有価証券報告書-第17期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野(前期までのデジタルゲーム分野及びパッケージゲーム分野)におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛による巣ごもり消費の影響や、家庭用ゲーム機における次世代機の発売及びデジタル化の進展により、PCや家庭用ゲーム機でのダウンロード販売が進むとともに、ゲーム需要の高まりが見られました。今後も新たなビジネスモデルやサービスによる収益機会の多様化や、さらには5Gやクラウドといったテクノロジーやインフラの発展に伴い、グローバルでのゲーム市場の活性化や拡大が期待されます。アミューズメント施設・機器市場につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う施設稼働の低下が見られましたが、プライズカテゴリーを中心として徐々に回復傾向にあります。
遊技機業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う政府による緊急事態宣言の発出や、各地方自治体による休業要請を受け、第1四半期においては全国のパチンコホールが休業対応を実施いたしました。その影響を受けて旧規則機の撤去期限が延長となったこともあり、特に上半期においてホールの購買意欲の著しい低下が見られました。このような状況下ではあったものの、パチンコ遊技機については新規則機の人気タイトルが複数登場しております。また、パチスロ遊技機についても、新基準機である6.1号機の投入が開始されております。
リゾート業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、旅行者数が大幅に減少いたしました。政府が2020年7月より開始した『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては国内観光需要の回復が見られましたが、2020年12月に発表された『Go Toトラベル事業』の一時停止の影響や、2021年1月に再度発出された緊急事態宣言に伴い経済活動が制限される等、旅行需要は再び低調に推移しております。なお、『特定複合観光施設区域整備法』にかかる施行令等が2019年4月より順次施行されており、2020年1月にカジノ管理委員会が発足されたほか、2020年10月に政府による基本方針案が公表され、IR区域整備計画の認定申請期間の見直しが行われました。また、2021年1月には一部の地方自治体においてIR事業者の公募であるRFP(Request for Proposal)が開始されました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は277,748百万円(前期比24.2%減)、営業利益は6,553百万円(前期比76.3%減)、経常利益は1,715百万円(前期比93.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,274百万円(前期比90.7%減)となりました。なお、当連結会計年度において実施した構造改革の取り組みに伴い、固定資産の売却益15,258百万円、投資有価証券の売却益11,266百万円を特別利益に、アミューズメント施設分野及びアミューズメント機器分野における子会社の譲渡や、希望退職者募集に伴う特別退職加算金等による構造改革費用34,191百万円を特別損失に計上しております。また、今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上し、これに伴い法人税等調整額△12,200百万円を計上いたしました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
また、当グループの報告セグメントとして従来「エンタテインメントコンテンツ事業」に含まれていたセガサミークリエイション株式会社の営む事業について、当連結会計年度より「遊技機事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益へ変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。加えて、報告セグメントの記載順を見直しました。セグメント情報に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
《エンタテインメントコンテンツ事業》
コンシューマ分野におきましては、フルゲーム(※)については『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(欧米版)』、『龍が如く7 光と闇の行方(欧米版)』、『Football Manager 2021』などの新作タイトルを発売したほか、リピート販売が好調に推移し、販売本数は4,177万本(前期は2,857万本の販売)となりました。また、F2P(※)については、『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』や『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルに加え、既存タイトルも好調に推移いたしました。
※コンシューマ分野を以下3つのビジネスモデルに区分しております。
アミューズメント機器分野におきましては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品を中心に販売いたしました。
アミューズメント施設分野におきましては、構造改革の実施により、アミューズメント施設運営子会社の株式譲渡を2020年12月に実施したことに伴い、第3四半期連結会計期間末に同社を連結の範囲から除外しております。
