有価証券報告書-第144期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
[1]業績等の概要
(1) 業績
世界経済は、期初からの米中貿易摩擦の影響により製造業の景況感が停滞し、企業の設備投資に慎重な動きがみられたことに加え、第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が全世界に拡大し、極めて不透明な状況となっています。
このような事業環境の中で、当社グループは、2018年度(前期)を初年度とし2020年度までの3か年を対象とする中期経営計画「Transformation 2020」に基づき、持続可能な社会を実現する事業の確立を目指して「既存事業の変革」、「新事業とビジネスモデル変革への挑戦」、「グループ全体最適による生産性向上」の3つの変革に取り組みました。また、これらすべての変革の基盤として、デジタル技術を最大限に活用する「デジタルトランスフォーメーション」を価値創造の駆動力として「成長機会の創出」と「成長基盤の確立」に努めました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績及びセグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
なお、業績に関する分析については、『[3] 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容』に記載のとおりです。
<連結>売上高 4,044億32百万円 (前期比 0.2% 7億20百万円増)
営業利益 355億88百万円 (前期比 2.9% 9億94百万円増)
経常利益 363億1百万円 (前期比 △1.3% 4億69百万円減)
親会社株主に帰属する当期純利益 146億86百万円 (前期比 △48.4% 137億59百万円減)
<制御事業>売上高 3,705億50百万円 (前期比 1.6% 57億75百万円増)
営業利益 341億59百万円 (前期比 0.6% 1億88百万円増)
<計測事業>売上高 247億77百万円 (前期比 8.3% 19億6百万円増)
営業利益 16億38百万円 (前期比 △15.5% 3億円減)
<航機その他事業>売上高 91億5百万円 (前期比 △43.3% 69億60百万円減)
営業利益 △2億9百万円 (前期比 - 11億6百万円増)
(2) キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ139億57百万円増加し、996億円58百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等により、311億32百万円の収入(前期比97億22百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、181億82百万円の支出(前期比140億94百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払に対して、コマーシャル・ペーパーの発行等により、45億83百万円の収入(前期は、69億88百万円の支出)となりました。
[2]生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
[3]経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
なお、当項目内において「FY17」「FY18」「FY19」は、それぞれ「2017年度(2018年3月期)」「2018年度(2019年3月期)」「2019年度(2020年3月期)」の略称です。
<連結>当連結会計年度における当社グループの業績は、子会社譲渡や為替の変動及び第4四半期後半にCOVID-19感染拡大に伴う経済活動制限による影響などを受けましたが、主に制御事業が堅調に推移してきたことから、前期比で増収、営業利益は増益となりました。
売上のベースとなる受注高については、前年度の大口プロジェクトの受注の反動などにより前期比で133億10百万円減(△3.1%)となり、為替および子会社株式の譲渡等の影響を除くと実質的には前期比で約93億円増(+2.2%)となりました。売上高は、前期比で7億20百万円増(+0.2%)の4,044億32百万円となり、為替および子会社株式の譲渡等の影響を除くと実質的には前期比で約230億円増(+5.9%)となりました。これは、主に制御事業において、課題解決や運用・保守ビジネスを中心に底堅く推移したことなどによるものです。地域別では受注環境が全地域で厳しい状況のなか、日本での受注が増加、売上は中国・インド・中東などで増加しました。業種別ではTF2020での注力業種である化学分野が機能性化学などの需要が継続するなかで堅調に推移し、非エネルギーの食品・医薬品分野においても需要増加を背景に堅調に推移しました。また、再生エネルギー分野でのバイオマス発電や風力発電の案件や、海外での水分野の案件(上下水関連、海水淡水化プロジェクト等)が獲得できています。
営業利益は、売上高の増収および粗利率改善による増益要因があった一方で、実質販管費として戦略投資費用が増加したこと、ビジネス拡大等に伴う一時的な費用などが発生したことにより前期比で9億94百万円増の355億88百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却益及び事業譲渡益を特別利益に計上したものの、海外子会社に係るのれん等減損損失及びソフトエラー対策強化引当金繰入額を特別損失に計上したことなどにより、前期比で137億59百万円減の146億86百万円となりました。

