有価証券報告書-第117期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の概況
当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しています。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しています。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでいます。
当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョン
Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定しています。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によって、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開し、新たな社会価値・顧客価値の創造とグループの持続的成長を目指しています。
これらの戦略に沿って、当期においては、海外進出に向けた取り組みとして、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市、以下、「JCR」)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めています。この一環として、JCRが創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2025年5月には、米国食品医薬品局(FDA)より、また、同年6月には欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグ指定を受け、加えて同年9月には厚生労働省による希少疾病用医薬品指定を受け、重要なマイルストンを達成しました。さらに、同年8月にはJCRが開発中のライソゾーム病の一種であるGM2ガングリオシドーシスを対象疾患とする治療薬候補(JR-479)について、海外における事業化に関する実施許諾契約及び日本における共同開発・商業化契約を締結しました。
2026年1月には、MPアグロ株式会社(北海道北広島市、以下、「MPアグロ」)が動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニ株式会社(東京都江東区、以下、「シグニ」)の全株式を保有するシグニホールディングス株式会社(東京都中央区、以下、「シグニHD」)の全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル※1関連商品の事業拡大を図っています。
加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しています。
[用語解説]
※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
セグメント別の主な取組は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センタ
ーとしてALC※2を全国に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しています。この取り組みの一環として、2026年1月、株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、「メディセオ」)は、当社グループとして14か所目となる「東京ALC(東京都江東区)」を稼働させました。医薬品物流量の増加、将来の物流問題への対応、そして地震等の有事を見据えた事業継続計画(BCP)の強化を図るとともに、新たな都市型物流モデルとして、当社グループ企業を入居させていくことで、複合型センターへと拡張させ、サプライチェーンの全体最適化と事業基盤の強化を目指しています。また、株式会社メディスケット(埼玉県三郷市、以下、「メディスケット」)は、2025年8月、医薬品物流におけるグローバル基準でのさらに高いレベルでの物流品質向上に向けた重要な取り組みの一環として、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証を関連事業所である9か所のALCにおいて取得しました。「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築に向けて着実に取り組んでいます。
[用語解説]
※2 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
2025年7月、株式会社PALTAC(大阪市中央区、以下、「PALTAC」)は、持続可能な流通インフラの「共創」を目指し、株式会社あらた(東京都江東区、以下、「あらた」)と、「非競争領域」における協働を推進することとし、その第1段階として、西関東エリアにおける共同配送を開始しました。また、同年11月、PALTACは、あらた及び株式会社プラネット(東京都港区)と、化粧品、日用品などの一般消費財分野における商品情報の一元管理を目的とした新会社、株式会社プロダクト・レジストリ・サービス(東京都千代田区)を共同設立し、商品情報授受の効率化と業界全体の発展を目指しています。さらに、2026年3月、PALTACはヘルス&ビューティーケア領域に特化したBtoBマッチングサイト「Nice2meet」を開設しました。これまでアナログに依存してきたメーカーと小売業の出会いのプロセスをオンライン化し、情報共有及び商談プロセスを効率化することで、既存の取引関係や地域・規模の制約を超えた新たな出会いと価値創出を促進しています。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
2026年1月、MPアグロが動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニの全株式を保有するシグニHDの全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル関連商品の事業拡大を図っています。また、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪市北区、以下、「MP五協F&C」)は、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、販売体制の再構築を行い、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めています。
当期の業績
当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から1,460億26百万円(4.0%)増収の3兆8,173億54百万円となりました。
・医療用医薬品等卸売事業で958億64百万円(4.0%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で497億49百万円(4.2%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で4億67百万円(0.4%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。
[営業利益]
営業利益は、前期から24億26百万円(4.4%)減益の531億82百万円となりました。
