四半期報告書-第113期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/08 10:47
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【項目】
19項目
(1) 経営成績
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、米国では堅調な個人消費に加えて設備投資も好調に推移したほか、日本でも雇用情勢や省力化が設備投資を支えたものの、日本や中国の輸出など、一部に弱さも見られました。先行きについては、各国の政治・金融情勢、保護貿易の広がり、新興国経済の悪化などのリスク要因が考えられます。
このような経営環境のもと、当社グループは、2019年度を新中期戦略の初年度として、事業ポートフォリオ改革を実行し、今後の利益成長や収益性改善を目指しています。
当第1四半期連結累計期間では、トヨタ自動車㈱と街づくり事業に関する合弁会社の設立に合意しました。両社の住宅事業を統合し、今後、市場の競争激化が想定される住宅事業の事業基盤強化と成長が期待される街づくり事業での成長を目指します。また、太陽電池事業では、中国太陽電池メーカーのGS-Solar(China) Company Ltd.と協業することに合意しました。これにより、当社の開発・生産体制の最適化を図ります。
当第1四半期連結累計期間は、減収減益となりました。
連結売上高は、1兆8,911億円(前年同期比6%減)となりました。国内売上は前年並みでしたが、海外売上は、車載電池が伸長し増収となったものの、中国における市況悪化の影響を受けた実装機やモーターなどの減販に加え、為替の影響もあり、減収となりました。
営業利益は、564億円(前年同期比44%減)となりました。国内住宅関連事業が堅調に推移しましたが、中国での減販損や、車載機器の開発費増加、テレビの苦戦に加え、前年の土地売却益の反動もあり、減益となりました。また、税引前利益は、562億円(前年同期比45%減)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は、498億円(前年同期比13%減)となりました。
(2) セグメントの経営成績
当第1四半期連結累計期間のセグメントの経営成績は、次のとおりです。
2019年4月1日付で、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」を、「オートモーティブ」及び「インダストリアルソリューションズ」に再編しています。また、「エコソリューションズ」を「ライフソリューションズ」に名称変更しています。加えて、一部の事業をセグメント間で移管しています。2018年度のセグメント情報については、2019年度の形態に合わせて組み替えて算出しています。
(a) アプライアンス
売上高は、6,890億円(前年同期比4%減)となりました。ルームエアコンや大型空調などは増収となりましたが、テレビやデジタルカメラなどが欧州を中心に苦戦し、減収となりました。
営業利益は、欧州を中心としたテレビの減販などの影響により、前年同期に比べ減益の300億円(前年同期比23%減)となりました。
(b) ライフソリューションズ
売上高は、4,621億円(前年同期比4%増)となりました。住宅分電盤・配線器具が好調なエナジーシステム、水まわり・建材の新商品が伸長したハウジングシステム、新築請負やリフォーム事業が増販となったパナソニック ホームズ㈱が牽引し、増収となりました。
営業利益は、増販益に加え、合理化の取り組みにより、前年同期に比べ増益の127億円(前年同期は1億円の損失)となりました。
(c) コネクティッドソリューションズ
売上高は、2,552億円(前年同期比7%減)となりました。中国の市況低迷に伴う投資延期の影響を受けたプロセスオートメーション、一部の航空会社の投資抑制の影響により苦戦したアビオニクスなどが減収となりました。
営業利益は、パソコン事業の増益はあったものの、減販損の影響が大きく、前年同期に比べ減益の137億円(前年同期比39%減)となりました。
(d) オートモーティブ
売上高は、3,774億円(前年同期比6%増)となりました。中国市況の悪化影響を受けた車載機器は僅かに減収となりましたが、車載電池の増産投資効果により、全体では増収となりました。
営業利益については、車載電池の増販益はあったものの、車載機器の開発費の増加などにより、前年同期に比べ減益の100億円の損失(前年同期は15億円の損失)となりました。
(e) インダストリアルソリューションズ
売上高は、3,271億円(前年同期比12%減)となりました。中国での設備投資需要の低迷により苦戦したモーターや、海外の市況悪化により販売が落ち込んだコンデンサや抵抗器、車載向け部品などの影響により、減収となりました。
営業利益は、減販影響を固定費削減や材料合理化などでカバーできず、前年同期に比べ減益の52億円(前年同期比69%減)となりました。
(3) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の連結総資産は、6兆5,031億円となり、前連結会計年度末に比べ4,892億円増加しました。負債は、4兆5,069億円となり、前連結会計年度末に比べ5,776億円増加しました。これは、当第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴い、使用権資産、投資不動産及びリース負債が増加したことなどによるものです。
親会社の所有者に帰属する持分は、円高に伴う四半期包括利益の悪化などにより、前連結会計年度末に比べ801億円減少し、1兆8,334億円となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は、1兆9,962億円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動により増加したキャッシュ・フローは1,049億円(前年同期は366億円の増加)となりました。前年同期差の主な要因は、運転資本の良化や前年の一時的な法務関連費用の支払に加え、IFRS第16号「リース」の適用に伴う影響(詳細は、「要約四半期連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5)新たな基準書及び解釈指針の適用 ①IFRS第16号「リース」(b) 借手としてのリースの会計処理」参照)です。投資活動により減少したキャッシュ・フローは637億円(前年同期は771億円の減少)となりました。前年同期差の主な要因は、前年に土地の売却収入があった一方で、設備未払金の支払が前年と比較して減少したためです。この結果、フリーキャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、412億円(前年同期差817億円の良化)となりました。
また、財務活動により減少したキャッシュ・フローは993億円(前年同期は47億円の減少)となりました。前年同期差の主な要因は、短期社債発行残高の減少に加え、長期社債の償還及びIFRS第16号の適用に伴う影響です。
これらに為替変動の影響を加味した結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は6,904億円(前連結会計年度末差819億円減)となりました。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、1,186億円(前年同期比2%増)です。当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 設備投資
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の設備投資は、560億円(前年同期比1%減)です。
(7) 減価償却費(有形固定資産)
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の減価償却費は、526億円(前年同期比6%減)です。
(8) 従業員数
当第1四半期連結会計期間末の従業員数(就業人員数)は、273,775人(前連結会計年度末差1,906人増)です。
(9) 株式会社の支配に関する基本方針
①当社の企業価値向上に向けた取り組み
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、製造業として培ってきた強みを磨きながら、様々なパートナーとともに、お客様一人ひとりにとっての「より良いくらし、より良い世界」を実現していくなかで、株主の皆様や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
②大規模買付行為に対する取り組み
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。ただし、大規模買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主共同の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。
当社は、当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、株主の皆様が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を表明・開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。また、取締役会の意見等の表明・開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外取締役、社外監査役で構成される独立委員会を設置し、取締役会として意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重してまいります。