また、セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりです。
<制御事業>制御事業の受注高は、前期に大口プロジェクトを受注した反動や為替変動、COVID-19感染拡大の影響を受け、前期比で77億33百万円減の3,859億13百万円となりました。売上高及び営業利益については、為替変動及びCOVID-19感染拡大の影響を受けつつも、主に課題解決や運用・保守ビジネスを中心に底堅く推移した結果、売上高は前期比で57億75百万円増の3,705億50百万円、営業利益は前期比で1億88百万円増の341億59百万円となり、増収増益の結果となりました。
(ご参考)
制御事業の地域別の受注高については、日本で増加しましたが、欧州・CIS、北米では前期に大口プロジェクトを受注した反動や為替変動の影響を受け減少しました。売上高については、為替変動の影響を受けつつも、中国・インド・中東などで増加しました。

制御事業の業種別の受注高については、昨年度中東を中心に大口プロジェクトを受注した反動などによりアップストリームおよびダウンストリーム分野で減少しましたが、注力業種の一つである化学分野は堅調でした。

<計測事業>計測事業は、売上高は前期比で19億6百万円増の247億77百万円と堅調に推移しましたが、主にライフイノベーション事業における先行投資の影響などにより、営業利益は前期比で3億円減の16億38百万円となり、増収減益の結果となりました。
<航機その他事業>航機その他事業は、子会社の譲渡により売上高は前期比で69億60百万円減の91億5百万円となりましたが、営業損失は粗利率の改善などにより前期比で11億6百万円損失が減少し2億9百万円の損失となり、減収でありながらも赤字幅が縮小する結果となりました。
(ご参考)
セグメント別(制御事業・計測事業・航機その他事業)の受注高・売上高・営業利益トレンドは以下のとおりです。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
<当社グループの資本の財源及び資金の流動性>a. 資金調達、流動性管理
当社グループは、成長性戦略投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することとしています。事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための戦略投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入などの外部資金を有効に活用しています。資金調達にあたっては、安全性、資金効率化及び調達コストの抑制を図ることを基本方針としながら複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、十分な流動性を確保していると考えています。
b. 資産、負債、純資産
当連結会計年度末の総資産は、減損損失の計上によりのれん等が減少した一方、COVID-19感染拡大の影響に伴う不測の資金需要に備え、コマーシャル・ペーパーを発行したことにより現金及び預金が増加したことや、(会計方針の変更)に記載のIFRS第16号(リース)の適用により使用権資産が増加したため、前連結会計年度末に比べ195億64百万円増加し4,896億78百万円となりました。また、負債合計は、コマーシャル・ペーパーを発行したことや、同IFRS第16号(リース)の適用によりリース債務が増加したため、前連結会計年度末に比べ242億43百万円増加し1,982億6百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替換算調整勘定等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ46億78百万円減少し2,914億72百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.3ポイント減少し、58.4%となりました。
<キャッシュ・フロー>現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ139億57百万円増加し、996億円58百万円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等により、311億32百万円の収入(前期比97億22百万円の収入増)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、181億82百万円の支出(前期比140億94百万円の支出増)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払に対して、コマーシャル・ペーパーの発行等により、45億83百万円の収入(前期は、69億88百万円の支出)となりました。

中期経営計画TF2020では、利益成長及び資本効率向上により、オーガニックフリー・キャッシュ・フロー850億円以上(3年間累計)(*)を創出します。創出したキャッシュを中長期的な企業価値の最大化に向けたM&Aやアライアンスを含む資本性成長投資(戦略投資)に優先的に配分しながら、積極的な配当還元の向上も図ります。
(*)オーガニックフリー・キャッシュ・フロー = フリー・キャッシュ・フロー + 資本性成長投資(戦略投資700億円:3年間累計)

