四半期報告書-第17期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/15 14:09
【資料】
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【項目】
45項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
遊技機業界におきましては、旧規則機の撤去期限延長の影響を受け、引き続きホールの購買意欲の回復には時間を要するものと想定されます。パチンコ遊技機におきましては、新規則機の人気タイトルが登場するなど、需要回復への期待が高まっております。
エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野(前期までのデジタルゲーム分野及びパッケージゲーム分野)におきまして、家庭用ゲーム機における次世代機の発売やデジタル化の進展により、PCや家庭用ゲーム機でのダウンロード販売が進むとともに、ゲーム需要の高まりが見られました。今後も新たなビジネスモデルやサービスによる収益機会の多様化や、さらには5Gやクラウドといったテクノロジーやインフラの発展に伴い、グローバルでのゲーム市場の活性化や拡大が期待されます。アミューズメント施設・機器市場につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う施設稼働の低下は回復傾向にはあるものの、購買意欲の回復には時間を要するものと想定されます。
リゾート業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、旅行者数が大幅に減少しております。政府が7月より開始した『Go To トラベル事業』のキャンペーン期間中においては国内観光需要の回復が見られましたが、12月に発表された『Go To トラベル事業』の一時停止等に伴い今後の旅行需要の低下が想定されます。なお、『特定複合観光施設区域整備法』にかかる施行令等が2019年4月より順次施行されており、2020年1月にカジノ管理委員会が発足されたほか、2020年10月に政府による基本方針案が公表され、IR区域整備計画の認定申請期間の見直しが行われました。また、2021年1月には一部の地方自治体においてIR事業者の公募であるRFP(Request for Proposal)が開始されました。
このような経営環境のもと、当第3四半期連結累計期間における売上高は210,177百万円(前年同期比25.2%減)、営業利益は13,527百万円(前年同期比51.8%減)、経常利益は12,574百万円(前年同期比51.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6,239百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益22,989百万円)となりました。なお、当社が取り組んでいる構造改革に伴い、投資有価証券の売却益8,491百万円を特別利益に、アミューズメント施設分野における子会社の株式譲渡損及び希望退職者募集に伴う特別退職加算金等の構造改革費用29,043百万円を特別損失に計上しております。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
また、当グループの報告セグメントとして従来「エンタテインメントコンテンツ事業」に含まれていたセガサミークリエイション株式会社の営む事業について、第1四半期連結会計期間より「遊技機事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益へ変更しております。当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。セグメント情報に関する詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
《遊技機事業》
パチスロ遊技機におきましては、『パチスロ七つの大罪』等の販売を行い、12,487台の販売(前年同期は105,860台)となりました。パチンコ遊技機におきましては、『P真・北斗無双 第3章』等の販売を行い、59,359台の販売(前年同期は75,094台)となりました。
以上の結果、売上高は37,372百万円(前年同期比56.7%減)、経常損失は8,771百万円(前年同期は経常利益19,480百万円)となりました。
《エンタテインメントコンテンツ事業》
コンシューマ分野におきましては、ゲーム本編(※)については『Football Manager 2021』、『龍が如く7 光と闇の行方』(欧米版)などの新作タイトルを発売したほか、リピート販売が好調に推移し、販売本数は3,420万本(前年同期は1,933万本の販売)となりました。また、F2P(※)については、9月に配信を開始した『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』や『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルに加え、既存タイトルも好調に推移いたしました。
※コンシューマ分野を以下3つのビジネスモデルに区分しております。
ゲーム本編主に家庭用ゲーム機やPC向けのゲーム本編のディスク販売及びダウンロード販売等(追加ダウンロードコンテンツ販売は含まない)。
F2P主にスマートフォンやPC向けの基本プレイ料金無料、アイテム課金制のゲームコンテンツの販売等。
その他追加ダウンロードコンテンツ販売、他社タイトルの受託販売、開発受託、タイトル譲渡、プラットフォーマー向けの一括タイトル提供、ゲームソフト以外の製品の販売、他。

アミューズメント機器分野におきましては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品の販売に加えて、『StarHorse4』のコンテンツ更新料等を計上しました。
アミューズメント施設分野におきましては、6月中旬以降は全店舗で営業を再開し、郊外やショッピングセンターの店舗を中心に施設稼働の回復が進み、国内既存店舖の売上高は前年同期比で61.4%となりました。
映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となりましたが、映像制作や配分収入に伴う収入を計上したほか、玩具において定番製品を中心に販売し、堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は167,603百万円(前年同期比10.0%減)、経常利益は33,196百万円(前年同期比106.8%増)となりました。
