四半期報告書-第59期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/14 16:07
【資料】
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【項目】
28項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は941億円で前連結会計年度末比41億円減少しました。資産の部の主な減少項目は現金及び預金16億円、受取手形及び売掛金8億円、未収入金4億円、建物及び構築物3億円、投資有価証券5億円、投資その他の資産のその他5億円です。
負債の部は419億円で36億円減少しました。主な減少項目は有利子負債(1年内償還予定社債を含む)10億円、未払法人税等10億円、退職給付に係る負債11億円、固定負債のその他7億円です。主な増加項目は支払手形及び買掛金が7億円です。純資産の部は、退職給付に係る調整累計額5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益30億円の増加に対し、配当金の支払による利益剰余金25億円の減少、その他有価証券評価差額金5億円、為替換算調整勘定10億円の減少により521億円と5億円減少しました。自己資本比率は55.2%で前連結会計年度末比1.8ポイント上昇しました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間(海外:2018年1月1日~2018年9月30日、国内:2018年4月1日~2018年12月31日)においては、国内は、テーマパーク事業が好調で、特に東京都多摩市のサンリオピューロランドは、メルヘンシアターの「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」、フェアリーランドシアターの「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」、夏の「ピューロ夏フェス」、秋の「ピューロハロウィーンパーティ」が好評でした。物販事業では、上半期に台風や地震による自然災害が相次いだことから、地域によっては、インバウンドの減少や、一部地域店舗の営業休止などによる集客の減少の影響がありました。第3四半期連結会計期間においても、その影響が残りましたが、店頭イベントの実施やプロモーションの展開により国内需要の獲得に努めました。海外は、アジアでは中国、香港・マカオにおけるロイヤリティ収入が堅調に推移しました。欧米では、各子会社において回復に向けた施策に取り組んでいるものの業績回復が遅れております。
これらの結果として、売上高は436億円(前年同期比1.2%減)、営業利益は38億円(同12.6%減)となりました。営業外収益として投資事業組合運用益を3億円計上したこと等により、経常利益は45億円(同2.6%減)、特別利益に、米国子会社の固定資産に関してセールアンドリースバック取引が期前解約されたことに伴う、繰延収益の実現益による固定資産売却益5億円、投資有価証券売却益5億円、特別損失に投資有価証券評価損5億円、事業構造改善費用として米国子会社のリストラクチャリングに係る費用3億円等を計上し、法人税等合計で16億円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は30億円(同21.3%増)となりました。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第3四半期連結累計期間の対象期間は、2018年1月~9月であります。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
i. 日本:売上高338億円(前年同期比微増)、営業利益27億円(同13.4%減)
物販事業は、7月以降、猛暑の影響や、台風、地震等の自然災害による一部地域店舗の営業休止などにより、インバウンドを含む集客の減少が売上に大きく影響しましたが、10月以降は、ハロウィーン、クリスマスなどのシーズンを強調した店舗環境づくりや、集客策としての店頭イベントの提案、実施、さらにはトップギフトシーズンに向けた商品提案やプロモーションの展開により国内需要を獲得することができました。その中でも、ケーブルバイトやクッションブランケットといった重点販売商品や、他社キャラクターとのコラボレーション商品などの販売施策が好評を博しました。その結果、既存店売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)は前年同期比100.0%となりました。今後については、伸長しているEコマースの一層の強化や、実店舗においてはバレンタイン、ホワイトデー、入園入学用品といったシーズン提案の強化や、新たなインバウンド施策を実施し、話題づくり、販売増に努めてまいります。
ライセンス事業は、商品化権ライセンスでは、12月まで続いた温暖な気候によるアパレル関連の不振はありましたが、サンリオキャラクターのワイド展開や、アニメ系コンテンツとのコラボレーション企画、『ハローキティ』45周年に向けた新企画が好調でした。企業向け企画では、品川区の観光大使に就任している『シナモロール』企画の拡充があります。区からの各種通達封筒への利用やマンホールデザインでの活用に加え、ふるさと納税の返礼品にオリジナルぬいぐるみが採用され、突出した申込み数がありました。また、杏林製薬株式会社のベビーグッズ消毒製品の「ミルトン」やクラシエホールディングス株式会社のシャンプーなどのドラッグアイテムが堅調でした。トピックスとしては大型商業施設「相模大野ステーションスクエア」のシーズン装飾に『アグレッシブ烈子』が採用され大きな反響がありました。