・売上総利益は、主として増収により、52億29百万円(2.0%)増益の2,609億87百万円となりました。売上高比率は前期(6.97%)を0.13ポイント下回り、6.84%となりました。
・販売費及び一般管理費は、医療用医薬品等卸売事業における事業投資費等の増加や、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における人材投資や賃上げによる人件費単価の上昇などにより、前期から76億55百万円(3.8%)増加の2,078億4百万円となりました。売上高比率は前期(5.45%)から0.01ポイント改善し、5.44%となりました。
[経常利益]
経常利益は、前期から104億68百万円(16.0%)増益の757億23百万円となりました。
・営業利益は前期から24億26百万円(4.4%)減益となりましたが、持分法による投資利益の増加や投資事業組合運用益の計上等により、営業外損益が前期から128億94百万円増加したことで、経常利益は増益となりました。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から22億54百万円(5.6%)増益の425億34百万円となりました。
・投資有価証券売却益213億47百万円を特別利益に計上(前期から93億53百万円増加)した一方で、のれん償却額95億43百万円や医療用医薬品等卸売事業における物流業務等に関する事業構造改善費用45億54百万円を特別損失に計上したことにより、特別損益は前期から53億57百万円減少し、61億21百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん償却費
[売上高]
売上高は、前期から958億64百万円(4.0%)増収の2兆4,661億9百万円となりました。
・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要が減少したものの、医薬品市場の拡大、スペシャリティ医薬品の販売伸長、病院・調剤販路における販売拡大等により増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から9億15百万円(3.6%)減益の242億92百万円となりました。
・売上総利益は、主として増収により、前期から19億68百万円(1.3%)の増益となりました。一方、薬価改定の影響等による仕入原価上昇や商品構成比の変化により、売上高比率は、前期(6.34%)を0.17ポイント下回り、6.18%となりました。
・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が増加したことで、前期から28億83百万円(2.3%)の増加となりました。売上高比率は前期(5.28%)から0.09ポイント改善し、5.19%となりました。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
[売上高]
売上高は、前期から497億49百万円(4.2%)増収の1兆2,378億46百万円となりました。
・物価上昇に伴う節約志向の影響を受けましたが、取引の拡大に加え、化粧品・日用品を中心に付加価値の高い新規取扱商材の販売強化に努めるとともに、購買データを活用して健康志向の高まりや外出需要の増加などに伴う購買行動の変化を的確に捉えた販売活動を展開しました。
[営業利益]
営業利益は、前期から15億77百万円(5.6%)減益の264億30百万円となりました。
・売上総利益は、物価上昇やドライバー不足を背景とするセンターフィー増加の影響を受けましたが、増収と付加価値の高い新規取扱商材の拡充に伴い、前期から33億38百万円(3.8%)の増益となりました。売上高比率は前期(7.49%)から0.03ポイント下回り、7.46%となりました。
・販売費及び一般管理費は、人材への積極的な投資に加えて、庫内人件費や配送費の単価上昇に伴う物流費の増加、また、物流キャパシティ確保を目的とした外部賃借センター稼働に伴う費用の増加などにより、前期から49億16百万円(8.1%)増加となりました。売上高比率は前期(5.13%)から0.19ポイント上昇し、5.32%になりました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から4億67百万円(0.4%)増収の1,173億28百万円となりました。
・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル領域では、一部の商材がメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移しました。畜水産領域では、高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移しました。食品加工原材料卸売等関連事業は減収となりましたが、当セグメント全体では増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から1億19百万円(4.9%)減益の23億25百万円となりました。
・売上総利益は、前期から76百万円(0.5%)の減益、売上高比率は、前期(14.07%)を0.12ポイント下回り、13.95%となりました。動物用医薬品等卸売事業においては、コンパニオンアニマル領域を中心に自社企画品の販売等への積極的な取り組みや販売価格の見直しを行ったものの、畜水産領域における価格交渉激化の影響がありました。食品加工原材料卸売等関連事業においては、電子薬剤分野が好調に推移しましたが、食品領域における為替影響による原価高騰の影響がありました。
・販売費及び一般管理費は、動物用医薬品等卸売事業における物流費や、食品加工原材料卸売等関連事業における人件費等が減少したものの、株式取得関連費用を計上したことにより、前期から43百万円(0.3%)の増加となりましたが、売上高比率については前期(11.98%)から0.01ポイント改善し、11.97%となりました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆9,220億2百万円となり、前連結会計年度末より970億17百万円増加いたしました。
流動資産は1兆3,710億25百万円となり、前連結会計年度末より882億78百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加276億66百万円、受取手形及び売掛金の増加443億6百万円、商品及び製品の増加122億95百万円によるものであります。
固定資産は5,509億77百万円となり、前連結会計年度末より87億39百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替え等による投資有価証券の増加133億81百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆1,266億3百万円となり、前連結会計年度末より595億65百万円増加いたしました。
流動負債は1兆680億41百万円となり、前連結会計年度より585億94百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加520億59百万円によるものであります。
固定負債は585億61百万円となり、前連結会計年度末より9億71百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債の増加43億73百万円、退職給付に係る負債の減少33億80百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,953億99百万円となり、前連結会計年度末より374億52百万円増加いたしました。