《リゾート事業》
リゾート事業におきましては、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、集客数の大幅な落ち込みが見られたことから、利用者数は前年同期比65.3%となりました。一方で、『Go To トラベル事業』の影響等により個人需要を中心に大幅な回復が見られました。また、日本国内におけるIR参入に向けた費用が発生いたしました。
海外におきましては、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、新型コロナウイルス感染症の影響等により、1月~9月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前年同期比で38.7%、カジノ来場者数が前年同期比47.9%となる等、大幅な落ち込みが見られました。
※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上
以上の結果、売上高は4,886百万円(前年同期比41.1%減)、経常損失は6,647百万円(前年同期は経常損失3,346百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産及び負債)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,561百万円減少し、452,707百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ36,550百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が減少した一方で、売上債権やたな卸資産が増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ42,111百万円減少いたしました。これは、当社が取り組んでいる構造改革に伴い、投資有価証券を売却したこと、及びアミューズメント施設を運営する当社連結子会社の固定資産の帳簿価額を株式譲渡による回収可能価額まで減額したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ13,074百万円増加し、174,485百万円となりました。これは、社債を償還した一方で、借入金が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ18,636百万円減少し、278,221百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したほか、配当金の支払による株主資本の減少があったこと等によるものであります。
(財務比率)
当第3四半期連結会計期間末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ18.0ポイント低下し、294.2%となりましたが、引き続き高水準を維持しております。
また、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.9ポイント低下し、61.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,623百万円減少し、153,994百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却費を11,718百万円計上した一方で、税金等調整前四半期純損失を8,874百万円計上したほか、売上債権が13,546百万円増加したこと、及びたな卸資産が11,068百万円増加したこと等により、当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは15,611百万円の支出(前年同期は15,677百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得により5,914百万円、無形固定資産の取得により5,812百万円をそれぞれ支出した一方で、投資有価証券の売却により17,748百万円の収入を計上したこと等により、当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは2,804百万円の収入(前年同期は12,591百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済により4,181百万円、社債の償還により10,000百万円、配当金の支払により7,047百万円をそれぞれ支出した一方で、短期借入金が30,000百万円増加したこと等により、当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは7,949百万円の収入(前年同期は21,544百万円の支出)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症による各事業のリスクを精査し、キャッシュ・フローに与える影響を考慮した結果、コミットメントラインと当座貸越枠をあわせて68,000百万円増額し、当該当座貸越枠より30,000百万円の借入を実行いたしました。その結果、当第3四半期連結会計期間末においては、前連結会計年度平均月商の約5ヵ月分となる151,417百万円の現金及び預金に加え、当社単体におけるコミットメントライン及び当座貸越枠の未使用借入枠183,000百万円をあわせた334,417百万円の流動性を確保しております。
今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症により想定されるキャッシュ・フローへの影響等を保守的に見積り、適宜対応を検討してまいります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は34,629百万円であります。
(6) 従業員数
①連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当グループの従業員数は前連結会計年度末に比べ718名減少し、8,080名となっております。主な理由は、エンタテインメントコンテンツ事業における株式会社セガ エンタテインメント(現 株式会社GENDA SEGA Entertainment)の株式譲渡に伴う連結の範囲からの除外によるものであります。
②提出会社の状況
従業員数に著しい変動はありません。