全社レベルで、品質不適切行為の事実調査・真因究明を行い、これを踏まえて再発防止策を策定します。また、緊急対策室は調査委員会からの報告・提案を受け、品質風土改革を実行してまいります。
(後略)
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、457億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、産業メカトロニクス部門の生産、受注及び販売実績、家庭電器部門の生産及び販売実績、電子デバイス部門の受注実績が前年同四半期連結累計期間比で著しく増加しました。各セグメントの生産実績の変動については、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に落ち込んだ需要の回復等によるものです。各セグメントの受注及び販売実績の変動については、「(1)業績 事業の種類別セグメント」の業績を参照ください。
(1)業績
当第1四半期連結累計期間の景気は、日本、米国、欧州などでは、個人消費は新型コロナウイルス感染症の感染状況などにより回復ペースにばらつきはあるものの、企業部門は総じて持ち直しが継続しました。また、中国では、前連結会計年度上期以降、輸出や生産を中心とする回復が継続しました。
この結果、前年第1四半期連結累計期間が新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたこともあり、前年同四半期連結累計期間比では大きく改善し、当第1四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
前年第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 前年第1四半期 連結累計期間比 | |
売上高 | 8,581億円 | 10,664億円 | 2,082億円増 |
営業利益 | 202億円 | 827億円 | 625億円増 |
税引前四半期純利益 | 271億円 | 895億円 | 624億円増 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 178億円 | 618億円 | 439億円増 |
①売上高
売上高は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門及び電子デバイス部門の増収などにより、前年同四半期連結累計期間比2,082億円増加の1兆664億円となりました。産業メカトロニクス部門では、FAシステム事業は半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心とした国内外での需要拡大を背景に増加し、自動車機器事業は前年第1四半期で既に回復基調に転じていた中国を除く全地域での新車販売の回復などにより増加しました。家庭電器部門では、欧米を中心に空調機器の需要が堅調に推移し増加しました。電子デバイス部門では、パワー半導体の需要回復などにより増加しました。
<売上高における為替影響額>
前年第1四半期 連結累計期間 期中平均レート | 当第1四半期 連結累計期間 期中平均レート | 当第1四半期 連結累計期間 売上高への影響額 | |
連結合計 | - | - | 約370億円増 |
内、米ドル | 107円 | 110円 | 約30億円増 |
内、ユーロ | 119円 | 132円 | 約110億円増 |
内、人民元 | 15.1円 | 17.1円 | 約140億円増 |
②営業利益
営業利益は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門などの増益により、前年同四半期連結累計期間比625億円増加の827億円となりました。営業利益率は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比5.4ポイント改善の7.8%となりました。
売上原価率は、為替円安影響に加え、売上高の増加に伴う操業度上昇などによる産業メカトロニクス部門、家庭電器部門の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比2.1ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比185億円増加しましたが、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比3.2ポイント改善しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比7億円増加し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.1ポイント改善しました。
③税引前四半期純利益
税引前四半期純利益は、営業利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比624億円増加の895億円、売上高比率は8.4%となりました。
④親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比439億円増加の618億円、売上高比率は5.8%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
①重電システム
社会インフラ事業の事業環境は、国内の発電関連の需要が減少し、また新型コロナウイルス感染症の影響を受け国内の鉄道各社の設備投資計画に見直しの動きがみられました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内の電力事業の減少など、売上高は国内の交通事業の減少などにより、ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
ビルシステム事業の事業環境は、インドなどの一部地域では新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復の遅れがありましたが、中国などでは回復がみられました。このような状況の中、同事業は中国などを中心に増加し、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比99%の2,636億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比67億円減少の118億円となりました。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業の事業環境は、半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に、国内外で需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
自動車機器事業の事業環境は、前年第1四半期で既に回復基調に転じていた中国を除く全地域において、新車販売台数が増加しました。このような状況の中、同事業は自動車用電装品やモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品の販売増加などにより、受注高・売上高とも前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比151%の3,565億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比384億円改善の350億円となりました。
③情報通信システム
情報システム・サービス事業の事業環境は、製造業向けを中心に延期されていたシステム開発案件の再開などがありましたが、システムインテグレーション事業やITインフラサービス事業などで大口案件の減少がありました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
