有価証券報告書-第113期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、棚卸資産の正味実現可能価額、使用権資産及びリース負債の測定、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、引当金の評価、収益認識における取引価格の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、金融商品の評価に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記「3.重要な会計方針」に記載しています。なお、会計上の見積りには、新型コロナウイルス感染症の影響に関する一定の仮定が含まれていますが、会計上の見積りの参考となる前例がなく、今後の広がり方や収束時期等について統一的な見解がないため、事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産実績は販売実績に概ね類似しています。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
2019年度の世界経済は、米国では消費、日本では良好な雇用環境などが支えとなり、前半は概ね緩やかな成長傾向にありました。一方、米中貿易摩擦を背景に、中国の消費や投資、各国の輸出入が不調となったほか、日本の消費税増税、年度終盤には新型コロナウイルス感染症が各国に広がるなど、急激な景気の減速要因も多くみられました。
このような経営環境のもと、当年度を新中期戦略の初年度として、当社の事業を「基幹事業」「共創事業」「再挑戦事業」の3つに区分し、ポートフォリオマネジメントと経営体質強化を実行してきました。具体的には、市場成長性があり、当社の強みを活かせるB2B領域の基幹事業を中心にリソースを集中し、将来の利益成長に向けた取り組みを進めてきました。
また、他社との連携・共創による競争力強化に向けて、住宅関連事業では「住宅」と「モビリティ」の融合によるユニークな付加価値の創出を目指し、トヨタ自動車㈱との間で街づくり事業に関する合弁会社プライム ライフ テクノロジーズ㈱を2020年1月7日に設立しました。車載用角形電池事業では、優れた品質・性能とコスト等を実現する高い競争力のある電池の開発、また安定的な電池の供給に向けて、トヨタ自動車㈱との間で合弁会社プライム プラネット エナジー&ソリューションズ㈱を設立することを決定し、2020年4月1日より事業を開始しました。
収益性の改善に向けては、競争環境が熾烈を極める半導体事業について、当社が蓄積してきた技術力、商品力を最大限活用し、持続的な事業成長が期待できる、台湾に本社を置く半導体企業Winbond Electronics Corporation傘下のNuvoton Technology Corporationに譲渡することを決定しました。また、グローバルでの競争環境が一層激化している液晶パネル事業については、2021年を目処に生産を終了することを決定しました。
①売上高
当年度の連結売上高は、7兆4,906億円(前年比6%減)となりました。国内売上は、IVI(注)などのインフォテインメントシステムやパソコンなどが増収となったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に加え、住宅関連事業の非連結化もあり、減収となりました。海外売上は、車載電池が大きく伸長したものの、テレビや車載機器などの苦戦や、為替に加えて新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、減収となりました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大によるセグメントへの影響は、アプライアンス、コネクティッドソリューションズを中心に、各セグメントに生じました。
(注) IVI:In-Vehicle Infotainment
②営業利益
営業利益は、2,938億円(前年比29%減)となりました。間接諸経費の圧縮など、経営体質強化の取り組み等による固定費削減や、北米の円筒形電池工場での取り組みなどによる合理化に加え、住宅関連事業等の事業譲渡益などがありましたが、中国での投資需要の低迷等や新型コロナウイルス感染症の拡大による減販損の影響が大きく、事業構造改革費用の計上もあり、減益となりました。
③税引前利益
金融収益については、前年度の256億円から増加し、314億円となりました。金融費用については、前年度の206億円から増加し、341億円となりました。この結果、税引前利益は、前年度の4,165億円に対し、2,911億円となりました。
④親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の1,137億円に対し、510億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の2,841億円に対し、2,257億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の121円83銭に対し、96円76銭となりました。
⑤セグメントの経営成績
当社グループは、経営管理上、7つのカンパニーがそれぞれの担当領域において事業部の自主責任経営を支えグローバルに事業推進を行っており、その成果を「アプライアンス」「ライフソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ」「インダストリアルソリューションズ」の5つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。
なお、事業再編に伴い、売上高及び営業利益の前年度比較は、前年度のセグメント情報を当年度の形態に合わせて組み替えして算出しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で6%減少し、2兆5,926億円となりました。
当年度は、アジアのルームエアコン、国内の大型空調などは増収となったものの、欧州を中心としたテレビやデジタルカメラの販売苦戦などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により、全体では減収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、外出制限等のあった欧州やアジア地域を中心に影響が出ました。供給面では、中国におけるサプライチェーンの分断や部品供給不足等に伴い、一部の国内、海外工場の停止・稼働率低下によって、主に、エアコンや洗濯機等の白物家電で影響が出ました。
