有価証券報告書-第67期(2024/04/01-2025/03/31)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界情勢は、中国における不動産市場の停滞や中東情勢の不安定化を背景としたリスクが継続したことに加え、通商政策など米国の政策動向による影響等が景気を下押しするリスクとなり、全体として弱含みの展開となりました。
エレクトロニクス業界におきましては、自動車市場では電装化、電動化の向上、自動運転技術の進展に伴って自動車1台当たりの電子部品搭載点数が増加する方向に変化はないものの、足元の生産台数の伸び悩みを受け調整局面を迎えました。産業機器市場では前年からの在庫調整が長期化しており、回復の兆候は見られませんでした。民生機器市場では白物家電を中心に堅調に推移しました。通信機器市場ではスマートフォン向けを中心に、またコンピュータ&ストレージ市場ではパソコンや周辺機器向けを中心に持ち直しの動きが見られました。
このような経営環境の中、当社グループでは、昨年11月に公表した構造改革を順次進めており、当連結会計年度においては、材料事業(Siウエハ事業)の撤退に加え、希望退職による人員削減を実施いたしました。また、SiCをはじめとするパワーデバイスにおいては、昨今のEV市場の停滞を受けて必要最小限に設備投資を抑制いたしました。
生産面においては年間を通して生産調整を行うことで製品・仕掛品在庫の圧縮を強く推し進め、原材料在庫についても適正化に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。
経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
業績のセグメント別概況
市場別では、民生機器市場向けでは、省エネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移しました。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータドライバICや電源IC、その他FANモータドライバICなどの売上が回復傾向となりました。自動車市場向けにつきましても、ADAS向けなどの高付加価値商品が伸長しましたが、電動車(xEV)向けの製品は調整局面となり、全体としては減収となりました。産業機器市場及び通信機器市場向けにつきましては前連結会計年度に引き続き厳しい状況となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,038億3千3百万円(前期比1.6%減)、セグメント損失は7億6千7百万円(前連結会計年度は212億6千9百万円のセグメント利益)となりました。
<半導体素子>事業セグメント別では、パワーデバイスにつきましては、自動車市場向けの売上はSiCデバイスでの増加は見られるものの足元ではEVを中心に需要は低迷しており、成長は想定を下回りました。産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少しました。汎用デバイスにつきましては、自動車市場向けの売上が全般的に低調だったことに加え、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込みました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器市場向けを中心に売上が低迷しましたが、半導体レーザーにつきましては、コンピュータ&ストレージ市場向けや産業機器市場向けで売上を伸ばしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,870億5千2百万円(前期比7.4%減)、セグメント損失は458億9千9百万円(前連結会計年度は129億6千4百万円のセグメント利益)となりました。
<モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、事務機向けの売上が減少しましたが、決済端末向けの売上の増加がこれを補填しました。オプティカル・モジュールにつきましては、スマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加したものの、それ以外の売上が全般的に減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は325億5千7百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益は26億9千1百万円(前期比34.2%増)となりました。
<その他>事業セグメント別では、抵抗器につきましては、産業機器市場向け・民生機器市場向けの高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が順調に推移しましたが、汎用品の抵抗器については自動車市場向けを中心に減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は250億2千3百万円(前期比2.6%減)、セグメント利益は25億2千4百万円(前期比17.1%増)となりました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額は期中平均販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 棚卸資産
当社グループでは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留若しくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
② 有形固定資産及び無形固定資産
当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付を有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、通算グループ又は納税主体ごとに十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報と共に将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う通算グループ又は各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。
経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また当社グループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDA(※)は前期比62.4%減の433億5千7百万円となり、当連結会計年度のROEは前連結会計年度の5.7%から△5.4%に低下しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ405億9百万円減少し、1兆4,407億6千5百万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が453億6千1百万円、有形固定資産が129億7千5百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が413億3千4百万円、投資有価証券が221億3千6百万円、棚卸資産が202億1千3百万円、受取手形及び売掛金が116億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ379億3千8百万円増加し、5,511億1千万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金が2,000億円、1年内償還予定の社債が401億3千6百万円、それぞれ減少した一方、社債が2,000億円、長期借入金が1,000億円、それぞれ増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ784億4千7百万円減少し、8,896億5千5百万円となりました。主な要因といたしましては、退職給付に係る調整累計額が12億4千8百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により株主資本が692億7千5百万円、その他有価証券評価差額金が112億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の65.3%から61.7%に低下しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(828億5千8百万円のプラス)に比べ10億9千8百万円収入が増加し、839億5千6百万円のプラスとなりました。主な収入の増加要因としては、棚卸資産が増加から減少に転じたこと、減損損失の増加、法人税等の支払額の減少、減価償却費の増加によるものであります。一方、主な収入の減少要因としては、税金等調整前当期純利益が税金等調整前当期純損失に転じたことによるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(4,319億5千2百万円のマイナス)に比べ3,162億7千3百万円支出が減少し、1,156億7千8百万円のマイナスとなりました。主な支出の減少要因としては、有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(2,650億6千3百万円のプラス)に比べ2,260億1千1百万円支出が増加し、390億5千2百万円のプラスとなりました。主な支出の増加要因としては、短期借入金の増加が減少に転じたこと、主な支出の減少要因としては、社債の発行による収入の増加、長期借入れによる収入の増加によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、上記の要因に換算差額による減少が4億6千8百万円加わり、前連結会計年度末に比べ68億6千2百万円増加し、当連結会計年度末には2,349億6千6百万円となりました。