映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となりましたが、「名探偵コナン」のTVアニメシリーズの特別総集編となる映画『名探偵コナン 緋色の不在証明』の公開や、映像制作に伴う収入及び配分収入を計上したほか、玩具において『マウスできせかえ! すみっコぐらしパソコンプラス』等の新製品や定番製品を販売し、堅調に推移いたしました。
なお、第3四半期連結会計期間において営業外収益に計上していた投資有価証券評価益は、第4四半期連結会計期間の株式売却に伴い投資有価証券売却益として特別利益に計上しております。以上の結果、売上高は217,810百万円(前期比12.0%減)、経常利益は27,917百万円(前期比71.6%増)となりました。
《遊技機事業》
パチスロ遊技機におきましては、『パチスロ北斗の拳 宿命』等の販売を行い、35千台の販売(前期は123千台の販売)となりました。パチンコ遊技機におきましては、『P真・北斗無双 第3章』等の販売を行い、69千台の販売(前期は104千台の販売)となりました。
以上の結果、売上高は53,198百万円(前期比51.0%減)、経常損失は11,332百万円(前期は経常利益22,781百万円)となりました。
《リゾート事業》
リゾート事業におきましては、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、集客数の大幅な落ち込みが見られたことから施設利用者数は前期比65.7%となりました。一方で、『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては個人客の需要が高まり、2020年10月、11月の施設利用者数は前年同月比で110%以上となる等の回復が見られました。また、日本国内におけるIR参入に向けた費用が発生いたしました。
海外におきましては、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、新型コロナウイルス感染症の影響等により、2020年1月~12月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前期比で33.8%、カジノ来場者数が前期比45.5%となる等、大幅な落ち込みが見られました。
※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上
以上の結果、売上高は6,320百万円(前期比39.7%減)、経常損失は8,979百万円(前期は経常損失5,354百万円)となりました。
②財政状態の状況
(資産及び負債)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ36,668百万円減少し、421,599百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,319百万円増加いたしました。これは、現金及び預金、売上債権及び有価証券が減少した一方で、たな卸資産及び未収還付法人税等が増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ43,987百万円減少いたしました。これは、繰延税金資産が増加した一方で、構造改革に伴って、投資有価証券を売却したこと、及びアミューズメント施設を運営する当社連結子会社の固定資産の帳簿価額を株式譲渡による回収可能価額まで減額したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ31,067百万円減少し、130,343百万円となりました。これは、有利子負債や未払法人税等が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ5,601百万円減少し、291,256百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、為替換算調整勘定が増加した一方で、配当金の支払により株主資本が減少したほか、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものであります。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ150.0ポイント上昇の462.2%となり、引き続き高水準を維持しております。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.8ポイント上昇し、69.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,077百万円減少し、154,540百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却費を14,826百万円計上し、法人税等の還付が1,464百万円あった一方で、税金等調整前当期純損失を9,844百万円計上したこと、法人税等を7,558百万円支出したこと、及び構造改革に伴う特別退職金を7,260百万円支出したこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは6,384百万円の支出(前連結会計年度は38,537百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得により7,350百万円、無形固定資産の取得により6,849百万円をそれぞれ支出した一方、構造改革の一環として非事業資産を対象にバランスシートの見直しを進める中で、投資有価証券の売却により21,203百万円、有形固定資産の売却により18,125百万円の収入を計上したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは30,473百万円の収入(前連結会計年度は15,464百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済により13,331百万円、社債の償還により10,000百万円、配当金の支払により7,063百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは31,492百万円の支出(前連結会計年度は10,956百万円の支出)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a )生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b )受注状況