主な事業部の状況では、空調冷熱ソリューションズ事業部では、国内の大型空調が堅調に推移したことに加え、アジア・インドにおいてルームエアコンが堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
スマートライフネットワーク事業部では、テレビやデジタルカメラが欧州を中心とした他社の価格攻勢の影響を受けたことにより、減収となりました。
キッチン空間事業部では、冷蔵庫が堅調に推移し増収となりましたが、電子レンジが欧州や北米で販売が減少したことにより、減収となりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、洗濯機が国内では堅調に推移し増収となりましたが、中国やアジアで低調に推移し、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、557億円となりました。国内の白物家電は堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に加え、構造改革費用の計上もあり、前年度から299億円の減益となりました。
b ライフソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で6%減少し、1兆9,125億円となりました。
当年度は、トヨタ自動車㈱と設立したプライム ライフ テクノロジーズ㈱(以下、「PLT」)に、パナソニック ホームズ㈱及び建設ソリューション事業を移管し、非連結となったことにより全体では減収となりましたが、この影響を除くと、年度末の新型コロナウイルス感染症の拡大による全部門の減販を、それまで堅調に推移した国内外の電材事業やハウジング、自転車、介護関連等でカバーし、増収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、ライティングやエコシステムズ等において、中国での外出制限等による影響があり、供給面においては、国内では、ハウジングにおいて、部品不足による販売機会損失の影響がありました。また、インドでは、3月下旬に開始された外出制限が生産・出荷等に影響を及ぼしました。
主な事業部の状況では、ライティング事業部では、国内の照明器具は前年度並みとなりましたが、欧米向けデバイスや蛍光灯などの既存光源の減販により、減収となりました。
エナジーシステム事業部では、電材事業において、国内は住宅分電盤・配線器具などが好調に推移し、海外もインドなどのISAMEA(インド、南アジア、中東、アフリカ)地域が増販となりました。しかしながら、太陽電池事業の減収をカバーできず、全体では減収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、環境エンジニアリング事業の大型件名の受注・販売などが好調に推移しましたが、IAQ(室内空気質)事業の苦戦により前年度並みとなりました。
ハウジングシステム事業部では、国内の水まわり設備や建材が好調に推移し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,798億円となりました。増販益や合理化に加え、PLT設立に伴う住宅関連事業の譲渡益の計上もあり、前年度から1,152億円の増益となりました。
c コネクティッドソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で8%減少し、1兆357億円となりました。
当年度は、パナソニック システムソリューションズ ジャパン㈱が増収となったものの、プロセスオートメーション事業やアビオニクス事業の減販、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響が全事業部門に及び、全体では減収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、実装機、プロジェクターや業務用AV等において、中国での需要減、欧米での外出制限やイベント中止による影響がありました。供給面では、パソコン・タブレット、プロジェクターや業務用AV等において、中国からの部材調達に起因する生産減の影響がありました。
主な事業部の状況では、パナソニック アビオニクス㈱は、機内エンターテインメント・通信システムにおいて、航空機の生産減少の影響が大きく、減収となりました。
モバイルソリューションズ事業部では、Windows 7(注)サポート終了特需で国内向けノートパソコンが増販となりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大がサプライチェーンに大きく影響し、減収となりました。
プロセスオートメーション事業部では、米中貿易摩擦の影響による設備投資の停滞に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などにより、減収となりました。
メディアエンターテインメント事業部では、ランプモデルのプロジェクターや業務用カメラなどの販売が減少し、減収となりました。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン㈱では、国内向けソリューションの販売拡大、及び東京2020案件が寄与し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、922億円となりました。セキュリティシステム事業の譲渡益の計上はありましたが、プロセスオートメーション事業やアビオニクス事業などの減販損、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などにより、前年度から22億円の減益となりました。
(注)Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標です。
d オートモーティブ
当セグメントの売上高は、前年度比で3%減少し、1兆4,824億円となりました。
