有価証券報告書-第78期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国が底堅い成長を見せる中、欧州及び中国でも景気回復基調にあり、新興国を含め景気は堅調な動きを見せています。しかしながら、年度後半での米国保護主義による世界経済への影響や地政学リスクなど、先行き不透明な状況にあります。
国内経済においては、輸出拡大などに伴う稼働率の増加や人手不足を要因とした設備投資も堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続いていますが、一方では、円高など景気減速要因もあり、今後の企業業績への影響も懸念されます。
当社グループの取引に関する業界は、設備関連が回復の動きを見せはじめ、FA関連や産業機器関連、省エネルギー関連は引き続き好調であり、自動車関連でも欧米向けが堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を進める中、顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造し、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図るため、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge& Evolution 2018)」を策定しており、当年度はその中間年度として、顧客ニーズに基づく提案活動への取組みを加速させてまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,947百万円増加し、133,710百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,865百万円増加し、69,652百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,082百万円増加し、64,057百万円となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,364億94百万円(前期比7.9%増)、営業利益50億78百万円(前期比86.0%増)、経常利益50億55百万円(前期比107.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億88百万円(前期比158.5%増)となりました。
なお、セグメントの経営成績は次のとおりです。
a.FAシステム
自動車関連設備及び工作機械、半導体・液晶関連製造装置並びに機器販売店向けが好調に推移し、大幅な増収となりました。
その結果、FAシステムの連結売上高は458億43百万円(前年同期比15.7%増)、営業利益は19億26百万円(前年同期比58.0%増)となりました。
b.冷熱システム
機器卸店並びに広域大手設備業者向け案件は軟調でしたが、冷凍・冷蔵の低温分野向けが好調に推移し、増収となりました。
その結果、冷熱システムの連結売上高は256億96百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は5億28百万円(前年同期比44.3%増)となりました。
c.IT施設システム
情報通信分野のセキュリティ関連は好調でしたが、ビルシステム分野の基幹商品であるエレベーター関連及びメディカル分野における医療機関の設備投資が振るわず、大幅な減収となりました。
その結果、IT施設システムの連結売上高は63億18百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億31百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
d.エレクトロニクス
国内では、自動車関連の欧米向け生産増に加えADAS(先進運転支援システム)関連ビジネスが堅調に推移し、また産業機器関連では工作機械、実装機及び半導体・液晶関連製造装置など中国向けFA関連ビジネス、並びにエアコンを中心とした白物家電関連ビジネスの好調により、増収となりました。
海外子会社では、自動車関連製品の販売が北米地域で堅調に推移、中国地域では産業機器関連向けの販売が堅調を維持し増収となりました。
その結果、エレクトロニクスの連結売上高は1,586億35百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は24億92百万円(前年同期比163.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比50億50百万円減少し、141億12百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は、48億33百万円(前年同期比94億35百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益52億円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少93億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、6億74百万円(前年同期比2億円収入増)となりました。これは主に、投資有価証券の売買によるネット収入8億74百万円、有価証券の償還による収入1億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、9億42百万円(前年同期比12億85百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払9億54百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
b. 販売実績
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しております。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しております。
4 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下において当社グループの財政状態及び経営成績に関する分析を記載しております。なお、本項における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概要
当連結会計年度における世界経済は、米国が底堅い成長を見せる中、欧州及び中国でも景気回復基調にあり、新興国を含め景気は堅調な動きを見せています。しかしながら、年度後半での米国保護主義による世界経済への影響や地政学リスクなど、先行き不透明な状況にあります。
国内経済においては、輸出拡大などに伴う稼働率の増加や人手不足を要因とした設備投資も堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続いていますが、一方では、円高など景気減速要因もあり、今後の企業業績への影響も懸念されます。
当社グループの取引に関する業界は、設備関連が回復の動きを見せはじめ、FA関連や産業機器関連、省エネルギー関連は引き続き好調であり、自動車関連でも欧米向けが堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を進める中、顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造し、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図るため、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge& Evolution 2018)」を策定しており、当年度はその中間年度として、顧客ニーズに基づく提案活動への取組みを加速させてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,364億94百万円(前期比7.9%増)、営業利益50億78百万円(前期比86.0%増)、経常利益50億55百万円(前期比107.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億88百万円(前期比158.5%増)となりました。
b.売上高
FAシステムでは、自動車関連設備及び工作機械、半導体・液晶関連製造装置並びに機器販売店向けが好調に推移し、大幅な増収となりました。その結果、FAシステムの連結売上高は458億43百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
