四半期報告書-第75期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/13 10:01
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【項目】
26項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善により、引き続き緩やかな景気回復基調にありましたが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響などにより、先行きが不透明な状況が見受けられました。
一方、国内の情報サービス市場においては、ソフトウェア投資がおおむね横ばいで堅調に推移しておりますが、異業種からの参入による競争激化など、当社を取り巻く環境は依然として厳しい状況であると認識しております。
このような環境の中、日本ユニシスグループは、「顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業」として、業種・業態の垣根を越え、さまざまな企業をつなぐビジネスエコシステムを創る中核となり、デジタルトランスフォーメーションを実現するプラットフォームの提供企業となることを目指した中期経営計画「Foresight in sight® 2020」(2018-2020年度)を策定し、各重点施策に取り組んでおります。
中期経営計画で定めた注力領域における取り組み例としては、オープンAPI公開基盤「Resonatex®」を通じて、株式会社百五銀行の預金口座とスマホ決済サービス「Origami Pay」をセキュアな環境下で直接連携する口座ダイレクト決済を実現しました。これにより、百五銀行に普通預金口座を持つすべての個人のお客さまは、Origamiアプリから百五銀行の口座を登録することで、「Origami Pay」による登録口座からの即時決済が可能になります。「Origami Pay」のオープンAPI(更新系API)を用いた銀行口座連携は百五銀行が初となります。日本ユニシス株式会社は、Resonatex を通じて地域のキャッシュレス化促進を支援すると同時に、お金の流れをデジタル化することで情報と経済の循環を生み出し、生活者の暮らしの利便性向上と地域経済の活性化を支援してまいります。
また、以前から地域金融機関の顧客接点を強化する取り組みを拡大してまいりましたが、今回、株式会社千葉銀行、株式会社第四銀行、株式会社中国銀行の3行に、営業店窓口業務支援システム「SmileBranch®」の提供を開始いたしました。SmileBranch は、営業店窓口でタブレットを活用し対話型接客を行うことで、お客さまの利便性を向上させ、お客さまと行員を「笑顔」にするソリューションです。日本ユニシスは、金融機関の営業店本部の業務全般にわたるデジタルトランスフォーメーションを注力領域として推進し、SmileBranchの新たな機能群の開発を行っています。今回の3行での採用を含めた営業店システムの豊富な実績をもとに販売体制をさらに強化し、新たな受注を目指してまいります。
一方、ICTコアビジネスでは、流通業向けソリューションや電力会社向けビジネスの受注が堅調に推移しております。
更に、「風土改革」に関しては、組織や人財、働き方改革を進める「Workstyle Foresight®」、ダイバーシティを推進する「Diversity Foresight®」、そして制度や業務プロセスを見直し変革する「Management Foresight®」という3つの柱で進めており、2018年11月に、総務省が主催する「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しました。この度の受賞は、生産性・残業時間・有給取得率・交通費などの面で多様な効果を上げていることに加え、湾岸地域に本社のある企業として、テレワーク・デイズなどを活用し、東京オリンピック・パラリンピックの混雑に備えた計画的な準備を進めていることが評価されたものと考えています。
以上のように、中期経営計画「Foresight in sight 2020」の達成に向けて日本ユニシスグループ一体となって取り組んでおります。
(注) 1. オープンAPI公開基盤「Resonatex」は、金融機関をはじめ各事業体が持つWeb APIをオープンAPIとしてインターネット公開するためのクラウド型プラットフォームサービスです。
2.「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」とは、総務省がテレワークの普及促進を目的に、「テレワーク先駆者百選」として公表したテレワークの導入・活用について十分な実績を持つ企業・団体の中から、他社が模範とすべき優れた取り組みを行っている企業等に対し授与している賞で、2018年は当社を含む5社が受賞いたしました。
3. 記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
売上高の状況
当第3四半期連結累計期間の連結業績につきましては、アウトソーシング、システムサービス売上が堅調に推移した結果、売上高合計で1,988億86百万円(前年同期比1.2%増加)となりました。
営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益の状況
当第3四半期連結累計期間の売上総利益は、主にアウトソーシング、システムサービスの売上高増加や差益改善に伴う利益増加などにより、前年同期に比べ26億59百万円増加の503億14百万円(前年同期比5.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ12百万円減少の382億14百万円(前年同期比0.0%減)となりました。
この結果、営業利益は前年同期に比べ26億71百万円増加の121億円(前年同期比28.3%増)、経常利益は前年同期に比べ27億34百万円増加の125億92百万円(前年同期比27.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ22億37百万円増加の90億24百万円(前年同期比33.0%増)となりました。
