四半期報告書-第151期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
三菱電機グループの要約四半期連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。三菱電機グループは要約四半期連結財務諸表の作成において資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っており、実際の業績がこれらの見積りと異なる場合があります。
(1)業績
当第2四半期連結累計期間の景気は、企業部門は米国、欧州、日本などにおいて総じて持ち直しが継続し、個人消費は米国、欧州などでは、ワクチン接種の進展を背景に持ち直した一方、日本では新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、下押し要因となりました。また、中国では、輸出は回復傾向が継続しましたが、生産や個人消費を中心に持ち直しは緩やかになりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
①売上高
売上高は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門及び電子デバイス部門の増収などにより、前年同四半期連結累計期間比2,363億円増加の2兆1,383億円となりました。産業メカトロニクス部門では、FAシステム事業は半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心とした国内外での需要拡大を背景に増加し、自動車機器事業は中国を除く全地域での新車販売の回復などにより増加しました。家庭電器部門では、欧米を中心に空調機器の需要が堅調に推移し増加しました。電子デバイス部門では、パワー半導体の需要回復などにより増加しました。
<売上高における為替影響額>
②営業利益
営業利益は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門などの増益により、前年同四半期連結累計期間比764億円増加の1,378億円となりました。営業利益率は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比3.2ポイント改善の6.4%となりました。
売上原価率は、為替円安影響に加え、売上高の増加に伴う操業度上昇などによる産業メカトロニクス部門、家庭電器部門の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比2.0ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比323億円増加しましたが、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比1.1ポイント改善しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比19億円増加し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.1ポイント改善しました。
③税引前四半期純利益
税引前四半期純利益は、営業利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比727億円増加の1,483億円、売上高比率は6.9%となりました。
④親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比566億円増加の1,048億円、売上高比率は4.9%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
①重電システム
社会インフラ事業の事業環境は、国内の発電関連の需要が減少し、また新型コロナウイルス感染症の影響を受け国内の鉄道各社の設備投資計画に見直しの動きがみられました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内外の電力事業や国内の交通事業の減少など、売上高は国内外の交通事業の減少などにより、ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
ビルシステム事業の事業環境は、アジアの一部地域などで新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復の遅れがありましたが、中国などでは回復がみられました。このような状況の中、同事業は中国などを中心に増加し、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比99%の5,608億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比56億円減少の206億円となりました。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業の事業環境は、半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に、国内外で需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
自動車機器事業の事業環境は、中国を除く全地域において、新車販売台数が増加しました。このような状況の中、同事業は自動車用電装品やモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品などの増加により、受注高・売上高とも前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比126%の6,921億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比537億円増加の555億円となりました。
③情報通信システム
情報システム・サービス事業の事業環境は、製造業向けを中心に延期されていたシステム開発案件の再開などがありましたが、システムインテグレーション事業やITインフラサービス事業などで大口案件の減少がありました。このような状況の中、同事業は、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。
