四半期報告書-第62期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/14 11:00
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は856億円で前連結会計年度末比5億円増加しました。資産の部の主な増加項目は現金及び預金39億円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金)17億円です。主な、減少項目は建物及び構築物(純額)10億円、土地16億円、投資有価証券19億円です。
負債の部は439億円で前連結会計年度末比37億円減少しました。主な増加項目は支払手形及び買掛金16億円です。主な減少項目は有利子負債(1年内償還予定社債を含む)53億円です。純資産の部につきましては、416億円で前連結会計年度末比43億円増加しました。これは主に、利益剰余金が25億円、為替換算調整勘定が16億円増加したこと等によるものです。自己資本比率は48.5%で前連結会計年度末比4.8ポイント上昇しました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率の向上とともに感染者数が減少し緊急事態宣言が解除されたことで、今後の経済回復に向けた動きへの期待が高まっておりました。しかしながら新種の変異型ウイルスによる感染が再拡大していることから、依然として先行きは不透明な状態が続いております。当社では、引き続きお客様及び従業員の健康を守り、感染症拡大の防止策を講じつつ安心できる店舗や施設の運営を行っております。
当社は、2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画「未来への創造と挑戦」を2021年5月25日に発表しました。本計画は(1)組織風土改革、(2)国内外構造改革の着手・完遂、(3)再成長の戦略や成長市場への種まきを3本柱とし、その実行については大幅に体制を刷新し、計画を遂行しております。
当第3四半期連結累計期間における当社の状況ですが、国内では緊急事態宣言が全面解除となった10月から経済活動の正常化が進み、それまでコロナ禍の影響を受けていた当社直営店も集客が戻り、期初より好調を維持しているEC事業や卸売事業と合わせ、事業全体の売上を伸ばすことができました。「おうち需要」で好動向を示している服飾、雑貨関連、またアニメ、トイホビー、デジタル関連と合わせ、国内全体の売上が伸長しました。
また昨年10月に100万人を突破したサンリオファン会員向けアプリ「Sanrio+」の会員数は12月末現在で105万6千人となり、順調に推移しております。
テーマパーク事業では、9月まではコロナ禍の影響を大きく受けておりましたが、緊急事態宣言の全面解除後には入園者数の回復に伴い(サンリオピューロランドでは入園者数の上限は設定しております)、両テーマパークとも売上が前年同期と比べ大きく伸長しました。
海外では、欧州ではアパレルライセンシーとの取り組みが大きく伸長し、北米のライセンス事業では玩具メーカーとの取組みが堅調に推移し、物販事業ではECの売上が伸長しました。中国では、ほぼ全てのカテゴリーにおいて売上が好調で、その中で特にヘルス&ビューティカテゴリーが大きく伸長しました。
これらの結果として、売上高は、385億円(前年同期比30.9%増)、営業利益は20億円(前年同期は25億円の損失)、営業外収益に受取利息、投資事業組合運用益等を計上し、経常利益は24億円(前年同期は17億円の損失)でした。特別利益として固定資産売却益38億円等、特別損失に非連結子会社であるSanrio Brand Development Shanghai Co., Ltd.に係る関係会社株式評価損11億円等を計上し、法人税等15億円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億円(前年同期は23億円の損失)となりました。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第3四半期連結累計期間の対象期間は、2021年1月~9月であります。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
i. 日本:売上高297億円(前年同期比29.3%増)、営業利益12億円(前年同期は営業損失25億円)
物販事業は、新型コロナウイルスの感染者数の減少による人流の増加で、来店客数が伸び、売上は予算比、前年同期比とも好調に推移しました。特に第2四半期に苦戦をしていたリテール事業の当社直営店舗の売上は二桁増となり、EC事業の売上は前年同期比122.3%と高い水準を維持しており、物販事業を牽引しました。卸売事業は、引き続き販路、販売面拡大の要望が多く、堅調に推移しました。
商品動向としては、『マイメロディ』、『クロミ』をデザインした「真夜中のメロクロデザインシリーズ」や漫画・アニメの『カードキャプターさくら』コラボシリーズなどのプロモーション商品が好調でした。また、毎月発売される当りくじは、目的購入や複数個購入も増え、シェアが拡大しています。
新規出店では、11月に神戸三宮センター街に「Sanrio神戸三宮店」と、ジアウトレット広島に「Sanrio OUTLET 広島店」がオープンし、好調に推移しております。