車載機器事業では、自動車の情報化に対するニーズの高まりを受け、コックピットシステムなどの成長製品は伸長したものの、中国自動車市況の悪化に加え、製品サイクル移行期の影響を受けたこと、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、減収となりました。
車載電池事業では、角形リチウムイオン電池が電動車の需要拡大を受けた増産投資の効果により増収、円筒形リチウムイオン電池も米国電気自動車メーカーの生産拡大に伴う増産もあり、全体として大幅な増収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、顧客の世界各拠点における工場稼働休止などに伴い、日本、欧米、中国、アジア地域において影響がありました。一方、供給面では、中国等での外出規制や一部の部品供給難により、限定的ではありますが、当社生産・稼働への影響が出ました。
当セグメントの営業利益は、466億円の損失となりました。車載機器事業では開発難易度が高い受注済の欧州充電器件名の開発費が増加するとともに、市況悪化の影響などを受けたスペイン子会社のフィコサ社ののれん減損を計上しました。また、車載電池事業では角形リチウムイオン電池における国内姫路工場での高容量セルの生産開始に伴う固定費増などがあり、車載電池事業の増販益はあったものの、セグメント全体では前年度から345億円の減益となりました。
e インダストリアルソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で10%減少し、1兆2,827億円となりました。
当年度は、「車載CASE(注)1」「情報通信インフラ」を中心に重点領域(注)2向け販売は着実に成長しましたが、米中貿易摩擦による中国市況の悪化や投資抑制、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響などにより、全体では減収となりました。
需要面では、車載や産業の市況低迷に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、主に、モーター、センサー、リレー等を中心に影響が出ました。供給面では、当初、中国の自社工場において出勤体制が整わないことによる、稼働低下の影響がありました。
主な事業の状況では、システム事業は、車載電源やデータセンター向け蓄電システムは堅調に推移したものの、中国市況低迷の影響により、FAセンサー、モーター、リレーなどが減少、加えて、ICT(情報通信機器)向けリチウムイオン電池事業の縮小などにより、減収となりました。
デバイス事業では、5Gインフラ向け基板材料や車載用コイルは順調に拡大したものの、中国市況低迷によるコンデンサーなどの受動部品の減販などにより、減収となりました。
その他、半導体や液晶パネル事業も、市況低迷の影響により、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、46億円となりました。固定費削減や材料合理化を推進したものの、市況低迷や新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などをカバーできず、加えて、半導体事業の譲渡決定に伴う減損の計上などにより、前年度から640億円の減益となりました。
(注)1. CASE:Connected(車が通信ネットワークに常時接続)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(車を共有して使うサービス)、Electric(電動化)
2. 重点領域:継続的に進化する「車載CASE」「情報通信インフラ」「工場省人化」の領域
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
①流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物の残高は1兆165億円となり、前年度末に比べ2,442億円増加しました。
当年度は、社債償還資金への充当及び今後の事業展開に必要な資金の確保を目的とし、2019年7月に米ドル建無担保普通社債25億米ドルを発行するとともに、2020年3月に無担保普通社債1,000億円を発行しました。また、運転資金などの調達を、主にコマーシャルペーパー(CP)の発行により行いました。
(有利子負債)
有利子負債は、無担保普通社債の償還があったものの、米ドル建無担保普通社債や無担保普通社債、及びコマーシャルペーパーの発行があったこと、また当年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴うリース負債の増加があったことなどにより、前年度末の9,987億円から当年度末には1兆4,714億円へ増加しました。なお、金融経済環境の悪化など不測の事態への備えとして、2018年6月に複数の取引銀行と期間を3年間とするコミットメントライン契約(注)を締結しています。当該契約に基づく無担保の借入設定上限は総額7,000億円ですが、借入実績はありません。
(注)コミットメントライン契約:金融機関との間で予め契約した期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする契約
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、及びムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:ネガティブ)、A-2 (短期)
ムーディーズ:Baa1 (長期、アウトルック:ネガティブ)
②キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,303億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは2,061億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、2,242億円(前年差2,139億円の良化)となりました。当年度、リース債権の回収額が前年と比較して減少したものの、運転資本の良化や設備投資の抑制、事業譲渡に伴う収入などにより、前年度と比較して大幅な良化となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,303億円(前年度は2,037億円の増加)となりました。前年差の主な要因は、運転資本の良化に加え、当年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴う影響(詳細は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表に係る注記「3.重要な会計方針 (24)表示方法の変更」参照)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少したキャッシュ・フローは2,061億円(前年度は1,934億円の減少)となりました。前年差の主な要因は、設備投資の抑制や事業譲渡に伴う収入があったものの、リース債権の回収額が前年と比較して減少したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加したキャッシュ・フローは482億円(前年度は3,418億円の減少)となりました。前年差の主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う影響や社債の償還があった一方で、短期社債発行残高の増加に加え、総額約2,700億円の米ドル建無担保普通社債及び1,000億円の無担保普通社債を発行したためです。
これらに為替変動の影響等を加味した結果、当年度末における現金及び現金同等物の残高は1兆165億円となり、前年度末に比べ2,442億円増加しました。
③設備投資額と減価償却費
当社グループでは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方に基づき設備投資を行った結果、当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,005億円から316億円減少し、2,689億円となりました。主要な設備投資は、「オートモーティブ」における車載用リチウムイオン電池の生産設備(日本・中国)、「インダストリアルソリューションズ」における電子部品等の生産設備です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,268億円から218億円減少し、2,050億円となりました。
④資産、負債及び資本
当社グループの当年度末の総資産は6兆2,185億円となり、前年度末に比べ2,046億円の増加となりました。また、負債は前年度末に比べ1,333億円増加し、4兆627億円となりました。これは、住宅関連事業の非連結化影響はありましたが、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産及びリース負債が増加したことや、社債の発行に伴い現金及び現金同等物、及び、長期負債が増加したことなどによるものです。
親会社の所有者に帰属する持分は、親会社の所有者に帰属する当期純利益の計上などにより前年度末に比べ848億円増加し、1兆9,983億円となりました。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末の31.8%から増加し、32.1%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は、2兆1,559億円となりました。
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、棚卸資産の正味実現可能価額、使用権資産及びリース負債の測定、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務、引当金の評価、収益認識における取引価格の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、金融商品の評価に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記「3.重要な会計方針」に記載しています。なお、会計上の見積りには、新型コロナウイルス感染症の影響に関する一定の仮定が含まれていますが、会計上の見積りの参考となる前例がなく、今後の広がり方や収束時期等について統一的な見解がないため、事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産実績は販売実績に概ね類似しています。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
2019年度の世界経済は、米国では消費、日本では良好な雇用環境などが支えとなり、前半は概ね緩やかな成長傾向にありました。一方、米中貿易摩擦を背景に、中国の消費や投資、各国の輸出入が不調となったほか、日本の消費税増税、年度終盤には新型コロナウイルス感染症が各国に広がるなど、急激な景気の減速要因も多くみられました。
このような経営環境のもと、当年度を新中期戦略の初年度として、当社の事業を「基幹事業」「共創事業」「再挑戦事業」の3つに区分し、ポートフォリオマネジメントと経営体質強化を実行してきました。具体的には、市場成長性があり、当社の強みを活かせるB2B領域の基幹事業を中心にリソースを集中し、将来の利益成長に向けた取り組みを進めてきました。
また、他社との連携・共創による競争力強化に向けて、住宅関連事業では「住宅」と「モビリティ」の融合によるユニークな付加価値の創出を目指し、トヨタ自動車㈱との間で街づくり事業に関する合弁会社プライム ライフ テクノロジーズ㈱を2020年1月7日に設立しました。車載用角形電池事業では、優れた品質・性能とコスト等を実現する高い競争力のある電池の開発、また安定的な電池の供給に向けて、トヨタ自動車㈱との間で合弁会社プライム プラネット エナジー&ソリューションズ㈱を設立することを決定し、2020年4月1日より事業を開始しました。
収益性の改善に向けては、競争環境が熾烈を極める半導体事業について、当社が蓄積してきた技術力、商品力を最大限活用し、持続的な事業成長が期待できる、台湾に本社を置く半導体企業Winbond Electronics Corporation傘下のNuvoton Technology Corporationに譲渡することを決定しました。また、グローバルでの競争環境が一層激化している液晶パネル事業については、2021年を目処に生産を終了することを決定しました。
①売上高