当グループではエンタテインメントコンテンツ事業におけるアミューズメント機器については、生産に要する期間が比較的長期に亘るため、見込み生産を行っております。また、遊技機事業については、生産に要する時間が短時間であるため、基本的に受注動向を見ながら生産を行っておりますが、製品のライフサイクルが短いため販売期間が非常に短く、発売の初期段階に出荷が集中することから、販売政策上、初期受注に対しては見込み生産を行っており、かつ、その数量は通常販売数量の大半を占めております。なお、エンタテインメントコンテンツ事業におけるゲームソフトにおいて受注生産はあるものの、金額的重要性が低く、また受注状況の記載は営業の状況に関する実態を表さないため、省略しております。
c )販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①経営成績の分析
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により各事業の好調、不調が鮮明となりました。これは主に、エンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野において、巣ごもり需要の影響による増益があったことや、遊技機事業において、パチンコホールの営業自粛や旧規則機の撤去期限延長に伴う新規則機に対する需要の大幅な落ち込み、また、リゾート事業においては旅行需要の低下や渡航制限による施設利用客の大幅な減少があったことによるものであります。これらの状況を鑑み、外部環境に適応した構造へと変革すべく構造改革委員会を設置し、①非事業資産を対象としたバランスシートの見直し、②市場環境の変化に適応できる組織体制の構築、③グループ全体の固定費を中心としたコスト削減等に取り組みました。なお、当グループにおいて重要な経営指標と位置付けている経常利益は1,715百万円、ROEは0.4%となりました。
エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野において、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルが堅調に推移したことや、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(欧米版)』等のタイトルのリリースや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による巣ごもり需要があったため、既存タイトルのリピート販売が好調に推移したことにより、前期比で増収、大幅な増益となりました。アミューズメント機器分野においては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品を中心に販売いたしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるアミューズメント施設の営業停止などの影響を受け、前期比で減収、減益となりました。映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となったことなどにより、前期比で減収、減益となりました。なお、アミューズメント施設分野におきましては、構造改革の実施により、アミューズメント施設運営子会社の株式譲渡を2020年12月に実施したことに伴い、第3四半期連結会計期間末に同社を連結の範囲から除外しております。

遊技機事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるパチンコホールの営業自粛や、旧規則機の撤去期限延長の影響による購買意欲の著しい低下があったため、販売台数の減少や一部タイトルの販売時期の見直しなどがあり、前期比で減収、経常損失計上となりました。

リゾート事業におきましては、フェニックスリゾート株式会社において新型コロナウイルス感染症拡大の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、施設利用者数が大幅に減少いたしました。また、国内IR参入に向けた費用が発生したことなどにより、前期比で減収、損失幅拡大となりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a )キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b )財務戦略の基本スタンス
当グループは、中期事業戦略とその先の持続的企業価値拡大を支えるため、中期的な視座で財務戦略を計画し遂行しております。
具体的には、ボラティリティのある事業特性を踏まえ、強固な財務基盤を維持するために財務規律を注視し、安定的なキャッシュポジションの維持を目標としております。
資金効率を高めるため、グループの資金調達・運用の一元管理を行うとともに国内だけではなく海外でのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)も一部開始しております。
また、創出したキャッシュは、成長分野への投資や将来の国内IR参入を見据えた財務基盤の更なる強化、及び安定的な株主還元に振り向ける方針であります。
c )資金調達
当グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するために、グループ内資金の有効活用及び外部調達を行っております。
グループ内資金の有効活用については、CMSによりグループ内での資金融通を積極的に実施することで、資金効率化を図っております。
