有価証券報告書-第59期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は951億円で、前期末比30億円減少しました。資産の部の主な減少項目は現金及び預金4億円、受取手形及び売掛金9億円、未収入金2億円、建物及び構築物4億円、差入保証金1億円、繰延税金資産2億円、投資その他の資産のその他4億円です。
負債の部は427億円で前期末比27億円減少しました。主な減少項目は未払法人税等8億円、退職給付に係る負債9億円、固定負債のその他7億円です。純資産の部は、配当金25億円の支払いに対し、親会社株主に帰属する当期純利益が38億円となったことにより利益剰余金が13億円増加した一方で、為替換算調整勘定が20億円減少したことにより、523億円と前期末比3億円減少しました。自己資本比率は54.7%で前期末比1.3ポイント上昇しました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループは、中期経営計画「Marketing Innovation Project 2021」をスタートさせました。マーケティング本部を新たに設立し、『ハローキティ』やそれに次ぐセカンドキャラクターの育成、再活性化のための施策を推進してまいりました。アニメ・デジタル事業の施策につきましては、2018年4月にNetflixにて『アグレッシブ烈子(Aggretsuko)』のアニメシリーズの配信がスタートし、特に米国で大きな反響を呼びました。また、ゲーム事業を行っていた非連結子会社の株式会社サンリオウェーブを昨年10月に吸収合併し、本社の取引を活かした事業の拡大を進めております。物販事業の施策として、プロトタイプ店舗の横浜ギフトゲート(直営店)をオープンしました。また、2019年4月には浅草ギフトゲート(直営店)をオープンしております。海外事業では、米国のリストラクチャリングが完了しました。中国ビジネスは概ね順調に進みました。欧米市場では、各子会社において業績回復が遅れている状況ですが、引き続き目標達成に向け、中期経営計画の課題に取り組んでおります。
当連結会計年度の業績につきましては、国内においては、テーマパークが好調に推移しましたが、夏季の台風や豪雨、関西、北海道の地震によるインバウンド消費への影響、天候不順によるアパレル関連の不振、また出版流通在庫の調整による影響がありました。海外においては、アジアは概ね堅調であったものの、欧米でのライセンス事業の回復の遅れが影響しました。
これらの結果として、売上高は591億円(前期比1.8%減)、営業利益は47億円(同16.5%減)となりました。営業外収益として投資事業組合運用益を3億円計上したこと等により、経常利益は58億円(同3.1%減)となりました。特別利益に、米国子会社の固定資産に関してセールアンドリースバック取引が期前解約されたことに伴う、繰延収益の実現益による固定資産売却益6億円、投資有価証券売却益5億円、特別損失に投資有価証券評価損5億円、事業構造改善費用として米国子会社のリストラクチャリングに係る費用3億円等を計上し、法人税等合計で21億円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38億円(同21.3%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期に比べ大きく変動したのは、前連結会計年度において、米国子会社において固定資産売却益45億円と、法人税等調整額13億円を計上したこと、並びに東京国税局による更正処分により、過年度法人税等を11億円計上したことなどが主な要因です。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当連結会計年度の対象期間は、2018年1月~12月であります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
ⅰ.日本:売上高451億円(前期比0.4%減)、営業利益36億円(同16.7%減)
物販事業は、7月以降、猛暑の影響や、台風、地震等の自然災害に伴う一部地域店舗の営業休止などにより、インバウンドを含む集客の減少が売上に影響しましたが、10月以降は、ハロウィーン、クリスマスなどのシーズンを強調した店舗環境づくりや、正月の初売りからバレンタイン、ホワイトデー、入園入学といったギフトシーズンに向けた商品提案やプロモーションにより国内需要を獲得することができました。その中でも、バレンタインの「GODIVA」とのコラボレーション商品が好評を博しました。また、店頭においては「当りくじ」が人気を集めました。既存店売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)は前期比 100.3%と前年を上回りました。
ライセンス事業の商品化権ライセンスでは、天候不順によるアパレル関連の不振はありましたが、大手食品メーカーとの取り組みや、海外ブランドとのコラボレーション、サンリオキャラクターのワイド展開などは積極的な推進により順調に推移しました。また、アニメ系コンテンツとのコラボレーションや、大手ゲーム会社との取り組みによるゲームやデジタルコンテンツなどが好調でした。
対企業向け企画では、西日本旅客鉄道株式会社のハローキティ新幹線の運行が始まり、同デザインのお菓子、雑貨類などの商品が一気に拡大したほか、関空特急はるかや大阪環状線のプロモーションにまで大きな広がりを見せました。また、森永製菓株式会社、伊藤ハム株式会社、株式会社カネボウ化粧品、小林製薬株式会社などの大手メーカーの広告宣伝に加え、外食のデニーズ、地方自治体の北秋田市などの新規案件も業績に貢献しました。
