四半期報告書-第62期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 9:40
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は896億円で前連結会計年度末比46億円増加しました。資産の部の主な増加項目は現金及び預金84億円です。主な減少項目は建物及び構築物(純額)9億円、土地16億円、投資有価証券10億円です。
負債の部は485億円で前連結会計年度末比7億円増加しました。主な増加項目は支払手形及び買掛金6億円です。純資産の部につきましては、411億円で前連結会計年度末比38億円増加しました。これは主に、利益剰余金が19億円、為替換算調整勘定が16億円増加したこと等によるものです。自己資本比率は45.7%で前連結会計年度末比2.0ポイント上昇しました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの変異株の感染症拡大により主要都市部での緊急事態宣言が継続的に発令され、経済活動が抑制されました。2021年9月30日には一部条件付きで緊急事態宣言の全面解除となる等、行動制限の緩和に向かい状況は改善するものの、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。当社では、引き続きお客様及び従業員の健康を守り、感染症拡大の防止策を講じつつ、安心できる店舗や施設の運営を行っております。
当社は、2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画「未来への創造と挑戦」を2021年5月25日に発表しました。本計画は(1)組織風土改革、(2)国内外構造改革の着手・完遂、(3)再成長の戦略や成長市場への種まきを3本柱とし、その実行については大幅に体制を刷新し、計画を遂行しております。なお、中期経営計画の進捗状況につきましては、11月中旬に当社ホームページにて資料を公開する予定です。
当第2四半期連結累計期間における当社の状況ですが、国内では全国に緊急事態宣言地域や、まん延防止等重点措置地域が拡大し、当社直営店においては影響を受けている店舗も多く厳しい状況が続きました。そのような状況下、卸売りやEC事業においては売上を伸ばすことができ、事業を下支えしました。コロナ禍の影響から、衛生関連商品や巣ごもり(おうち需要)関連商品が好動向を示し、またイベント性のある当りくじは消費者の支持を集め、販売構成比を伸ばすことができました。昨年7月から開始しましたサンリオファン会員向けアプリ「Sanrio+」の会員数も10月には100万人を突破しました。
テーマパーク事業は、コロナ禍の影響による入園者数減により、厳しい状況が続いておりますが、引き続き昨年より立ち上げた館内有料施策やデジタル配信、EC事業の拡大に注力してまいります。
海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の抑え込みは地域により差はありますが、欧州ではアパレルライセンシーの伸長や大手玩具ライセンシーの再開、北米では玩具メーカーとの取り組みが堅調に推移しました。中国では大型スポーツ用品メーカーとのコラボレーションが貢献し、アジア全体ではマスク等衛生関連商品の需要が伸長しました。
これらの結果として、売上高は、237億円(前年同期比39.4%増)、営業利益は2億円(前年同期は26億円の損失)、営業外収益に受取利息、投資事業組合運用益等を計上し、経常利益は6億円(前年同期は19億円の損失)でした。特別利益として固定資産売却益38億円等、特別損失に中国事業の再編に伴う事業構造改善費用として非連結子会社であるSanrio Brand Development Shanghai Co., Ltd.に係る費用10億円等を計上し、法人税等11億円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億円(前年同期は28億円の損失)となりました。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第2四半期連結累計期間の対象期間は、2021年1月~6月であります。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
ⅰ.日本:売上高177億円(前年同期比36.4%増)、営業損失70百万円(同20億円損失減)