外部からの資金調達については、長期的な事業戦略の柱と位置付ける国内IR参入等を見据え、現金及び預金と金融機関からの借入枠の合計を手元流動性と定義し、想定される資金需要に対応した水準を確保することに努めております。
資金調達を検討するにあたり、その時々の市場環境を踏まえ当社にとって最適な調達を選択出来るように調達手段の多様化を図るとともに、安定した調達能力の確保に向けて㈱格付投資情報センターからA-(安定的)の格付を取得しており、今後も格付の維持・向上を目指した財務運営を行ってまいります。間接金融においては、当社はメインバンクをはじめとする取引金融機関と良好な関係を維持し、安定的な資金調達を行っており、各年度別の返済額の平準化や期日分散を考慮することによりリファイナンスリスクを低減しております。
なお、当社は社債発行登録枠50,000百万円(残額40,000百万円)、コマーシャルペーパー発行枠30,000百万円という直接金融の調達手段も有しており、より安定的な長期運転資金確保の目的から、前連結会計年度において期間10年の公募普通社債を発行しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、各事業のリスクに起因するキャッシュ・フロー見通しを精査しております。当連結会計年度末においては、前連結会計年度の月商の約5ヵ月分に相当する154,972百万円の現金及び預金に加え、当社単体におけるコミットメントライン及び当座貸越枠を合わせて68,000百万円増額し、213,000百万円の借入枠を有しております。当該当座貸越枠より30,000百万円の借入を実行いたしましたが、期末時点では完済しております。
今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症により想定されるキャッシュ・フローへの影響を保守的に見積もり、適宜対応を検討してまいります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計原則に基づき作成されております。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、連結貸借対照表及び貸借対照表上の資産、負債の計上額、並びに連結損益計算書及び損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。
当該見積りは、過去の経験やその時点の状況として適切と考えられる様々な仮定に基づいて行っておりますが、事業環境等に変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでありますが、当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積りに関する補足情報は以下のとおりであります。
①エンタテインメントコンテンツ事業のたな卸資産等、及び遊技機事業の原材料の評価について
エンタテインメントコンテンツ事業のゲームコンテンツ等の制作により計上された仕掛品及びソフトウェア等は、その販売見込数量やサービス見込期間を考慮し費用計上を実施しており、販売の状況によっては想定よりも早期の費用計上が発生することがあります。
また、遊技機事業では、製品を構成する原材料の調達に期間を要するもの(長納期部材)があることから部材の共通化を進めている一方で、販売の状況によっては一部の専用部材などで原材料の廃棄が発生することが想定されます。
そのため、これらのたな卸資産やソフトウェア等については、翌連結会計年度以降の販売の見通しをもとに当連結会計年度末の資産性評価を実施しておりますが、同業他社の新製品等の販売時期等のほか、ヒットビジネスであることによる販売の多寡等により、見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。
②リゾート事業における固定資産の減損損失の判定及び関連会社への投資の評価について
当グループは将来的な国内IR参入を見据え、リゾート事業を営んでおります。
当社の連結子会社であるフェニックスリゾート株式会社では、当該会社が運営する『フェニックス・シーガイア・リゾート』に関わる有形・無形固定資産が計上されており、また、当社では、韓国仁川においてIR施設『パラダイスシティ』を運営する、持分法適用関連会社PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.に対する投資額として投資有価証券(関係会社株式)が計上されております。
これらの会社が営む施設事業は、その事業の性質上変動費の割合が低いことにより収益の状況が業績に大きく影響する中、特に大雨・台風などの天候のほか、新型コロナウイルス感染症拡大を含めた世界情勢等により事業の不確実性が存在すると認識しております。
これら事業の固定資産の減損損失の判定や関連会社への投資の評価については、経営者の最善の見積りによる将来キャッシュ・フローを基に評価しておりますが、前述の事業の特性から見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野(前期までのデジタルゲーム分野及びパッケージゲーム分野)におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛による巣ごもり消費の影響や、家庭用ゲーム機における次世代機の発売及びデジタル化の進展により、PCや家庭用ゲーム機でのダウンロード販売が進むとともに、ゲーム需要の高まりが見られました。今後も新たなビジネスモデルやサービスによる収益機会の多様化や、さらには5Gやクラウドといったテクノロジーやインフラの発展に伴い、グローバルでのゲーム市場の活性化や拡大が期待されます。アミューズメント施設・機器市場につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う施設稼働の低下が見られましたが、プライズカテゴリーを中心として徐々に回復傾向にあります。