電子システム事業は、受注高は宇宙システム事業の大口案件の減少など、売上高は防衛システム事業の大口案件の減少などにより、前年同四半期連結累計期間を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比93%の1,541億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比2億円減少の46億円となりました。
④電子デバイス
電子デバイス事業の事業環境は、産業・民生・自動車向けのパワー半導体の需要が回復しました。このような状況の中、同事業は産業・民生・自動車向けのパワー半導体の増加などにより、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比120%の1,204億円となりました。
営業利益は、液晶事業の終息に伴う費用の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比6億円減少の51億円となりました。
⑤家庭電器
家庭電器事業の事業環境は、欧米を中心に、テレワークの定着などにより家庭用空調機器の需要が増加し、また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた設備投資が回復し始めたことで業務用空調機器の緩やかな需要回復がありました。このような状況の中、同事業は欧米を中心とした空調機器の増加などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比118%の5,956億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比228億円増加の583億円となりました。
⑥その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比117%の3,191億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比62億円増加の82億円となりました。
(2)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比862億円減少の4兆7,116億円となりました。棚卸資産が980億円増加した一方、売上債権が1,877億円減少したことがその主な要因です。
棚卸資産の増加は、産業メカトロニクス部門での需要回復に伴う在庫の増加などによるものです。売上債権の減少は、前連結会計年度の売上計上案件の回収などによるものです。
負債の部は、その他の金融負債が408億円、買入債務が271億円、社債、借入金及びリース負債が256億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比1,253億円減少の1兆8,019億円となりました。なお、リース負債を除く借入金・社債残高は前連結会計年度末比221億円減少の2,267億円、借入金比率は4.8%(前連結会計年度末比△0.4ポイント)となりました。
資本の部は、配当金の支払い558億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益1,048億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比404億円増加の2兆7,947億円、親会社株主帰属持分比率は59.3%(前連結会計年度末比+1.9ポイント)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,649億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが793億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは855億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは1,325億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比454億円減少の7,219億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の増加等はありましたが、棚卸資産の増加等により、前年同四半期連結累計期間比920億円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に設備投資を一部抑制したことに伴う当第2四半期連結累計期間の有形固定資産の取得の減少等により、前年同四半期連結累計期間比284億円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債償還による支出の増加、短期借入金の調達の減少及び自己株式の取得の増加等により、前年同四半期連結累計期間比870億円の支出増加となりました。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」について変更があった事項は次のとおりであり、当該変更及び追加箇所については下線で示しています。
(前略)
世界経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症が景気に与える影響に依然として不確実性は残るものの、各国・地域でのワクチン普及に伴う経済活動正常化の動きに加え、米国や中国を中心とする経済対策等の効果もあり、総じてみれば景気回復が進展することが見込まれます。
(中略)
「倫理・遵法」については、近年発生した製品・サービス品質、労務、情報セキュリティーの問題の発生を厳粛に受け止め、再発防止を経営の最優先課題として各種取り組みを進めています。鉄道車両用空調装置等の一連の品質不適切行為の判明を受け、社長を室長とする緊急対策室を設置するとともに、品質に関わる不適切事案の調査を外部専門家で構成する調査委員会に委嘱しました。そのうち、電磁開閉器における第三者認証不適合が判明した名古屋製作所 可児工場と鉄道車両用空調装置等の不適切検査が判明した長崎製作所に関する調査報告書を受領しました。
