四半期報告書-第64期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)

【提出】
2023/11/14 11:25
【資料】
PDFをみる
【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,216億円で前連結会計年度末比209億円増加しました。主な増加項目は現金及び預金135億円、売掛金23億円、商品及び製品16億円、投資有価証券5億円です。
負債の部は537億円で前連結会計年度末比93億円増加しました。主な増加項目は有利子負債(1年内償還予定社債を含む)44億円、支払手形及び買掛金19億円、未払法人税等12億円、契約負債7億円です。
純資産の部は、679億円で前連結会計年度末比116億円増加しました。主な増加項目は利益剰余金88億円、為替換算調整勘定30億円、その他有価証券評価差額金6億円です。主な減少項目は退職給付に係る調整累計額11億円です。
自己資本比率は55.5%で前連結会計年度末比0.1ポイント減少しました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう社会経済活動の正常化に加え、外国人観光客による消費が活発化し、国内景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、欧州における紛争の長期化、世界的な資源価格の上昇や為替変動による物価上昇などにより、消費者の生活防衛意識が高まることが懸念されるなど、依然として先行きが不透明な状況は継続しております。
このような状況のなか、当社グループは2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画「未来への創造と挑戦」の最終年度として、「組織風土改革」「国内外構造改革の着手・完遂」「再成長の戦略や成長市場への種まき」を3本柱とする各種施策を着実に推し進めております。
国内の店舗・テーマパークは、様々な施策が順調に進んだことに加え、新型コロナウイルス感染症の分類移行により国内客が増加するとともに、外国人観光客が急増しており、大幅増となった客数が売上高を押し上げました。また、ライセンス事業は国内外ともに複数キャラクター展開などの戦略的な施策が奏功し、既存ライセンシーの商品展開が増加するとともに新規ライセンシーの獲得も進み、売上高が伸長いたしました。
なお、サンリオファン会員向けアプリ「Sanrio+」の会員数は9月末現在で約161万人となりました。
連結営業損益に関しては、国内外ともに大幅増収したことに加え、構造改革を通じて営業費用をコントロールしたことにより収益性が向上し、大幅増益となりました。
以上の結果、売上高は439億円(前年同期比43.4%増)、営業利益は133億円(前年同期比は148.9%増)、経常利益は142億円(前年同期比153.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は105億円(前年同期比249.0%増)となりました。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第2四半期連結累計期間の対象期間は、2023年1月~6月であります。
ⅰ.日本:売上高317億円(前年同期比41.6%増)、営業利益96億円(前年同期比139.4%増)
1.国内営業本部(物販事業・ライセンス事業)
2023年4月、シナジー効果を発揮し全社利益最適化に貢献すべく、物販事業本部とライセンス営業本部を統合し、国内営業本部に名称変更いたしました。
物販事業は、新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう社会経済活動の正常化により人流が活発となり、店舗の客数が大幅に増加いたしました。また、外国人観光客の増加が継続しており、都心や観光地を中心に店舗の売上高を大きく押し上げました。また、過去最多となる総得票数4,448万票を記録した人気投票イベント「2023年サンリオキャラクター大賞」(4/11~5/26)は、投票イベント終了後に販売したイベント限定商品「私のNo.1シリーズ」が好調に推移し、人気キャラクターの王冠&正装スタイルがかわいいと話題を集めました。商品カテゴリーでは、他社の人気キャラクターとのコラボレーションアイテムに加え、マスコットホルダー、キーホルダー類のアクセサリー、推しを楽しく応援するためのグッズ「エンジョイアイドルシリーズ」の人気が継続いたしました。
ライセンス事業は、複数キャラクター戦略が引き続き奏功しており、既存ライセンシーの商品展開が増えるとともに、新規ライセンシーの獲得も進み、売上高が伸長いたしました。商品化ライセンスは、「2023年サンリオキャラクター大賞」と連動した商品やインバウンド需要の高まりにより、お土産品が好調に推移いたしました。また、デパ地下で人気の洋菓子店とのコラボレーションが話題を集めました。広告化ライセンスは、顧客課題に合わせたキャラクター提案が奏功しており、商業施設や外食、菓子・食品など様々な業態のキャンペーンで採用されました。
営業損益については、売上高の大幅増により、大幅増益となりました。
2.テーマパーク事業
サンリオピューロランド(東京都)とハーモニーランド(大分県)は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い、国内客が増加するとともに外国人観光客が急増し、売上高を押し上げました。
サンリオピューロランドでは、分類移行後にキャラクターとの握手やハグなどの触れ合いや同施設最大の人気エンターテイメント「Miracle Gift Parade」を3年ぶりに再開したため、有料席や関連商品が好調に推移いたしました。また、キャンプをテーマとした初企画のイベント「ピューロランドキャンプ」(7/7~9/5)を開催いたしました。同イベントでは、新作ショー「Chilling!Hot!キャンプふぁいやー」の上演やフォトスポット、商品・飲食メニューが集客・売上高増に貢献いたしました。
ハーモニーランドは、新規イベント「HAPPY EASTER」(3/27~5/30)や「とっておきのRainy Day」(6/2~7/11)、夏季限定の新パレード「Iceful Parade」(7/14~9/5)、ニューアトラクション「ウォーターショット」(7/14~)などが客数増に貢献いたしました。また、これらの新規イベントと連動したオリジナル商品や値上げした入園チケットが客単価を押し上げ、売上増に寄与いたしました。
営業損益は、両施設の売上高が大幅に増えたことが寄与し、増益となりました。