遊技機業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う政府による緊急事態宣言の発出や、各地方自治体による休業要請を受け、第1四半期においては全国のパチンコホールが休業対応を実施いたしました。その影響を受けて旧規則機の撤去期限が延長となったこともあり、特に上半期においてホールの購買意欲の著しい低下が見られました。このような状況下ではあったものの、パチンコ遊技機については新規則機の人気タイトルが複数登場しております。また、パチスロ遊技機についても、新基準機である6.1号機の投入が開始されております。
リゾート業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、旅行者数が大幅に減少いたしました。政府が2020年7月より開始した『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては国内観光需要の回復が見られましたが、2020年12月に発表された『Go Toトラベル事業』の一時停止の影響や、2021年1月に再度発出された緊急事態宣言に伴い経済活動が制限される等、旅行需要は再び低調に推移しております。なお、『特定複合観光施設区域整備法』にかかる施行令等が2019年4月より順次施行されており、2020年1月にカジノ管理委員会が発足されたほか、2020年10月に政府による基本方針案が公表され、IR区域整備計画の認定申請期間の見直しが行われました。また、2021年1月には一部の地方自治体においてIR事業者の公募であるRFP(Request for Proposal)が開始されました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は277,748百万円(前期比24.2%減)、営業利益は6,553百万円(前期比76.3%減)、経常利益は1,715百万円(前期比93.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,274百万円(前期比90.7%減)となりました。なお、当連結会計年度において実施した構造改革の取り組みに伴い、固定資産の売却益15,258百万円、投資有価証券の売却益11,266百万円を特別利益に、アミューズメント施設分野及びアミューズメント機器分野における子会社の譲渡や、希望退職者募集に伴う特別退職加算金等による構造改革費用34,191百万円を特別損失に計上しております。また、今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上し、これに伴い法人税等調整額△12,200百万円を計上いたしました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
また、当グループの報告セグメントとして従来「エンタテインメントコンテンツ事業」に含まれていたセガサミークリエイション株式会社の営む事業について、当連結会計年度より「遊技機事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益へ変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。加えて、報告セグメントの記載順を見直しました。セグメント情報に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
《エンタテインメントコンテンツ事業》
コンシューマ分野におきましては、フルゲーム(※)については『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(欧米版)』、『龍が如く7 光と闇の行方(欧米版)』、『Football Manager 2021』などの新作タイトルを発売したほか、リピート販売が好調に推移し、販売本数は4,177万本(前期は2,857万本の販売)となりました。また、F2P(※)については、『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』や『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルに加え、既存タイトルも好調に推移いたしました。
※コンシューマ分野を以下3つのビジネスモデルに区分しております。
| フルゲーム (ゲーム本編) | 主に家庭用ゲーム機やPC向けのゲーム本編のディスク販売及びダウンロード販売等(追加ダウンロードコンテンツ販売は含まない)。 | |
| F2P | 主にスマートフォンやPC向けの基本プレイ料金無料、アイテム課金制のゲームコンテンツの販売等。 | |
| その他 | 追加ダウンロードコンテンツ販売、他社タイトルの受託販売、開発受託、タイトル譲渡、プラットフォーマー向けの一括タイトル提供、ゲームソフト以外の製品の販売等。 |
アミューズメント機器分野におきましては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品を中心に販売いたしました。
アミューズメント施設分野におきましては、構造改革の実施により、アミューズメント施設運営子会社の株式譲渡を2020年12月に実施したことに伴い、第3四半期連結会計期間末に同社を連結の範囲から除外しております。
映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となりましたが、「名探偵コナン」のTVアニメシリーズの特別総集編となる映画『名探偵コナン 緋色の不在証明』の公開や、映像制作に伴う収入及び配分収入を計上したほか、玩具において『マウスできせかえ! すみっコぐらしパソコンプラス』等の新製品や定番製品を販売し、堅調に推移いたしました。
なお、第3四半期連結会計期間において営業外収益に計上していた投資有価証券評価益は、第4四半期連結会計期間の株式売却に伴い投資有価証券売却益として特別利益に計上しております。以上の結果、売上高は217,810百万円(前期比12.0%減)、経常利益は27,917百万円(前期比71.6%増)となりました。