テーマパーク事業の、東京都多摩市のサンリオピューロランドでは、入園者数が1,460千人と前期比140千人増(前期比10.6%増)となりました。前年3月からスタートした、松竹株式会社とのコラボレーションによるメルヘンシアターの新作「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」が評判となり、さらに6月には、フェアリーランドシアターで前作に続き、株式会社ネルケプランニングとのコラボレーションによる男優だけの新作ミュージカル「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」をスタートしたことが好調の要因となりました。また、夏季のイベントでは、「ピューロ夏フェス」と題し前年と内容を変え実施、9月からの「ピューロハロウィーンパーティ」も好評を博しました。さらに、福利厚生代行サービスなどを行っている企業の会員向けの企画や、当日券、ネット割引、株主優待券、国内及び海外代理店のeチケット販売などによる入園者が増加しました。
大分県のハーモニーランドは、上半期には、西日本豪雨や台風の影響、記録的な猛暑などの影響がありましたが、入園者数は前年同期を13千人上回りました。下半期は、ハロウィーンナイトやクリスマスなどの各イベント開催日の集客も堅調に推移し、春にはイースターイベントや大型の会員企画商品などにより集客が大きく伸長し、前年同期を20千人上回りました。その結果、通期の入園者数は471千人と前期比で33千人増(前期比7.7%増)となりました。
セグメント全体では、主に海外子会社からのマスターライセンス料の低迷が大きく影響し減収減益となりました。
ⅱ.欧州:売上高17億円(前期比18.1%減)、営業損失3億円(同3億円損失増)
欧州では、景気は緩やかな回復基調でありましたが、映画、エンターテイメントキャラクターなど競合IPの影響もあり厳しい状況が続きました。主力の家庭用品、玩具をはじめ、各カテゴリーでのライセンス展開が苦戦しましたが、食品やバックトゥスクール関連のカテゴリーでは新規ライセンシーの貢献などもあり比較的下げ幅を抑えることができました。『ミスターメン リトルミス』に関しては、イギリス、オーストラリアでのライセンス収入は大幅に減収となりましたが、フランスは好調で、中国では新代理店と契約が締結されました。
ⅲ.北米:売上高26億円(前期比12.5%減)、営業損失10億円(同1億円損失増)
米国では、子会社のサンフランシスコの本社、倉庫設備及び賃貸施設の売却に伴い、賃貸収入が無くなりましたが、物販売上では、直営店売上、EC事業売上が好調でした。ライセンス売上では、ConverseやPUMAとのコラボレーションや、コレクタブルな商品を扱うHameeとの取引などが貢献したものの、マスリテーラーとの取引は依然縮小傾向にあり、主要カテゴリーであるアパレルやヘルス&ビューティは前年を大きく下回りました。キャラクター別では、2018年4月からNetflixで配信が始まったことにより『アグレッシブ烈子(Aggretsuko)』が伸長し、ミックスキャラクターの提案も好調でしたが、『ハローキティ』の売上減を補うには至りませんでした。なお、サンフランシスコ事務所と、ロサンゼルス事務所の統合とそれに伴う人員整理等につきましては、順調に完了しております。
ⅳ.南米:売上高5億円(前期比30.6%減)、営業利益16百万円(同82.0%減)
南米地域は、当第4四半期連結会計期間においてはブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどが前年同期比増収で、南米地域全体としても増収となりました。しかしながら、当連結会計年度を通しては、メキシコ、チリ、ペルーといった主要諸国の不調が影響し、カテゴリーでは、アパレルやヘルス&ビューティ、玩具、バッグなどの主要なカテゴリーが前年を大きく下回ったことにより、前期比減収減益となりました。
ⅴ.アジア:売上高89億円(前期比1.0%増)、営業利益35億円(同9.2%増)
香港では、香港・マカオ市場が引き続き好調に推移しました。既存大手ライセンシーとの取引が好調であったのをはじめ、香港の老舗テーマパークとの新規取り組み、ドラッグストア等大手流通との販促キャンペーンや、金融機関との取り組みが貢献しました。前連結会計年度において高成長を遂げたタイにつきましては、ヘルス&ビューティが好調でありましたが、大手メーカーやコンビニエンスストアを中心に企業キャンペーン関連売上の大幅減少により苦戦しました。また、シンガポールでも前年チャンギ空港等の大型案件があったこともあり、イベントプロモーション関連の売上が苦戦しました。フィリピン、ベトナムにつきましては、まだ市場規模は小さいですが、前期実績をクリアしました。
韓国では、アニメ放送による人気向上で『リルリルフェアリル』が好調のほか、テレビ通販向けティッシュペーパーなどが好調であるヘルス&ビューティのカテゴリーや、食品カテゴリーが売上に貢献しましたが、インテリアや文具、前年好調であった企業特販の落ち込み等により、業績が前期を下回りました。
台湾では、前年実績が高かった食品カテゴリーや、家電、スクーター等のライセンスは前期を下回りましたが、主要カテゴリーである、アパレル、家庭用品が好調でした。また、ファミリーマートやセブンイレブン等のコンビニエンスストアとの取り組みが好調でした。