当年度の連結売上高は、7兆4,906億円(前年比6%減)となりました。国内売上は、IVI(注)などのインフォテインメントシステムやパソコンなどが増収となったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に加え、住宅関連事業の非連結化もあり、減収となりました。海外売上は、車載電池が大きく伸長したものの、テレビや車載機器などの苦戦や、為替に加えて新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、減収となりました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大によるセグメントへの影響は、アプライアンス、コネクティッドソリューションズを中心に、各セグメントに生じました。
(注) IVI:In-Vehicle Infotainment
②営業利益
営業利益は、2,938億円(前年比29%減)となりました。間接諸経費の圧縮など、経営体質強化の取り組み等による固定費削減や、北米の円筒形電池工場での取り組みなどによる合理化に加え、住宅関連事業等の事業譲渡益などがありましたが、中国での投資需要の低迷等や新型コロナウイルス感染症の拡大による減販損の影響が大きく、事業構造改革費用の計上もあり、減益となりました。
③税引前利益
金融収益については、前年度の256億円から増加し、314億円となりました。金融費用については、前年度の206億円から増加し、341億円となりました。この結果、税引前利益は、前年度の4,165億円に対し、2,911億円となりました。
④親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の1,137億円に対し、510億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の2,841億円に対し、2,257億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の121円83銭に対し、96円76銭となりました。
⑤セグメントの経営成績
当社グループは、経営管理上、7つのカンパニーがそれぞれの担当領域において事業部の自主責任経営を支えグローバルに事業推進を行っており、その成果を「アプライアンス」「ライフソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ」「インダストリアルソリューションズ」の5つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。
なお、事業再編に伴い、売上高及び営業利益の前年度比較は、前年度のセグメント情報を当年度の形態に合わせて組み替えして算出しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で6%減少し、2兆5,926億円となりました。
当年度は、アジアのルームエアコン、国内の大型空調などは増収となったものの、欧州を中心としたテレビやデジタルカメラの販売苦戦などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により、全体では減収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、外出制限等のあった欧州やアジア地域を中心に影響が出ました。供給面では、中国におけるサプライチェーンの分断や部品供給不足等に伴い、一部の国内、海外工場の停止・稼働率低下によって、主に、エアコンや洗濯機等の白物家電で影響が出ました。
主な事業部の状況では、空調冷熱ソリューションズ事業部では、国内の大型空調が堅調に推移したことに加え、アジア・インドにおいてルームエアコンが堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
スマートライフネットワーク事業部では、テレビやデジタルカメラが欧州を中心とした他社の価格攻勢の影響を受けたことにより、減収となりました。
キッチン空間事業部では、冷蔵庫が堅調に推移し増収となりましたが、電子レンジが欧州や北米で販売が減少したことにより、減収となりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、洗濯機が国内では堅調に推移し増収となりましたが、中国やアジアで低調に推移し、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、557億円となりました。国内の白物家電は堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に加え、構造改革費用の計上もあり、前年度から299億円の減益となりました。
b ライフソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で6%減少し、1兆9,125億円となりました。
当年度は、トヨタ自動車㈱と設立したプライム ライフ テクノロジーズ㈱(以下、「PLT」)に、パナソニック ホームズ㈱及び建設ソリューション事業を移管し、非連結となったことにより全体では減収となりましたが、この影響を除くと、年度末の新型コロナウイルス感染症の拡大による全部門の減販を、それまで堅調に推移した国内外の電材事業やハウジング、自転車、介護関連等でカバーし、増収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、ライティングやエコシステムズ等において、中国での外出制限等による影響があり、供給面においては、国内では、ハウジングにおいて、部品不足による販売機会損失の影響がありました。また、インドでは、3月下旬に開始された外出制限が生産・出荷等に影響を及ぼしました。
主な事業部の状況では、ライティング事業部では、国内の照明器具は前年度並みとなりましたが、欧米向けデバイスや蛍光灯などの既存光源の減販により、減収となりました。
エナジーシステム事業部では、電材事業において、国内は住宅分電盤・配線器具などが好調に推移し、海外もインドなどのISAMEA(インド、南アジア、中東、アフリカ)地域が増販となりました。しかしながら、太陽電池事業の減収をカバーできず、全体では減収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、環境エンジニアリング事業の大型件名の受注・販売などが好調に推移しましたが、IAQ(室内空気質)事業の苦戦により前年度並みとなりました。
