四半期報告書-第59期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/14 9:53
【資料】
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は979億円で前連結会計年度末比3億円減少しました。資産の部の主な増加項目は現金及び預金15億円です。主な減少項目は受取手形及び売掛金15億円です。
負債の部は463億円で前連結会計年度末比8億円増加しました。主な増加項目は有利子負債(1年内償還予定社債を含む)16億円です。主な減少項目は支払手形及び買掛金4億円です。純資産の部につきましては、515億円と前連結会計年度末比で11億円減少しました。主な増加項目はその他有価証券評価差額金5億円です。主な減少項目は為替換算調整勘定16億円です。自己資本比率は52.4%で前連結会計年度末比1.0ポイント減少しました。
②経営成績
当第1四半期連結累計期間(海外:2018年1月1日~2018年3月31日、国内:2018年4月1日~2018年6月30日)においては、国内は、東京都多摩市、及び大分県の両テーマパークが好調で、特に多摩市のサンリオピューロランドは、メルヘンシアターの新作「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」が大好評で、増収増益に大きく貢献しました。また、6月30日より運行を開始したJR西日本の「ハローキティ新幹線」が大きな話題となりました。海外では、アジアは中国における空間ビジネスの好調や、香港市場でのライセンスの回復などにより、前連結会計年度に引き続き堅調に推移しておりますが、欧米は、業績回復に向けた施策に着実に取り組んでいる状況です。
これらの結果として、売上高は、139億円(前年同期比3.5%増)、営業利益は13億円(同4.5%増)、営業外収益として投資事業組合運用益2億円等を計上したことにより経常利益は16億円(同28.4%増)でした。特別損益に投資有価証券売却益3億円、投資有価証券評価損5億円等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億円(同5.1%増)となりました。
当社は、2018年5月11日に公表しましたように、当連結会計年度を初年度とする、3ヶ年の中期経営計画『Marketing Innovation Project 2021』をスタートさせました。“ソーシャル・コミュニケーション・ギフトビジネスの会社として戦略的なグローバル企業に変革する”ことを目指して計画を推進してまいります。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第1四半期連結累計期間の対象期間は、2018年1月~3月であります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
ⅰ.日本:売上高102億円(前年同期比4.1%増)、営業利益11億円(同9.3%増)
物販事業は、地方・郊外の消費動向は厳しい状況が続いておりますが、大都市圏の旗艦店舗やインバウンド集客の高い店舗が伸長したことにより、既存店売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)が前年同期比 100.5%と前年を上回りました。インバウンド関連では専門店、ドラッグストアへの卸しが好調のほか、訪日外国人の増加が大きい博多のキャナルシティオーパにおける「サンリオギャラリー博多店」移転リニューアルオープンなどの施策が奏功しました。その中で、2年連続でキャラクター大賞1位に輝いた『シナモロール』や、1970年代、1980年代に活躍したキャラクターの再登場などが好評を博しました。今後につきましては、6月下旬より西武池袋本店で開催された「ぐでたまてん」が非常に好評であったことから、5周年記念の『ぐでたま』をメインとした店舗環境や、店頭イベントによる集客策の提案や、更に増加が見込まれるインバウンド対策としてのキャンペーンへの参加などの施策を実施し、話題づくり、販売増に努めてまいります。
ライセンス事業は、商品化権ライセンスでは、サンリオキャラクターのワイド展開を中心とした雑貨関係や、アニメ系コンテンツとのコラボレーション企画、接触冷感寝具企画等夏物カテゴリーや、『ミスターメン リトルミス』のアパレルが好調でした。対企業企画では、フマキラー株式会社の虫よけ商品や、小林製薬株式会社の衛生用品などが堅調であったことに加え、日本マクドナルド株式会社の『ぐでたま』デザートや、日本郵便株式会社の『ハローキティ』切手が大きく貢献しました。また、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社、アサヒ飲料株式会社、味の素冷凍食品株式会社などの大手食品メーカーとの店頭お買い上げ促進キャンペーンや、株式会社カネボウ化粧品とのメイクアップ用品の広告宣伝契約を獲得しました。
