有価証券報告書-第63期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界経済は、前半は新型コロナウイルス感染症が各国の生産や個人消費に大きな影響を与えました。夏以降は中国における鉱工業生産が回復に向かい始め、また、米国においても秋以降はプラス成長に転じるなど、後半は各国における財政出動の効果もあり回復に向かいました。しかしながら欧州や日本などでは再度感染が拡大するなど予断を許さない厳しい状況が続きました。
エレクトロニクス業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の悪影響を受け大きく落ち込みましたが、感染症対策としてのステイホームやテレワークなどライフスタイルの変化等による民生機器関連市場での需要増が市場に対して好影響をもたらしました。また、秋以降は自動車生産台数や産業機器関連市場が回復したことなども加わり、一部の製品については品不足の状況となりました。
このような経営環境の中、中長期的に成長が期待される産業機器関連市場やEV化へのシフトが期待される自動車関連市場などへの製品ラインアップを強化し、顧客ニーズを先取りする提案型の営業体制への見直しなどを進めました。また、ロームグループが強みを持つ「パワー」、「アナログ」及び「汎用デバイス」などの技術領域を中心とした新製品・新技術の開発を進めました。
生産面においても、マトリクス型組織とすることにより、品質やサプライチェーンの全社最適化を進めるとともに、省人化・自動化の推進などの「モノづくり改革」や、新型コロナウイルス感染症への感染防止対策の徹底等によるお客様への安定供給に努め、更に後半は急増する受注に対応した生産能力増強を進めました。また、SiCパワーデバイス生産能力強化のためローム・アポロ㈱の筑後工場に新棟を竣工しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,598億8千8百万円(前期比0.8%減)となり、営業利益は384億8千8百万円(前期比30.5%増)となりました。
経常利益につきましては、406億7千2百万円(前期比13.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は370億2百万円(前期比44.4%増)となりました。
業績のセグメント別概況
前半は新型コロナウイルス感染症の影響により大きく落ち込みましたが、秋以降は回復傾向となりました。市場別では、自動車関連市場につきましては、市場低迷によりインフォテインメント(※1)向けの電源、各種ドライバICなどの売上が減少しましたが、xEV(※2)向けパワートレインなどの分野では絶縁ゲートドライバICなどが順調に売上を伸ばしました。産業機器関連市場につきましては、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場向けの売上が増加するなど、下げ止まり感が見られました。民生機器関連市場につきましては、アミューズメント向けが好調であった一方、市況悪化によりスマートフォンやAV向けなどでは厳しい状況となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,681億3百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は157億5千2百万円(前期比25.2%増)となりました。
※1.インフォテインメント
主に自動車について用いられる言葉で、「情報:インフォメーション」の提供と「娯楽:エンターテインメント」の提供を実現するシステムの総称。
※2.xEV
電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。
<半導体素子>前半は新型コロナウイルス感染症が全体として市場に悪影響を及ぼしましたが、後半は回復基調となりました。事業セグメント別では、トランジスタとダイオードにつきましては、通信関連市場向けで売上は減少しましたが、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場や民生機器関連市場向けで売上が増加しました。パワーデバイス部門につきましては、産業機器関連市場向けで売上は減少しましたが、自動車関連市場向けで回復傾向が見られました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器関連市場向けで回復しましたが、家電市場向けなどで売上が減少しました。半導体レーザーにつきましては、家電市場向けを中心に売上が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,423億8千9百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は210億5千3百万円(前期比102.3%増)となりました。
<モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、プリンタやスキャナ向けを中心に売上が減少しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォン向けなどでセンサモジュールの売上が減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は292億1千3百万円(前期比12.2%減)、セグメント利益は21億4千5百万円(前期比38.6%減)となりました。
<その他>前半は新型コロナウイルス感染症により市場が低迷しましたが、秋以降は回復に向かいました。事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車関連市場向けを中心に売上が減少しましたが、後半は回復基調となりました。一方、タンタルコンデンサにつきましては、PC向けなどで売上が継続して好調に推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は201億8千1百万円(前期比0.2%増)、セグメント利益は18億4千6百万円(前期比5.2%減)となりました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、LSIの受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場及び民生機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。
3.当連結会計年度において、半導体素子の受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場、民生機器関連市場及び産業機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① たな卸資産
当社グループでは、たな卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超えるたな卸資産を滞留もしくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
② 有形固定資産及び無形固定資産
当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、各社・各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社・各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(追加情報)」に記載しております。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は前期比0.8%減の3,598億8千8百万円、営業利益は前期比30.5%増の384億8千8百万円となりました。当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の8.1%から10.7%に上昇しました。