冷熱システムでは、機器卸店並びに広域大手設備業者向け案件は軟調でしたが、冷凍・冷蔵の低温分野向けが好調に推移し、増収となりました。その結果、冷熱システムの連結売上高は256億96百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
IT施設システムでは、情報通信分野のセキュリティ関連は好調でしたが、ビルシステム分野の基幹商品であるエレベーター関連及びメディカル分野における医療機関の設備投資が振るわず、大幅な減収となりました。その結果、IT施設システムの連結売上高は63億18百万円(前年同期比17.4%減)となりました。
エレクトロニクスは、国内では、自動車関連の欧米向け生産増に加えADAS(先進運転支援システム)関連ビジネスが堅調に推移し、また産業機器関連では工作機械、実装機及び半導体・液晶関連製造装置など中国向けFA関連ビジネス、並びにエアコンを中心とした白物家電関連ビジネスの好調により、増収となりました。海外子会社では、自動車関連製品の販売が北米地域で堅調に推移、中国地域では産業機器関連向けの販売が堅調を維持し増収となりました。その結果、エレクトロニクスの連結売上高は1,586億35百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
c.売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高が増加したため2,120億61百万円(前期比7.6%増)と増加しました。売上高に対する売上原価の比率は89.7%です。
販売費及び一般管理費は、抑制策の実施により、193億54百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
d.営業利益
営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加により、50億78百万円(前年同期比86.0%増)となりました。
e.営業外損益
営業外収益は、受取利息47百万円及び受取配当金145百万円の計上などにより、4億36百万円(前年同期比5.2%減)となりました。営業外費用は、支払利息30百万円及び売上割引81百万円の計上などにより、4億59百万円(前年同期比38.6%減)となりました。
f.特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益により2億52百万円(前年同期比200.8%増)となりました。特別損失は、関係会社株式評価損により1億7百万円(前年同期比26.4%増)となりました。
g.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、35億88百万円(前年同期比158.5%増)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、建設関連分野・デジタル家電分野・自動車電装品関連分野をはじめ液晶・半導体・工作機械関連等の幅広い分野で事業展開をしております。当社グループの取り扱う部材・商品はその価格及び品質において競争力を有していると確信しておりますが、各々の分野における事業環境は非常に競争が激しく、為替レートの変動や価格競争並びに製造業者・商社との競合は、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、経営成績に特に重要な影響を与えると考えられる見積りは以下のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、その回収不能見込額について貸倒引当金を計上しておりますので、顧客の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
b.たな卸資産
当社グループは、たな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく見積額と取得原価との差額に相当する陳腐化の見積額について評価減を計上しておりますので、実際の将来需要あるいは市場状況が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しており、これらの投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上することとしておりますので、将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたって、将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部について将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を将来実現できると判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上いたします。
e.退職給付費用及び退職給付債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び退職給付債務を、数理計算上設定される前提条件に基づいて算出しております。従って、実際の結果が前提条件と異なる場合があり、計上される退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。
④戦略的現状と見通し
当社グループは、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge & Evolution 2018)」を策定し、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として、顧客価値創造型ビジネスモデルを実践することにより、顧客や市場における存在価値を高め、収益性の向上を図ってまいります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比50億50百万円減少し、141億12百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は、48億33百万円(前年同期比94億35百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益52億円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少93億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、6億74百万円(前年同期比2億円収入増)となりました。これは主に、投資有価証券の売買によるネット収入8億74百万円、有価証券の償還による収入1億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、9億42百万円(前年同期比12億85百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払9億54百万円によるものです。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を図っております。顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造していくことで、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図っております。2018年度を最終年度とした新中期経営計画「CE2018(Challenge & Evolution 2018)」では、多様化する顧客のニーズを捉えながら付加価値を追求する営業スタイルに自己変革し、先進的な技術の提供により地域社会の発展に貢献する企業を目指し、グループ全体で「顧客価値創造型ビジネスモデルの実践」「グローバル・パートナーズ・ネットワークの構築」「グローバル人材(財)育成の推進」「グループ連結収益力の強化」「ガバナンス経営の推進」の5つの基本戦略に取り組む方針であります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国が底堅い成長を見せる中、欧州及び中国でも景気回復基調にあり、新興国を含め景気は堅調な動きを見せています。しかしながら、年度後半での米国保護主義による世界経済への影響や地政学リスクなど、先行き不透明な状況にあります。
