有価証券報告書-第111期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 10:00
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【項目】
68項目
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記3「重要な会計方針」に記載しています。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産実績は販売実績に概ね類似しています。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
平成29年度の世界経済は、米国では堅調な個人消費に加えて設備投資の回復により好調に推移したほか、中国も外需拡大により輸出が増加するなど、景気の持ち直しの動きがみられました。日本においては、堅調な雇用情勢などを背景に、景気は緩やかに回復しました。
当社では平成30年度の会社の経営目標として、営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期純利益の目標を有しています。その達成及びその後の持続的成長に向けて、当社は平成29年度において、経営資源を集中する分野を明確にしながら増収増益を実現・定着させるための「成長戦略」を推進しました。具体的な取り組みとしては、B2B事業では、平成29年4月1日付で旧AVCネットワークス社を母体に新しいカンパニー「コネクティッドソリューションズ社」を設立し、グループ全体のB2B事業成長の中核を担う顧客密着型事業体制を構築しました。車載事業では、車載用電池について、中国大連市の新工場で量産出荷を開始するなど、生産能力の拡大を進めました。また、トヨタ自動車㈱との間で、車載用角形電池の更なる進化を目指すため、協業の可能性を検討することに合意しました。住宅事業では、グループ全体の経営資源活用を通じたシナジーを実現すべく、パナホーム㈱を完全子会社としました。また、ソーラー事業においては、従来のモジュール販売に加え、セル単体のデバイス販売を開始するとともに、モジュール生産体制については、滋賀工場の生産を終息するなどの見直しを行いました。こうした取り組み等が奏功し、平成29年度は増収増益を実現することができました。
①売上高
当年度は、車載・産業向け事業の成長などにより、増収を達成しました。国内売上は堅調に推移し、海外売上はインフォテインメント・車載関連機器を含むオートモーティブ事業や二次電池を含むエナジー事業などの車載事業が大きく成長したことに加え、フィコサ社・ゼテス社の新規連結および為替の影響もあり、連結売上高は、前年度の7兆3,437億円に比べて9%増加し、7兆9,822億円となりました。
②営業利益
売上原価は、前年度の5兆1,572億円に比べて増加し、5兆6,430億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆8,429億円に比べて増加し、1兆9,380億円となりました。持分法による投資損益は、前年度から増加し、101億円でした。その他の損益は、事業構造改革費用および訴訟関連費用が減少したことなどにより、前年度の752億円の損失に対して、308億円の損失となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の2,768億円に比べて増加し、3,805億円となりました。原材料価格高騰や先行投資による固定費増加を、オートモーティブやインダストリアル事業などの増販益および合理化の取り組みなどによりカバーし、増益となりました。営業利益率も、前年度の3.8%から良化し、4.8%となりました。
③税引前利益
金融収益については、前年度の218億円から増加し、228億円となりました。金融費用については、前年度の235億円から増加し、247億円となりました。この結果、税引前利益は、前年度の2,751億円に対し、3,786億円となりました。
④親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の1,027億円に対し、1,266億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の1,494億円に対し、2,360億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の64円33銭に対し、101円20銭となりました。
⑤セグメントの業績
当社グループは、経営管理上、4つのカンパニーがそれぞれの担当領域において事業部の自主責任経営を支えグローバルに事業推進を行っており、その成果を「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」「その他」の5つのセグメントに区分して、開示しております。なお、平成29年度よりセグメント名称を「AVCネットワークス」から「コネクティッドソリューションズ」に変更しております。また、平成29年4月1日に、一部の事業をセグメント間で移管しており、以下の分析では、当年度の形態に合わせた前年度数値と比較しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で3%増加し、2兆5,884億円となりました。
当年度は、中国などで家電に加えてデバイスの販売が伸長したことにより、増収となりました。
主な事業部の状況では、エアコンカンパニーは、中国などでルームエアコン・大型空調ともに販売が好調で、増収となりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、中国およびアジアにおける洗濯機の販売が堅調であったことから、増収となりました。
テレビ事業部では、国内および欧州を中心に有機ELテレビの販売が伸長し、増収となりました。
冷蔵庫事業部では、中国およびアジアの販売が好調で、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,044億円となりました。エアコンなどの白物家電を中心に、原材料価格が高騰しましたが、原材料・部材の購入価格抑制や、代替材・代用品の検討などの取り組みを推進し、増販益とあわせて、前年度から55億円増加しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で5%増加し、1兆6,235億円となりました。
当年度は、国内の電材事業や水まわり設備の販売が伸長したことに加え、海外では中国の熱交換気ユニットや、インドおよびベトナムの電材事業などの販売が好調に推移したことなどにより、増収となりました。
主な事業部の状況では、エナジーシステム事業部は、ソーラー事業の国内市場縮小の影響はありましたが、国内およびインド・トルコ・ベトナムなどで配線器具を中心とした販売が好調で、増収となりました。
ライティング事業部では、国内は非住宅用照明、海外では中国事業が伸長し、増収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、大型案件の受注反動による環境エンジニアリング事業の減収を、国内外での換気システムの増販で補い、増収となりました。
ハウジングシステム事業部では、システムキッチンなど水まわり設備の販売が伸長したことにより、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、725億円となりました。原材料・部材の購入価格高騰や市場における販売価格下落の影響はあったものの、増販益や原価改善効果などで、前年度から83億円増加しました。
c コネクティッドソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で6%増加し、1兆1,193億円となりました。