物販事業は、全国に広がる緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置により、消費者の来店機会や購入動機が失われたため、リテール事業を中心に苦戦しました。一方でEC事業は前年同期比122.1%を示し、会員数も前年同期比147.7%と伸長しました。また、販売面を拡大する卸売部門は引き続き好調で、物販事業の業績を下支えしました。
商品動向としては、推し活を応援するエンジョイアイドルシリーズが、ライブ公演が徐々に再開したこともあり、堅調でした。引き続きマスク等の衛生商品、前髪クリップに代表されるヘアアクセサリーのカテゴリーは人気を博しております。当社オリジナルの当りくじは、毎回キャラクターや景品に趣向を凝らし、消費者の支持を集め、販売シェアを大きく伸ばしております。
また、10月8日には、新ショップ構想の『意外性や驚きといった面から脱サンリオを目指す「Am@zing(アメイジング)プロジェクト」』第1弾として、「Hello Kitty Japan ダイバーシティ東京 プラザ店」がリニューアルオープンしました。
ライセンス事業の商品化権ライセンスでは、グローバルコスメブランドの「シュウ ウエムラ」「SABON」「資生堂」などの大型案件が全体を押し上げました。同時に「しまむら」「ドン・キホーテ」などの大型チェーン店向けの寝具・クッションなどのホームインテリア関連、ルームウエア・パジャマなどの部屋着関連などが、いわゆる「おうち需要」で堅調でした。この需要は近場のコンビニエンスストアにも波及し「当りくじ」の販売高が大きく伸長しました。
対企業企画では株式会社ハウスメイトパートナーズや株式会社ジャパンホームズなどの不動産関連、「オリジン弁当」のオリジン東秀株式会社や株式会社シルバーライフなどのお弁当・配食事業、さらにはデロイトトーマツコンサルティング合同会社やシマダアセットパートナーズ株式会社など、従来にはなかった新機軸の企業群との新規契約が進み、大きく貢献をしました。
エンターテイメント事業本部の第2四半期は、アニメやトイ・ホビーの事業が大きく伸長しました。アニメ関連では、「ゆるキャン△」「進撃の巨人」を始めとした人気アニメとサンリオキャラクターズとのコラボレーション商品が好評でした。アニメやゲームコンテンツとのコラボレーションによる商品化ロイヤリティは好調で、収益の柱になりつつあります。
トイ・ホビーにつきましては、フリュー株式会社や株式会社セガへのライセンス供与によるクレーンゲーム用ぬいぐるみや雑貨関連商品が、引き続き好調でした。
株式会社バンダイとのカプセルトイ、株式会社タカラトミーのシンカリオンなど、定番トイ・ホビーアイテムへのキャラクター供与が、コロナ禍においても底堅く推移し収益につながっております。デジタルビジネスについては、LINE株式会社、ココネ株式会社、NetEase Gamesなどのグローバル企業からのロイヤリティ収入が順調だったことに加え、株式会社ディー・エヌ・エーや株式会社NTTドコモなどとの新規案件が売上に寄与しました。引き続き、話題性のあるデジタルサービスへのキャラクター供与を更に加速させてまいります。
テーマパーク事業では、東京都多摩市のサンリオピューロランドは、当第2四半期を通して発令された緊急事態宣言とまん延防止等重点措置により、定員制限50%のもと、入園者数を伸ばす施策を打つことができず、第2四半期の入園者数は227千人(前年同期は、102千人※7月13日より営業再開で事前予約抽選制)でした。入園者数制限により館内売上が伸び悩む中、施設外でのサンリオ60周年企画「Sanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』」が売上に寄与しましたが、販売費及び一般管理費が前年同期比120.8%となり、その結果大幅な営業損失となりました。
大分県のハーモニーランドは、7月には入園者数は回復基調となりましたが、8月前半からは九州地方でも緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が発令されたことにより、近隣県からの入園者数が伸び悩み、第2四半期の入園者数は73千人(前年同期は47千人)となりました。引き続き、今期立ち上げた、有料のキャラクターグリーティングやECでのオリジナル商品の販売を推進してまいります。
ⅱ.欧州:売上高7億円(前年同期比42.9%増)、営業損失1億円(同2億円損失減)
サンリオキャラクターに関しては、大手アパレルライセンシーが伸長した他、大手玩具ライセンシーとの取り組みも開始し、前年同期の売上を上回りました。
『ミスターメン リトルミス』に関しては、主要カテゴリーである出版ライセンスが堅調に推移しております。フランスの大手出版社は販売先である大手量販店でプロモーションを実施したこともあり、前年同期の売上を大きく上回りました。