経常利益につきましては、営業利益の増加、受取利息の減少や為替差損などにより前期比13.7%増の406億7千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少があった一方、100%子会社であるローム滋賀㈱の吸収合併(2020年4月1日付)や連結子会社の業績改善による、グループ全体の繰越欠損金に係る繰延税金資産の評価性引当額の減少等があったことにより、前期比44.4%増の370億2百万円となりました。
また、ロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比6.6%増の786億5千6百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の3.5%から5.0%に上昇しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ773億6千7百万円増加し、9,262億4千万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が407億1千1百万円、投資有価証券が295億1千2百万円、たな卸資産が170億3千7百万円、受取手形及び売掛金が114億5千3百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が370億4百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ233億5千7百万円増加し、1,567億5千万円となりました。主な要因といたしましては、繰延税金負債が107億1千9百万円、流動負債のその他が53億6百万円(うち設備関係電子記録債務が31億6百万円)、支払手形及び買掛金が30億5千4百万円、未払金が29億7千5百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ540億1千1百万円増加し、7,694億9千万円となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が249億8千6百万円、為替換算調整勘定が136億3千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が134億9千6百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の84.2%から83.0%に低下しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(791億3千万円のプラス)に比べ331億5千5百万円収入が減少し、459億7千5百万円のプラスとなりました。これは主に、マイナス要因としてたな卸資産が減少から増加に転じたこと、売上債権が減少から増加に転じたことによるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(86億7千6百万円のマイナス)に比べ321億6千8百万円支出が増加し、408億4千4百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有形固定資産の取得による支出の減少、マイナス要因として定期預金が減少から増加に転じたこと、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度(170億7千5百万円のマイナス)に比べ77億6千5百万円支出が増加し、248億4千万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として自己株式の取得による支出の減少、マイナス要因として社債の発行による収入の減少によるものであります。
上記の要因に、換算差額による増加が63億3千8百万円加わり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ133億7千1百万円減少し、2,621億6千8百万円となりました。
また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は700億円、また減価償却費は472億円を予定しております。
(参考)ロームグループが重視している主な経営指標の推移
※各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。
・営業利益率:営業利益/売上高
・EBITDA:営業利益+減価償却費
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産
・総資産回転率:売上高/総資産
・固定資産回転率:売上高/固定資産
・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益
・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産
・たな卸資産回転月数:たな卸資産/(第4四半期売上高/3)
(5)資本の財源及び資金の流動性
ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。
主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。自動車・産業機器関連市場、海外市場を注力市場とし、また、「パワー」、「アナログ」、「汎用デバイス」を注力商品としてそれぞれ定め、設備投資、研究開発及びM&Aなどの事業成長のための投資や、グローバルに安定した製品供給が出来る生産体制の強化を最優先に行うことを通じて、業績拡大に注力してまいります。
当連結会計年度の設備投資額は、前期比13.3%増の441億1千4百万円、研究開発費は前期比5.5%減の315億3千7百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
当社のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界経済は、前半は新型コロナウイルス感染症が各国の生産や個人消費に大きな影響を与えました。夏以降は中国における鉱工業生産が回復に向かい始め、また、米国においても秋以降はプラス成長に転じるなど、後半は各国における財政出動の効果もあり回復に向かいました。しかしながら欧州や日本などでは再度感染が拡大するなど予断を許さない厳しい状況が続きました。
エレクトロニクス業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の悪影響を受け大きく落ち込みましたが、感染症対策としてのステイホームやテレワークなどライフスタイルの変化等による民生機器関連市場での需要増が市場に対して好影響をもたらしました。また、秋以降は自動車生産台数や産業機器関連市場が回復したことなども加わり、一部の製品については品不足の状況となりました。
このような経営環境の中、中長期的に成長が期待される産業機器関連市場やEV化へのシフトが期待される自動車関連市場などへの製品ラインアップを強化し、顧客ニーズを先取りする提案型の営業体制への見直しなどを進めました。また、ロームグループが強みを持つ「パワー」、「アナログ」及び「汎用デバイス」などの技術領域を中心とした新製品・新技術の開発を進めました。
