有価証券報告書-第84期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、欧米ではインフレを起因とする金融引き締めが続き、ウクライナ侵攻の長期化により食料品やエネルギー資源が高騰、アジアでは中国の不良債権問題の顕在化や経済安全保障の動向により輸出規制やサプライチェーンにも影響が出るなど総じて弱含みに推移しました。
国内経済は、日米金利差により円安が進むなか、企業収益は高水準を維持し、人手不足解消のためのデジタル投資や半導体・電動化関連などの設備投資も高水準で推移しました。個人消費については、エネルギー価格や消費財の高騰などの影響により足踏み状態で推移しました。
当社グループの取引に関係する業界は、産業機器市場で一部在庫調整の局面が見られ、また工事現場や生産現場における人手不足が顕在化したものの、省力化投資などの設備投資や自動車生産の回復に加え、サプライチェーンの回復とリバウンド需要などにより堅調に推移しました。
このような状況下、当社は、2023年4月には会社名を「菱電商事株式会社」から「株式会社RYODEN」に変更、新生RYODENとして新たな価値を創造すべく「成長事業のビジネスモデルの確立」「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,590億8百万円(前期比0.5%減)、営業利益83億26百万円(前期比11.2%減)、経常利益82億36百万円(前期比9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益57億36百万円(前期比6.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。

セグメントごとの業績の概要及び分析は、次のとおりです。

工作機械向けの販売は低調に推移しましたが、盤メーカー及び半導体製造装置メーカー向けの販売が好調だったことに加え、エンドユーザー向け大型設備投資案件の獲得に注力したことで好調に推移しました。

冷熱分野では、製造業の設備投資やインバウンド需要が回復したことで、業務用パッケージエアコン、低温設備機器の販売が好調に推移しました。
ビルシステム分野では、建設市場における資機材高騰や工期長期化の影響を受けましたが、昇降機設備や環境・省エネ設備案件などのビルマネジメント分野の受注を獲得したことで好調に推移しました。

ヘルスケア分野では、医療関連の設備投資が落ち込んだことにより、IT関連機器をパッケージ化して提供するサブスクリプションサービス「トータルパックIT」等の販売が低調に推移しました。
ICT分野では、ビデオマネジメントシステム「FlaRevo」やRFID関連製品の販売が減少しましたが、PC・サーバーを始めとしたIT関連機器の販売は好調に推移しました。
スマートアグリ分野では、電気代高騰等の影響を受け引き続き受注が低調に推移したものの、2025年度以降再投資局面に入ることをにらみ、植物工場野菜の研究開発・生産・販売・ブランディングを提供できる体制を整え、データドリブンで収益性の高いスマート農業の実現に向けた当社独自サービスの構築に引き続き取り組んでおります。