(ご参考)
株主価値については、株主資本コストを上回るTSR(株主総利回り)の持続的な実現を通じて、中長期視点での株主価値の最大化を図っていきたいと考えています。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は会計方針の選択・適用、また、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上でのCOVID-19の影響に関する一定の仮定は、『第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)』に記載のとおりです。
(1) 業績
世界経済は、期初からの米中貿易摩擦の影響により製造業の景況感が停滞し、企業の設備投資に慎重な動きがみられたことに加え、第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が全世界に拡大し、極めて不透明な状況となっています。
このような事業環境の中で、当社グループは、2018年度(前期)を初年度とし2020年度までの3か年を対象とする中期経営計画「Transformation 2020」に基づき、持続可能な社会を実現する事業の確立を目指して「既存事業の変革」、「新事業とビジネスモデル変革への挑戦」、「グループ全体最適による生産性向上」の3つの変革に取り組みました。また、これらすべての変革の基盤として、デジタル技術を最大限に活用する「デジタルトランスフォーメーション」を価値創造の駆動力として「成長機会の創出」と「成長基盤の確立」に努めました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績及びセグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
なお、業績に関する分析については、『[3] 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容』に記載のとおりです。
<連結>売上高 4,044億32百万円 (前期比 0.2% 7億20百万円増)
営業利益 355億88百万円 (前期比 2.9% 9億94百万円増)
経常利益 363億1百万円 (前期比 △1.3% 4億69百万円減)
親会社株主に帰属する当期純利益 146億86百万円 (前期比 △48.4% 137億59百万円減)
<制御事業>売上高 3,705億50百万円 (前期比 1.6% 57億75百万円増)
営業利益 341億59百万円 (前期比 0.6% 1億88百万円増)
<計測事業>売上高 247億77百万円 (前期比 8.3% 19億6百万円増)
営業利益 16億38百万円 (前期比 △15.5% 3億円減)
<航機その他事業>売上高 91億5百万円 (前期比 △43.3% 69億60百万円減)
営業利益 △2億9百万円 (前期比 - 11億6百万円増)
(2) キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ139億57百万円増加し、996億円58百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等により、311億32百万円の収入(前期比97億22百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、181億82百万円の支出(前期比140億94百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払に対して、コマーシャル・ペーパーの発行等により、45億83百万円の収入(前期は、69億88百万円の支出)となりました。
[2]生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前期比(%) | |
制御事業 | 370,550 | 101.6 | |
計測事業 | 24,777 | 108.3 | |
航機その他事業 | 8,215 | 54.3 | |
合計 | 403,542 | 100.2 |
(注)1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) | ||
制御事業 | 385,913 | 98.0 | 248,324 | 102.2 | ||
計測事業 | 25,714 | 112.1 | 2,607 | 61.3 | ||
航機その他事業 | 7,034 | 45.7 | 5,149 | 75.3 | ||
合計 | 418,662 | 96.9 | 256,081 | 100.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前期比(%) | |
制御事業 | 370,550 | 101.6 | |
計測事業 | 24,777 | 108.3 | |
航機その他事業 | 9,105 | 56.7 | |
合計 | 404,432 | 100.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
[3]経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の財務状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
なお、当項目内において「FY17」「FY18」「FY19」は、それぞれ「2017年度(2018年3月期)」「2018年度(2019年3月期)」「2019年度(2020年3月期)」の略称です。
<連結>当連結会計年度における当社グループの業績は、子会社譲渡や為替の変動及び第4四半期後半にCOVID-19感染拡大に伴う経済活動制限による影響などを受けましたが、主に制御事業が堅調に推移してきたことから、前期比で増収、営業利益は増益となりました。
売上のベースとなる受注高については、前年度の大口プロジェクトの受注の反動などにより前期比で133億10百万円減(△3.1%)となり、為替および子会社株式の譲渡等の影響を除くと実質的には前期比で約93億円増(+2.2%)となりました。売上高は、前期比で7億20百万円増(+0.2%)の4,044億32百万円となり、為替および子会社株式の譲渡等の影響を除くと実質的には前期比で約230億円増(+5.9%)となりました。これは、主に制御事業において、課題解決や運用・保守ビジネスを中心に底堅く推移したことなどによるものです。地域別では受注環境が全地域で厳しい状況のなか、日本での受注が増加、売上は中国・インド・中東などで増加しました。業種別ではTF2020での注力業種である化学分野が機能性化学などの需要が継続するなかで堅調に推移し、非エネルギーの食品・医薬品分野においても需要増加を背景に堅調に推移しました。また、再生エネルギー分野でのバイオマス発電や風力発電の案件や、海外での水分野の案件(上下水関連、海水淡水化プロジェクト等)が獲得できています。
営業利益は、売上高の増収および粗利率改善による増益要因があった一方で、実質販管費として戦略投資費用が増加したこと、ビジネス拡大等に伴う一時的な費用などが発生したことにより前期比で9億94百万円増の355億88百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却益及び事業譲渡益を特別利益に計上したものの、海外子会社に係るのれん等減損損失及びソフトエラー対策強化引当金繰入額を特別損失に計上したことなどにより、前期比で137億59百万円減の146億86百万円となりました。

