有価証券報告書-第112期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、引当金の評価、収益認識における取引価格の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、金融商品の評価、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記3「重要な会計方針」に記載しています。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産実績は販売実績に概ね類似しています。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
2018年度の世界経済は、米国では消費、日本では良好な雇用環境などが下支えとなり、概ね堅調に推移しました。一方、中国で消費や投資の伸びが弱まってきたほか、年度後半には各国の輸出入などに景気減速の兆しが見られました。
このような経営環境のもと、当社は持続的な成長に向けた戦略を推進しました。特に、クルマの電動化の主要なデバイスである車載電池事業では、性能面およびコスト面において業界ナンバーワンの高容量・高出力に対応した車載用角形電池の実現に向け、トヨタ自動車㈱との間で合弁会社の設立に合意しました。
2016年度の事業方針で掲げた2018年度の会社の経営目標である営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期純利益の目標のうち、営業利益については、成長牽引役の車載事業等の収益性悪化などにより達成することは出来ませんでしたが、年金制度の一部見直しや資産売却等の一時益などにより、前年度から増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期純利益の目標については、法人所得税費用の減少などにより達成しました。
①売上高
当年度の連結売上高は、8兆27億円でほぼ前年度並みとなりました。国内売上は、アプライアンスのコンシューマー向け販売が減収となりましたが、車載関連やパナソニック ホームズ㈱などの増販などにより、前年度と同水準となりました。海外売上は、エナジーやオートモーティブなどの車載関連、北米の食品流通やプロセスオートメーションの実装機事業が引き続き好調で、増収となりました。
②営業利益
売上原価は、前年度の5兆6,430億円に比べて増加し、5兆7,362億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆9,380億円に比べて増加し、1兆9,395億円となりました。持分法による投資損益は、前年度の101億円に比べて増加し、109億円でした。その他の損益は、年金制度の一部見直しや資産売却等の一時益などにより、前年度の307億円の損失に対して、736億円の利益となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の3,805億円に比べて増加し、4,115億円となりました。原材料価格高騰や先行投資による固定費増加、事業構造改革費用の計上はありましたが、オートモーティブやエナジーなどの増販益に加え、上述の一時益などにより増益となりました。営業利益率も、前年度の4.8%から良化し、5.1%となりました。
③税引前利益
金融収益については、前年度の228億円から増加し、256億円となりました。金融費用については、前年度の247億円から減少し、206億円となりました。この結果、税引前利益は、前年度の3,786億円に対し、4,165億円となりました。
④親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の1,266億円に対し、1,137億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の2,360億円に対し、2,841億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の101円20銭に対し、121円83銭となりました。
⑤セグメントの経営成績
当社グループは、経営管理上、4つのカンパニーがそれぞれの担当領域において事業部の自主責任経営を支えグローバルに事業推進を行っており、その成果を「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」の4つのセグメントに区分して開示しています。なお、2018年度に一部の事業をセグメント間で移管しています。2017年度のセグメント情報については、2018年度の形態に合わせて組み替えて算出しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で1%減少し、2兆7,506億円となりました。
当年度は、価格競争の影響でテレビ事業やイメージングネットワーク事業などの販売が減少したことにより、全体では減収となりました。
主な事業部の状況では、エアコンカンパニーは、アジアや中近東においてルームエアコンの販売が低調だったものの、国内でルームエアコンと大型空調ともに好調だったことにより、前年並みとなりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、国内や中国において洗濯機が好調に推移するとともに、トワレ(温水洗浄便座)も中国で堅調であったことから、増収となりました。
テレビ事業部では、アジアやインドなどで価格競争の影響により、減収となりました。
ビューティ・リビング事業部では、国内はインバウンド需要減による影響で低調だったものの、美容家電が中国を中心に好調に推移したことにより、前年度並みとなりました。
イメージングネットワーク事業部は、欧州などで価格競争の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、859億円となりました。冷蔵庫などの白物家電の価格競争による収益性悪化とテレビの減販損を合理化の取り組みなどで補いきれず、前年度から219億円減少しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で4%増加し、2兆361億円となりました。