ハウジングシステム事業部では、国内の水まわり設備や建材が好調に推移し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,798億円となりました。増販益や合理化に加え、PLT設立に伴う住宅関連事業の譲渡益の計上もあり、前年度から1,152億円の増益となりました。
c コネクティッドソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で8%減少し、1兆357億円となりました。
当年度は、パナソニック システムソリューションズ ジャパン㈱が増収となったものの、プロセスオートメーション事業やアビオニクス事業の減販、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響が全事業部門に及び、全体では減収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、実装機、プロジェクターや業務用AV等において、中国での需要減、欧米での外出制限やイベント中止による影響がありました。供給面では、パソコン・タブレット、プロジェクターや業務用AV等において、中国からの部材調達に起因する生産減の影響がありました。
主な事業部の状況では、パナソニック アビオニクス㈱は、機内エンターテインメント・通信システムにおいて、航空機の生産減少の影響が大きく、減収となりました。
モバイルソリューションズ事業部では、Windows 7(注)サポート終了特需で国内向けノートパソコンが増販となりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大がサプライチェーンに大きく影響し、減収となりました。
プロセスオートメーション事業部では、米中貿易摩擦の影響による設備投資の停滞に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などにより、減収となりました。
メディアエンターテインメント事業部では、ランプモデルのプロジェクターや業務用カメラなどの販売が減少し、減収となりました。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン㈱では、国内向けソリューションの販売拡大、及び東京2020案件が寄与し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は、922億円となりました。セキュリティシステム事業の譲渡益の計上はありましたが、プロセスオートメーション事業やアビオニクス事業などの減販損、新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などにより、前年度から22億円の減益となりました。
(注)Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標です。
d オートモーティブ
当セグメントの売上高は、前年度比で3%減少し、1兆4,824億円となりました。
車載機器事業では、自動車の情報化に対するニーズの高まりを受け、コックピットシステムなどの成長製品は伸長したものの、中国自動車市況の悪化に加え、製品サイクル移行期の影響を受けたこと、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、減収となりました。
車載電池事業では、角形リチウムイオン電池が電動車の需要拡大を受けた増産投資の効果により増収、円筒形リチウムイオン電池も米国電気自動車メーカーの生産拡大に伴う増産もあり、全体として大幅な増収となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響として、需要面では、顧客の世界各拠点における工場稼働休止などに伴い、日本、欧米、中国、アジア地域において影響がありました。一方、供給面では、中国等での外出規制や一部の部品供給難により、限定的ではありますが、当社生産・稼働への影響が出ました。
当セグメントの営業利益は、466億円の損失となりました。車載機器事業では開発難易度が高い受注済の欧州充電器件名の開発費が増加するとともに、市況悪化の影響などを受けたスペイン子会社のフィコサ社ののれん減損を計上しました。また、車載電池事業では角形リチウムイオン電池における国内姫路工場での高容量セルの生産開始に伴う固定費増などがあり、車載電池事業の増販益はあったものの、セグメント全体では前年度から345億円の減益となりました。
e インダストリアルソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で10%減少し、1兆2,827億円となりました。
当年度は、「車載CASE(注)1」「情報通信インフラ」を中心に重点領域(注)2向け販売は着実に成長しましたが、米中貿易摩擦による中国市況の悪化や投資抑制、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響などにより、全体では減収となりました。
需要面では、車載や産業の市況低迷に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、主に、モーター、センサー、リレー等を中心に影響が出ました。供給面では、当初、中国の自社工場において出勤体制が整わないことによる、稼働低下の影響がありました。
主な事業の状況では、システム事業は、車載電源やデータセンター向け蓄電システムは堅調に推移したものの、中国市況低迷の影響により、FAセンサー、モーター、リレーなどが減少、加えて、ICT(情報通信機器)向けリチウムイオン電池事業の縮小などにより、減収となりました。
デバイス事業では、5Gインフラ向け基板材料や車載用コイルは順調に拡大したものの、中国市況低迷によるコンデンサーなどの受動部品の減販などにより、減収となりました。
その他、半導体や液晶パネル事業も、市況低迷の影響により、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、46億円となりました。固定費削減や材料合理化を推進したものの、市況低迷や新型コロナウイルス感染症の拡大による減販影響などをカバーできず、加えて、半導体事業の譲渡決定に伴う減損の計上などにより、前年度から640億円の減益となりました。