また、名古屋製作所 可児工場と長崎製作所の調査結果以外に、冷熱システム製作所で発見された検査装置の不備、受配電システム製作所で発見された一部検査の不実施、福山製作所で発見された定期工場監査受検時の不適切行為についても、概要が記載されています。
当社はこの調査報告書を真摯に受け止め、今後の当社の方針と、再発防止策を含む3つの改革(品質風土、組織風土、ガバナンス)の取り組みについて策定しました。具体的には、「品質風土」については、社長直轄組織の「品質改革推進本部」を設立し、新たな品質保証体制での品質ガバナンス強化に向けた取り組みを開始しています。「組織風土」については、改革を牽引する全社変革プロジェクト「チーム創生」を立ち上げ、変革に向けた提言をまとめ、実行計画を策定してまいります。「ガバナンス」については、外部専門家から構成する「ガバナンスレビュー委員会」を取締役会の委託機関として設置し、当社の内部統制システムやガバナンス体制の検証に基づき、課題抽出と改善策の提言を受ける予定です。
なお、調査委員会による当社全22製作所等の品質に関わる調査は今後も継続し、3か月ごとを目安に調査結果と当社としての取り組みの進捗・進化を公表していく予定です。当社の製作所等については2022年4月を目途に調査完了を目指し、その後、関係会社の調査に取り組む予定であり、その結果も踏まえつつ、再発防止策を含む当社の3つの改革を深化・発展させながら着実に実施してまいります。
(後略)
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、937億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門の受注実績が前年同四半期連結累計期間比で著しく増加しました。各セグメントの受注実績の変動については、「(1)業績 事業の種類別セグメント」の業績を参照ください。
(7)主要な設備
当連結会計年度の設備投資計画(新設・拡充)は、当第2四半期連結会計期間において、次のとおり計画金額(意思決定ベース)を変更しています。
(注) 1 経常的な設備の更新の為の除・売却を除き、重要な設備の除・売却の計画はありません。
2 所要資金は、主に自己資金によりますが、必要に応じて借入及び社債の発行を実施する予定です。
3 当第2四半期連結会計期間においては、各セグメントについて、投資内容の見直しを行いました。
(注)「(7)主要な設備」の各記載金額には消費税等を含んでいません。
(1)業績
当第2四半期連結累計期間の景気は、企業部門は米国、欧州、日本などにおいて総じて持ち直しが継続し、個人消費は米国、欧州などでは、ワクチン接種の進展を背景に持ち直した一方、日本では新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、下押し要因となりました。また、中国では、輸出は回復傾向が継続しましたが、生産や個人消費を中心に持ち直しは緩やかになりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
前年第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年第2四半期 連結累計期間比 | |
売上高 | 19,020億円 | 21,383億円 | 2,363億円増 |
営業利益 | 613億円 | 1,378億円 | 764億円増 |
税引前四半期純利益 | 756億円 | 1,483億円 | 727億円増 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 482億円 | 1,048億円 | 566億円増 |
①売上高
売上高は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門及び電子デバイス部門の増収などにより、前年同四半期連結累計期間比2,363億円増加の2兆1,383億円となりました。産業メカトロニクス部門では、FAシステム事業は半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心とした国内外での需要拡大を背景に増加し、自動車機器事業は中国を除く全地域での新車販売の回復などにより増加しました。家庭電器部門では、欧米を中心に空調機器の需要が堅調に推移し増加しました。電子デバイス部門では、パワー半導体の需要回復などにより増加しました。
<売上高における為替影響額>
前年第2四半期 連結累計期間 期中平均レート | 当第2四半期 連結累計期間 期中平均レート | 当第2四半期 連結累計期間 売上高への影響額 | |
連結合計 | - | - | 約630億円増 |
内、米ドル | 106円 | 110円 | 約90億円増 |
内、ユーロ | 122円 | 131円 | 約140億円増 |
内、人民元 | 15.2円 | 17.1円 | 約250億円増 |
②営業利益
営業利益は、産業メカトロニクス部門、家庭電器部門などの増益により、前年同四半期連結累計期間比764億円増加の1,378億円となりました。営業利益率は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比3.2ポイント改善の6.4%となりました。
売上原価率は、為替円安影響に加え、売上高の増加に伴う操業度上昇などによる産業メカトロニクス部門、家庭電器部門の改善などにより、前年同四半期連結累計期間比2.0ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比323億円増加しましたが、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比1.1ポイント改善しました。その他の損益は、前年同四半期連結累計期間比19億円増加し、売上高比率は前年同四半期連結累計期間比0.1ポイント改善しました。
③税引前四半期純利益
税引前四半期純利益は、営業利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比727億円増加の1,483億円、売上高比率は6.9%となりました。
④親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は、税引前四半期純利益の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比566億円増加の1,048億円、売上高比率は4.9%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