当年度は、国内での新築請負事業などの伸長や、環境エンジニアリング事業での大型案件の受注・販売に加え、海外でインドや中国を中心に電材事業などの販売が好調だったことにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、パナソニック ホームズ㈱は、新築請負事業の受注や分譲事業の販売が好調に推移したことにより、増収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、環境エンジニアリング事業での大型案件の受注・販売などにより、増収となりました。
エナジーシステム事業部では、電材事業を中心に海外が好調に推移し、国内も堅調であったことにより、増収となりました。
ハウジングシステム事業部では、水廻りや建材の新商品の好調や、復興需要にともなう屋根・雨樋などの増販により、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、646億円となりました。電材事業並びにエンジニアリング事業を中心とした増販益と原価改善等の合理化により、販売価格下落や原材料高騰影響を吸収しましたが、固定資産減損の影響が大きく、前年度から166億円減少しました。
c コネクティッドソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で2%増加し、1兆1,277億円となりました。
当年度は、アビオニクス事業やメディアエンターテインメント事業が低調だったものの、プロセスオートメーション事業・モバイルソリューションズ事業などが好調だったことにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、パナソニック アビオニクス㈱は、通信サービス・保守メンテナンスサービスは堅調に推移したものの、大型航空機需要減少の影響を受けた航空機内エンターテインメント・通信システムの減収が大きく、全体で減収となりました。
モバイルソリューションズ事業部では、前年度好調だった決済端末の反動減があったものの、ノートパソコンや堅牢モバイル端末の販売が伸長したことなどにより、増収となりました。
プロセスオートメーション事業部では、車載・デバイス業界向け実装機および自動車業界向け溶接機が好調に推移したことにより、増収となりました。
メディアエンターテインメント事業部では、高輝度プロジェクターが堅調に推移したものの、業務用カメラの販売が減少し、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、944億円となりました。アビオニクス事業やメディアエンターテインメント事業などの減販損や、前年度に法務関連費用の引当金の戻入益を計上した反動などにより、前年度から92億円減少しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で6%増加し、2兆9,831億円となりました。
当年度は、中国市況の悪化により、モーターなどデバイスの販売減があったものの、環境対応車向けリチウムイオン電池や、インフォテインメントシステム、先進運転支援システム(ADAS)、車載充電器などの自動車の電子化・電動化関連の販売が好調に推移したことにより、全体では増収となりました。
主な事業の状況では、オートモーティブ事業は、日米でインフォテインメントシステムが好調だったことに加え、カメラ・ソナーなどのADAS商品や車載充電器などの電動化商品の販売も好調だったことにより、増収となりました。
エナジー事業では、環境対応車の需要拡大を受けて、車載用リチウムイオン電池の円筒形が米国電気自動車メーカーの新型車の生産拡大に伴い大幅に伸長したことに加え、角形も国内自動車メーカー向けに伸長したことにより、増収となりました。
インダストリアル事業では、データセンターや基地局向けコンデンサー、車載向けコイルなどが伸長したものの、中国での設備投資の減速からモーターなどの販売が落ち込み、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、564億円となりました。インフォテインメントシステムやADAS、車載用リチウムイオン電池など車載事業を中心に増販益はあったものの、モーターなどの減販損や、欧州で車載事業の開発資産減損処理を行ったことなどにより、前年度から370億円減少しました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
①流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の1兆896億円から減少し、7,723億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、普通社債の償還等により、前年度末の1兆2,394億円から当年度末には9,987億円へ減少しました。なお、金融経済環境の悪化など不測の事態への備えとして、2018年6月に複数の取引銀行と期間を3年間とするコミットメントライン契約(注)を締結しました。当該契約に基づく無担保の借入設定上限は総額7,000億円ですが、借入実績はありません。
(注)コミットメントライン契約:金融機関との間で予め契約した期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする契約
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:ネガティブ)、A-2 (短期)
ムーディーズ:A3 (長期、アウトルック:安定的)
②キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは2,037億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは1,934億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、103億円となりました。フリーキャッシュ・フローは、当年度、一時的な法務関連費用の支払いなどはありましたが、運転資本の良化、設備投資の減少および土地売却に伴う収入などにより、前年度と比較して459億円の良化となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは2,037億円(前年度は4,232億円の増加)となりました。前年度差の主な要因は、運転資本の良化などがありましたが、法人所得税の支払額が増加したことに加え、一時的な法務関連費用の支払いがあったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の投資活動により減少したキャッシュ・フローは1,934億円(前年度は4,588億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、土地売却に伴う収入、設備投資の減少、リース債権の回収によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の財務活動により減少したキャッシュ・フローは3,418億円(前年度は1,288億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、前年度にパナホーム等の追加取得がありましたが、当年度末の短期社債発行残高が前年度から減少したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、現金及び現金同等物の残高は、前年度末の1兆896億円から減少し、7,723億円となりました。
③設備投資額と減価償却費
当社グループは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方のもと、設備投資を行っています。
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,922億円から減少し、3,005億円となりました。主要な設備投資は、車載用リチウムイオン電池の生産設備(米国・中国)です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、2,268億円となり、前年度とほぼ同水準となりました。
④資産、負債及び資本
当社グループの当年度の連結総資産は、前年度末から2,772億円減少し、6兆139億円となりました。これはB2B事業の拡大に伴い営業債権が増加した一方で、現金及び現金同等物が減少したことなどによるものです。
負債は、普通社債の償還などにより前年度末に比べ4,795億円減少し、3兆9,293億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、親会社の所有者に帰属する当期純利益の計上などにより前年度末に比べ2,060億円増加し、1兆9,135億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末の27.1%から増加し、31.8%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は2兆846億円となりました。
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、引当金の評価、収益認識における取引価格の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、金融商品の評価、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記3「重要な会計方針」に記載しています。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産実績は販売実績に概ね類似しています。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
2018年度の世界経済は、米国では消費、日本では良好な雇用環境などが下支えとなり、概ね堅調に推移しました。一方、中国で消費や投資の伸びが弱まってきたほか、年度後半には各国の輸出入などに景気減速の兆しが見られました。
このような経営環境のもと、当社は持続的な成長に向けた戦略を推進しました。特に、クルマの電動化の主要なデバイスである車載電池事業では、性能面およびコスト面において業界ナンバーワンの高容量・高出力に対応した車載用角形電池の実現に向け、トヨタ自動車㈱との間で合弁会社の設立に合意しました。
2016年度の事業方針で掲げた2018年度の会社の経営目標である営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期純利益の目標のうち、営業利益については、成長牽引役の車載事業等の収益性悪化などにより達成することは出来ませんでしたが、年金制度の一部見直しや資産売却等の一時益などにより、前年度から増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期純利益の目標については、法人所得税費用の減少などにより達成しました。
①売上高
当年度の連結売上高は、8兆27億円でほぼ前年度並みとなりました。国内売上は、アプライアンスのコンシューマー向け販売が減収となりましたが、車載関連やパナソニック ホームズ㈱などの増販などにより、前年度と同水準となりました。海外売上は、エナジーやオートモーティブなどの車載関連、北米の食品流通やプロセスオートメーションの実装機事業が引き続き好調で、増収となりました。
②営業利益
売上原価は、前年度の5兆6,430億円に比べて増加し、5兆7,362億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆9,380億円に比べて増加し、1兆9,395億円となりました。持分法による投資損益は、前年度の101億円に比べて増加し、109億円でした。その他の損益は、年金制度の一部見直しや資産売却等の一時益などにより、前年度の307億円の損失に対して、736億円の利益となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の3,805億円に比べて増加し、4,115億円となりました。原材料価格高騰や先行投資による固定費増加、事業構造改革費用の計上はありましたが、オートモーティブやエナジーなどの増販益に加え、上述の一時益などにより増益となりました。営業利益率も、前年度の4.8%から良化し、5.1%となりました。