国内経済においては、輸出拡大などに伴う稼働率の増加や人手不足を要因とした設備投資も堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続いていますが、一方では、円高など景気減速要因もあり、今後の企業業績への影響も懸念されます。
当社グループの取引に関する業界は、設備関連が回復の動きを見せはじめ、FA関連や産業機器関連、省エネルギー関連は引き続き好調であり、自動車関連でも欧米向けが堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を進める中、顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造し、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図るため、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge& Evolution 2018)」を策定しており、当年度はその中間年度として、顧客ニーズに基づく提案活動への取組みを加速させてまいりました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,947百万円増加し、133,710百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,865百万円増加し、69,652百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,082百万円増加し、64,057百万円となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,364億94百万円(前期比7.9%増)、営業利益50億78百万円(前期比86.0%増)、経常利益50億55百万円(前期比107.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億88百万円(前期比158.5%増)となりました。
なお、セグメントの経営成績は次のとおりです。
a.FAシステム
自動車関連設備及び工作機械、半導体・液晶関連製造装置並びに機器販売店向けが好調に推移し、大幅な増収となりました。
その結果、FAシステムの連結売上高は458億43百万円(前年同期比15.7%増)、営業利益は19億26百万円(前年同期比58.0%増)となりました。
b.冷熱システム
機器卸店並びに広域大手設備業者向け案件は軟調でしたが、冷凍・冷蔵の低温分野向けが好調に推移し、増収となりました。
その結果、冷熱システムの連結売上高は256億96百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は5億28百万円(前年同期比44.3%増)となりました。
c.IT施設システム
情報通信分野のセキュリティ関連は好調でしたが、ビルシステム分野の基幹商品であるエレベーター関連及びメディカル分野における医療機関の設備投資が振るわず、大幅な減収となりました。
その結果、IT施設システムの連結売上高は63億18百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億31百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
d.エレクトロニクス
国内では、自動車関連の欧米向け生産増に加えADAS(先進運転支援システム)関連ビジネスが堅調に推移し、また産業機器関連では工作機械、実装機及び半導体・液晶関連製造装置など中国向けFA関連ビジネス、並びにエアコンを中心とした白物家電関連ビジネスの好調により、増収となりました。
海外子会社では、自動車関連製品の販売が北米地域で堅調に推移、中国地域では産業機器関連向けの販売が堅調を維持し増収となりました。
その結果、エレクトロニクスの連結売上高は1,586億35百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は24億92百万円(前年同期比163.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比50億50百万円減少し、141億12百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は、48億33百万円(前年同期比94億35百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益52億円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少93億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、6億74百万円(前年同期比2億円収入増)となりました。これは主に、投資有価証券の売買によるネット収入8億74百万円、有価証券の償還による収入1億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、9億42百万円(前年同期比12億85百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払9億54百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
FAシステム | 40,505 | 117.2 |
冷熱システム | 24,594 | 101.3 |
IT施設システム | 5,338 | 80.6 |
エレクトロニクス | 158,879 | 116.0 |
合計 | 229,318 | 113.3 |
(注) 1 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
b. 販売実績
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しております。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
FAシステム | 45,843 | 115.7 |
冷熱システム | 25,696 | 102.0 |
IT施設システム | 6,318 | 82.6 |
エレクトロニクス | 158,635 | 108.1 |
合計 | 236,494 | 107.9 |
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しております。
4 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
パナソニック(株) | 25,438 | 11.6 | 33,432 | 14.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下において当社グループの財政状態及び経営成績に関する分析を記載しております。なお、本項における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概要
当連結会計年度における世界経済は、米国が底堅い成長を見せる中、欧州及び中国でも景気回復基調にあり、新興国を含め景気は堅調な動きを見せています。しかしながら、年度後半での米国保護主義による世界経済への影響や地政学リスクなど、先行き不透明な状況にあります。
国内経済においては、輸出拡大などに伴う稼働率の増加や人手不足を要因とした設備投資も堅調に推移するなど緩やかな回復基調が続いていますが、一方では、円高など景気減速要因もあり、今後の企業業績への影響も懸念されます。
当社グループの取引に関する業界は、設備関連が回復の動きを見せはじめ、FA関連や産業機器関連、省エネルギー関連は引き続き好調であり、自動車関連でも欧米向けが堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を進める中、顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造し、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図るため、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge& Evolution 2018)」を策定しており、当年度はその中間年度として、顧客ニーズに基づく提案活動への取組みを加速させてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,364億94百万円(前期比7.9%増)、営業利益50億78百万円(前期比86.0%増)、経常利益50億55百万円(前期比107.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億88百万円(前期比158.5%増)となりました。
