有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 15:58
【資料】
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【項目】
148項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界経済は、前半は日米などの主要国を中心に堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などの影響を受け、落ち込みが見られました。地域別では、米国や日本では個人消費や企業の設備投資が高水準を維持し、年間を通して堅調に推移しましたが、中国においては、特に後半は自動車販売台数が大幅に悪化するなど個人消費が低迷し、設備投資も抑制傾向となりました。また欧州においては、前半は概ね堅調でしたが、後半は英国のEU離脱問題などの政治的背景や中国における景気停滞の影響を受け減速傾向となりました。
エレクトロニクス業界におきまして、自動車関連市場では、中国での新車販売台数が減速しましたが、「安全」、「環境」などに対するニーズの高まりからエレクトロニクス製品の実装率の向上が続き、世界全体では年間を通して堅調に推移しました。産業機器関連市場につきましては、前半は工場の自動化や省エネルギー化の進展などによりFA(※1)機器関連市場が堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦問題の影響を受け減速しました。民生機器関連市場では、前半は省エネルギー型エアコンなどの白物家電を中心に堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦の影響などによる在庫調整局面となりました。また、スマートフォン関連市場は、普及率が高まってきたことなどから市場が成熟し需要が減速しました。
このような経営環境の中、ロームグループにおきましては、従来に引き続き、中長期的に成長が期待される自動車関連市場や産業機器関連市場などへの製品ラインアップ強化や、海外市場への販売強化を進めました。また、「アナログ」や「パワー」など、ロームグループが強みを持つ技術領域を中心とした、新製品・新技術の開発に取り組み、RPS活動を継続して推進し、「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けた先進の品質管理体制の構築やスマートファクトリー(※2)化の推進などの「生産革新」を進めました。さらに、SiCデバイス関連など今後の成長が見込める分野を中心に生産能力増強に向けた設備投資を積極的に進めました。また、取引先企業との関係強化など、調達活動の強化にも取り組みました。
このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は3,989億8千9百万円(前期比0.5%増)となり、営業利益は559億9百万円(前期比1.9%減)となりました。
経常利益につきましては、646億8千9百万円(前期比19.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は454億4千1百万円(前期比22.0%増)となりました。
※1.FA(Factory Automation)
工場における様々な工程を自動化するシステムのこと。
※2.スマートファクトリー
生産設備などをネットワークで相互に接続し、より高度な品質改善や、生産効率の改善を進めた製造工場のこと。
業績のセグメント別概況
当連結会計年度の売上高は1,833億1千3百万円(前期比0.1%減)、セグメント利益は159億9千万円(前期比20.8%減)となりました。
自動車関連市場につきましては、カーオーディオ向けの電源ICなどで売上が減少しましたが、xEV(※3)向けの絶縁ゲートドライバIC(※4)が売上を伸ばしたほか、インストルメント・パネル向けのドライバICや、カーボディ向けの各種電源ICなどが幅広く採用されたことにより売上は堅調に推移しました。産業機器関連市場につきましては、エネルギー関連市場やFA関連市場向けの電源ICなどで売上が減少しました。民生機器関連市場につきましては、アミューズメントやPC向けが好調であった一方、TV向けのLCDドライバICや電源IC、カメラ向けのドライバICなどの売上が減少しました。
※3.xEV
電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。
※4.絶縁ゲートドライバIC
SiCやIGBTなどのパワー半導体を駆動させるためのICで、絶縁素子を内蔵することにより人体・システム保護に必須の絶縁用外付け部品を不要にした。
<半導体素子>当連結会計年度の売上高は1,528億6千1百万円(前期比2.0%増)、セグメント利益は300億5千4百万円(前期比6.6%減)となりました。
トランジスタとダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けは調整が続きましたが、自動車関連市場向けが好調に推移し、全体として堅調に推移しました。パワーデバイスにつきましては、SiCデバイスやIGBTなどが自動車関連市場向けなどで堅調に推移しました。一方、発光ダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けを中心に売上が減少しました。半導体レーザーにつきましても、光ディスク市場の不調により売上が減少しました。
<モジュール>当連結会計年度の売上高は401億5千8百万円(前期比4.0%減)、セグメント利益は59億1千8百万円(前期比56.0%増)となりました。
プリントヘッドにつきましては、決済端末向けなどで売上が好調に推移しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォンやウェアラブル向けのセンサモジュールの売上が減少しました。
<その他>当連結会計年度の売上高は226億5千5百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益は40億9千3百万円(前期比37.9%増)となりました。
