有価証券報告書-第55期(2023/05/21-2024/05/20)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げ、それに伴う大幅な為替変動に加え、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まり等により、世界経済の先行きに不透明感が増し、不安定な状況が継続しています。
エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPC等の需要低迷が長引いており、需要の減少に伴い、半導体メーカーにおいては、在庫調整や設備投資を抑制する動きがみられました。現在、半導体関連の需要を中心に調整局面に入っておりますが、AI活用をテーマとした新たな投資による社会のデジタル化推進を背景に、一部の半導体で需要が増加傾向にあります。
このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症による影響が収束し、お客様の面談等の制限が解消されたことで、訪問営業による拡販活動を増やしております。
新製品につきましては、大電力AC-DC電源「FETA3000BC」、「HCA3500TF」及び「HFA3500TF」を市場投入いたしました。また、好評をいただいていた「PBAシリーズ」の後継製品として、ユニット型シングル出力AC-DC電源「PDAシリーズ」3モデルを市場投入いたしました。加えて、小型高効率AC-DC電源「TECS/TEPSシリーズ」4モデル、三相4線式ノイズフィルタ「YACシリーズ」4モデル、並びに三相交流入力用ノイズフィルタ「TSD-800」を市場投入しております。
海外市場向けには、医療用電気機器向けの国際安全規格「IEC60601-1」に対応した標準サイズ2×3インチAC-DC電源「UMAシリーズ」2モデル、WMAシリーズ電力拡充モデルのユニット型AC-DC電源「WMA100F」を市場投入いたしました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、部品材料の調達状況が改善したことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続した結果、売上高は414億37百万円(前年同期比17.5%増)となりました。利益面においては、増産対応に伴い、材料費、外注加工費に加え、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の大幅な増加と変動費比率の低下による収益力の上昇、為替による影響等により、経常利益は78億50百万円(同48.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億69百万円(同63.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、過年度の先行手配による受注急増の反動により、今年度においては受注調整が継続しておりますが、受注残の解消に向けた増産対応により、売上高については堅調に推移しました。
営業活動につきましては、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談は継続しておりますが、訪問営業による拡販活動を増やしております。
この結果、外部顧客への売上高は260億37百万円(前年同期比21.7%増)、セグメント利益は48億82百万円(同28.0%増)となりました。
② 北米販売事業
米国では、前年の下半期以降、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。一方で、売上高については受注残の解消に向けた増産対応により、好調に推移しました。
営業活動につきましては、ファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は38億39百万円(前年同期比42.7%増)、セグメント利益は6億94百万円(同175.2%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパにおいては、景気の不透明感による先行手配需要の調整があり、受注については低調に推移しました。売上高については、前期から継続して増産対応に取り組み、上半期は好調に推移したものの、欧州の景気低迷の影響により、下半期は低調に推移しました。
営業活動につきましては、テレワークでの拡販活動に加え、訪問営業による拡販活動を増やしております。
この結果、外部顧客への売上高は78億81百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は2億78百万円(同23.0%減)となりました。
④ アジア販売事業
アジアにおいては、中国景気の低迷の中、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。売上高については、受注残の解消に向けた増産対応により、上半期は好調に推移したものの、下半期は受注残減少に伴い低調に推移しました。
営業活動につきましては、前期から引き続き、新規開拓、新製品拡販のためのウェブマーケティングに注力しております。
この結果、外部顧客への売上高は36億78百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は2億8百万円(同11.5%増)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業においては、既存製品や昨年末に市場投入した新製品の受注及び生産量の拡大には至っていないものの、生産増加に向け体制整備を進めてまいりました。加えて、生産性及び品質向上、コスト削減に向けた、生産改善活動を推進しております。
この結果、セグメント間の内部売上高は33億78百万円(前年同期比29.9%増)、セグメント利益は6億93百万円(同66.0%増)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、棚卸資産、有形及び無形固定資産が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ57億29百万円増加し、543億97百万円となりました。負債の部では、未払金、繰延税金負債が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ7億85百万円増加し、71億39百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ49億44百万円増加し、472億57百万円となりました。この結果、自己資本比率は86.6%(前連結会計年度末は86.7%)となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27億82百万円増加し、153億94百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億31百万円(前年同期は得られた資金10億31百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益75億49百万円、減価償却費13億68百万円、棚卸資産廃棄損1億1百万円、棚卸資産評価損1億66百万円、売上債権の減少額3億18百万円、法人税等の還付額1億39百万円を計上した一方で、為替差益4億44百万円、棚卸資産の増加額10億41百万円、仕入債務の減少額4億13百万円、法人税等の支払額23億95百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億26百万円(前年同期は得られた資金6億76百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10億25百万円、無形固定資産の取得による支出1億87百万円、定期預金の預入による支出6億18百万円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16億2百万円(前年同期は使用した資金21億16百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出1億10百万円、配当金の支払額14億57百万円があったこと等を反映したものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
