四半期報告書-第53期第3四半期(令和3年11月21日-令和4年2月20日)

【提出】
2022/04/04 11:04
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による停滞状況から、各国でワクチン接種が進展したことにより、先進国を中心に経済活動の正常化が進み、企業活動も回復傾向が続きました。しかしながら、新たな変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大、世界的な半導体等の入手難に加え、米中関係をはじめとした政治的対立が懸念されており、世界経済の先行きは不透明な状況にあります。
エレクトロニクス業界におきましては、経済活動の正常化に向け、今後の生産増加に備えた在庫積み増しのための需要増加が継続しました。また、世界的な半導体需要の高まりから、半導体製造・増産を目的とした設備投資が進んでおりますが、依然として半導体等部品材料の入手難が継続しており、各社の生産計画に影響が出ております。
このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響によりお客様への訪問営業が制限される中、電話・メール・ウェブを使った拡販活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、ピーク電力に対応した自然空冷大容量タイプAC-DC電源「AEA600F/1000F」及び小型基板単体シングル出力AC-DC電源「LHP150F/300F」を市場投入しております。また、海外市場向けには医用電気機器規格に対応した、ユニット型AC-DC電源「PJMA300F」を市場投入いたしました。
生産面においては、前期から継続して新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、需要急増への対応として、部品材料の安定調達に注力してまいりましたが、一部入手が困難となる部品材料もあり、当社グループの生産活動に影響が生じております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、受注高は429億12百万円(前年同期比128.1%増)、売上高は205億11百万円(同3.0%増)となりました。利益面におきましては、売上高の増加があったものの、部品材料の値上げによる材料費率の上昇に加え、為替による影響があったことで、経常利益は21億9百万円(同22.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億70百万円(同24.9%減)となりました。なお、第1四半期連結会計期間より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、当第3四半期連結累計期間において、売上高及び売上原価がそれぞれ42百万円増加しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①日本生産販売事業
日本国内では、FA関連、半導体製造装置関連、医療機器関連需要が堅調に推移する中、部品材料の入手難による当社製品のリードタイム長期化に伴い、先々を見込んだ手配需要の大幅な増加が継続しております。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社が重視してきた訪問面談が制限される中、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談やメールを中心とした活動に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、132億87百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は20億37百万円(同13.9%減)となりました。
②北米販売事業
米国では、新型コロナウイルス感染症拡大による停滞からの回復、半導体装置関連の堅調な推移と部品材料の入手難に対する懸念から、先行手配に伴う需要増加が継続しております。一方で、当社グループにおいても部品材料の入手難等の影響があり、北米販売事業の売上については低調に推移しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により活動が制限される中、ウェブやメールを中心にファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、14億10百万円(前年同期比3.0%減)、セグメント利益は94百万円(同33.4%減)となりました。
③ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響から徐々に回復し、需要が増加傾向にあります。一方で、当社グループにおいても部品材料の入手難等の影響がありましたが、ヨーロッパ生産販売事業の売上においては、PRBX製品が回復傾向にあります。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により自由な移動ができない中、テレワーク中心になっており、ウェブを使った拡販活動に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、39億円(前年同期比8.8%増)、セグメント損失は2億37百万円(前年同期はセグメント損失3億43百万円)となりました。
④アジア販売事業
アジアでは、FA関連、半導体製造装置関連、医療機器関連の需要が好調に推移し、日本地域同様先々を見込んだ手配需要の大幅な増加が継続しております。一方で、当社グループにおいても部品材料の入手難等の影響があり、アジア販売事業の売上については低調に推移しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、電話・メール・ウェブを使った拡販活動が中心になっており、特に新規開拓のためのウェブマーケティングに注力しております。
この結果、外部顧客への売上高は、19億12百万円(前年同期比11.8%減)、セグメント利益は91百万円(同21.0%減)となりました。
⑤中国生産事業
中国生産事業におきましては、部品材料の入手難を懸念し先行手配による需要の増加傾向が継続しております。これに対応すべく、新製品の生産ラインを増設し、生産能力の増強を進めてまいりました。一方で、日本同様に、部品材料の入手難や値上げなど、生産活動の一部に影響が生じております。
この結果、セグメント間の内部売上高は、13億45百万円(前年同期比32.8%増)、セグメント利益は82百万円(同18.9%減)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は443億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億61百万円減少いたしました。負債合計は45億円となり、前連結会計年度末に比べ6億51百万円減少いたしました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は330億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1億59百万円、受取手形及び売掛金が1億46百万円、棚卸資産が23億36百万円増加した一方で、有価証券が19億円減少したことによるものであります。
固定資産は112億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億62百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が3億68百万円増加した一方で、無形固定資産が2億35百万円、投資有価証券が7億42百万円、繰延税金資産が2億71百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は35億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億9百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が4億29百万円、未払金が1億58百万円増加した一方で、未払法人税等が10億94百万円、賞与引当金が2億34百万円減少したことによるものであります。
固定負債は9億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億58百万円増加いたしました。これは主に、リース債務が2億11百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は398億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億89百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益13億70百万円、剰余金の配当6億85百万円、自己株式の取得6億72百万円等により、株主資本が15百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金が1億22百万円、為替換算調整勘定が3億40百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は89.7%(前連結会計年度末は88.3%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億97百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
(受注実績)
当第3四半期連結累計期間において、受注実績429億12百万円(前年同期比128.1%増)及び受注残高実績319億円(同340.1%増)と著しく増加しております。増加の背景につきましては、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、経済活動の正常化による需要増加に加え、半導体等部品材料の入手難が当社における生産リードタイムを長期化させ、顧客からの先行手配や長納期指定の受注が増加したことによるものです。