③税引前利益
金融収益については、前年度の228億円から増加し、256億円となりました。金融費用については、前年度の247億円から減少し、206億円となりました。この結果、税引前利益は、前年度の3,786億円に対し、4,165億円となりました。
④親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の1,266億円に対し、1,137億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の2,360億円に対し、2,841億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の101円20銭に対し、121円83銭となりました。
⑤セグメントの経営成績
当社グループは、経営管理上、4つのカンパニーがそれぞれの担当領域において事業部の自主責任経営を支えグローバルに事業推進を行っており、その成果を「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」の4つのセグメントに区分して開示しています。なお、2018年度に一部の事業をセグメント間で移管しています。2017年度のセグメント情報については、2018年度の形態に合わせて組み替えて算出しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で1%減少し、2兆7,506億円となりました。
当年度は、価格競争の影響でテレビ事業やイメージングネットワーク事業などの販売が減少したことにより、全体では減収となりました。
主な事業部の状況では、エアコンカンパニーは、アジアや中近東においてルームエアコンの販売が低調だったものの、国内でルームエアコンと大型空調ともに好調だったことにより、前年並みとなりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、国内や中国において洗濯機が好調に推移するとともに、トワレ(温水洗浄便座)も中国で堅調であったことから、増収となりました。
テレビ事業部では、アジアやインドなどで価格競争の影響により、減収となりました。
ビューティ・リビング事業部では、国内はインバウンド需要減による影響で低調だったものの、美容家電が中国を中心に好調に推移したことにより、前年度並みとなりました。
イメージングネットワーク事業部は、欧州などで価格競争の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、859億円となりました。冷蔵庫などの白物家電の価格競争による収益性悪化とテレビの減販損を合理化の取り組みなどで補いきれず、前年度から219億円減少しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で4%増加し、2兆361億円となりました。
当年度は、国内での新築請負事業などの伸長や、環境エンジニアリング事業での大型案件の受注・販売に加え、海外でインドや中国を中心に電材事業などの販売が好調だったことにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、パナソニック ホームズ㈱は、新築請負事業の受注や分譲事業の販売が好調に推移したことにより、増収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、環境エンジニアリング事業での大型案件の受注・販売などにより、増収となりました。
エナジーシステム事業部では、電材事業を中心に海外が好調に推移し、国内も堅調であったことにより、増収となりました。
ハウジングシステム事業部では、水廻りや建材の新商品の好調や、復興需要にともなう屋根・雨樋などの増販により、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、646億円となりました。電材事業並びにエンジニアリング事業を中心とした増販益と原価改善等の合理化により、販売価格下落や原材料高騰影響を吸収しましたが、固定資産減損の影響が大きく、前年度から166億円減少しました。
c コネクティッドソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で2%増加し、1兆1,277億円となりました。
当年度は、アビオニクス事業やメディアエンターテインメント事業が低調だったものの、プロセスオートメーション事業・モバイルソリューションズ事業などが好調だったことにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、パナソニック アビオニクス㈱は、通信サービス・保守メンテナンスサービスは堅調に推移したものの、大型航空機需要減少の影響を受けた航空機内エンターテインメント・通信システムの減収が大きく、全体で減収となりました。
モバイルソリューションズ事業部では、前年度好調だった決済端末の反動減があったものの、ノートパソコンや堅牢モバイル端末の販売が伸長したことなどにより、増収となりました。
プロセスオートメーション事業部では、車載・デバイス業界向け実装機および自動車業界向け溶接機が好調に推移したことにより、増収となりました。
メディアエンターテインメント事業部では、高輝度プロジェクターが堅調に推移したものの、業務用カメラの販売が減少し、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、944億円となりました。アビオニクス事業やメディアエンターテインメント事業などの減販損や、前年度に法務関連費用の引当金の戻入益を計上した反動などにより、前年度から92億円減少しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で6%増加し、2兆9,831億円となりました。