ⅱ.欧州:売上高11億円(前年同期比39.9%増)、営業利益1億円(前年同期は営業損失1億円)
ライセンス事業は、フランスの有名ブランドとのコラボレーションや大手ライセンシーとの取り組みが継続し、ブランド価値が向上いたしました。カテゴリー別の動向について、アパレルカテゴリーは既存ライセンシーや大手アパレルとの取り組みが奏功いたしました。フットウエアカテゴリーは、有名ブランドとのコラボレーションによるグローバル展開したミックスキャラクターのスニーカーが好調に推移いたしました。デジタルカテゴリーは、昨年11月に配信されたリズムゲームが売上高を伸長するとともに、認知度向上に寄与いたしました。
『ミスターメンリトルミス』は、新規ライセンシーが好調に推移したアパレルカテゴリーが伸長いたしました。また、玩具カテゴリーは、米国の既存ライセンシーとの継続的な取り組みが奏功し、好調に推移いたしました。
営業損益は、売上高の大幅増に加え販管費の抑制により、黒字に転換いたしました。
ⅲ.北米:売上高40億円(前年同期比62.6%増)、営業利益12億円(前年同期比360.4%増)
物販事業(自社EC)は、引き続き好調に推移いたしました。特にカメラやコスメ、新規ライセンシーのフットウエアが人気を博しました。
ライセンス事業は、アパレルや玩具、ヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移いたしました。
アパレルカテゴリーは、既存ライセンシーとの取り組みが引き続き好調に推移するとともに、有名アニメキャラクターとのコラボレーションが認知度向上に寄与いたしました。玩具カテゴリーは、昨年12月に大手メーカーと中長期契約を締結し、同メーカーが持つ様々な玩具品でサンリオキャラクターが採用されており、また、他社キャラクターとコラボレーションしたぬいぐるみや「Hello Kitty& Friends」のフィギュアなどが好調に推移いたしました。ヘルス&ビューティーカテゴリーは、『マイメロディ』『クロミ』『リトルツインスターズ』のコスメアイテムが好調に推移いたしました。フットウエアカテゴリーは、有名ブランドとコラボレーションした商品が再販されるなど注目を集め、ブランド認知の強化および売上高の伸長に寄与いたしました。その他、メジャーリーグベースボール(MLB)と協業のオフラインイベントを定期的に開催しており、顧客接点強化にも努めております。
営業損益については、売上高の大幅伸長により、大幅増益となりました。
ⅳ.南米:売上高3億円(前年同期比48.7%増)、営業利益85百万円(前年同期比155.2%増)
南米全体は、ヘルス&ビューティー、バッグ、文具、企業特販カテゴリーのライセンス事業が好調に推移いたしました。また、200以上のライセンシーが集まるイベントの開催や展示会などへの参加を通じて、認知度を向上しております。
メキシコは、ハローキティカフェの人気が継続している企業特販カテゴリー、衛生商品や香水が好調のヘルス&ビューティーカテゴリー、スニーカーやビーチサンダルが人気のフットウエアカテゴリーが好調に推移いたしました。ペルーは、通学バッグの需要が増加し、バッグカテゴリーが売上を牽引いたしました。チリは、文具やアパレルカテゴリーが好調に推移いたしました。
営業損益については、売上高の大幅伸長により大きく改善いたしました。
ⅴ.アジア:売上高66億円(前年同期比42.1%増)、営業利益28億円(前年同期比51.1%増)
香港・マカオ地区は、ライセンス事業において、金融機関との継続的なプロモーションにより、企業特販カテゴリーが売上高を牽引いたしました。物販事業においては、商業施設(九龍塘)に同地区としては初となるコンセプトストアが期間限定オープン(5/16~11/30)し、顧客との接点拡大に貢献しております。
台湾は、ライセンス事業において、企業特販やデジタルカテゴリーが好調に推移し、売上高の増加に貢献いたしました。
韓国は、前期に実施した韓国大手芸能事務所所属のアイドルグループとのコラボレーションをきっかけにZ世代への認知度およびブランド価値が向上しており、新規ライセンシーの獲得に加え既存ライセンシーの商品展開が引き続き拡大いたしました。ライセンス事業において、通信販売に強みを持つ衛生商品メーカーや新規獲得した韓国コスメブランドとのコラボレーションが好調に推移し、ヘルス&ビューティーカテゴリーが伸長いたしました。
中国は、2023年1月からマスターライセンス契約先をアリババグループのアリフィッシュへと変更いたしました。新型コロナウイルス感染症の拡大により2023年初頭はビジネス活動が鈍化したものの、ヘルス&ビューティー、トイ&ホビーカテゴリーが伸長いたしました。また、同国では複数キャラクター展開が奏功しており、『シナモロール』『クロミ』に加え『ポチャッコ』なども注目を集めました。
東南アジアは、タイが売上高を牽引いたしました。特に同国最大のコンビニエンスストアとのコラボレーションが売上高の増加に寄与いたしました。
営業損益については、アジア各国における全体的な売上高の伸びが寄与し、増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比116億円増の438億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは86億円の収入(前年同期比60億円の収入増)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益が147億円(同90億円増)、売上債権の増加額19億円(同14億円収入減)、棚卸資産の増加額が17億円(同3億円収入減)、その他の負債の減少額が21億円(同10億円支出増)、法人税等の支払額が23億円(同0.1億円支出減)であったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは10億円の支出(前年同期は9億円の収入)となりました。これは、定期預金の預入払戻による差である5億円の支出(前年同期は9億円の収入)、有形固定資産の取得売却の差額5億円の支出(前年同期比2億円の支出増)、投資有価証券の取得売却の差額8億円の収入(前年同期比8億円の収入増)であったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは25億円の収入(前年同期比14億円の収入減)となりました。これは主に、長期借入金の借入・返済の差額47億円の収入(同4億円の収入減)であった一方、配当金の支払額16億円(同9億円の支出増)等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。