生産面においても、マトリクス型組織とすることにより、品質やサプライチェーンの全社最適化を進めるとともに、省人化・自動化の推進などの「モノづくり改革」や、新型コロナウイルス感染症への感染防止対策の徹底等によるお客様への安定供給に努め、更に後半は急増する受注に対応した生産能力増強を進めました。また、SiCパワーデバイス生産能力強化のためローム・アポロ㈱の筑後工場に新棟を竣工しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,598億8千8百万円(前期比0.8%減)となり、営業利益は384億8千8百万円(前期比30.5%増)となりました。
経常利益につきましては、406億7千2百万円(前期比13.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は370億2百万円(前期比44.4%増)となりました。
業績のセグメント別概況
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,681億3百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は157億5千2百万円(前期比25.2%増)となりました。
※1.インフォテインメント
主に自動車について用いられる言葉で、「情報:インフォメーション」の提供と「娯楽:エンターテインメント」の提供を実現するシステムの総称。
※2.xEV
電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。
<半導体素子>前半は新型コロナウイルス感染症が全体として市場に悪影響を及ぼしましたが、後半は回復基調となりました。事業セグメント別では、トランジスタとダイオードにつきましては、通信関連市場向けで売上は減少しましたが、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場や民生機器関連市場向けで売上が増加しました。パワーデバイス部門につきましては、産業機器関連市場向けで売上は減少しましたが、自動車関連市場向けで回復傾向が見られました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器関連市場向けで回復しましたが、家電市場向けなどで売上が減少しました。半導体レーザーにつきましては、家電市場向けを中心に売上が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,423億8千9百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は210億5千3百万円(前期比102.3%増)となりました。
<モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、プリンタやスキャナ向けを中心に売上が減少しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォン向けなどでセンサモジュールの売上が減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は292億1千3百万円(前期比12.2%減)、セグメント利益は21億4千5百万円(前期比38.6%減)となりました。
<その他>前半は新型コロナウイルス感染症により市場が低迷しましたが、秋以降は回復に向かいました。事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車関連市場向けを中心に売上が減少しましたが、後半は回復基調となりました。一方、タンタルコンデンサにつきましては、PC向けなどで売上が継続して好調に推移しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は201億8千1百万円(前期比0.2%増)、セグメント利益は18億4千6百万円(前期比5.2%減)となりました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| LSI(百万円) | 171,038 | 1.9 |
| 半導体素子(百万円) | 149,354 | 8.9 |
| モジュール(百万円) | 27,857 | △16.2 |
| 報告セグメント計(百万円) | 348,250 | 3.0 |
| その他(百万円) | 20,645 | 2.7 |
| 合計(百万円) | 368,895 | 2.9 |
(注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| LSI | 198,780 | 13.6 | 67,820 | 82.6 |
| 半導体素子 | 171,019 | 19.6 | 65,195 | 78.3 |
| モジュール | 33,026 | △0.1 | 12,203 | 45.5 |
| 報告セグメント計 | 402,827 | 14.8 | 145,219 | 76.9 |
| その他 | 24,437 | 22.3 | 8,773 | 94.2 |
| 合計 | 427,264 | 15.2 | 153,993 | 77.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、LSIの受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場及び民生機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。
3.当連結会計年度において、半導体素子の受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場、民生機器関連市場及び産業機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| LSI(百万円) | 168,103 | △1.4 |
| 半導体素子(百万円) | 142,389 | 2.4 |
| モジュール(百万円) | 29,213 | △12.2 |
| 報告セグメント計(百万円) | 339,706 | △0.9 |
| その他(百万円) | 20,181 | 0.2 |
| 合計(百万円) | 359,888 | △0.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① たな卸資産
当社グループでは、たな卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超えるたな卸資産を滞留もしくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
② 有形固定資産及び無形固定資産
当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、各社・各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社・各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(追加情報)」に記載しております。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は前期比0.8%減の3,598億8千8百万円、営業利益は前期比30.5%増の384億8千8百万円となりました。当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の8.1%から10.7%に上昇しました。
経常利益につきましては、営業利益の増加、受取利息の減少や為替差損などにより前期比13.7%増の406億7千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少があった一方、100%子会社であるローム滋賀㈱の吸収合併(2020年4月1日付)や連結子会社の業績改善による、グループ全体の繰越欠損金に係る繰延税金資産の評価性引当額の減少等があったことにより、前期比44.4%増の370億2百万円となりました。
