有価証券報告書-第37期(2025/06/01-2026/05/31)

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2026/08/26 15:31
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、地政学的リスクは高いままで不安定な国際情勢が長期化しており、中東情勢の緊迫化により原油価格の高騰や、ナフサの供給不足によってプラスチックや化学製品の原料となるエチレンの調達が困難になっております。関連商品の供給不足と価格高騰から連鎖的な物価上昇がおきており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く経営環境について、アニメーション産業は、一般社団法人日本動画協会による「アニメ産業レポート2025サマリー」2026年2月発表によれば、2024年のアニメ産業市場は前年比114.8%、4,942億円増の3兆8,407億円となり、今年も史上最高値を更新しました。アニメ産業は日本のコンテンツの海外展開の中核を担うものとして位置づけられる中、海外市場の大幅な拡大が牽引していることにより、アニメ産業の市場は4兆円に迫っております。今後は、日本市場で行ってきたメディアミックスを活かし、海外に展開する事で、更なる拡大が期待されております。
出版産業は、(公社)全国出版協会・出版科学研究所によると2025年(1~12月期累計)の紙と電子を合わせたコミック市場は、前年比1.7%減の6,925億円と、7年連続のプラスの前年から一転、マイナスとなりました。内訳は紙のコミックス(単行本)とコミック誌を合わせた推定販売金額が同14.0%減の1,652億円、電子コミックが同2.9%増の5,273億円。電子コミックは引き続き伸長しましたが、伸び率の鈍化が鮮明になっています。コミック市場のシェアは紙が23.9%、電子が76.1%、出版市場におけるコミック(紙+電子)のシェアは前年同率の44.8%となりました。
このような情勢のもと当社グループは、テレビ・配信・ビデオ用アニメーション、劇場用アニメーション、その他にゲーム用、プロモーション用、実写等の企画・制作を行う映像制作事業、コミック誌、書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)の企画・製造・販売、電子書籍を含むコミックスの販売を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業、キャラクター商品の卸販売等を行う商品販売事業を中心に行い、前期に比べ減収減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は14,064,526千円(前期比3.7%減)、経常利益は920,265千円(前期比35.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は669,640千円(前期比19.1%減)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像制作事業)
映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「デモンズ・クレスト」「左ききのエレン」「春夏秋冬代行者 春の舞」等、劇場用アニメーションは「劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人」等、配信用アニメーションは「怪獣8号 鳴海の平日」「THE ONE PIECE」等、納品へ向けそれぞれ制作しております。
テレビ用アニメーションは「左ききのエレン」「春夏秋冬代行者 春の舞」等、配信用アニメーションは「Star Wars Visions Presents -The Ninth Jedi」「THE ONE PIECE」は納品が始まり、テレビ放映や配信(予定)となりました。その他プロモーションビデオ・CМ・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作・納品しました。
映像制作事業では、物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰し、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もありました。
以上により、当事業の売上高は8,105,517千円(前期比10.7%増)、営業損失は1,341,582千円(前期は1,101,625千円の営業損失)となりました。
(出版事業)
出版事業におきましては、コミック誌の定期刊行物は月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~ 9巻」「転生貴族の異世界冒険録 15巻」「リィンカーネーションの花弁 23巻」等、定期月刊誌10点、並びに新刊コミックス・書籍180点を刊行しました。
また、既刊コミックスの「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~」「転生貴族の異世界冒険録」は、電子書籍を中心に特に販売好調でありました。
なお、紙の月刊誌である「コミックガーデン」は2026年3月発売号をもって休刊となりました。今後はウェブ雑誌であるマグコミ(MAGCOMI)、マグカン(MAGKAN)におけるオリジナル作品のラインナップを強化し、コミック・プラットフォームとしての価値の向上を図っていきます。
以上により、当事業の売上高は2,313,462千円(前期比4.0%増)、営業利益は256,555千円(前期比26.4%減)となりました。
(版権事業)
版権事業におきましては、「ハイキュー!!」「怪獣8号」「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「BUBBLE」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。
前期は「君に届け 3RD SEASON」や「劇場版 ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」の収入が大きく寄与したため、その反動で売上高は減少しておりますが、他の一部の作品につきましては好調に推移しました。
以上により、当事業の売上高は2,235,625千円(前期比43.5%減)、営業利益は1,426,738千円(前期比26.2%減)となりました。
(商品販売事業)
商品販売事業におきましては、店舗開設許諾金の売上計上及び上海の I.G & WIT Anime Studio Store や国内販売店への卸売りを行いました。
店舗開設許諾金の売上が大きく寄与しました。一方、上海の I.G & WIT Anime Studio Store への卸売りについては、外部環境の変化に伴い、売上高は想定を下回る結果となりました。また、国内販売につきましても当初想定よりも売上の伸びが鈍化し、計画比で低調に推移いたしました。
以上により、当事業の売上高は1,144,560千円(前期比31.5%増)、営業利益は621,685千円(前期比64.5%増)となりました。
(その他事業)
その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きや講師料等により、当事業の売上高は265,360千円(前期比16.4%増)、営業利益は228千円(前期は948千円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は6,123,554千円となり、前期と比べ1,483,629千円(前期比32.0%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,082,799千円(前期は1,858,966千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が898,184千円、売上債権の減少が518,097千円、減価償却費が400,542千円、受注損失引当金の増加が257,955千円、一方、法人税等の支払額が810,277千円、前受金の減少が330,584千円、棚卸資産の増加が72,380千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,123,634千円(前期は722,857千円の減少)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入が29,969千円、一方、定期預金の純増額が800,010千円、映像マスターや建物及び構築物等の有形固定資産の取得による支出が280,098千円、差入保証金の差入による支出が38,985千円、コンテンツ資産やソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が28,467千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,502,848千円(前期は514,551千円の減少)となりました。これは主に自己株式の売却による収入が1,625,925千円、長期借入金の借入による収入が100,000千円、一方、配当金の支払額が211,455千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注制作実績
当連結会計年度における映像制作事業の制作実績及び受注状況を映像制作事業の区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、出版事業、版権事業及び商品販売事業は、受注制作ではないため、制作実績及び受注実績を記載しておりません。
映像制作実績
区分制作高(千円)前年同期比(%)
TV・配信・ビデオ用アニメ6,838,02713.3
劇場用アニメ594,65984.6
その他のアニメ1,475,504△6.9
その他12,463△72.7
合 計8,920,65511.7