b.受注実績
(注)金額は販売価額によっております。
c.販売実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
① のれん等無形固定資産の減損処理
当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
⑤ 原材料の評価
当社の原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。また、保有期間が長期にわたる原材料は当社の品質管理上定められた保管期限及び将来の使用見込みを勘案し、適宜廃棄処分を行っております。
原材料の使用見込みは、顧客市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、これにより収益性が低下したと判断される場合、原材料の評価損を計上する可能性があります。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高:414億37百万円(前期比17.5%増)、経常利益:78億50百万円(同48.8%増)、売上高経常利益率は18.9%(前期:15.0%、3.9ポイント上昇)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億69百万円(同63.5%増)となりました。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
前連結会計年度に比べ材料費等の変動費比率が1.6ポイント、人件費及び減価償却費等の固定費比率が1.5ポイント低下した結果、売上原価率が3.1ポイント低下しました。その結果、売上総利益率は33.2%(前期30.1%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
前連結会計年度末に比べ、荷造運搬費が81百万円、人件費が2億80百万円、ソフトウエア費が38百万円、旅費交通費が29百万円、消耗品費が52百万円、研究開発費が65百万円、製品保証費が1億43百万円、雑費が2億68百万円増加したこと等により、販売費及び一般管理費は11億38百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は16.7%(前期14.0%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。
これらの資金に対しましては、自己資本比率が86.6%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的財務目標として、連結ROE、連結ROAが安定的に二桁を維持できる経営体質を目指しており、第10次中期経営計画において、最終年度である2025年度の数値目標値「連結売上高417億円、連結営業利益62億40百万円」を掲げ、連結営業利益率 15.0%以上、連結ROE 10.0%以上を目指し、持続的成長と企業価値向上を実現すべく経営体質の改善に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げ、それに伴う大幅な為替変動に加え、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まり等により、世界経済の先行きに不透明感が増し、不安定な状況が継続しています。
エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPC等の需要低迷が長引いており、需要の減少に伴い、半導体メーカーにおいては、在庫調整や設備投資を抑制する動きがみられました。現在、半導体関連の需要を中心に調整局面に入っておりますが、AI活用をテーマとした新たな投資による社会のデジタル化推進を背景に、一部の半導体で需要が増加傾向にあります。
このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症による影響が収束し、お客様の面談等の制限が解消されたことで、訪問営業による拡販活動を増やしております。
新製品につきましては、大電力AC-DC電源「FETA3000BC」、「HCA3500TF」及び「HFA3500TF」を市場投入いたしました。また、好評をいただいていた「PBAシリーズ」の後継製品として、ユニット型シングル出力AC-DC電源「PDAシリーズ」3モデルを市場投入いたしました。加えて、小型高効率AC-DC電源「TECS/TEPSシリーズ」4モデル、三相4線式ノイズフィルタ「YACシリーズ」4モデル、並びに三相交流入力用ノイズフィルタ「TSD-800」を市場投入しております。
海外市場向けには、医療用電気機器向けの国際安全規格「IEC60601-1」に対応した標準サイズ2×3インチAC-DC電源「UMAシリーズ」2モデル、WMAシリーズ電力拡充モデルのユニット型AC-DC電源「WMA100F」を市場投入いたしました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、部品材料の調達状況が改善したことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続した結果、売上高は414億37百万円(前年同期比17.5%増)となりました。利益面においては、増産対応に伴い、材料費、外注加工費に加え、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の大幅な増加と変動費比率の低下による収益力の上昇、為替による影響等により、経常利益は78億50百万円(同48.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億69百万円(同63.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、過年度の先行手配による受注急増の反動により、今年度においては受注調整が継続しておりますが、受注残の解消に向けた増産対応により、売上高については堅調に推移しました。
営業活動につきましては、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談は継続しておりますが、訪問営業による拡販活動を増やしております。
この結果、外部顧客への売上高は260億37百万円(前年同期比21.7%増)、セグメント利益は48億82百万円(同28.0%増)となりました。
② 北米販売事業
米国では、前年の下半期以降、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。一方で、売上高については受注残の解消に向けた増産対応により、好調に推移しました。
営業活動につきましては、ファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は38億39百万円(前年同期比42.7%増)、セグメント利益は6億94百万円(同175.2%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパにおいては、景気の不透明感による先行手配需要の調整があり、受注については低調に推移しました。売上高については、前期から継続して増産対応に取り組み、上半期は好調に推移したものの、欧州の景気低迷の影響により、下半期は低調に推移しました。
営業活動につきましては、テレワークでの拡販活動に加え、訪問営業による拡販活動を増やしております。
この結果、外部顧客への売上高は78億81百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は2億78百万円(同23.0%減)となりました。
④ アジア販売事業
アジアにおいては、中国景気の低迷の中、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。売上高については、受注残の解消に向けた増産対応により、上半期は好調に推移したものの、下半期は受注残減少に伴い低調に推移しました。
営業活動につきましては、前期から引き続き、新規開拓、新製品拡販のためのウェブマーケティングに注力しております。
この結果、外部顧客への売上高は36億78百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は2億8百万円(同11.5%増)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業においては、既存製品や昨年末に市場投入した新製品の受注及び生産量の拡大には至っていないものの、生産増加に向け体制整備を進めてまいりました。加えて、生産性及び品質向上、コスト削減に向けた、生産改善活動を推進しております。
