有価証券報告書-第50期(平成30年5月21日-令和1年5月20日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、上半期までは総じて堅調に推移しましたが、下半期は米中貿易摩擦の影響拡大に伴い、中国経済の減速傾向が強まったことによって、わが国を含めたアジア経済及びヨーロッパ経済も減速傾向が強まりました。また、堅調を維持していた米国経済についても、不安定な世界経済の影響を受け、先行きには不透明感が強まっています。
エレクトロニクス業界におきましては、ここ数年の成長を主導してきたスマートフォン市場やデータセンター関連設備投資の減速感が強まり、下半期以降は設備投資計画の見直しや在庫調整の動きが進む等、停滞感が出てきました。
このような情勢の中で当社グループは、営業-開発部門の連携を強化しつつ、新製品を軸とした重点顧客への提案活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、小型・高速応答の非絶縁型DC-DCコンバータ(POL)「BRFSシリーズ」拡充モデル、大電力・高効率パワーモジュール電源(安定型バスコンバータ)「CHSシリーズ」拡充モデル、小型汎用DC-DCコンバータ「MGXシリーズ」および「MGシリーズ」拡充モデル、小型基板単体マルチスロットタイプAC-DC電源「RBシリーズ」、IoT用途に対応可能な小型・高効率AC-DC電源「PCAシリーズ」拡充モデルをそれぞれ市場投入いたしました。
生産面では、生産能力の増強に取り組んできた結果、納期対応力が向上しました。
また、第1四半期連結会計期間に、スウェーデンのグネスタに本社を置くスイッチング電源の製造販売メーカーであるPowerbox International ABの株式取得を行い、連結子会社としました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高は230億72百万円(前年同期比22.1%減)、売上高は278億76百万円(同4.8%増)となりました。利益面におきましては、旧コーセルグループの売上高が大幅に減少したことに加え、人件費や減価償却費の増加、新規連結子会社の取得に伴うのれん等の償却を計上した結果、経常利益は32億96百万円(同31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億30百万円(同34.7%減)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、顧客・販売店の在庫及び発注調整、半導体製造装置関連の設備投資延期、中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いております。
このような情勢の中、営業-開発部門の連携を強化し、新製品の拡販活動に注力するとともに、新規顧客の開拓、重点顧客の深堀活動に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、178億62百万円(前年同期比10.3%減)、セグメント利益は30億21百万円(前年同期比25.9%減)となりました。
② 北米販売事業
米国では、上半期好調に推移していた医療機器関連が下半期に減速しました。また、半導体製造装置関連の需要減も続いております。
このような情勢の中、ファクトリーレップとの連携活動に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、24億47百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益は3億5百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
当該セグメントは、第1四半期連結会計期間にPowerbox International ABを新たに連結子会社化したことに伴い、報告セグメントを「ヨーロッパ販売事業」から「ヨーロッパ生産販売事業」に変更しております。
ヨーロッパでは、上半期まで全般的に好調に推移しておりましたが、下半期に入り、中国の景気減速の影響でドイツを中心に需要減少が続いております。
このような情勢の中、重点ディストリビューターとの連携を強化し、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
セグメント業績は、Powerbox International ABの買収により同社及びその子会社の業績を取り込んだことにより、売上高は大幅に増加した一方で、売上原価、販売費及び一般管理費の増加及び買収に関連して発生したのれんの償却負担等の影響から減益となりました。
この結果、外部顧客への売上高は、50億66百万円(前年同期比376.9%増)、セグメント損失は3億17百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となりました。
④ アジア販売事業
アジアでは、顧客・販売店の在庫及び発注調整、半導体製造装置関連の設備投資延期、中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いております。
このような情勢の中、ターゲット業界・顧客を絞り、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、25億円(前年同期比20.2%減)、セグメント利益は86百万円(前年同期比41.3%減)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業においては、品質管理体制の強化と生産性向上活動および部材調達力強化を進めてまいりました。生産性向上活動では、目視検査工程と部品挿入工程の自動化を展開してまいりました。また、製品および部材在庫の適正在庫化のための活動を推進しました。