(注)1. CASE:Connected(車が通信ネットワークに常時接続)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(車を共有して使うサービス)、Electric(電動化)
2. 重点領域:継続的に進化する「車載CASE」「情報通信インフラ」「工場省人化」の領域
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
①流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物の残高は1兆165億円となり、前年度末に比べ2,442億円増加しました。
当年度は、社債償還資金への充当及び今後の事業展開に必要な資金の確保を目的とし、2019年7月に米ドル建無担保普通社債25億米ドルを発行するとともに、2020年3月に無担保普通社債1,000億円を発行しました。また、運転資金などの調達を、主にコマーシャルペーパー(CP)の発行により行いました。
(有利子負債)
有利子負債は、無担保普通社債の償還があったものの、米ドル建無担保普通社債や無担保普通社債、及びコマーシャルペーパーの発行があったこと、また当年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴うリース負債の増加があったことなどにより、前年度末の9,987億円から当年度末には1兆4,714億円へ増加しました。なお、金融経済環境の悪化など不測の事態への備えとして、2018年6月に複数の取引銀行と期間を3年間とするコミットメントライン契約(注)を締結しています。当該契約に基づく無担保の借入設定上限は総額7,000億円ですが、借入実績はありません。
(注)コミットメントライン契約:金融機関との間で予め契約した期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする契約
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、及びムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:ネガティブ)、A-2 (短期)
ムーディーズ:Baa1 (長期、アウトルック:ネガティブ)
②キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,303億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは2,061億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、2,242億円(前年差2,139億円の良化)となりました。当年度、リース債権の回収額が前年と比較して減少したものの、運転資本の良化や設備投資の抑制、事業譲渡に伴う収入などにより、前年度と比較して大幅な良化となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは4,303億円(前年度は2,037億円の増加)となりました。前年差の主な要因は、運転資本の良化に加え、当年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴う影響(詳細は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表に係る注記「3.重要な会計方針 (24)表示方法の変更」参照)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少したキャッシュ・フローは2,061億円(前年度は1,934億円の減少)となりました。前年差の主な要因は、設備投資の抑制や事業譲渡に伴う収入があったものの、リース債権の回収額が前年と比較して減少したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加したキャッシュ・フローは482億円(前年度は3,418億円の減少)となりました。前年差の主な要因は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う影響や社債の償還があった一方で、短期社債発行残高の増加に加え、総額約2,700億円の米ドル建無担保普通社債及び1,000億円の無担保普通社債を発行したためです。
これらに為替変動の影響等を加味した結果、当年度末における現金及び現金同等物の残高は1兆165億円となり、前年度末に比べ2,442億円増加しました。
③設備投資額と減価償却費
当社グループでは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方に基づき設備投資を行った結果、当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,005億円から316億円減少し、2,689億円となりました。主要な設備投資は、「オートモーティブ」における車載用リチウムイオン電池の生産設備(日本・中国)、「インダストリアルソリューションズ」における電子部品等の生産設備です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,268億円から218億円減少し、2,050億円となりました。
④資産、負債及び資本
当社グループの当年度末の総資産は6兆2,185億円となり、前年度末に比べ2,046億円の増加となりました。また、負債は前年度末に比べ1,333億円増加し、4兆627億円となりました。これは、住宅関連事業の非連結化影響はありましたが、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産及びリース負債が増加したことや、社債の発行に伴い現金及び現金同等物、及び、長期負債が増加したことなどによるものです。
親会社の所有者に帰属する持分は、親会社の所有者に帰属する当期純利益の計上などにより前年度末に比べ848億円増加し、1兆9,983億円となりました。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末の31.8%から増加し、32.1%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は、2兆1,559億円となりました。