また、ロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比6.6%増の786億5千6百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の3.5%から5.0%に上昇しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ773億6千7百万円増加し、9,262億4千万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が407億1千1百万円、投資有価証券が295億1千2百万円、たな卸資産が170億3千7百万円、受取手形及び売掛金が114億5千3百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が370億4百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ233億5千7百万円増加し、1,567億5千万円となりました。主な要因といたしましては、繰延税金負債が107億1千9百万円、流動負債のその他が53億6百万円(うち設備関係電子記録債務が31億6百万円)、支払手形及び買掛金が30億5千4百万円、未払金が29億7千5百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ540億1千1百万円増加し、7,694億9千万円となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が249億8千6百万円、為替換算調整勘定が136億3千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が134億9千6百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の84.2%から83.0%に低下しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(791億3千万円のプラス)に比べ331億5千5百万円収入が減少し、459億7千5百万円のプラスとなりました。これは主に、マイナス要因としてたな卸資産が減少から増加に転じたこと、売上債権が減少から増加に転じたことによるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(86億7千6百万円のマイナス)に比べ321億6千8百万円支出が増加し、408億4千4百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有形固定資産の取得による支出の減少、マイナス要因として定期預金が減少から増加に転じたこと、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度(170億7千5百万円のマイナス)に比べ77億6千5百万円支出が増加し、248億4千万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として自己株式の取得による支出の減少、マイナス要因として社債の発行による収入の減少によるものであります。
上記の要因に、換算差額による増加が63億3千8百万円加わり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ133億7千1百万円減少し、2,621億6千8百万円となりました。
また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は700億円、また減価償却費は472億円を予定しております。
(参考)ロームグループが重視している主な経営指標の推移
| 回次 | 第59期 | 第60期 | 第61期 | 第62期 | 第63期 | |
| 決算年月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | |
| 営業利益率 | (%) | 9.0 | 14.4 | 14.0 | 8.1 | 10.7 |
| EBITDA | (百万円) | 72,628 | 100,411 | 101,325 | 73,817 | 78,656 |
| 自己資本利益率(ROE) | (%) | 3.7 | 5.0 | 6.0 | 3.5 | 5.0 |
| 総資産利益率(ROA) | (%) | 3.2 | 4.4 | 5.2 | 3.0 | 4.2 |
| 総資産回転率 | (回) | 0.43 | 0.47 | 0.46 | 0.42 | 0.41 |
| 固定資産回転率 | (回) | 1.05 | 1.14 | 1.11 | 1.05 | 1.03 |
| 株価収益率(PER) | (倍) | 29.6 | 28.8 | 16.0 | 23.9 | 28.7 |
| 株価純資産倍率(PBR) | (倍) | 1.08 | 1.43 | 0.94 | 0.83 | 1.38 |
| たな卸資産回転月数 | (月) | 2.99 | 2.97 | 3.72 | 4.17 | 3.75 |
※各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。
・営業利益率:営業利益/売上高
・EBITDA:営業利益+減価償却費
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産
・総資産回転率:売上高/総資産
・固定資産回転率:売上高/固定資産
・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益
・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産
・たな卸資産回転月数:たな卸資産/(第4四半期売上高/3)
(5)資本の財源及び資金の流動性
ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。
主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。自動車・産業機器関連市場、海外市場を注力市場とし、また、「パワー」、「アナログ」、「汎用デバイス」を注力商品としてそれぞれ定め、設備投資、研究開発及びM&Aなどの事業成長のための投資や、グローバルに安定した製品供給が出来る生産体制の強化を最優先に行うことを通じて、業績拡大に注力してまいります。
当連結会計年度の設備投資額は、前期比13.3%増の441億1千4百万円、研究開発費は前期比5.5%減の315億3千7百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
当社のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。
| 回次 | 第59期 | 第60期 | 第61期 | 第62期 | 第63期 | |
| 決算年月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | |
| 減価償却費 | (百万円) | 40,801 | 43,407 | 45,415 | 44,328 | 40,167 |
| 研究開発費 | (百万円) | 37,277 | 38,852 | 39,578 | 33,384 | 31,537 |
| 設備投資額 | (百万円) | 42,182 | 55,911 | 57,291 | 38,941 | 44,114 |
| 年間配当金総額 | (百万円) | 13,750 | 25,385 | 15,771 | 15,300 | 14,720 |
| 配当性向 | (%) | 52.0 | 68.2 | 34.8 | 60.6 | 39.9 |