当年度は、中国市況の悪化により、モーターなどデバイスの販売減があったものの、環境対応車向けリチウムイオン電池や、インフォテインメントシステム、先進運転支援システム(ADAS)、車載充電器などの自動車の電子化・電動化関連の販売が好調に推移したことにより、全体では増収となりました。
主な事業の状況では、オートモーティブ事業は、日米でインフォテインメントシステムが好調だったことに加え、カメラ・ソナーなどのADAS商品や車載充電器などの電動化商品の販売も好調だったことにより、増収となりました。
エナジー事業では、環境対応車の需要拡大を受けて、車載用リチウムイオン電池の円筒形が米国電気自動車メーカーの新型車の生産拡大に伴い大幅に伸長したことに加え、角形も国内自動車メーカー向けに伸長したことにより、増収となりました。
インダストリアル事業では、データセンターや基地局向けコンデンサー、車載向けコイルなどが伸長したものの、中国での設備投資の減速からモーターなどの販売が落ち込み、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、564億円となりました。インフォテインメントシステムやADAS、車載用リチウムイオン電池など車載事業を中心に増販益はあったものの、モーターなどの減販損や、欧州で車載事業の開発資産減損処理を行ったことなどにより、前年度から370億円減少しました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
①流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の1兆896億円から減少し、7,723億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、普通社債の償還等により、前年度末の1兆2,394億円から当年度末には9,987億円へ減少しました。なお、金融経済環境の悪化など不測の事態への備えとして、2018年6月に複数の取引銀行と期間を3年間とするコミットメントライン契約(注)を締結しました。当該契約に基づく無担保の借入設定上限は総額7,000億円ですが、借入実績はありません。
(注)コミットメントライン契約:金融機関との間で予め契約した期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする契約
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:ネガティブ)、A-2 (短期)
ムーディーズ:A3 (長期、アウトルック:安定的)
②キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは2,037億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは1,934億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、103億円となりました。フリーキャッシュ・フローは、当年度、一時的な法務関連費用の支払いなどはありましたが、運転資本の良化、設備投資の減少および土地売却に伴う収入などにより、前年度と比較して459億円の良化となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは2,037億円(前年度は4,232億円の増加)となりました。前年度差の主な要因は、運転資本の良化などがありましたが、法人所得税の支払額が増加したことに加え、一時的な法務関連費用の支払いがあったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の投資活動により減少したキャッシュ・フローは1,934億円(前年度は4,588億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、土地売却に伴う収入、設備投資の減少、リース債権の回収によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の財務活動により減少したキャッシュ・フローは3,418億円(前年度は1,288億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、前年度にパナホーム等の追加取得がありましたが、当年度末の短期社債発行残高が前年度から減少したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、現金及び現金同等物の残高は、前年度末の1兆896億円から減少し、7,723億円となりました。
③設備投資額と減価償却費
当社グループは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方のもと、設備投資を行っています。
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,922億円から減少し、3,005億円となりました。主要な設備投資は、車載用リチウムイオン電池の生産設備(米国・中国)です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、2,268億円となり、前年度とほぼ同水準となりました。
④資産、負債及び資本
当社グループの当年度の連結総資産は、前年度末から2,772億円減少し、6兆139億円となりました。これはB2B事業の拡大に伴い営業債権が増加した一方で、現金及び現金同等物が減少したことなどによるものです。
負債は、普通社債の償還などにより前年度末に比べ4,795億円減少し、3兆9,293億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、親会社の所有者に帰属する当期純利益の計上などにより前年度末に比べ2,060億円増加し、1兆9,135億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末の27.1%から増加し、31.8%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は2兆846億円となりました。