また、セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりです。
<制御事業>制御事業の受注高は、前期に大口プロジェクトを受注した反動や為替変動、COVID-19感染拡大の影響を受け、前期比で77億33百万円減の3,859億13百万円となりました。売上高及び営業利益については、為替変動及びCOVID-19感染拡大の影響を受けつつも、主に課題解決や運用・保守ビジネスを中心に底堅く推移した結果、売上高は前期比で57億75百万円増の3,705億50百万円、営業利益は前期比で1億88百万円増の341億59百万円となり、増収増益の結果となりました。
(ご参考)
制御事業の地域別の受注高については、日本で増加しましたが、欧州・CIS、北米では前期に大口プロジェクトを受注した反動や為替変動の影響を受け減少しました。売上高については、為替変動の影響を受けつつも、中国・インド・中東などで増加しました。

制御事業の業種別の受注高については、昨年度中東を中心に大口プロジェクトを受注した反動などによりアップストリームおよびダウンストリーム分野で減少しましたが、注力業種の一つである化学分野は堅調でした。

<計測事業>計測事業は、売上高は前期比で19億6百万円増の247億77百万円と堅調に推移しましたが、主にライフイノベーション事業における先行投資の影響などにより、営業利益は前期比で3億円減の16億38百万円となり、増収減益の結果となりました。
<航機その他事業>航機その他事業は、子会社の譲渡により売上高は前期比で69億60百万円減の91億5百万円となりましたが、営業損失は粗利率の改善などにより前期比で11億6百万円損失が減少し2億9百万円の損失となり、減収でありながらも赤字幅が縮小する結果となりました。
(ご参考)
セグメント別(制御事業・計測事業・航機その他事業)の受注高・売上高・営業利益トレンドは以下のとおりです。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
<当社グループの資本の財源及び資金の流動性>a. 資金調達、流動性管理
当社グループは、成長性戦略投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することとしています。事業を行う上で必要となる運転資金や成長のための戦略投資資金を、営業キャッシュ・フローを主とした内部資金だけでなく金融機関からの借入などの外部資金を有効に活用しています。資金調達にあたっては、安全性、資金効率化及び調達コストの抑制を図ることを基本方針としながら複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、十分な流動性を確保していると考えています。
b. 資産、負債、純資産
当連結会計年度末の総資産は、減損損失の計上によりのれん等が減少した一方、COVID-19感染拡大の影響に伴う不測の資金需要に備え、コマーシャル・ペーパーを発行したことにより現金及び預金が増加したことや、(会計方針の変更)に記載のIFRS第16号(リース)の適用により使用権資産が増加したため、前連結会計年度末に比べ195億64百万円増加し4,896億78百万円となりました。また、負債合計は、コマーシャル・ペーパーを発行したことや、同IFRS第16号(リース)の適用によりリース債務が増加したため、前連結会計年度末に比べ242億43百万円増加し1,982億6百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、配当金の支払や為替換算調整勘定等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ46億78百万円減少し2,914億72百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.3ポイント減少し、58.4%となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等により、311億32百万円の収入(前期比97億22百万円の収入増)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、181億82百万円の支出(前期比140億94百万円の支出増)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払に対して、コマーシャル・ペーパーの発行等により、45億83百万円の収入(前期は、69億88百万円の支出)となりました。

中期経営計画TF2020では、利益成長及び資本効率向上により、オーガニックフリー・キャッシュ・フロー850億円以上(3年間累計)(*)を創出します。創出したキャッシュを中長期的な企業価値の最大化に向けたM&Aやアライアンスを含む資本性成長投資(戦略投資)に優先的に配分しながら、積極的な配当還元の向上も図ります。
(*)オーガニックフリー・キャッシュ・フロー = フリー・キャッシュ・フロー + 資本性成長投資(戦略投資700億円:3年間累計)

(ご参考)
株主価値については、株主資本コストを上回るTSR(株主総利回り)の持続的な実現を通じて、中長期視点での株主価値の最大化を図っていきたいと考えています。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は会計方針の選択・適用、また、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上でのCOVID-19の影響に関する一定の仮定は、『第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)』に記載のとおりです。