(注)金額は、製造原価によっております。
受注実績
区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
TV・配信・ビデオ用アニメ6,814,306△11.519,598,4835.6
劇場用アニメ1,160,000218.73,120,00059.2
その他のアニメ1,053,864△14.4553,060△6.8
その他244,640729.3240,0002,324.2
合 計9,272,811△0.523,511,54311.3

b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
映像制作事業8,105,51710.7
出版事業2,313,4624.0
版権事業2,235,625△43.5
商品販売事業1,144,56031.5
その他事業265,36016.4
合 計14,064,526△3.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
当連結会計年度
(自 2025年6月1日
至 2026年5月31日)
相手先金額 (千円)割合 (%)相手先金額 (千円)割合 (%)
Netflix Studios,LLC2,040,89114.0東宝㈱1,400,90010.0
Netflix Global,LLC1,532,98110.5㈱アニプレックス1,346,3079.6
東宝㈱1,501,70910.3LUCASFILM ANIMATON Ltd.LLC1,313,2569.3

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに当該会計期間における収益・費用に影響を与える見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる場合があります。
なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 概況
概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
b. セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)
セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益は199,304千円(前期比282.2%増)となりました。
主な要因は、持分法による投資利益が92,750千円、為替差益が27,473千円増加したことであります。
営業外費用は45,307千円(前期比22.0%減)となりました。
主な要因は、弔慰金が5,000千円増加し、為替差損が12,667千円減少したことであります。
d. 特別利益
当期の特別利益の計上はありません。
投資有価証券売却益が14,457千円減少しております。
e. 特別損失
特別損失は22,080千円(前期比2.0%減)となりました。
主な要因は投資有価証券評価損が21,598千円増加し、減損損失が18,146千円減少したことであります。
f. 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は898,184千円(前期比36.4%減)となりました。
g. 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)
法人税、住民税及び事業税の負担額は法人税等調整額を含め228,544千円(前期比61.7%減)となりました。
h. 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は669,640千円(前期比19.1%減)となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
a. 資産
資産合計は、15,142,121千円(前期比15.7%増)となりました。
流動資産につきましては、主に現金及び預金が2,283,640千円増加し、一方、売掛金及び契約資産が517,487千円減少し、結果、12,501,595千円となりました。
固定資産につきましては、主に映像マスターが246,993千円増加し、一方、その他の有形固定資産が40,427千円減少し、結果、2,640,526千円となりました。
b. 負債
負債合計は、5,157,679千円(前期比2.0%減)となりました。
流動負債につきましては、主に受注損失引当金が257,955千円、未払金が197,628千円、買掛金が122,830千円増加し、一方、未払法人税等が438,460千円、前受金が330,584千円減少し、結果、4,658,542千円となりました。
固定負債につきましては、主に長期借入金が82,145千円増加し、結果、499,137千円となりました。
c. 純資産
純資産は、9,984,441千円(前期比27.5%増)となりました。
主に資本剰余金は株式会社サンリオと資本業務提携契約を締結し、同社を割当先とする第三者割当による自己株式の売却を行ったことにより1,278,896千円増加し、自己株式は株式会社サンリオへの自己株式の処分及び株式給付信託(J-ESOP)における株式給付等により417,596千円減少しました。また、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金の配当の支払の結果457,424千円増加しました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、映像制作事業並びに出版事業に係わる売上原価及び、労務費、業務委託費及び外注費が主な部分を占めております。また、版権事業における権利取得のための出資金があります。
設備資金といたしましては、編集機器、コンピュータ購入費やネットワーク費等があります。
b. 財務政策
運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金需要が発生する等の場合は、金利動向を踏まえ必要に応じ長期・短期借入金で調達しております。
設備資金及び作品への出資金につきましては、社債の発行、長期借入金により最適な調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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