《遊技機事業》
パチスロ遊技機におきましては、『パチスロ北斗の拳 宿命』等の販売を行い、35千台の販売(前期は123千台の販売)となりました。パチンコ遊技機におきましては、『P真・北斗無双 第3章』等の販売を行い、69千台の販売(前期は104千台の販売)となりました。
以上の結果、売上高は53,198百万円(前期比51.0%減)、経常損失は11,332百万円(前期は経常利益22,781百万円)となりました。
《リゾート事業》
リゾート事業におきましては、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、集客数の大幅な落ち込みが見られたことから施設利用者数は前期比65.7%となりました。一方で、『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては個人客の需要が高まり、2020年10月、11月の施設利用者数は前年同月比で110%以上となる等の回復が見られました。また、日本国内におけるIR参入に向けた費用が発生いたしました。
海外におきましては、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、新型コロナウイルス感染症の影響等により、2020年1月~12月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前期比で33.8%、カジノ来場者数が前期比45.5%となる等、大幅な落ち込みが見られました。
※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上
以上の結果、売上高は6,320百万円(前期比39.7%減)、経常損失は8,979百万円(前期は経常損失5,354百万円)となりました。
②財政状態の状況
(資産及び負債)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ36,668百万円減少し、421,599百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,319百万円増加いたしました。これは、現金及び預金、売上債権及び有価証券が減少した一方で、たな卸資産及び未収還付法人税等が増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ43,987百万円減少いたしました。これは、繰延税金資産が増加した一方で、構造改革に伴って、投資有価証券を売却したこと、及びアミューズメント施設を運営する当社連結子会社の固定資産の帳簿価額を株式譲渡による回収可能価額まで減額したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ31,067百万円減少し、130,343百万円となりました。これは、有利子負債や未払法人税等が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ5,601百万円減少し、291,256百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、為替換算調整勘定が増加した一方で、配当金の支払により株主資本が減少したほか、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものであります。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ150.0ポイント上昇の462.2%となり、引き続き高水準を維持しております。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.8ポイント上昇し、69.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,077百万円減少し、154,540百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却費を14,826百万円計上し、法人税等の還付が1,464百万円あった一方で、税金等調整前当期純損失を9,844百万円計上したこと、法人税等を7,558百万円支出したこと、及び構造改革に伴う特別退職金を7,260百万円支出したこと等により、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは6,384百万円の支出(前連結会計年度は38,537百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得により7,350百万円、無形固定資産の取得により6,849百万円をそれぞれ支出した一方、構造改革の一環として非事業資産を対象にバランスシートの見直しを進める中で、投資有価証券の売却により21,203百万円、有形固定資産の売却により18,125百万円の収入を計上したこと等により、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは30,473百万円の収入(前連結会計年度は15,464百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済により13,331百万円、社債の償還により10,000百万円、配当金の支払により7,063百万円をそれぞれ支出したこと等により、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは31,492百万円の支出(前連結会計年度は10,956百万円の支出)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a )生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| エンタテインメントコンテンツ事業 | 147,560 | △10.6 |