テーマパーク事業は、東京都多摩市のサンリオピューロランドは、入園者数が1,083千人(前年同期比6.9%増)と前年同期比69千人増加しました。前年3月からスタートした、松竹株式会社とのコラボレーションによるメルヘンシアターの新作「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」が評判となり、さらに6月に、フェアリーランドシアターで前作に続き、株式会社ネルケプランニングとのコラボレーションによる男優だけの新作ミュージカル「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」をスタートしたことが好調の要因となりました。また、夏季には、「ピューロ夏フェス」と題し内容を変え実施、9月からの「ピューロハロウィーンパーティ」も好評を博しました。さらに、福利厚生代行サービスなどを行っている企業向けの企画や当日券、ネット割引、国内及び海外代理店のeチケット販売などによる海外からのお客様も増加しました。しかしながら、株主優待券の利用期限を12月末から1月末に1か月延長したことの影響があったとみられ、第3四半期連結会計期間での入園者数は366千人と前年同期比微増でした。なお、1月の入園者数は株主優待券の利用期限を延長したことにより、大幅増員を見込んでおります。入園者増により、チケット売上、お土産などの商品売上、レストラン売上などのすべての売上高が前年同期に比べ増収となりました。さらに、コスプレやタレント出演といったイベントや対企業のバーゲン等の場所貸しによる売上も前年同期に比べ5割増加しました。
大分県のハーモニーランドでは、上半期は、西日本豪雨や台風の影響、記録的な猛暑などの影響がありましたが、入園者数は前年同期を13千人上回り、10月以降も台風などの大きな影響もなく、前年悪天候で伸び悩んだハロウィーンナイトやクリスマスといった各イベント開催日の集客も堅調に推移しましたので、入園者数は累計で359千人(前年同期比5.5%増)と18千人の増加となりました。売上は、商品売上においてシーズン毎のオリジナル商品等が伸長しました。通期に向けては、特に3月のイースターイベントに注力し、集客の増加を目指します。
その他の事業のロボット事業に関しては、海外の博物館向け恐竜ロボットや、H.I.Sグループの「変なホテル」の受付案内ロボット、スポーツシューズの耐久試験機の納品などが売上に貢献しました。
なお、国内事業全体の営業利益につきましては、海外からのマスターライセンス収入の減少等により前年同期を下回りました。
ⅱ. 欧州:売上高13億円(前年同期比10.1%減)、営業損失2億円(同74百万円損失増)
欧州では、主要諸国及び中近東、東欧におきましても、売上は依然厳しく、家庭用品をはじめ各ライセンスカテゴリーにおいて前年を下回る状況です。『ミスターメン リトルミス』のアジア展開におきましては、中国における新代理店との契約がまとまり、今後の中国本土でのさらなる伸長を目指します。販売費及び一般管理費では、英国の販売代理店との契約を解除し、直接営業に切り替えたことによる販売手数料の減少が営業利益に寄与したものの、営業面での厳しい状況は続いておりますが、有名YouTuberなどインフルエンサーを活用したマーケティングを行い、有名ブランドとのコラボレーションや大手ファストファッションとの取り組みを強化し、主要カテゴリーであるソフトラインの底上げを図ってまいります。
ⅲ. 北米:売上高18億円(前年同期比12.0%減)、営業損失7億円(同1億円損失増)
米国では、サンフランシスコの子会社の本社、倉庫設備及び賃貸施設の売却に伴い、賃貸収入が無くなりましたが、物販では、直営店売上、EC事業売上が前年同期実績を大きくクリアしました。ライセンス売上では、ConverseやPUMAとのコラボレーションが貢献したものの、主要カテゴリーであるアパレルやヘルス&ビューティにおいて前年を大きく下回りました。キャラクター別では、4月からNetflixで配信が始まり、反響を呼んでいる『アグレッシブ烈子(Aggretsuko)』やミックスキャラクターの提案が好調ですが、『ハローキティ』や『ぐでたま』の売上減を補うには至りませんでした。今後もグローバルなライセンシーの拡大とともに、既存ライセンシーのフォローアップを続けてまいります。
ⅳ. 南米:売上高4億円(前年同期比35.4%減)、営業利益14百万円(同78.9%減)
南米地域は、メキシコ、ブラジル、チリ、ペルーといった主要諸国が不調で、減収減益となりました。ブラジルでは、当連結会計期間においてアパレルやヘルス&ビューティが好調でしたが、当連結累計期間の落ち込みをカバーするには至りませんでした。メキシコではヘルス&ビューティや文房具が好調でしたが、他のカテゴリーは全般に不調でした。今後も、小売業者との直接ライセンス取引や、SNSや空間ライセンス施設を通じたキャラクターの露出を行ってまいります。
ⅴ. アジア:売上高61億円(前年同期比1.9%増)、営業利益24億円(同4.0%増)
香港では、香港・マカオ市場が引き続き好調に推移しました。香港老舗テーマパークとの新規取組、ドラッグストア等大手流通との販促キャンペーンや、金融機関との取り組みが貢献しました。前連結会計年度において、高成長を遂げたタイにつきましては、ヘルス&ビューティが好調も、大手メーカーやコンビニエンスストアとのキャンペーン関連売上の大幅減少により苦戦しました。フィリピン、インドネシア、ベトナムにつきましては、まだ市場規模は小さいですが、前年同期実績をクリアしました。
台湾では、商品化権ライセンスの主要カテゴリーである、アパレル、家庭用品が好調でした。また、ファミリーマートやセブンイレブン等のコンビニエンスストアとの取り組みが好調でしたが、前年実績が高かった食品カテゴリーや、イベント等は前年同期を下回りました。
韓国では、ヘルス&ビューティや食品カテゴリーが売上に貢献しましたが、家庭用品や、企業プロモーション等前年好調であった企業特販の落ち込み等により、業績が前年同期を下回りました。
中国では、空間ライセンス事業が堅調に推移しております。商品化権ライセンスでは、アクセサリー関連、ヘルス&ビューティ関連においての主要ライセンシーの落ち込みにより苦戦しておりますが、中国最大手スポーツブランドの子供服を中心にアパレルが好調で業績を牽引しました。また、上期苦戦していた企業特販でも広告代理店との連携でノベルティプロモーションを実施し前年同期実績を超えることができました。
キャラクターの多様化では、中国においてアパレルの展開が好調な『バッドばつ丸』や『ぐでたま』、韓国ではアニメのヒットにより『リルリルフェアリル』、台湾では『マイメロディ』、その他地域で『ポムポムプリン』『シナモロール』『リトルツインスターズ』の伸長が、『ハローキティ』以外のキャラクターの構成比増に貢献しました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。