中国では、空間ライセンス事業が堅調に推移しております。商品化権ライセンスでは、アクセサリー関連、コスメ・化粧品関連においての主要ライセンシーの落ち込みにより苦戦しましたが、中国最大手スポーツブランドの子供服を中心にアパレルが好調であり、また銀行などの対企業特販も業績を牽引し、増収となりました。
アジアにおけるキャラクターの多様化に関しては、中国においてアパレルの展開で好調な『バッドばつ丸』や『ぐでたま』に続き、『マイメロディ』や『シナモロール』にも広がりをみせ、韓国ではアニメのヒットにより『リルリルフェアリル』、台湾では『マイメロディ』、その他地域で『ポムポムプリン』『シナモロール』『リトルツインスターズ』が伸び、『ハローキティ』以外のキャラクターの構成比増に貢献しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より15億円減の292億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、48億円の収入(前期比9億円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が60億円(前期比46億円減)、減価償却費が18億円(前期比微減)、売上債権の減少額が11億円(前期比9億円の収入増)であった一方、退職給付に係る負債の減少額が5億円(前期比23億円の支出減)、固定資産処分益が6億円(前期比39億円の収入減)、法人税等の支払額が25億円(前期比微増)であったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、25億円の支出(前期は43億円の収入)となりました。定期預金預入払戻の差である18億円の支出(前期比1億円増)、固定資産の取得による支出9億円(前期比1億円減)などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは30億円の支出(前期比49億円の支出減)となりました。これは主に、配当金の支払額25億円(前期は67億円の支出)、財務活動その他の収支による4億円の支出(前期比微増)などによるものです。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、利益の追求のみでは会社は永続しない、“ソーシャル・コミュニケーション・ギフトビジネス”の会社として、すべてのステークホルダーに価値を提供しつつ社会貢献をしていきたいと考えております。しかしながら、ステークスホルダーに十分な価値を提供するには、現在の営業利益では十分ではありません。そこで、全社的な戦略立案、実行管理のマーケティング機能を確立させ、顧客の求める商品・サービスを提供していくことにより業績の回復を目指すべく、2018年5月に中期経営計画を策定しました。当期を含むこの中期経営計画につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標と中期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、国内テーマパークは好調だったものの、欧州セグメント及び北米セグメントにおけるライセンス収入の回復が遅れていることにより、前連結会計年度に比べ10億円減少し、591億円(前期比1.8%減)となりました。売上高に占める報告セグメント別の割合は、日本が76.4%、欧州が3.0%、北米が4.5%、南米が1.0%、アジアは15.1%となりました。なお、報告セグメント別の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における販管費及び一般管理費は、北米セグメントにおける事務所統合により減価償却費等が減少した一方で、日本セグメントにおけるテーマパークに係る手数料の増加等により、前連結会計年度に比べ1億円増加し、330億円(同0.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ9億円減少し、47億円(同16.5%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ4億円増加し、13億円(同43.7%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ3億円減少し、3億円(同52.3%減)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1億円減少し、58億円(同3.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に北米セグメントにおいて固定資産売却益を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ40億円減少し、12億円(同76.5%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に欧州セグメントにおいて無形固定資産の減損損失を計上したこと等により減少した一方、日本セグメントにおいて投資有価証券評価損及び、北米セグメントにおいてリストラクチャリングに係る費用を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ4億円増加し、10億円(同68.6%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益38億円(同21.3%減)となりました。
財政状態の分析
(資産)
総資産は、前連結会計年度末に比べ30億円減少して951億円となりました。