※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)
税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバル企業などの収益力を比較する際によく利用される指標。当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。
(参考)当社グループが重視している主な経営指標の推移
※1.各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。
・営業利益率:営業利益/売上高
・EBITDA:営業利益+減価償却費
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産
・総資産回転率:売上高/総資産
・固定資産回転率:売上高/固定資産
・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益
・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産
・棚卸資産回転月数:棚卸資産/(第4四半期売上高/3)
※2.第67期の株価収益率(PER)につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常に目指しております。
資金の流動性確保のため、当社及び一部の連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上をはかっております。
主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。
当連結会計年度の設備投資額は、前期比28.8%減の1,330億1千7百万円、研究開発費は前期比28.9%増の572億4千5百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。
※第67期の配当性向につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界情勢は、中国における不動産市場の停滞や中東情勢の不安定化を背景としたリスクが継続したことに加え、通商政策など米国の政策動向による影響等が景気を下押しするリスクとなり、全体として弱含みの展開となりました。
エレクトロニクス業界におきましては、自動車市場では電装化、電動化の向上、自動運転技術の進展に伴って自動車1台当たりの電子部品搭載点数が増加する方向に変化はないものの、足元の生産台数の伸び悩みを受け調整局面を迎えました。産業機器市場では前年からの在庫調整が長期化しており、回復の兆候は見られませんでした。民生機器市場では白物家電を中心に堅調に推移しました。通信機器市場ではスマートフォン向けを中心に、またコンピュータ&ストレージ市場ではパソコンや周辺機器向けを中心に持ち直しの動きが見られました。
このような経営環境の中、当社グループでは、昨年11月に公表した構造改革を順次進めており、当連結会計年度においては、材料事業(Siウエハ事業)の撤退に加え、希望退職による人員削減を実施いたしました。また、SiCをはじめとするパワーデバイスにおいては、昨今のEV市場の停滞を受けて必要最小限に設備投資を抑制いたしました。
生産面においては年間を通して生産調整を行うことで製品・仕掛品在庫の圧縮を強く推し進め、原材料在庫についても適正化に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。
経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
業績のセグメント別概況
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,038億3千3百万円(前期比1.6%減)、セグメント損失は7億6千7百万円(前連結会計年度は212億6千9百万円のセグメント利益)となりました。
<半導体素子>事業セグメント別では、パワーデバイスにつきましては、自動車市場向けの売上はSiCデバイスでの増加は見られるものの足元ではEVを中心に需要は低迷しており、成長は想定を下回りました。産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少しました。汎用デバイスにつきましては、自動車市場向けの売上が全般的に低調だったことに加え、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込みました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器市場向けを中心に売上が低迷しましたが、半導体レーザーにつきましては、コンピュータ&ストレージ市場向けや産業機器市場向けで売上を伸ばしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,870億5千2百万円(前期比7.4%減)、セグメント損失は458億9千9百万円(前連結会計年度は129億6千4百万円のセグメント利益)となりました。
<モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、事務機向けの売上が減少しましたが、決済端末向けの売上の増加がこれを補填しました。オプティカル・モジュールにつきましては、スマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加したものの、それ以外の売上が全般的に減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は325億5千7百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益は26億9千1百万円(前期比34.2%増)となりました。
<その他>事業セグメント別では、抵抗器につきましては、産業機器市場向け・民生機器市場向けの高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が順調に推移しましたが、汎用品の抵抗器については自動車市場向けを中心に減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は250億2千3百万円(前期比2.6%減)、セグメント利益は25億2千4百万円(前期比17.1%増)となりました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| LSI(百万円) | 199,313 | △6.0 |
| 半導体素子(百万円) | 180,756 | △7.7 |
| モジュール(百万円) | 31,499 | △3.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 411,569 | △6.6 |
| その他(百万円) | 23,908 | △1.6 |
| 合計(百万円) | 435,478 | △6.3 |
(注)上記の金額は期中平均販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| LSI | 199,584 | 12.0 | 71,474 | △5.6 |
| 半導体素子 | 172,763 | △6.4 | 76,952 | △15.7 |
| モジュール | 31,288 | 6.7 | 12,588 | △9.2 |
| 報告セグメント計 | 403,636 | 2.9 | 161,015 | △11.0 |
| その他 | 25,577 | 6.5 | 7,211 | 8.3 |
| 合計 | 429,213 | 3.1 | 168,227 | △10.3 |
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| LSI(百万円) | 203,833 | △1.6 |
| 半導体素子(百万円) | 187,052 | △7.4 |
| モジュール(百万円) | 32,557 | △1.1 |
| 報告セグメント計(百万円) | 423,443 | △4.2 |
| その他(百万円) | 25,023 | △2.6 |