b.売上高
FAシステムでは、自動車関連設備及び工作機械、半導体・液晶関連製造装置並びに機器販売店向けが好調に推移し、大幅な増収となりました。その結果、FAシステムの連結売上高は458億43百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
冷熱システムでは、機器卸店並びに広域大手設備業者向け案件は軟調でしたが、冷凍・冷蔵の低温分野向けが好調に推移し、増収となりました。その結果、冷熱システムの連結売上高は256億96百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
IT施設システムでは、情報通信分野のセキュリティ関連は好調でしたが、ビルシステム分野の基幹商品であるエレベーター関連及びメディカル分野における医療機関の設備投資が振るわず、大幅な減収となりました。その結果、IT施設システムの連結売上高は63億18百万円(前年同期比17.4%減)となりました。
エレクトロニクスは、国内では、自動車関連の欧米向け生産増に加えADAS(先進運転支援システム)関連ビジネスが堅調に推移し、また産業機器関連では工作機械、実装機及び半導体・液晶関連製造装置など中国向けFA関連ビジネス、並びにエアコンを中心とした白物家電関連ビジネスの好調により、増収となりました。海外子会社では、自動車関連製品の販売が北米地域で堅調に推移、中国地域では産業機器関連向けの販売が堅調を維持し増収となりました。その結果、エレクトロニクスの連結売上高は1,586億35百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
c.売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高が増加したため2,120億61百万円(前期比7.6%増)と増加しました。売上高に対する売上原価の比率は89.7%です。
販売費及び一般管理費は、抑制策の実施により、193億54百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
d.営業利益
営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加により、50億78百万円(前年同期比86.0%増)となりました。
e.営業外損益
営業外収益は、受取利息47百万円及び受取配当金145百万円の計上などにより、4億36百万円(前年同期比5.2%減)となりました。営業外費用は、支払利息30百万円及び売上割引81百万円の計上などにより、4億59百万円(前年同期比38.6%減)となりました。
f.特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益により2億52百万円(前年同期比200.8%増)となりました。特別損失は、関係会社株式評価損により1億7百万円(前年同期比26.4%増)となりました。
g.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、35億88百万円(前年同期比158.5%増)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、建設関連分野・デジタル家電分野・自動車電装品関連分野をはじめ液晶・半導体・工作機械関連等の幅広い分野で事業展開をしております。当社グループの取り扱う部材・商品はその価格及び品質において競争力を有していると確信しておりますが、各々の分野における事業環境は非常に競争が激しく、為替レートの変動や価格競争並びに製造業者・商社との競合は、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、経営成績に特に重要な影響を与えると考えられる見積りは以下のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、その回収不能見込額について貸倒引当金を計上しておりますので、顧客の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
b.たな卸資産
当社グループは、たな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく見積額と取得原価との差額に相当する陳腐化の見積額について評価減を計上しておりますので、実際の将来需要あるいは市場状況が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しており、これらの投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上することとしておりますので、将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたって、将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部について将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を将来実現できると判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上いたします。
e.退職給付費用及び退職給付債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び退職給付債務を、数理計算上設定される前提条件に基づいて算出しております。従って、実際の結果が前提条件と異なる場合があり、計上される退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼします。
④戦略的現状と見通し
当社グループは、昨年度に新中期経営計画「CE2018(Challenge & Evolution 2018)」を策定し、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として、顧客価値創造型ビジネスモデルを実践することにより、顧客や市場における存在価値を高め、収益性の向上を図ってまいります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持することを目的に、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比50億50百万円減少し、141億12百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は、48億33百万円(前年同期比94億35百万円支出増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益52億円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の増加によるネット資金の減少93億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、6億74百万円(前年同期比2億円収入増)となりました。これは主に、投資有価証券の売買によるネット収入8億74百万円、有価証券の償還による収入1億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、9億42百万円(前年同期比12億85百万円収入増)となりました。これは主に、配当金の支払9億54百万円によるものです。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、事業環境の変化に適応した「グローバル・ソリューション・プロバイダー」として事業強化を図っております。顧客に徹底的に寄り添い、顧客ニーズを基点とした価値を創造していくことで、顧客や市場における当社グループの存在価値を高め、収益性の向上を図っております。2018年度を最終年度とした新中期経営計画「CE2018(Challenge & Evolution 2018)」では、多様化する顧客のニーズを捉えながら付加価値を追求する営業スタイルに自己変革し、先進的な技術の提供により地域社会の発展に貢献する企業を目指し、グループ全体で「顧客価値創造型ビジネスモデルの実践」「グローバル・パートナーズ・ネットワークの構築」「グローバル人材(財)育成の推進」「グループ連結収益力の強化」「ガバナンス経営の推進」の5つの基本戦略に取り組む方針であります。