国内では、車載市場は一部顧客の在庫調整もありましたが、インフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ、センサーIC等の販売が堅調に推移しました。産業機器市場では顧客の受注残による生産が継続したことでパワーデバイス等の販売が堅調に推移しましたが、中国の景気減速の影響を受け、年度後半は生産調整により低調な推移となりました。
海外子会社では、東南アジア地域の車載関連向けメモリ等の販売が堅調に推移したものの、中国市場の景気減速の影響を受け民生・産業機器関連向けアナログ半導体等の販売が低調に推移しました。
通期の業績の見通しとして公表した経営目標値とその達成状況は次のとおりです。
(2)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
②販売実績
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しています。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しています。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しています。
3 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(3)財政状態
資産の部は、受取手形、売掛金及び契約資産が12億49百万円、商品及び製品が26億78百万円減少しましたが、現金及び預金が76億51百万円、電子記録債権が31億36百万円増加したことにより、資産合計は前連結会計年度末比49億78百万円増加し、1,560億27百万円となりました。
負債の部は、電子記録債務が126億53百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が141億31百万円、短期借入金が1億90百万円、退職給付に係る負債が26億1百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比22億6百万円減少し、689億44百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を57億36百万円、配当金19億1百万円計上、為替換算調整勘定が7億90百万円、その他有価証券評価差額金が7億84百万円、退職給付に係る調整累計額が17億27百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比71億84百万円増加し、870億83百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.9ポイント増加し、55.7%となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比73億31百万円増加し、184億22百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、99億42百万円(前年同期比101億41百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益84億7百万円の計上と、売上債権・棚卸資産、並びに仕入債務の増加によるネット資金の増加2億18百万円、未収入金の減少による資金の増加29億15百万円、法人税等の支払34億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、7億10百万円(前年同期比5億40百万円収入増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億6百万円、無形固定資産の取得による支出2億24百万円、投資有価証券の取得による支出1億82百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、22億83百万円(前年同期比21億68百万円支出増)となりました。これは主に、配当金の支払18億97百万円、短期借入金の返済2億73百万円、長期借入金の返済1億10百万円によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
中期経営計画「ICHIGAN 2024」においては、事業創出会社として既存の枠を超えた新たな付加価値を創造することを目指し、「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」による収益力の強化に向けた成長投資を行ってまいります。
株主還元については、中長期的な安定配当を維持継続することを基本として、各事業年度の連結業績及び中長期的なグループ戦略等を勘案のうえ配当性向40%~60%を目安に利益還元を実施してまいります。
これら資金需要に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フロー及び手許資金を充当することを基本としております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、欧米ではインフレを起因とする金融引き締めが続き、ウクライナ侵攻の長期化により食料品やエネルギー資源が高騰、アジアでは中国の不良債権問題の顕在化や経済安全保障の動向により輸出規制やサプライチェーンにも影響が出るなど総じて弱含みに推移しました。
国内経済は、日米金利差により円安が進むなか、企業収益は高水準を維持し、人手不足解消のためのデジタル投資や半導体・電動化関連などの設備投資も高水準で推移しました。個人消費については、エネルギー価格や消費財の高騰などの影響により足踏み状態で推移しました。
当社グループの取引に関係する業界は、産業機器市場で一部在庫調整の局面が見られ、また工事現場や生産現場における人手不足が顕在化したものの、省力化投資などの設備投資や自動車生産の回復に加え、サプライチェーンの回復とリバウンド需要などにより堅調に推移しました。
このような状況下、当社は、2023年4月には会社名を「菱電商事株式会社」から「株式会社RYODEN」に変更、新生RYODENとして新たな価値を創造すべく「成長事業のビジネスモデルの確立」「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,590億8百万円(前期比0.5%減)、営業利益83億26百万円(前期比11.2%減)、経常利益82億36百万円(前期比9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益57億36百万円(前期比6.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。

セグメントごとの業績の概要及び分析は、次のとおりです。

工作機械向けの販売は低調に推移しましたが、盤メーカー及び半導体製造装置メーカー向けの販売が好調だったことに加え、エンドユーザー向け大型設備投資案件の獲得に注力したことで好調に推移しました。

冷熱分野では、製造業の設備投資やインバウンド需要が回復したことで、業務用パッケージエアコン、低温設備機器の販売が好調に推移しました。
ビルシステム分野では、建設市場における資機材高騰や工期長期化の影響を受けましたが、昇降機設備や環境・省エネ設備案件などのビルマネジメント分野の受注を獲得したことで好調に推移しました。

ヘルスケア分野では、医療関連の設備投資が落ち込んだことにより、IT関連機器をパッケージ化して提供するサブスクリプションサービス「トータルパックIT」等の販売が低調に推移しました。
ICT分野では、ビデオマネジメントシステム「FlaRevo」やRFID関連製品の販売が減少しましたが、PC・サーバーを始めとしたIT関連機器の販売は好調に推移しました。
スマートアグリ分野では、電気代高騰等の影響を受け引き続き受注が低調に推移したものの、2025年度以降再投資局面に入ることをにらみ、植物工場野菜の研究開発・生産・販売・ブランディングを提供できる体制を整え、データドリブンで収益性の高いスマート農業の実現に向けた当社独自サービスの構築に引き続き取り組んでおります。