電子システム事業は、受注高は宇宙システム事業の大口案件の減少などにより前年同四半期連結累計期間を下回りましたが、売上高は防衛システム事業の増加などにより前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比101%の641億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比5億円改善の0億円となりました。
④電子デバイス
電子デバイス事業の事業環境は、自動車・民生向けのパワー半導体の需要が回復しました。このような状況の中、同事業は自動車・民生向けのパワー半導体の増加などにより、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比121%の603億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や機種構成の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比1億円増加の32億円となりました。
⑤家庭電器
家庭電器事業の事業環境は、欧米を中心に、テレワークの定着などにより家庭用空調機器の需要が増加し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた設備投資が回復し始めたことで業務用空調機器の緩やかな需要回復がありました。このような状況の中、同事業は、欧米を中心とした空調機器の増加などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比133%の3,153億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比257億円増加の393億円となりました。
⑥その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比122%の1,534億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比47億円改善の33億円となりました。
(2)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比1,011億円減少の4兆6,967億円となりました。棚卸資産が686億円増加した一方、売上債権が1,655億円減少したことがその主な要因です。
棚卸資産の増加は、産業メカトロニクス部門や家庭電器部門での需要回復に伴う在庫の増加などによるものです。売上債権の減少は、前連結会計年度の売上計上案件の回収などによるものです。
負債の部は、未払費用が501億円、その他の金融負債が447億円、買入債務が198億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比1,082億円減少の1兆8,190億円となりました。なお、リース負債を除く借入金・社債残高は前連結会計年度末比206億円減少の2,281億円、借入金比率は4.9%(前連結会計年度末比△0.3ポイント)となりました。
資本の部は、配当金の支払い558億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益618億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比51億円増加の2兆7,594億円、親会社株主帰属持分比率は58.8%(前連結会計年度末比+1.4ポイント)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,217億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが318億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは898億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは935億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比15億円減少の7,658億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の増加等はありましたが、売上債権の回収影響等により、前年同四半期連結累計期間比118億円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に設備投資を一部抑制したことに伴う当第1四半期連結累計期間の有形固定資産の取得の減少等により、前年同四半期連結累計期間比233億円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債償還による支出の増加や短期借入金の調達の減少等により、前年同四半期連結累計期間の1,123億円の収入から935億円の支出となりました。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」について変更があった事項は次のとおりであり、当該変更及び追加箇所については下線で示しています。
(前略)
世界経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症が景気に与える影響に依然として不確実性は残るものの、各国・地域でのワクチン普及に伴う経済活動正常化の動きに加え、米国や中国を中心とする経済対策等の効果もあり、総じてみれば景気回復が進展することが見込まれます。
(中略)
「倫理・遵法」については、近年発生した製品・サービス品質、労務、情報セキュリティーの問題の発生を厳粛に受け止め、再発防止を経営の最優先課題として各種取組みを進めています。品質に関わる不適切行為について、当社はこれまで3 回(2016 年度、2017 年度、2018~2019年度)、当社および当社子会社の点検を実施しました。特に、2018 年度から2019 年度にかけて実施した全社点検では、過去の反省を踏まえ、当社の国内全事業所と子会社121 社を点検対象とした上で、当社部門・子会社自身による品質データの実地確認と、当社監査部・経営企画室・品質保証推進部・研究所等にて構成した社内点検チームによる客観的な検証を実施しました。しかしながら、今回、新たに不適切な検査行為が判明したことを重く受け止め、公表のとおり、社長を室長とする緊急対策室を設置し、品質不適切行為の事実調査・真因究明と再発防止策の策定に加え、品質風土改革を実行してまいります。具体的には、社外弁護士を委員長とする調査委員会を設け、社外視点を入れた実態解明を行うとともに、全社レベルで、品質不適切行為の事実調査・真因究明を行い、これを踏まえて再発防止策を策定します。また、緊急対策室は調査委員会からの報告・提案を受け、品質風土改革を実行してまいります。
(後略)
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、457億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、産業メカトロニクス部門の生産、受注及び販売実績、家庭電器部門の生産及び販売実績、電子デバイス部門の受注実績が前年同四半期連結累計期間比で著しく増加しました。各セグメントの生産実績の変動については、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に落ち込んだ需要の回復等によるものです。各セグメントの受注及び販売実績の変動については、「(1)業績 事業の種類別セグメント」の業績を参照ください。