株主資本は5,840億52百万円となり、前連結会計年度末より207億65百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加219億14百万円によるものであります。
その他の包括利益累計額は681億19百万円となり、前連結会計年度末より118億42百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによるその他有価証券評価差額金の増加91億26百万円によるものであります。
非支配株主持分は1,432億25百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より48億44百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より264億61百万円増加し、また、非連結子会社との合併に伴う資金の増加額8億52百万円、連結除外に伴う資金の減少額1億11百万円とあわせて当連結会計年度末には2,865億39百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、465億52百万円(前期比140億6百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益818億44百万円、投資有価証券売却損益213億47百万円、減価償却費174億39百万円、のれん償却額107億54百万円、売上債権の増加427億15百万円、棚卸資産の増加117億27百万円、仕入債務の増加512億71百万円、法人税等の支払258億4百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、92億99百万円(前期は33億63百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入279億14百万円、連結子会社であるシグニホールディングス株式会社の取得関連の支出111億22百万円、有形固定資産の取得による支出66億19百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、293億97百万円(前期比34億50百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出80億88百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出41億21百万円、配当金の支払165億52百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。
資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。
なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。
a.繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.のれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
e.納入価格の見積り設定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2026年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.7%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2023年3月期:99.6%、2024年3月期:99.6%、2025年3月期:99.5%)
①経営成績の概況
当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しています。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しています。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでいます。
当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョン
Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、「本中期ビジョン」)を策定しています。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によって、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開し、新たな社会価値・顧客価値の創造とグループの持続的成長を目指しています。
これらの戦略に沿って、当期においては、海外進出に向けた取り組みとして、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市、以下、「JCR」)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めています。この一環として、JCRが創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2025年5月には、米国食品医薬品局(FDA)より、また、同年6月には欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグ指定を受け、加えて同年9月には厚生労働省による希少疾病用医薬品指定を受け、重要なマイルストンを達成しました。さらに、同年8月にはJCRが開発中のライソゾーム病の一種であるGM2ガングリオシドーシスを対象疾患とする治療薬候補(JR-479)について、海外における事業化に関する実施許諾契約及び日本における共同開発・商業化契約を締結しました。
2026年1月には、MPアグロ株式会社(北海道北広島市、以下、「MPアグロ」)が動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニ株式会社(東京都江東区、以下、「シグニ」)の全株式を保有するシグニホールディングス株式会社(東京都中央区、以下、「シグニHD」)の全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル※1関連商品の事業拡大を図っています。
加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しています。
[用語解説]
※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
セグメント別の主な取組は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センタ