当年度は、スマートフォンメーカー向け実装機やモバイルノートパソコンなどの販売が好調に推移し、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、パナソニック アビオニクス㈱は、通信サービス・保守メンテナンスサービスが堅調でしたが、市場の需要減少により航空機内エンターテインメントシステムが伸びなやみ、減収となりました。
モバイルソリューションズ事業部では、フィーチャーフォンの販売が減少しましたが、ノートパソコンの販売伸長や、ベルギーの物流ソリューション会社 ゼテス・インダストリーズ㈱の新規連結などで、増収となりました。
プロセスオートメーション事業部では、実装機の販売が伸長したほか、自動車業界向け溶接機器の品ぞろえを拡充したことにより、増収となりました。
メディアエンターテインメント事業部では、高輝度プロジェクターや映像制作市場向け業務用カメラシステム新商品の販売好調を受け、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,057億円となりました。モバイルソリューションズ事業部とプロセスオートメーション事業部の増販益や、メディアエンターテインメント事業部の高付加価値商品への転換による利益率向上、法務関連費用の引当金の見直しなどによるその他損益の良化などで、前年度から553億円増加しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で16%増加し、2兆8,035億円となりました。
当年度は、環境対応車の市場成長や、先進運転支援システム(ADAS)の需要拡大により、車載分野で電子化・電動化関連の販売が伸長しました。また、産業分野も中国でのデバイス販売が好調に推移し、増収となりました。
主な事業の状況では、オートモーティブ事業は、ディスプレイオーディオやコックピットシステムなどのインフォテインメント関連および車載カメラやソナーなどのADAS関連の販売が伸長したことに加え、フィコサ・インターナショナル㈱の新規連結により、増収となりました。
エナジー事業では、環境対応車の市場成長に伴い、車載電池が角形・円筒形ともに販売が伸長したことや、国内における乾電池新商品の発売、海外におけるマイクロ電池の販売好調により、増収となりました。
インダストリアル事業では、中国産業機器向けモーターやセンサー、環境対応車向けフィルムコンデンサーのほか、データサーバーや半導体ストレージ向け導電性コンデンサーの販売が好調で、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、914億円となりました。インダストリアル事業を中心とした車載・産業向け商品や車載電池の増販益が大きかったものの、前年度に計上した引当金戻入益や事業譲渡益の反動により、前年度から16億円減少しました。
e その他
当セグメントの売上高は、前年度と同水準の6,759億円となりました。
当年度は、パナホーム㈱では、国内の内装リフォームや分譲マンションの販売が好調に推移するも、新築戸建ておよびアパートの受注減が響き、わずかに減収となりました。
当セグメントの営業利益は、108億円となり、前年度から28億円増加しました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
①流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としております。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の1兆2,708億円から減少し、1兆896億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、普通社債の償還があったものの、短期社債の発行等により、前年度末の1兆1,240億円から当年度末には1兆2,394億円へ増加しました。
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:安定的)、A-2 (短期)
ムーディーズ:A3 (長期、アウトルック:安定的)
②キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,232億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは4,588億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス356億円(前年度はマイナス347億円)となりました。フリーキャッシュ・フローは、当年度、当期純利益の増加があったものの、設備投資の増加などにより、前年度と同水準になりました。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,232億円(前年度は3,854億円の増加)となりました。前年度差の主な要因は、実質的な売上増に伴う運転資金の増加はありましたが、当期純利益の増加に加え、未払法人所得税の増加や前年度に引当金等の大幅な減少があったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の投資活動により減少したキャッシュ・フローは4,588億円(前年度は4,201億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、前年度にハスマン社取得のための多額の支出はありましたが、当年度に設備投資が増加したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の財務活動により減少したキャッシュ・フローは1,288億円(前年度は2,946億円の増加)となりました。前年度差の主な要因は、今年度、短期社債2,400億円の新規発行をしましたが、パナホーム等の追加取得や1,500億円の普通社債の償還に加え、前年度に総額4,000億円の普通社債を発行したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、現金及び現金同等物の残高は、前年度末の1兆2,708億円から減少し、1兆896億円となりました。
③設備投資額と減価償却費
当社グループは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方のもと、設備投資を行っています。
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,116億円から26%増加し、3,922億円となりました。主要な設備投資は、車載用リチウムイオン電池の生産設備(米国・中国)です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,244億円から1%増加し、2,266億円となりました。
④資産、負債及び資本
当社グループの当年度の連結総資産は、前年度末から3,082億円増加し、6兆2,911億円となりました。これは、売上増に伴う営業債権や棚卸資産の増加、設備投資による固定資産の増加などによるものです。
負債は、短期社債の発行や営業債務の増加などにより前年度末に比べ1,858億円増加し、4兆4,088億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、当期純利益の計上などにより前年度末に比べ1,357億円増加し、1兆7,076億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末の26.3%から増加し、27.1%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は1兆8,823億円となりました。

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