この結果、セグメント間の内部売上高は、11億12百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は1億77百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産及びのれん等の無形資産が増加した一方で、現金及び預金、売掛債権、投資有価証券及び有価証券が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ8億41百万円減少し、442億95百万円となりました。負債の部では、未払法人税等の減少等により9億17百万円減少し、41億77百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金の増加、自己株式の取得により75百万円増加し、401億17百万円となりました。この結果、自己資本比率は90.5%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首より適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億72百万円減少し、70億69百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、37億60百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益32億62百万円に加え、減価償却費13億22百万円、のれん償却額1億38百万円、売上債権の減少額23億83百万円を計上した一方で、製品保証引当金の減少額3億87百万円、たな卸資産の増加額3億78百万円、仕入債務の減少額4億54百万円、法人税等の支払額19億47百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、38億25百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入22億円、定期預金の払戻による収入3億円がありましたが、有形固定資産の取得による支出35億82百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出26億94百万円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、28億18百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出3億37百万円、長期借入金の返済による支出7億83百万円に加え、自己株式の取得による支出4億60百万円、配当金の支払額11億84百万円によるものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、ヨーロッパ生産販売事業の生産実績、受注実績及び販売実績に著しい変動がありました。これは、2018年6月27日付で連結子会社化しましたPowerbox International ABによるものです。
a.生産実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
① 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、または予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高:278億76百万円(前期比4.8%増)、経常利益:32億96百万円(同31.7%減)、売上高経常利益率は11.8%(前期:18.1%、6.3ポイント低下)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億30百万円(同34.7%減)となりました。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
旧コーセルグループにおける売上原価が、生産設備の増強による減価償却費の負担もあり、3.4ポイント上昇したことに加え、2018年6月に子会社化したPowerboxグループの製品原価が追加になったことで、売上原価が2.3ポイント上昇しました。その結果、売上総利益率は30.2%(前期32.5%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
前連結会計年度末に比べ人件費が10億54百万円、減価償却費及びのれん等の償却が3億18百万円がそれぞれ増加しましたが、製品保証費が7億9百万円減少したことにより、販売費及び一般管理費は11億32百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は12.0%(前期17.7%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。
これらの資金に対しましては、自己資本比率が90.5%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第8次中期経営計画の最終年度である2020年5月期の目標経営数値指標として、連結売上高経常利益率20%確保及び連結ROE10%確保を目指しておりましたが、米中貿易摩擦等のグローバル的な経営環境の変化や、Powerbox International AB の買収に伴うのれん等の償却負担、生産能力向上に向けた設備投資に伴う償却負担が重荷となり、目標を大きく下回っております。また、2019年度も保護貿易主義の動きは続くものと想定し下記目標を設定致しました。引き続き、中長期的目標達成に向けて「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載している主要課題に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、上半期までは総じて堅調に推移しましたが、下半期は米中貿易摩擦の影響拡大に伴い、中国経済の減速傾向が強まったことによって、わが国を含めたアジア経済及びヨーロッパ経済も減速傾向が強まりました。また、堅調を維持していた米国経済についても、不安定な世界経済の影響を受け、先行きには不透明感が強まっています。
エレクトロニクス業界におきましては、ここ数年の成長を主導してきたスマートフォン市場やデータセンター関連設備投資の減速感が強まり、下半期以降は設備投資計画の見直しや在庫調整の動きが進む等、停滞感が出てきました。
このような情勢の中で当社グループは、営業-開発部門の連携を強化しつつ、新製品を軸とした重点顧客への提案活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、小型・高速応答の非絶縁型DC-DCコンバータ(POL)「BRFSシリーズ」拡充モデル、大電力・高効率パワーモジュール電源(安定型バスコンバータ)「CHSシリーズ」拡充モデル、小型汎用DC-DCコンバータ「MGXシリーズ」および「MGシリーズ」拡充モデル、小型基板単体マルチスロットタイプAC-DC電源「RBシリーズ」、IoT用途に対応可能な小型・高効率AC-DC電源「PCAシリーズ」拡充モデルをそれぞれ市場投入いたしました。