ーとしてALC※2を全国に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しています。この取り組みの一環として、2026年1月、株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、「メディセオ」)は、当社グループとして14か所目となる「東京ALC(東京都江東区)」を稼働させました。医薬品物流量の増加、将来の物流問題への対応、そして地震等の有事を見据えた事業継続計画(BCP)の強化を図るとともに、新たな都市型物流モデルとして、当社グループ企業を入居させていくことで、複合型センターへと拡張させ、サプライチェーンの全体最適化と事業基盤の強化を目指しています。また、株式会社メディスケット(埼玉県三郷市、以下、「メディスケット」)は、2025年8月、医薬品物流におけるグローバル基準でのさらに高いレベルでの物流品質向上に向けた重要な取り組みの一環として、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証を関連事業所である9か所のALCにおいて取得しました。「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築に向けて着実に取り組んでいます。
[用語解説]
※2 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
2025年7月、株式会社PALTAC(大阪市中央区、以下、「PALTAC」)は、持続可能な流通インフラの「共創」を目指し、株式会社あらた(東京都江東区、以下、「あらた」)と、「非競争領域」における協働を推進することとし、その第1段階として、西関東エリアにおける共同配送を開始しました。また、同年11月、PALTACは、あらた及び株式会社プラネット(東京都港区)と、化粧品、日用品などの一般消費財分野における商品情報の一元管理を目的とした新会社、株式会社プロダクト・レジストリ・サービス(東京都千代田区)を共同設立し、商品情報授受の効率化と業界全体の発展を目指しています。さらに、2026年3月、PALTACはヘルス&ビューティーケア領域に特化したBtoBマッチングサイト「Nice2meet」を開設しました。これまでアナログに依存してきたメーカーと小売業の出会いのプロセスをオンライン化し、情報共有及び商談プロセスを効率化することで、既存の取引関係や地域・規模の制約を超えた新たな出会いと価値創出を促進しています。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
2026年1月、MPアグロが動物病院向けの電子商取引(EC)事業を展開するシグニの全株式を保有するシグニHDの全株式を取得しました。MPアグロが全国の動物病院との取引をカバーするシグニを完全子会社とすることで、両社の強みを生かしたシナジーを創出します。これにより、全国の動物病院への販売を強化するとともにEC販路を拡大し、アグロ・フーズ領域のひとつであるコンパニオンアニマル関連商品の事業拡大を図っています。また、MP五協フード&ケミカル株式会社(大阪市北区、以下、「MP五協F&C」)は、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、販売体制の再構築を行い、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めています。
当期の業績
当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 3,671,328 | 3,817,354 | +146,026 | +4.0% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 255,758 (6.97%) | 260,987 (6.84%) | +5,229 (△0.13pp) | +2.0% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 200,148 (5.45%) | 207,804 (5.44%) | +7,655 (△0.01pp) | +3.8% |
| 販売費及び一般管理費(下記①②を除く) | 196,749 | 201,419 | +4,670 | +2.4% |
| ①事業投資費等 | 1,136 | 4,053 | +2,916 | +256.6% |
| ②のれん・無形資産償却費* | 2,262 | 2,331 | +68 | +3.0% |
| 営業利益 (対売上高比率) | 55,609 (1.51%) | 53,182 (1.39%) | △2,426 (△0.12pp) | △4.4% |
| 上記①②を除く営業利益 | 59,008 | 59,567 | +558 | +0.9% |
| 経常利益 | 65,255 | 75,723 | +10,468 | +16.0% |
| 特別損益 | 11,479 | 6,121 | △5,357 | △46.7% |
| 税金等調整前当期純利益 | 76,734 | 81,844 | +5,110 | +6.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40,279 | 42,534 | +2,254 | +5.6% |
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から1,460億26百万円(4.0%)増収の3兆8,173億54百万円となりました。
・医療用医薬品等卸売事業で958億64百万円(4.0%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で497億49百万円(4.2%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で4億67百万円(0.4%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。
[営業利益]
営業利益は、前期から24億26百万円(4.4%)減益の531億82百万円となりました。
・売上総利益は、主として増収により、52億29百万円(2.0%)増益の2,609億87百万円となりました。売上高比率は前期(6.97%)を0.13ポイント下回り、6.84%となりました。
・販売費及び一般管理費は、医療用医薬品等卸売事業における事業投資費等の増加や、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における人材投資や賃上げによる人件費単価の上昇などにより、前期から76億55百万円(3.8%)増加の2,078億4百万円となりました。売上高比率は前期(5.45%)から0.01ポイント改善し、5.44%となりました。
[経常利益]
経常利益は、前期から104億68百万円(16.0%)増益の757億23百万円となりました。
・営業利益は前期から24億26百万円(4.4%)減益となりましたが、持分法による投資利益の増加や投資事業組合運用益の計上等により、営業外損益が前期から128億94百万円増加したことで、経常利益は増益となりました。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から22億54百万円(5.6%)増益の425億34百万円となりました。
・投資有価証券売却益213億47百万円を特別利益に計上(前期から93億53百万円増加)した一方で、のれん償却額95億43百万円や医療用医薬品等卸売事業における物流業務等に関する事業構造改善費用45億54百万円を特別損失に計上したことにより、特別損益は前期から53億57百万円減少し、61億21百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 2,370,245 | 2,466,109 | +95,864 | +4.0% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 150,387 (6.34%) | 152,355 (6.18%) | +1,968 (△0.17pp) | +1.3% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 125,180 (5.28%) | 128,063 (5.19%) | +2,883 (△0.09pp) | +2.3% |