| 遊技機事業 | 42,530 | △52.3 |
| リゾート事業 | - | - |
| 合計 | 190,090 | △25.2 |
(注) 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b )受注状況
当グループではエンタテインメントコンテンツ事業におけるアミューズメント機器については、生産に要する期間が比較的長期に亘るため、見込み生産を行っております。また、遊技機事業については、生産に要する時間が短時間であるため、基本的に受注動向を見ながら生産を行っておりますが、製品のライフサイクルが短いため販売期間が非常に短く、発売の初期段階に出荷が集中することから、販売政策上、初期受注に対しては見込み生産を行っており、かつ、その数量は通常販売数量の大半を占めております。なお、エンタテインメントコンテンツ事業におけるゲームソフトにおいて受注生産はあるものの、金額的重要性が低く、また受注状況の記載は営業の状況に関する実態を表さないため、省略しております。
c )販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| エンタテインメントコンテンツ事業 | 217,810 | △12.0 |
| 遊技機事業 | 53,198 | △51.0 |
| リゾート事業 | 6,320 | △39.7 |
| 合計 | 277,330 | △24.3 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①経営成績の分析
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により各事業の好調、不調が鮮明となりました。これは主に、エンタテインメントコンテンツ事業におけるコンシューマ分野において、巣ごもり需要の影響による増益があったことや、遊技機事業において、パチンコホールの営業自粛や旧規則機の撤去期限延長に伴う新規則機に対する需要の大幅な落ち込み、また、リゾート事業においては旅行需要の低下や渡航制限による施設利用客の大幅な減少があったことによるものであります。これらの状況を鑑み、外部環境に適応した構造へと変革すべく構造改革委員会を設置し、①非事業資産を対象としたバランスシートの見直し、②市場環境の変化に適応できる組織体制の構築、③グループ全体の固定費を中心としたコスト削減等に取り組みました。なお、当グループにおいて重要な経営指標と位置付けている経常利益は1,715百万円、ROEは0.4%となりました。
| (単位:百万円) | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 実績 | 計画 | 実績 | |
| 売上高 | 366,594 | 277,000 | 277,748 |
| 営業利益 | 27,643 | △15,000 | 6,553 |
| 経常利益 | 25,296 | △20,000 | 1,715 |
| (経常利益率) | 6.9% | ‐ | 0.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,775 | △17,000 | 1,274 |
| ROE | 4.6% | ‐ | 0.4% |
エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野において、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルが堅調に推移したことや、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(欧米版)』等のタイトルのリリースや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による巣ごもり需要があったため、既存タイトルのリピート販売が好調に推移したことにより、前期比で増収、大幅な増益となりました。アミューズメント機器分野においては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品を中心に販売いたしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるアミューズメント施設の営業停止などの影響を受け、前期比で減収、減益となりました。映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となったことなどにより、前期比で減収、減益となりました。なお、アミューズメント施設分野におきましては、構造改革の実施により、アミューズメント施設運営子会社の株式譲渡を2020年12月に実施したことに伴い、第3四半期連結会計期間末に同社を連結の範囲から除外しております。

遊技機事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるパチンコホールの営業自粛や、旧規則機の撤去期限延長の影響による購買意欲の著しい低下があったため、販売台数の減少や一部タイトルの販売時期の見直しなどがあり、前期比で減収、経常損失計上となりました。

リゾート事業におきましては、フェニックスリゾート株式会社において新型コロナウイルス感染症拡大の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、施設利用者数が大幅に減少いたしました。また、国内IR参入に向けた費用が発生したことなどにより、前期比で減収、損失幅拡大となりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a )キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b )財務戦略の基本スタンス
当グループは、中期事業戦略とその先の持続的企業価値拡大を支えるため、中期的な視座で財務戦略を計画し遂行しております。