ライセンス事業の対企業企画ではコンビニ三大チェーンがすべて大幅に増進しました。ローソンのオールキャラクターくじ、ファミリーマートの『クロミ』くじ、セブンイレブンのオールキャラクターくじなど各チェーンの当りくじの取扱数が飛躍的に伸長しました。これはキャラクター認知度が大きく上がり、コンビニマーケットでもキャラクターのワイド展開が最大に効果を発揮した為です。
また、ユニリーバ・ジャパン株式会社や花王株式会社などの大手メーカーとの商品化、広告宣伝案件が伸長したことに加え、サーティーワンアイスクリームやヨガスタジオ大手のLAVA、回転ずしの銚子丸、なないろ生命保険株式会社などの新規成約も貢献をしました。
商品化権ライセンスでは、株式会社ユニクロの海外向け企画が伸長しました。さらに「しまむら」「ユニー/ドン・キホーテ」などの大型チェーン店向けのいわゆるおうち需要が引き続き旺盛なのに加え、特に服飾、雑貨ライセンシーで『クロミ』や『はぴだんぶい』を中心に、同じくワイド展開が功を奏し、全体的に堅調でした。
エンターテイメント事業本部の第3四半期は、アニメ、トイホビー、デジタル他、各部門において売上が大きく伸長しました。
商品化においては、「刀剣乱舞」、「東京リベンジャーズ」、「呪術廻戦」など話題性の高いIPとサンリオキャラクターとのコラボレーション商品の貢献に加え、クレーンゲーム向けプライズ商品やカプセルトイへのライセンス供与が売上に寄与しました。
デジタルビジネスについては、「パズドラ」や「ポケットランド」など、大型ゲームへのサンリオキャラクター供与が大きなロイヤリティ収入に結びついた他、「17LIVE」、「LINE」、「Google」との取組みも順調に推移しました。12月にはサンリオ初のVRイベント「Sanrio Virtual Fes in Sanrio Puroland」を開催し好評を博しましたが、今後、「メタバース」や「NFT」といった新しいサービスの展開も強化してまいります。
テーマパーク事業では、10月に緊急事態宣言がすべて解除されたと同時に、集客も増え活気が戻ってきました。東京都多摩市のサンリオピューロランドでは、入園者数の上限設定は継続しているものの、第3四半期の入園者は271千人(前年同期比+93千人)となりました。また、販売費及び一般管理費の削減により、第3四半期は営業損益を大幅に改善することができました。
大分県のハーモニーランドは、第3四半期の入園者は108千人(前年同期比+32千人)まで回復し、新規の有料キャラクターグリーティングやECでのオリジナル商品の販売が好調に推移し、こちらも営業損益が大幅に改善しました。
両テーマパークとも引き続き感染症拡大に注意を払ってまいります。
ⅱ. 欧州:売上高11億円(前年同期比36.7%増)、営業損失70百万円(同32百万円損失減)
サンリオキャラクターに関しては、キャラクターミックス商品をグローバルに展開している大手アパレルライセンシーとの取り組みが大きく伸長しました。
『ミスターメン リトルミス』に関しては、主要カテゴリーである出版ライセンスが堅調に推移しております。また50周年を記念し、ファストフード店でのキャンペーンも実施しました。
ⅲ. 北米:売上高21億円(前年同期比74.3%増)、営業損失3億円(同4億円損失減)
ライセンス事業では、ぬいぐるみをメインで扱う玩具メーカーとの取り組みが好調で、多くの小売店で販売を開始しております。また、アニメキャラクター(『NARUTO』、『僕のヒーローアカデミア』)とのコラボレーションアパレルやオンライン限定商品の好調もあり、アパレルカテゴリー全体が伸長しました。
また、ECの売上は米国発のIPである『Pusheen』とのコラボレーションもあり、好調に推移しております。
ⅳ. 南米:売上高2億円(前年同期比18.1%増)、営業利益34百万円(前年同期は営業損失1百万円)
ブラジルでは、オンラインゲームとのコラボレーションが牽引し、売上が大きく増加しました。また、主力商品であるサンダルの取り組みも好調に推移しております。一方、メキシコでは、主要取引先の生理用品を扱うメーカーの売上は減少したものの、全体の売上は前年同期比を上回りました。
ⅴ. アジア:売上高51億円(前年同期比26.7%増)、営業利益18億円(同34.6%増)
香港・マカオでは、不織布マスクの売上が好調の他、コンビニやスーパーマーケットのキャンペーンも売上増加に貢献しました。
台湾では、新型コロナウイルス感染症拡大により、コンビニでの施策が一部中止になった他、一部アパレルメーカーでは生産停止に追い込まれる等、影響を受けました。一方、マスク関連メーカーを中心にヘルス&ビューティカテゴリーでは売上が増加しています。
韓国では、デジタルカテゴリーにおいて、パズルゲームやメッセージアプリのスタンプの取り組みが好調です。また、文具カテゴリーの売上も増加しており、文具や雑貨商品を幅広いIPで展開しております。
中国では、雑貨メーカーや化粧品メーカーの好調を受けて、ヘルス&ビューティカテゴリーが大幅に伸長している他、アパレルカテゴリーでも新規契約を獲得しており、ほぼ全てのカテゴリーにおいて売上が好調でした。また、『ミスターメン リトルミス』に関しては、50周年を記念してライブコマースを行いました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
(4) 主要な設備
当社は、経営資源の有効活用と財務体質の改善及び強化を図るため、事務所兼倉庫として所有しておりました固定資産を2021年4月20日に譲渡しました。当該固定資産譲渡により、当第3四半期連結累計期間において、固定資産売却益として3,855百万円の特別利益を計上しております。なお、譲渡後も当該事務所兼倉庫を賃借し、継続利用しております。