この結果、セグメント間の内部売上高は33億78百万円(前年同期比29.9%増)、セグメント利益は6億93百万円(同66.0%増)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、棚卸資産、有形及び無形固定資産が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ57億29百万円増加し、543億97百万円となりました。負債の部では、未払金、繰延税金負債が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ7億85百万円増加し、71億39百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ49億44百万円増加し、472億57百万円となりました。この結果、自己資本比率は86.6%(前連結会計年度末は86.7%)となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27億82百万円増加し、153億94百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億31百万円(前年同期は得られた資金10億31百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益75億49百万円、減価償却費13億68百万円、棚卸資産廃棄損1億1百万円、棚卸資産評価損1億66百万円、売上債権の減少額3億18百万円、法人税等の還付額1億39百万円を計上した一方で、為替差益4億44百万円、棚卸資産の増加額10億41百万円、仕入債務の減少額4億13百万円、法人税等の支払額23億95百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億26百万円(前年同期は得られた資金6億76百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10億25百万円、無形固定資産の取得による支出1億87百万円、定期預金の預入による支出6億18百万円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16億2百万円(前年同期は使用した資金21億16百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出1億10百万円、配当金の支払額14億57百万円があったこと等を反映したものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年5月21日 至 2024年5月20日) | 前年同期比(%) |
日本生産販売事業(千円) | 32,686,164 | 126.0 |
北米販売事業(千円) | - | - |
ヨーロッパ生産販売事業(千円) | 6,169,230 | 91.6 |
アジア販売事業(千円) | - | - |
中国生産事業(千円) | 3,255,140 | 130.1 |
合計(千円) | 42,110,535 | 119.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
b.受注実績
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高(千円) | 前年同期比 (%) |
日本生産販売事業 | 12,131,751 | 56.7 | 11,534,449 | 45.5 |
北米販売事業 | 1,178,615 | 46.2 | 529,476 | 17.7 |
ヨーロッパ生産販売事業 | 5,366,259 | 74.6 | 4,840,615 | 74.2 |
アジア販売事業 | 1,418,754 | 56.5 | 1,100,627 | 35.8 |
中国生産事業 | - | - | - | - |
合計 | 20,095,381 | 59.7 | 18,005,168 | 47.4 |
(注)金額は販売価額によっております。
c.販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年5月21日 至 2024年5月20日) | 前年同期比(%) |
日本生産販売事業(千円) | 26,037,924 | 121.7 |
北米販売事業(千円) | 3,839,859 | 142.7 |
ヨーロッパ生産販売事業(千円) | 7,881,161 | 101.3 |
アジア販売事業(千円) | 3,678,304 | 108.1 |
中国生産事業(千円) | - | - |
合計(千円) | 41,437,250 | 117.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年5月21日 至 2023年5月20日) | 当連結会計年度 (自 2023年5月21日 至 2024年5月20日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
㈱リョーサン | 6,521,283 | 18.5 | 7,069,039 | 17.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
① のれん等無形固定資産の減損処理
当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
⑤ 原材料の評価
当社の原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。また、保有期間が長期にわたる原材料は当社の品質管理上定められた保管期限及び将来の使用見込みを勘案し、適宜廃棄処分を行っております。
原材料の使用見込みは、顧客市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、これにより収益性が低下したと判断される場合、原材料の評価損を計上する可能性があります。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高:414億37百万円(前期比17.5%増)、経常利益:78億50百万円(同48.8%増)、売上高経常利益率は18.9%(前期:15.0%、3.9ポイント上昇)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億69百万円(同63.5%増)となりました。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
前連結会計年度に比べ材料費等の変動費比率が1.6ポイント、人件費及び減価償却費等の固定費比率が1.5ポイント低下した結果、売上原価率が3.1ポイント低下しました。その結果、売上総利益率は33.2%(前期30.1%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
前連結会計年度末に比べ、荷造運搬費が81百万円、人件費が2億80百万円、ソフトウエア費が38百万円、旅費交通費が29百万円、消耗品費が52百万円、研究開発費が65百万円、製品保証費が1億43百万円、雑費が2億68百万円増加したこと等により、販売費及び一般管理費は11億38百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は16.7%(前期14.0%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。
これらの資金に対しましては、自己資本比率が86.6%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的財務目標として、連結ROE、連結ROAが安定的に二桁を維持できる経営体質を目指しており、第10次中期経営計画において、最終年度である2025年度の数値目標値「連結売上高417億円、連結営業利益62億40百万円」を掲げ、連結営業利益率 15.0%以上、連結ROE 10.0%以上を目指し、持続的成長と企業価値向上を実現すべく経営体質の改善に取り組んでまいります。