生産面では、生産能力の増強に取り組んできた結果、納期対応力が向上しました。
また、第1四半期連結会計期間に、スウェーデンのグネスタに本社を置くスイッチング電源の製造販売メーカーであるPowerbox International ABの株式取得を行い、連結子会社としました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高は230億72百万円(前年同期比22.1%減)、売上高は278億76百万円(同4.8%増)となりました。利益面におきましては、旧コーセルグループの売上高が大幅に減少したことに加え、人件費や減価償却費の増加、新規連結子会社の取得に伴うのれん等の償却を計上した結果、経常利益は32億96百万円(同31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億30百万円(同34.7%減)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、顧客・販売店の在庫及び発注調整、半導体製造装置関連の設備投資延期、中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いております。
このような情勢の中、営業-開発部門の連携を強化し、新製品の拡販活動に注力するとともに、新規顧客の開拓、重点顧客の深堀活動に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、178億62百万円(前年同期比10.3%減)、セグメント利益は30億21百万円(前年同期比25.9%減)となりました。
② 北米販売事業
米国では、上半期好調に推移していた医療機器関連が下半期に減速しました。また、半導体製造装置関連の需要減も続いております。
このような情勢の中、ファクトリーレップとの連携活動に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、24億47百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益は3億5百万円(前年同期比37.2%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
当該セグメントは、第1四半期連結会計期間にPowerbox International ABを新たに連結子会社化したことに伴い、報告セグメントを「ヨーロッパ販売事業」から「ヨーロッパ生産販売事業」に変更しております。
ヨーロッパでは、上半期まで全般的に好調に推移しておりましたが、下半期に入り、中国の景気減速の影響でドイツを中心に需要減少が続いております。
このような情勢の中、重点ディストリビューターとの連携を強化し、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
セグメント業績は、Powerbox International ABの買収により同社及びその子会社の業績を取り込んだことにより、売上高は大幅に増加した一方で、売上原価、販売費及び一般管理費の増加及び買収に関連して発生したのれんの償却負担等の影響から減益となりました。
この結果、外部顧客への売上高は、50億66百万円(前年同期比376.9%増)、セグメント損失は3億17百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となりました。
④ アジア販売事業
アジアでは、顧客・販売店の在庫及び発注調整、半導体製造装置関連の設備投資延期、中国経済の減速の影響によって、需要の減少が続いております。
このような情勢の中、ターゲット業界・顧客を絞り、新規プロジェクト獲得、新規顧客開拓に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、25億円(前年同期比20.2%減)、セグメント利益は86百万円(前年同期比41.3%減)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業においては、品質管理体制の強化と生産性向上活動および部材調達力強化を進めてまいりました。生産性向上活動では、目視検査工程と部品挿入工程の自動化を展開してまいりました。また、製品および部材在庫の適正在庫化のための活動を推進しました。
この結果、セグメント間の内部売上高は、11億12百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は1億77百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産及びのれん等の無形資産が増加した一方で、現金及び預金、売掛債権、投資有価証券及び有価証券が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ8億41百万円減少し、442億95百万円となりました。負債の部では、未払法人税等の減少等により9億17百万円減少し、41億77百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金の増加、自己株式の取得により75百万円増加し、401億17百万円となりました。この結果、自己資本比率は90.5%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首より適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億72百万円減少し、70億69百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、37億60百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益32億62百万円に加え、減価償却費13億22百万円、のれん償却額1億38百万円、売上債権の減少額23億83百万円を計上した一方で、製品保証引当金の減少額3億87百万円、たな卸資産の増加額3億78百万円、仕入債務の減少額4億54百万円、法人税等の支払額19億47百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、38億25百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入22億円、定期預金の払戻による収入3億円がありましたが、有形固定資産の取得による支出35億82百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出26億94百万円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、28億18百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出3億37百万円、長期借入金の返済による支出7億83百万円に加え、自己株式の取得による支出4億60百万円、配当金の支払額11億84百万円によるものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、ヨーロッパ生産販売事業の生産実績、受注実績及び販売実績に著しい変動がありました。これは、2018年6月27日付で連結子会社化しましたPowerbox International ABによるものです。