財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産につきましては、売掛金の減少等により、前連結会計年度末比101億24百万円減少の1,871億54百万円となりました。
負債につきましては、買掛金および有利子負債の減少等により、前連結会計年度末比149億84百万円減少の776億19百万円となりました。
純資産につきましては、1,095億34百万円となり、自己資本比率は57.5%と、前連結会計年度末比5.3ポイント増加いたしました。
資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要は、システムサービスおよびサポートサービスの外注費、販売用のコンピュータおよびソフトウェアの仕入、賃貸およびアウトソーシング用の営業用コンピュータおよびソフトウェアの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および営業支援費、研究開発費です。なお、営業支援費および研究開発費は、営業支援および研究開発に携わるシステム・エンジニアの人件費が主要な部分を占めております。これらの運転資金需要は、主に営業活動によるキャッシュ・フローでその支出をまかなっていく方針です。
また、資金調達の安定性と機動性を確保するとともに、資金効率の向上を図るため、取引銀行5行と特定融資枠契約(コミットメントライン)を締結しており、この契約に基づく平成30年12月31日現在の借入未実行残高は105億円です。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
システムサービス
システムサービスは、ソフトウェアの請負開発業務、SEサービス、コンサルティング等からなり、売上高は641億96百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は182億57百万円(前年同期比10.0%増)となりました。金融機関向けオープン勘定系システムの構築や、顧客接点強化に向けたシステムの刷新などの案件が積み上がり、増収増益となりました。なお、当第3四半期において、流通業のお客さま向けの基幹システムのオープン化案件で不採算が発生しておりますが、これまで生産性改善に取り組んできた効果もあり、不採算の影響を吸収したうえで、収益性は着実に向上してきております。
引き続き生産性を高め、付加価値の高いビジネスの拡大と更なる収益性向上に取り組んでまいります。
サポートサービス
サポートサービスは、ソフトウェア・ハードウェアの保守サービス、導入支援等からなり、売上高は392億66百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は112億37百万円(前年同期比1.0%減)となりました。幅広い業種向けに小口の契約が積み上がったことから増収となりましたが、当第2四半期よりサポート拠点の集約に伴う費用が発生した影響により、減益となりました。拠点集約などの取り組みを通じたコスト構造の変革を進め、収益性改善を図ってまいります。
アウトソーシング
アウトソーシングは、情報システムの運用受託等からなり、売上高は373億39百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は91億56百万円(前年同期比23.6%増)となりました。当第1四半期より開始した地方自治体向けの新規案件や、前期第4四半期より開始した金融機関向け案件があったことなどから、増収増益となりました。稼働実績の増加などによる運用効率改善効果により、収益力も向上しております。また、手数料型ビジネスの売上は、電子決済関連やモビリティビジネス関連を中心に徐々に拡大してきており、これらの収益性の高いビジネスを拡大することで更なる収益性向上を図ってまいります。
ソフトウェア
ソフトウェアは、ソフトウェアの使用許諾契約によるソフトウェアの提供等からなり、売上高は205億92百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント利益は44億2百万円(前年同期比24.4%減)となりました。前年同期に利益率の高い金融機関向けソフトウェア案件の計上があった影響から、減収減益となりました。注力領域における顧客接点系等のソリューション販売の拡大等により、収益確保に取り組んでまいります。
ハードウェア
ハードウェアは、機器の売買契約、賃貸借契約によるハードウェアの提供等からなり、売上高は309億10百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益は55億38百万円(前年同期比9.2%増)となりました。前年同期に比べ通信キャリア向けのネットワーク機器の受注が減少している影響から減収減益となりました。今後はデジタルトランスフォーメーション関連の製品販売が見込まれることから、着実に受注することで売上高の拡大を図ってまいります。
その他
その他は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、回線サービスおよび設備工事等を含み、売上高は65億80百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は17億22百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
(注) セグメント利益は四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っており、上記の全てのセグメント利益合計503億14百万円から研究開発費、のれんの償却額、各報告セグメントに配賦していない販売費及び一般管理費を含む調整額△382億14百万円を差し引いた121億円が四半期連結損益計算書の営業利益となります。また、上記金額には消費税等を含んでおりません。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、26億67百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。