具体的には、ボラティリティのある事業特性を踏まえ、強固な財務基盤を維持するために財務規律を注視し、安定的なキャッシュポジションの維持を目標としております。
資金効率を高めるため、グループの資金調達・運用の一元管理を行うとともに国内だけではなく海外でのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)も一部開始しております。
また、創出したキャッシュは、成長分野への投資や将来の国内IR参入を見据えた財務基盤の更なる強化、及び安定的な株主還元に振り向ける方針であります。
c )資金調達
当グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するために、グループ内資金の有効活用及び外部調達を行っております。
グループ内資金の有効活用については、CMSによりグループ内での資金融通を積極的に実施することで、資金効率化を図っております。
外部からの資金調達については、長期的な事業戦略の柱と位置付ける国内IR参入等を見据え、現金及び預金と金融機関からの借入枠の合計を手元流動性と定義し、想定される資金需要に対応した水準を確保することに努めております。
資金調達を検討するにあたり、その時々の市場環境を踏まえ当社にとって最適な調達を選択出来るように調達手段の多様化を図るとともに、安定した調達能力の確保に向けて㈱格付投資情報センターからA-(安定的)の格付を取得しており、今後も格付の維持・向上を目指した財務運営を行ってまいります。間接金融においては、当社はメインバンクをはじめとする取引金融機関と良好な関係を維持し、安定的な資金調達を行っており、各年度別の返済額の平準化や期日分散を考慮することによりリファイナンスリスクを低減しております。
なお、当社は社債発行登録枠50,000百万円(残額40,000百万円)、コマーシャルペーパー発行枠30,000百万円という直接金融の調達手段も有しており、より安定的な長期運転資金確保の目的から、前連結会計年度において期間10年の公募普通社債を発行しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、各事業のリスクに起因するキャッシュ・フロー見通しを精査しております。当連結会計年度末においては、前連結会計年度の月商の約5ヵ月分に相当する154,972百万円の現金及び預金に加え、当社単体におけるコミットメントライン及び当座貸越枠を合わせて68,000百万円増額し、213,000百万円の借入枠を有しております。当該当座貸越枠より30,000百万円の借入を実行いたしましたが、期末時点では完済しております。
今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症により想定されるキャッシュ・フローへの影響を保守的に見積もり、適宜対応を検討してまいります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計原則に基づき作成されております。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、連結貸借対照表及び貸借対照表上の資産、負債の計上額、並びに連結損益計算書及び損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。
当該見積りは、過去の経験やその時点の状況として適切と考えられる様々な仮定に基づいて行っておりますが、事業環境等に変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりでありますが、当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積りに関する補足情報は以下のとおりであります。
①エンタテインメントコンテンツ事業のたな卸資産等、及び遊技機事業の原材料の評価について
エンタテインメントコンテンツ事業のゲームコンテンツ等の制作により計上された仕掛品及びソフトウェア等は、その販売見込数量やサービス見込期間を考慮し費用計上を実施しており、販売の状況によっては想定よりも早期の費用計上が発生することがあります。
また、遊技機事業では、製品を構成する原材料の調達に期間を要するもの(長納期部材)があることから部材の共通化を進めている一方で、販売の状況によっては一部の専用部材などで原材料の廃棄が発生することが想定されます。
そのため、これらのたな卸資産やソフトウェア等については、翌連結会計年度以降の販売の見通しをもとに当連結会計年度末の資産性評価を実施しておりますが、同業他社の新製品等の販売時期等のほか、ヒットビジネスであることによる販売の多寡等により、見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。
②リゾート事業における固定資産の減損損失の判定及び関連会社への投資の評価について
当グループは将来的な国内IR参入を見据え、リゾート事業を営んでおります。
当社の連結子会社であるフェニックスリゾート株式会社では、当該会社が運営する『フェニックス・シーガイア・リゾート』に関わる有形・無形固定資産が計上されており、また、当社では、韓国仁川においてIR施設『パラダイスシティ』を運営する、持分法適用関連会社PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.に対する投資額として投資有価証券(関係会社株式)が計上されております。
これらの会社が営む施設事業は、その事業の性質上変動費の割合が低いことにより収益の状況が業績に大きく影響する中、特に大雨・台風などの天候のほか、新型コロナウイルス感染症拡大を含めた世界情勢等により事業の不確実性が存在すると認識しております。
これら事業の固定資産の減損損失の判定や関連会社への投資の評価については、経営者の最善の見積りによる将来キャッシュ・フローを基に評価しておりますが、前述の事業の特性から見積りと実績が乖離する不確実性が存在するため、その精度が会計上の見積りに大きく影響します。