| 販売費及び一般管理費(下記①②を除く) | 123,837 | 123,735 | △102 | △0.1% |
| ①事業投資費等 | 1,136 | 4,053 | +2,916 | +256.6% |
| ②のれん償却費* | 206 | 275 | +68 | +33.3% |
| 営業利益 (対売上高比率) | 25,207 (1.06%) | 24,292 (0.99%) | △915 (△0.08pp) | △3.6% |
| 上記①②を除く営業利益 | 26,550 | 28,620 | +2,070 | +7.8% |
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん償却費
[売上高]
売上高は、前期から958億64百万円(4.0%)増収の2兆4,661億9百万円となりました。
・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要が減少したものの、医薬品市場の拡大、スペシャリティ医薬品の販売伸長、病院・調剤販路における販売拡大等により増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から9億15百万円(3.6%)減益の242億92百万円となりました。
・売上総利益は、主として増収により、前期から19億68百万円(1.3%)の増益となりました。一方、薬価改定の影響等による仕入原価上昇や商品構成比の変化により、売上高比率は、前期(6.34%)を0.17ポイント下回り、6.18%となりました。
・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が増加したことで、前期から28億83百万円(2.3%)の増加となりました。売上高比率は前期(5.28%)から0.09ポイント改善し、5.19%となりました。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 1,188,097 | 1,237,846 | +49,749 | +4.2% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 88,982 (7.49%) | 92,321 (7.46%) | +3,338 (△0.03pp) | +3.8% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 60,973 (5.13%) | 65,890 (5.32%) | +4,916 (+0.19pp) | +8.1% |
| 営業利益 (対売上高比率) | 28,008 (2.36%) | 26,430 (2.14%) | △1,577 (△0.22pp) | △5.6% |
[売上高]
売上高は、前期から497億49百万円(4.2%)増収の1兆2,378億46百万円となりました。
・物価上昇に伴う節約志向の影響を受けましたが、取引の拡大に加え、化粧品・日用品を中心に付加価値の高い新規取扱商材の販売強化に努めるとともに、購買データを活用して健康志向の高まりや外出需要の増加などに伴う購買行動の変化を的確に捉えた販売活動を展開しました。
[営業利益]
営業利益は、前期から15億77百万円(5.6%)減益の264億30百万円となりました。
・売上総利益は、物価上昇やドライバー不足を背景とするセンターフィー増加の影響を受けましたが、増収と付加価値の高い新規取扱商材の拡充に伴い、前期から33億38百万円(3.8%)の増益となりました。売上高比率は前期(7.49%)から0.03ポイント下回り、7.46%となりました。
・販売費及び一般管理費は、人材への積極的な投資に加えて、庫内人件費や配送費の単価上昇に伴う物流費の増加、また、物流キャパシティ確保を目的とした外部賃借センター稼働に伴う費用の増加などにより、前期から49億16百万円(8.1%)増加となりました。売上高比率は前期(5.13%)から0.19ポイント上昇し、5.32%になりました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 116,861 | 117,328 | +467 | +0.4% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 16,446 (14.07%) | 16,369 (13.95%) | △76 (△0.12pp) | △0.5% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 14,001 (11.98%) | 14,044 (11.97%) | +43 (△0.01pp) | +0.3% |
| 販売費及び一般管理費(下記を除く) | 11,945 | 11,988 | +43 | +0.4% |
| のれん・無形資産償却費* | 2,056 | 2,056 | - | - |
| 営業利益 (対売上高比率) | 2,444 (2.09%) | 2,325 (1.98%) | △119 (△0.11pp) | △4.9% |
| 上記の償却費を除く営業利益 | 4,500 | 4,381 | △119 | △2.7% |
*:2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から4億67百万円(0.4%)増収の1,173億28百万円となりました。
・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル領域では、一部の商材がメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移しました。畜水産領域では、高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移しました。食品加工原材料卸売等関連事業は減収となりましたが、当セグメント全体では増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から1億19百万円(4.9%)減益の23億25百万円となりました。
・売上総利益は、前期から76百万円(0.5%)の減益、売上高比率は、前期(14.07%)を0.12ポイント下回り、13.95%となりました。動物用医薬品等卸売事業においては、コンパニオンアニマル領域を中心に自社企画品の販売等への積極的な取り組みや販売価格の見直しを行ったものの、畜水産領域における価格交渉激化の影響がありました。食品加工原材料卸売等関連事業においては、電子薬剤分野が好調に推移しましたが、食品領域における為替影響による原価高騰の影響がありました。
・販売費及び一般管理費は、動物用医薬品等卸売事業における物流費や、食品加工原材料卸売等関連事業における人件費等が減少したものの、株式取得関連費用を計上したことにより、前期から43百万円(0.3%)の増加となりましたが、売上高比率については前期(11.98%)から0.01ポイント改善し、11.97%となりました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆9,220億2百万円となり、前連結会計年度末より970億17百万円増加いたしました。