抵抗器につきましては、スマートフォン向けの売上が減少した一方、自動車関連市場向けなどで幅広く売上を伸ばしました。タンタルコンデンサにつきましては、スマートフォン市場低迷の影響を受け売上が減少しました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
LSI(百万円)183,526△1.1
半導体素子(百万円)157,3482.0
モジュール(百万円)39,897△5.2
報告セグメント計(百万円)380,772△0.3
その他(百万円)22,7061.4
合計(百万円)403,478△0.2

(注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
LSI179,341△4.832,659△10.8
半導体素子145,174△11.232,599△19.1
モジュール37,885△16.58,606△20.9
報告セグメント計362,401△8.773,865△15.9
その他22,7152.14,6801.3
合計385,117△8.278,546△15.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
LSI(百万円)183,313△0.1
半導体素子(百万円)152,8612.0
モジュール(百万円)40,158△4.0
報告セグメント計(百万円)376,3330.3
その他(百万円)22,6553.3
合計(百万円)398,9890.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は民生機器関連市場やスマートフォン関連市場の売上が減少したものの、自動車関連市場及び産業機器関連市場の売上拡大などにより前期比0.5%増の3,989億8千9百万円となりました。
営業利益は主に減価償却費等の固定費の増加により前期比1.9%減の559億9百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の14.4%から14.0%に低下しました。
経常利益につきましては、前連結会計年度の為替差損の発生とは異なり為替差益が発生したことや受取利息の増加により前期比19.3%増の646億8千9百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、主に経常利益が増加したことにより前期比22.0%増の454億4千1百万円となりました。
またロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比0.9%増の1,013億2千5百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の5.0%から6.0%に上昇しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ103億5千5百万円増加し、8,744億2千7百万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が197億3千万円、投資有価証券が69億3千2百万円、それぞれ減少した一方、たな卸資産が226億7千8百万円、有形固定資産が114億1千8百万円、現金及び預金が36億5千4百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ45億2千1百万円減少し、1,076億7千3百万円となりました。主な要因といたしましては、流動負債のその他が24億5千3百万円(うち、未払費用が27億3千1百万円)増加した一方、未払法人税等が22億8千6百万円、支払手形及び買掛金が19億1千5百万円、繰延税金負債が17億7千1百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ148億7千7百万円増加し、7,667億5千4百万円となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が50億8千1百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が148億1千3百万円、為替換算調整勘定が51億7千9百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の87.0%から87.6%に上昇しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(747億2千7百万円のプラス)に比べ87億3千7百万円収入が減少し、659億9千万円のプラスとなりました。これは主に、マイナス要因として法人税等の支払額の増加、たな卸資産の増加、プラス要因として税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(545億1千7百万円のマイナス)に比べ5億2千万円支出が減少し、539億9千7百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の増加、マイナス要因として定期預金の増加によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(211億8千6百万円のマイナス)に比べ94億6千1百万円支出が増加し、306億4千7百万円のマイナスとなりました。これは主に、マイナス要因として自己株式の取得による支出の増加によるものであります。
上記の要因に、換算差額による増加が27億4千6百万円加わり、当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ159億8百万円減少し、2,280億6千5百万円となりました。
また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は590億円、また減価償却費は476億円を予定しております。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。
運転資金及び設備資金につきましては、主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。

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