国内では、車載市場は一部顧客の在庫調整もありましたが、インフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ、センサーIC等の販売が堅調に推移しました。産業機器市場では顧客の受注残による生産が継続したことでパワーデバイス等の販売が堅調に推移しましたが、中国の景気減速の影響を受け、年度後半は生産調整により低調な推移となりました。
海外子会社では、東南アジア地域の車載関連向けメモリ等の販売が堅調に推移したものの、中国市場の景気減速の影響を受け民生・産業機器関連向けアナログ半導体等の販売が低調に推移しました。
通期の業績の見通しとして公表した経営目標値とその達成状況は次のとおりです。
経営目標値 (百万円) | 当連結会計年度実績 (百万円) | 達成率 (%) | |
売上高 | 263,000 | 259,008 | 98.5 |
営業利益 | 7,300 | 8,326 | 114.1 |
経常利益 | 7,300 | 8,236 | 112.8 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 5,000 | 5,736 | 114.7 |
(2)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
FAシステム | 43,769 | 102.8 |
冷熱ビルシステム | 28,617 | 115.3 |
X-Tech | 5,330 | 102.8 |
エレクトロニクス | 159,944 | 86.1 |
合計 | 237,661 | 92.0 |
(注) 数量は単位、呼称が多岐にわたるため、省略しております。
②販売実績
ア 販売方法
当社グループは、メーカー製造に係る商品をユーザー又は販売店に、また、材料・半製品をメーカー又はユーザーに販売しています。
イ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
FAシステム | 52,039 | 112.4 |
冷熱ビルシステム | 30,891 | 113.3 |
X-Tech | 6,106 | 106.9 |
エレクトロニクス | 169,971 | 93.9 |
合計 | 259,008 | 99.5 |
(注) 1 販売実績は、受入手数料を含めて計上しています。
2 数量は単位、呼称が多岐にわたるため省略しています。
3 主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
パナソニック(株) | 48,146 | 18.5 | 38,439 | 14.8 |
(3)財政状態
資産の部は、受取手形、売掛金及び契約資産が12億49百万円、商品及び製品が26億78百万円減少しましたが、現金及び預金が76億51百万円、電子記録債権が31億36百万円増加したことにより、資産合計は前連結会計年度末比49億78百万円増加し、1,560億27百万円となりました。
負債の部は、電子記録債務が126億53百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が141億31百万円、短期借入金が1億90百万円、退職給付に係る負債が26億1百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比22億6百万円減少し、689億44百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を57億36百万円、配当金19億1百万円計上、為替換算調整勘定が7億90百万円、その他有価証券評価差額金が7億84百万円、退職給付に係る調整累計額が17億27百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比71億84百万円増加し、870億83百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.9ポイント増加し、55.7%となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比73億31百万円増加し、184億22百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、99億42百万円(前年同期比101億41百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益84億7百万円の計上と、売上債権・棚卸資産、並びに仕入債務の増加によるネット資金の増加2億18百万円、未収入金の減少による資金の増加29億15百万円、法人税等の支払34億45百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、7億10百万円(前年同期比5億40百万円収入増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億6百万円、無形固定資産の取得による支出2億24百万円、投資有価証券の取得による支出1億82百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、22億83百万円(前年同期比21億68百万円支出増)となりました。これは主に、配当金の支払18億97百万円、短期借入金の返済2億73百万円、長期借入金の返済1億10百万円によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売活動のための商品及び部材等購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは人件費及び運賃諸掛であります。
中期経営計画「ICHIGAN 2024」においては、事業創出会社として既存の枠を超えた新たな付加価値を創造することを目指し、「成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出」、「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」による収益力の強化に向けた成長投資を行ってまいります。
株主還元については、中長期的な安定配当を維持継続することを基本として、各事業年度の連結業績及び中長期的なグループ戦略等を勘案のうえ配当性向40%~60%を目安に利益還元を実施してまいります。
これら資金需要に必要な資金は、営業活動から創出されるキャッシュ・フロー及び手許資金を充当することを基本としております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。