テーマパーク事業は、大分県のハーモニーランドでは、入園者数は92千人(前年同期比10.0%増)と前年同期比8千人増加しました。主にゴールデンウイーク期間中の県外客が堅調に推移したことや企業の会員企画の新規獲得や特定イベント等の開催もあり、集客を伸ばしました。営業損益は、ゴールデンウイークに向けて施設の魅力度向上のためのアトラクションのリニューアル(キャラクターヒルズを展開)の費用が増加しましたが、増益となりました。夏季に向けては、涼感を伴うショーやプールエリアの集客強化を図るとともに夜間営業日以外の日についても営業時間を延長し、夕方の来園を促進します。更には、新規の会員企画の獲得、北部九州エリアの子育てファミリー世帯への夏季限定割引券の頒布等の施策を図ることで、入園者数の増加に取組みます。
東京都多摩市のサンリオピューロランドは、入園者数は303千人(前年同期比16.4%増)と前年同期比42千人増加しました。今年3月からスタートした、松竹株式会社とのコラボレーションによるメルヘンシアターの新作「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」が評判となり、さらに6月には、フェアリーランドシアターで前作に続き、株式会社ネルケプランニングとのコラボレーションによる男優だけの新作ミュージカル「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」がスタートしました。入園者増により、チケット売上、お土産などの商品売上、レストラン売上のすべてが前年同期に比べ2桁増加でした。さらに、イベントや対企業関連の売上も前年同期比4割増加しました。営業損益は、集客増によりイベント開催による人件費等の増加を補い増益となりました。
その他の事業のロボット事業に関しては、博物館向けや、ホテルの人体型受付案内ロボットなどの特注ロボットの納品が売上に貢献しました。
ⅱ.欧州:売上高6億円(前年同期比2.1%減)、営業利益17百万円(同25.4%減)
欧州では、主要諸国の売上は依然厳しい状況にあり、ほとんどのライセンスカテゴリーにおいて減少傾向が見られる状態にあります。一方中近東、東欧圏における底堅い成長や、イースター関連での大手チョコレートメーカーとのグローバル展開が好調でした。加えて、『ミスターメン リトルミス』につきましては、フランスにおいて出版が好調であり、市場を牽引しました。また、担当テリトリーの一部をアジア子会社に移管した影響や、ロンドンオフィスの体制強化による人件費増などにより営業利益が減少しました。
引き続き、ハイエンドブランドとのコラボレーションの実施や、ファストファッションとの連携の強化を図るとともに、有名You Tuberなどインフルエンサーを活用したマーケティングを行ってまいります。
ⅲ.北米:売上高6億円(前年同期比0.5%減)、営業損失1億円(同30百万円損失増)
米国では、サンフランシスコの米国子会社本社及び倉庫の売却に伴い、賃貸収入が無くなりましたが、Eコマースの伸長などが業績を下支えしました。「PUMA」とのブランドコラボレーションの成功など今後の波及効果も期待されます。また、スペシャリティストアとのショップインショップの商談を進めており、引き続き今期中の業績底打ちを目指してまいります。
ⅳ.南米:売上高1億円(前年同期比31.4%減)、営業利益27百万円(同41.9%減)
南米地域は、ブラジルでは、イースター関連の食品や、アパレル、家庭用品が好調でしたが、メキシコでのヘルス&ビューティ等の不調が業績全体に影響しました。地域全体のカテゴリーでは、食品、靴、ホーム用品が好調でしたが、主力カテゴリーのヘルス&ビューティ、玩具・スポーツの不調が影響しました。
ⅴ.アジア:売上高21億円(前年同期比8.3%増)、営業利益8億円(同4.5%増)
台湾では、商品化権ライセンスの主要カテゴリーである、アパレル、アクセサリー、家庭用品が好調でした。
香港では、香港市場での個人消費の回復もあり好調で、特にボディケア用品や、家電販売チェーンの販促キャンペーンが貢献しました。前連結会計年度において、高成長を遂げたタイにつきましては、若干厳しい状況がみられますが、ホテルやスポーツイベント等の広告化権ライセンスに取り組んでおります。また、フィリピン、インドネシアにつきましては、まだ市場規模が小さく、現在、イベントライセンス等で、ブランドポジションを構築し、商品化権の拡大を目指しております。
中国では、宝石・金業界の低迷によるアクセサリー関連の落ち込みや、コスメ・化粧品関連においての主要ライセンシーの方針変更にもより苦戦している部分はありますが、それを補うべく『ぐでたま』ほかのキャラクターによる新商品開発や、さらに継続性のある新規大手ライセンシーの開拓に注力しております。
キャラクターでは、中国における『バッドばつ丸』、韓国では『リルリルフェアリル』、その他地域で『シナモロール』の伸長が、『ハローキティ』以外のキャラクターの構成比増に貢献しました。

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。