①重電システム
社会インフラ事業の事業環境は、国内の発電関連の需要が減少し、また新型コロナウイルス感染症の影響を受け国内の鉄道各社の設備投資計画に見直しの動きがみられました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内外の電力事業や国内の交通事業の減少など、売上高は国内外の交通事業の減少などにより、ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。
ビルシステム事業の事業環境は、アジアの一部地域などで新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復の遅れがありましたが、中国などでは回復がみられました。このような状況の中、同事業は中国などを中心に増加し、受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比99%の5,608億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比56億円減少の206億円となりました。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業の事業環境は、半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に、国内外で需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は受注高・売上高ともに前年同四半期連結累計期間を上回りました。
自動車機器事業の事業環境は、中国を除く全地域において、新車販売台数が増加しました。このような状況の中、同事業は自動車用電装品やモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品などの増加により、受注高・売上高とも前年同四半期連結累計期間を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比126%の6,921億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比537億円増加の555億円となりました。
③情報通信システム
情報システム・サービス事業の事業環境は、製造業向けを中心に延期されていたシステム開発案件の再開などがありましたが、システムインテグレーション事業やITインフラサービス事業などで大口案件の減少がありました。このような状況の中、同事業は、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。
電子システム事業は、受注高は宇宙システム事業の大口案件の減少など、売上高は防衛システム事業の大口案件の減少などにより、前年同四半期連結累計期間を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比93%の1,541億円となりました。
営業利益は、売上高の減少や売上案件の変動などにより、前年同四半期連結累計期間比2億円減少の46億円となりました。
④電子デバイス
電子デバイス事業の事業環境は、産業・民生・自動車向けのパワー半導体の需要が回復しました。このような状況の中、同事業は産業・民生・自動車向けのパワー半導体の増加などにより、受注高は前年同四半期連結累計期間を上回り、売上高は前年同四半期連結累計期間比120%の1,204億円となりました。
営業利益は、液晶事業の終息に伴う費用の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比6億円減少の51億円となりました。
⑤家庭電器
家庭電器事業の事業環境は、欧米を中心に、テレワークの定着などにより家庭用空調機器の需要が増加し、また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた設備投資が回復し始めたことで業務用空調機器の緩やかな需要回復がありました。このような状況の中、同事業は欧米を中心とした空調機器の増加などにより、売上高は前年同四半期連結累計期間比118%の5,956億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や円安の影響などにより、前年同四半期連結累計期間比228億円増加の583億円となりました。
⑥その他
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比117%の3,191億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前年同四半期連結累計期間比62億円増加の82億円となりました。
(2)資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比862億円減少の4兆7,116億円となりました。棚卸資産が980億円増加した一方、売上債権が1,877億円減少したことがその主な要因です。
棚卸資産の増加は、産業メカトロニクス部門での需要回復に伴う在庫の増加などによるものです。売上債権の減少は、前連結会計年度の売上計上案件の回収などによるものです。
負債の部は、その他の金融負債が408億円、買入債務が271億円、社債、借入金及びリース負債が256億円それぞれ減少したこと等から、負債残高は前連結会計年度末比1,253億円減少の1兆8,019億円となりました。なお、リース負債を除く借入金・社債残高は前連結会計年度末比221億円減少の2,267億円、借入金比率は4.8%(前連結会計年度末比△0.4ポイント)となりました。