| 合計(百万円) | 448,466 | △4.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 棚卸資産
当社グループでは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留若しくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
② 有形固定資産及び無形固定資産
当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付を有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、通算グループ又は納税主体ごとに十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報と共に将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う通算グループ又は各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。
経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また当社グループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDA(※)は前期比62.4%減の433億5千7百万円となり、当連結会計年度のROEは前連結会計年度の5.7%から△5.4%に低下しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ405億9百万円減少し、1兆4,407億6千5百万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が453億6千1百万円、有形固定資産が129億7千5百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が413億3千4百万円、投資有価証券が221億3千6百万円、棚卸資産が202億1千3百万円、受取手形及び売掛金が116億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ379億3千8百万円増加し、5,511億1千万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金が2,000億円、1年内償還予定の社債が401億3千6百万円、それぞれ減少した一方、社債が2,000億円、長期借入金が1,000億円、それぞれ増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ784億4千7百万円減少し、8,896億5千5百万円となりました。主な要因といたしましては、退職給付に係る調整累計額が12億4千8百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により株主資本が692億7千5百万円、その他有価証券評価差額金が112億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の65.3%から61.7%に低下しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(828億5千8百万円のプラス)に比べ10億9千8百万円収入が増加し、839億5千6百万円のプラスとなりました。主な収入の増加要因としては、棚卸資産が増加から減少に転じたこと、減損損失の増加、法人税等の支払額の減少、減価償却費の増加によるものであります。一方、主な収入の減少要因としては、税金等調整前当期純利益が税金等調整前当期純損失に転じたことによるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(4,319億5千2百万円のマイナス)に比べ3,162億7千3百万円支出が減少し、1,156億7千8百万円のマイナスとなりました。主な支出の減少要因としては、有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(2,650億6千3百万円のプラス)に比べ2,260億1千1百万円支出が増加し、390億5千2百万円のプラスとなりました。主な支出の増加要因としては、短期借入金の増加が減少に転じたこと、主な支出の減少要因としては、社債の発行による収入の増加、長期借入れによる収入の増加によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、上記の要因に換算差額による減少が4億6千8百万円加わり、前連結会計年度末に比べ68億6千2百万円増加し、当連結会計年度末には2,349億6千6百万円となりました。
※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)
税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバル企業などの収益力を比較する際によく利用される指標。当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。
(参考)当社グループが重視している主な経営指標の推移
| 回次 | 第63期 | 第64期 | 第65期 | 第66期 | 第67期 | |
| 決算年月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | |
| 営業利益率 | (%) | 10.7 | 15.8 | 18.2 | 9.3 | △8.9 |
| EBITDA | (百万円) | 78,656 | 113,507 | 148,456 | 115,396 | 43,357 |
| 自己資本利益率(ROE) | (%) | 5.0 | 8.3 | 9.2 | 5.7 | △5.4 |
| 総資産利益率(ROA) | (%) | 4.2 | 6.8 | 7.5 | 4.1 | △3.4 |
| 総資産回転率 | (回) | 0.41 | 0.46 | 0.47 | 0.36 | 0.31 |
| 固定資産回転率 | (回) | 1.03 | 1.16 | 1.16 | 0.69 | 0.51 |
| 株価収益率(PER) | (倍) | 28.7 | 14.1 | 13.4 | 17.5 | - |
| 株価純資産倍率(PBR) | (倍) | 1.38 | 1.12 | 1.18 | 0.97 | 0.62 |
| 棚卸資産回転月数 | (月) | 3.75 | 3.73 | 4.46 | 5.58 | 6.17 |
※1.各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。
・営業利益率:営業利益/売上高
・EBITDA:営業利益+減価償却費
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産
・総資産回転率:売上高/総資産
・固定資産回転率:売上高/固定資産
・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益
・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産
・棚卸資産回転月数:棚卸資産/(第4四半期売上高/3)
※2.第67期の株価収益率(PER)につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常に目指しております。
資金の流動性確保のため、当社及び一部の連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上をはかっております。
主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。
当連結会計年度の設備投資額は、前期比28.8%減の1,330億1千7百万円、研究開発費は前期比28.9%増の572億4千5百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。
| 回次 | 第63期 | 第64期 | 第65期 | 第66期 | 第67期 | |
| 決算年月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | |
| 減価償却費 | (百万円) | 40,167 | 42,027 | 56,140 | 72,069 | 83,418 |
| 研究開発費 | (百万円) | 31,537 | 36,126 | 42,560 | 44,423 | 57,245 |
| 設備投資額 | (百万円) | 44,114 | 79,985 | 126,116 | 186,755 | 133,017 |
| 年間配当金総額 | (百万円) | 14,720 | 18,156 | 19,629 | 19,298 | 19,299 |
| 配当性向 | (%) | 39.9 | 27.2 | 24.4 | 36.0 | - |
※第67期の配当性向につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。