ⅲ.北米:売上高13億円(前年同期比102.0%増)、営業損失3億円(同3億円損失減)
ライセンス事業では、ぬいぐるみをメインで扱う玩具メーカーとの取り組みが好調で、多くの小売店で販売を開始しております。また、大手玩具ライセンシーとの取り組みで販売しているぬいぐるみも取扱店舗を拡大しております。
物販事業では、ECの売上が前年同期と比べて非常に好調に推移しております。小売店舗に関しても、春休みと規制解除が重なったことで、売上が大きく伸長しました。
ⅳ.南米:売上高1億円(前年同期比13.7%増)、営業利益19百万円(前年同期は営業損失6百万円)
ブラジルでは、新規取り組みであるオンラインゲームとのコラボレーションが牽引し、売上が大きく増加しました。また、既存のサンダルメーカーとの取り組みも好調に推移しております。一方、メキシコでは、主要取引先の生理用品を扱うメーカーの新商品発売が遅れたこともあり、前年同期に対して売上が減少しました。
ⅴ.アジア:売上高38億円(前年同期比39.5%増)、営業利益14億円(同49.4%増)
香港・マカオでは、コンビニチェーンでのキャンペーン、及び不織布マスクなどの衛生用品を扱うメーカーとの取り組みが好調に推移しております。
台湾では、新型コロナウイルス感染症拡大により、コンビニエンスストア等の流通・小売及び外食業界でのキャンペーンが伸び悩んでおります。一方、ヘルス&ビューティカテゴリーでは、マスクを中心に扱うメーカーとの新規契約が増加しております。
韓国では、デジタルカテゴリーが引き続き好調に推移しております。また、靴カテゴリーでは、既存取引先が大手ECでの販売を開始した影響で大きく売上を伸ばしております。一方、衛生用品を中心に扱っていたメーカーが、中国での原材料高騰の影響を受け、出荷量を減らしており、その影響で売上が伸び悩んでおります。
中国では、大手スポーツ用品メーカーとの大型コラボレーションや、ヘルス&ビューティカテゴリーの伸長など、ほぼ全てのカテゴリーにおいて売上が好調でした。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、支払いが遅れていたMG(最低補償金)の入金もあり、前年同期の売上を大きく上回りました。また、『ミスターメン リトルミス』に関しては、50周年を記念してライブコマースを行うなど、認知拡大施策を実施しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比69億円増の317億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは21億円の収入(前年同期は35億円の支出)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益が31億円(前年同期は24億円の損失)、減価償却費が8億円(前年同期比0.5億円の収入減)、事業構造改善費用が10億円(同10億円増)、仕入債務の増加額が6億円(同13億円の収入増)、未払消費税等の増加額が4億円(同8億円の収入増)であった一方、固定資産処分損益が38億円(同38億円減)であったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは54億円の収入(前年同期は11億円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得売却による収支差額が58億円(前年同期比61億円の収入増)に対し、定期預金の預入払戻による差である5億円の支出(同3億円の支出減)であったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは11億円の支出(前年同期は108億円の収入)となりました。これは主に、長・短期借入金の借入・返済の差額5億円の支出(同146億円の支出増)、社債の償還による支出が3億円(同11億円の支出減)、財務活動その他の収支による3億円の支出(同微減)等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 主要な設備
当社は、経営資源の有効活用と財務体質の改善及び強化を図るため、事務所兼倉庫として所有しておりました固定資産を2021年4月20日に譲渡しました。当該固定資産譲渡により、当第2四半期連結累計期間において、固定資産売却益として3,855百万円の特別利益を計上しております。なお、譲渡後も当該事務所兼倉庫を賃借し、継続利用しております。