資本の部は、配当金の支払い558億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益1,048億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比404億円増加の2兆7,947億円、親会社株主帰属持分比率は59.3%(前連結会計年度末比+1.9ポイント)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,649億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが793億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは855億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは1,325億円の支出となったこと等から、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比454億円減少の7,219億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益の増加等はありましたが、棚卸資産の増加等により、前年同四半期連結累計期間比920億円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に設備投資を一部抑制したことに伴う当第2四半期連結累計期間の有形固定資産の取得の減少等により、前年同四半期連結累計期間比284億円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債償還による支出の増加、短期借入金の調達の減少及び自己株式の取得の増加等により、前年同四半期連結累計期間比870億円の支出増加となりました。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」について変更があった事項は次のとおりであり、当該変更及び追加箇所については下線で示しています。
(前略)
世界経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症が景気に与える影響に依然として不確実性は残るものの、各国・地域でのワクチン普及に伴う経済活動正常化の動きに加え、米国や中国を中心とする経済対策等の効果もあり、総じてみれば景気回復が進展することが見込まれます。
(中略)
「倫理・遵法」については、近年発生した製品・サービス品質、労務、情報セキュリティーの問題の発生を厳粛に受け止め、再発防止を経営の最優先課題として各種取り組みを進めています。鉄道車両用空調装置等の一連の品質不適切行為の判明を受け、社長を室長とする緊急対策室を設置するとともに、品質に関わる不適切事案の調査を外部専門家で構成する調査委員会に委嘱しました。そのうち、電磁開閉器における第三者認証不適合が判明した名古屋製作所 可児工場と鉄道車両用空調装置等の不適切検査が判明した長崎製作所に関する調査報告書を受領しました。
また、名古屋製作所 可児工場と長崎製作所の調査結果以外に、冷熱システム製作所で発見された検査装置の不備、受配電システム製作所で発見された一部検査の不実施、福山製作所で発見された定期工場監査受検時の不適切行為についても、概要が記載されています。
当社はこの調査報告書を真摯に受け止め、今後の当社の方針と、再発防止策を含む3つの改革(品質風土、組織風土、ガバナンス)の取り組みについて策定しました。具体的には、「品質風土」については、社長直轄組織の「品質改革推進本部」を設立し、新たな品質保証体制での品質ガバナンス強化に向けた取り組みを開始しています。「組織風土」については、改革を牽引する全社変革プロジェクト「チーム創生」を立ち上げ、変革に向けた提言をまとめ、実行計画を策定してまいります。「ガバナンス」については、外部専門家から構成する「ガバナンスレビュー委員会」を取締役会の委託機関として設置し、当社の内部統制システムやガバナンス体制の検証に基づき、課題抽出と改善策の提言を受ける予定です。
なお、調査委員会による当社全22製作所等の品質に関わる調査は今後も継続し、3か月ごとを目安に調査結果と当社としての取り組みの進捗・進化を公表していく予定です。当社の製作所等については2022年4月を目途に調査完了を目指し、その後、関係会社の調査に取り組む予定であり、その結果も踏まえつつ、再発防止策を含む当社の3つの改革を深化・発展させながら着実に実施してまいります。
(後略)
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、937億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、三菱電機グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門の受注実績が前年同四半期連結累計期間比で著しく増加しました。各セグメントの受注実績の変動については、「(1)業績 事業の種類別セグメント」の業績を参照ください。
(7)主要な設備
当連結会計年度の設備投資計画(新設・拡充)は、当第2四半期連結会計期間において、次のとおり計画金額(意思決定ベース)を変更しています。
事業の種類別 セグメントの名称 | 前連結会計年度末計画金額 (百万円) | 当第2四半期連結 会計期間において 変更後の計画金額 (百万円) | 設備等の主な内容・目的 |
重電システム | 31,000 | 28,500 | 電力機器、交通機器及び昇降機の増産、合理化、品質向上 等 |
産業メカトロニクス | 71,000 | 72,500 | FA機器及び自動車機器の増産 等 |
情報通信システム | 21,500 | 20,500 | 研究開発力強化、合理化 等 |
電子デバイス | 27,500 | 30,000 | パワーデバイスの増産 等 |
家庭電器 | 43,500 | 48,500 | 空調機器の増産、合理化、品質向上 等 |
その他 | 6,500 | 6,000 | - |
共 通 | 9,000 | 14,000 | 研究開発力強化、品質保証体制に関する インフラ整備 等 |
合 計 | 210,000 | 220,000 | - |
(注) 1 経常的な設備の更新の為の除・売却を除き、重要な設備の除・売却の計画はありません。
2 所要資金は、主に自己資金によりますが、必要に応じて借入及び社債の発行を実施する予定です。
3 当第2四半期連結会計期間においては、各セグメントについて、投資内容の見直しを行いました。
(注)「(7)主要な設備」の各記載金額には消費税等を含んでいません。