流動資産は1兆3,710億25百万円となり、前連結会計年度末より882億78百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加276億66百万円、受取手形及び売掛金の増加443億6百万円、商品及び製品の増加122億95百万円によるものであります。
固定資産は5,509億77百万円となり、前連結会計年度末より87億39百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替え等による投資有価証券の増加133億81百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆1,266億3百万円となり、前連結会計年度末より595億65百万円増加いたしました。
流動負債は1兆680億41百万円となり、前連結会計年度より585億94百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加520億59百万円によるものであります。
固定負債は585億61百万円となり、前連結会計年度末より9億71百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債の増加43億73百万円、退職給付に係る負債の減少33億80百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,953億99百万円となり、前連結会計年度末より374億52百万円増加いたしました。
株主資本は5,840億52百万円となり、前連結会計年度末より207億65百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加219億14百万円によるものであります。
その他の包括利益累計額は681億19百万円となり、前連結会計年度末より118億42百万円増加いたしました。これは主に、株価上昇に伴う上場株式の評価替えによるその他有価証券評価差額金の増加91億26百万円によるものであります。
非支配株主持分は1,432億25百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より48億44百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
| (単位:百万円) |
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 60,559 | 46,552 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,363 | 9,299 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △25,947 | △29,397 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 3 | 6 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 31,252 | 26,461 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 228,084 | 259,337 |
| 非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の増加額 | - | 852 |
| 連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 | - | △111 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 259,337 | 286,539 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より264億61百万円増加し、また、非連結子会社との合併に伴う資金の増加額8億52百万円、連結除外に伴う資金の減少額1億11百万円とあわせて当連結会計年度末には2,865億39百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、465億52百万円(前期比140億6百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益818億44百万円、投資有価証券売却損益213億47百万円、減価償却費174億39百万円、のれん償却額107億54百万円、売上債権の増加427億15百万円、棚卸資産の増加117億27百万円、仕入債務の増加512億71百万円、法人税等の支払258億4百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は、92億99百万円(前期は33億63百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入279億14百万円、連結子会社であるシグニホールディングス株式会社の取得関連の支出111億22百万円、有形固定資産の取得による支出66億19百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、293億97百万円(前期比34億50百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出80億88百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出41億21百万円、配当金の支払165億52百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医療用医薬品等卸売事業 | 2,466,109 | 104.0 |
| 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 | 1,237,846 | 104.2 |
| 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 | 117,328 | 100.4 |
| 計 | 3,821,285 | 104.0 |
| 調整額(セグメント間消去) | △3,930 | - |
| 合計 | 3,817,354 | 104.0 |
(注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。
資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。
なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。
a.繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.のれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
e.納入価格の見積り設定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2026年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.7%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2023年3月期:99.6%、2024年3月期:99.6%、2025年3月期:99.5%)