四半期報告書-第51期第3四半期(令和1年11月21日-令和2年2月20日)

【提出】
2020/04/03 10:41
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米中貿易摩擦の影響による中国景気減速傾向が強まったことにより、わが国を含めたアジア経済及びヨーロッパ経済も減速傾向が強まりました。さらに、米国経済についても、不安定な世界経済の影響を受け、先行き不透明な状況が続いております。
また、2月以降、新型コロナウィルスの影響拡大によって、世界経済の減速につながる懸念材料が出てきております。
エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやデータセンター関連設備需要の低迷により、メモリー半導体の市況悪化が続き、半導体設備投資計画の見直しがありましたが、第3四半期では回復傾向がみられました。一方、ロジック半導体においては、高性能化要求に対応するために、大手半導体メーカを中心に積極投資が進むとともに、情報通信機器向け第5世代移動通信システム(5G)関連の需要の立ち上がりも見られました。
このような情勢の中で当社グループは、営業-開発部門の連携を強化しつつ、新製品を軸とした重点顧客への提案活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、小型基板単体シングル出力AC-DC電源「LHAシリーズ」、医用電気機器規格対応マルチスロットタイプAC-DC電源拡充モデル「AME400F/800F」、1Uラック搭載可能高効率AC-DC電源「FETA3000BA」、三相交流入力用ノイズフィルタ「JACシリーズ」電流拡充モデルをそれぞれ市場投入いたしました。
開発・生産面では、当社独自のパワー回路技術やデジタル制御技術・通信技術を活かし、新製品開発力の強化を推進するとともに、生産設備の自社開発や組立工程の品質・生産性の改善により、低コスト化技術力向上の活動に取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、受注高は184億53百万円(前年同期比7.2%増)、売上高は177億92百万円(同16.9%減)となりました。利益面におきましては、経費削減活動を展開しコスト低減に努めましたが、売上高減少による収益低下や材料費等変動費比率上昇の要因により、経常利益は13億9百万円(同56.3%減)となりました。また、前第1四半期連結会計期間に取得したPowerbox International ABを含めたヨーロッパ事業の再編を進め、事業再編損として関係会社(Powerbox Australia Pty Ltd)の株式売却損2億3百万円及びPowerboxグループ従業員の臨時解雇費用1億12百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億10百万円(同73.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①日本生産販売事業
日本国内では、顧客・販売店の在庫及び発注調整、半導体製造装置関連の設備投資延期、中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いておりましたが、第2四半期後半から在庫調整が進んだこと、半導体製造装置関連、5G関連の需要が増加したこともあり、回復基調になりました。
このような情勢の中、営業-開発部門の連携を強化し、新製品の拡販活動に注力するとともに、新規顧客の開拓、重点顧客の深堀活動に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、111億5百万円(前年同期比22.2%減)、セグメント利益は11億39百万円(同58.5%減)となりました。
②北米販売事業
米国では、米中貿易摩擦の影響に伴う生産調整や設備投資減速の影響により、需要が減少しておりましたが、第3四半期に入り、半導体製造装置関連の需要が回復いたしました。
このような情勢の中、ファクトリーレップとの連携活動に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、13億49百万円(前年同期比27.1%減)、セグメント利益は93百万円(同60.2%減)となりました。
③ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパでは、中国経済の減速の影響を受け、ドイツ市場を中心に需要低迷が続いており、スウェーデンに本拠点を置くPowerbox社のカスタム電源ビジネスも、低調に推移いたしました。
このような情勢の中、営業力強化に向けた体制構築準備、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、38億41百万円(前年同期比16.4%増)、セグメント損失は2億79百万円(前年同期はセグメント損失1億99百万円)となりました。
なお、当該セグメントは、前第1四半期連結会計期間にPowerbox International ABの株式取得を行い、新たに連結子会社化したことで、報告セグメントを「ヨーロッパ販売事業」から「ヨーロッパ生産販売事業」に変更しておりますが、企業結合のみなし取得日を2018年6月30日としているため、前第3四半期連結累計期間において、同社の第1四半期連結会計期間の業績は含まれておりません。
④アジア販売事業
アジアでは、中国と韓国において、顧客・販売店の在庫及び発注調整と中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いておりましたが、第2四半期以降は在庫調整が進んだこともあり、需要は回復傾向にあります。
このような情勢の中、ターゲット業界・顧客を絞り、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、14億96百万円(前年同期比24.9%減)、セグメント利益は38百万円(同52.8%減)となりました。
⑤中国生産事業
中国生産事業においては、新製品の量産開始と受注増加に伴う生産能力の増強を実施してまいりました。また、生産能力増強のための新工場稼働の準備を進めてきました。
この結果、セグメント間の内部売上高は、8億5百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント利益は1億59百万円(同2.5%増)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は424億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億9百万円減少いたしました。負債合計は37億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6百万円減少いたしました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は226億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億67百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が1億86百万円、有価証券が19億円増加した一方で、たな卸資産が5億62百万円減少したことによるものであります。
固定資産は198億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億77百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が94百万円増加した一方で、のれん等の無形固定資産が3億19百万円、投資有価証券が28億11百万円、繰延税金資産が1億31百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は29億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億21百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が46百万円増加した一方で、買掛金が1億44百万円、短期借入金が2億32百万円、未払法人税等が1億6百万円、賞与引当金が1億48百万円、製品保証引当金が1億5百万円減少したことによるものであります。
固定負債は7億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は387億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億3百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益5億10百万円、剰余金の配当5億61百万円、自己株式の取得9億99百万円等により、株主資本が10億62百万円減少し、為替換算調整勘定の減少等によりその他の包括利益累計額が3億37百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は91.0%(前連結会計年度末は90.5%)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億36百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。