a.生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年5月21日 至 2019年5月20日) | 前年同期比(%) |
日本生産販売事業(千円) | 22,932,871 | 90.0 |
北米販売事業(千円) | - | - |
ヨーロッパ生産販売事業(千円) | 3,924,062 | - |
アジア販売事業(千円) | - | - |
中国生産事業(千円) | 1,256,916 | 97.1 |
合計(千円) | 28,113,851 | 105.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高(千円) | 前年同期比 (%) |
日本生産販売事業 | 14,317,224 | 63.9 | 2,296,032 | 39.3 |
北米販売事業 | 2,296,586 | 88.8 | 594,239 | 79.8 |
ヨーロッパ生産販売事業 | 4,611,162 | 363.5 | 2,642,216 | 601.4 |
アジア販売事業 | 1,847,103 | 55.0 | 300,332 | 31.5 |
中国生産事業 | - | - | - | - |
合計 | 23,072,077 | 77.9 | 5,832,821 | 73.1 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年5月21日 至 2019年5月20日) | 前年同期比(%) |
日本生産販売事業(千円) | 17,862,210 | 89.7 |
北米販売事業(千円) | 2,447,023 | 98.8 |
ヨーロッパ生産販売事業(千円) | 5,066,426 | 476.9 |
アジア販売事業(千円) | 2,500,857 | 79.8 |
中国生産事業(千円) | - | - |
合計(千円) | 27,876,518 | 104.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年5月21日 至 2018年5月20日) | 当連結会計年度 (自 2018年5月21日 至 2019年5月20日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
㈱リョーサン | 5,111,868 | 19.2 | 4,235,318 | 15.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
① 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、または予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高:278億76百万円(前期比4.8%増)、経常利益:32億96百万円(同31.7%減)、売上高経常利益率は11.8%(前期:18.1%、6.3ポイント低下)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億30百万円(同34.7%減)となりました。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
旧コーセルグループにおける売上原価が、生産設備の増強による減価償却費の負担もあり、3.4ポイント上昇したことに加え、2018年6月に子会社化したPowerboxグループの製品原価が追加になったことで、売上原価が2.3ポイント上昇しました。その結果、売上総利益率は30.2%(前期32.5%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
前連結会計年度末に比べ人件費が10億54百万円、減価償却費及びのれん等の償却が3億18百万円がそれぞれ増加しましたが、製品保証費が7億9百万円減少したことにより、販売費及び一般管理費は11億32百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は12.0%(前期17.7%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。
これらの資金に対しましては、自己資本比率が90.5%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第8次中期経営計画の最終年度である2020年5月期の目標経営数値指標として、連結売上高経常利益率20%確保及び連結ROE10%確保を目指しておりましたが、米中貿易摩擦等のグローバル的な経営環境の変化や、Powerbox International AB の買収に伴うのれん等の償却負担、生産能力向上に向けた設備投資に伴う償却負担が重荷となり、目標を大きく下回っております。また、2019年度も保護貿易主義の動きは続くものと想定し下記目標を設定致しました。引き続き、中長期的目標達成に向けて「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載している主要課題に取り組んでまいります。
当連結会計年度実績 | 2020年5月期目標 | ||
連結売上高 | 27,876百万円 | 27,000百万円 | |
国内売上高 | 17,862百万円 | 16,433百万円 | |
海外売上高 | 10,014百万円 | 10,566百万円 | |
連結経常利益 | 3,296百万円 | 2,730百万円 | |
連結売上高経常利益率 | 11.8% | 10.1% | |
連結ROE | 5.3% | 4.0% |