流動資産は、北米セグメントにおいて法人税等の支払いにより現金及び預金が減少し、日本セグメントにおいて受取手形及び売掛金等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ14億円減少し、563億円となりました。
固定資産は、日本セグメント等におけるテーマパークに係る建物及び構築物の除却や、欧州セグメントにおける無形固定資産の償却等により、前連結会計年度末に比べ16億円減少し、387億円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ27億円減少し、427億円となりました。
流動負債は、前連結会計年度に北米セグメントにおいて固定資産売却により発生した課税所得に係る未払法人税等を計上したことと、1年内の有利子負債が6億円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ16億円減少し、228億円となりました。
固定負債は、有利子負債が増加した一方、退職給付に係る負債が9億円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ11億円減少し、198億円となりました。
(純資産)
純資産合計は、配当金25億円の支払いに対し、親会社株主に帰属する当期純利益が38億円となったことにより利益剰余金が13億円増加した一方で、為替換算調整勘定が20億円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3億円減少し、523億円となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金は自己資金、金融機関からの借入及び社債を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は200億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は292億円となっております。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画『Marketing innovation Project 2021』(2019年3月期~2021年3月期)を策定し、最終年度(2021年3月期)の達成目標を営業利益100億円、ROE10%以上としております。中期経営計画の初年度である当連結会計年度については、営業利益47億円、ROE7.4%となっております。特に営業利益の進捗状況に遅れがありますが、今後「ハローキティ45周年」を梃にしたファンとのつながりを強化し、関連グッズの拡大や、ラグビーワールドカップやオリンピックに向けたインバウンド施策を実施することにより、多方面からの利益向上を図り、目標達成に向けて取り組んでまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は951億円で、前期末比30億円減少しました。資産の部の主な減少項目は現金及び預金4億円、受取手形及び売掛金9億円、未収入金2億円、建物及び構築物4億円、差入保証金1億円、繰延税金資産2億円、投資その他の資産のその他4億円です。
負債の部は427億円で前期末比27億円減少しました。主な減少項目は未払法人税等8億円、退職給付に係る負債9億円、固定負債のその他7億円です。純資産の部は、配当金25億円の支払いに対し、親会社株主に帰属する当期純利益が38億円となったことにより利益剰余金が13億円増加した一方で、為替換算調整勘定が20億円減少したことにより、523億円と前期末比3億円減少しました。自己資本比率は54.7%で前期末比1.3ポイント上昇しました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度において、当社グループは、中期経営計画「Marketing Innovation Project 2021」をスタートさせました。マーケティング本部を新たに設立し、『ハローキティ』やそれに次ぐセカンドキャラクターの育成、再活性化のための施策を推進してまいりました。アニメ・デジタル事業の施策につきましては、2018年4月にNetflixにて『アグレッシブ烈子(Aggretsuko)』のアニメシリーズの配信がスタートし、特に米国で大きな反響を呼びました。また、ゲーム事業を行っていた非連結子会社の株式会社サンリオウェーブを昨年10月に吸収合併し、本社の取引を活かした事業の拡大を進めております。物販事業の施策として、プロトタイプ店舗の横浜ギフトゲート(直営店)をオープンしました。また、2019年4月には浅草ギフトゲート(直営店)をオープンしております。海外事業では、米国のリストラクチャリングが完了しました。中国ビジネスは概ね順調に進みました。欧米市場では、各子会社において業績回復が遅れている状況ですが、引き続き目標達成に向け、中期経営計画の課題に取り組んでおります。
当連結会計年度の業績につきましては、国内においては、テーマパークが好調に推移しましたが、夏季の台風や豪雨、関西、北海道の地震によるインバウンド消費への影響、天候不順によるアパレル関連の不振、また出版流通在庫の調整による影響がありました。海外においては、アジアは概ね堅調であったものの、欧米でのライセンス事業の回復の遅れが影響しました。
これらの結果として、売上高は591億円(前期比1.8%減)、営業利益は47億円(同16.5%減)となりました。営業外収益として投資事業組合運用益を3億円計上したこと等により、経常利益は58億円(同3.1%減)となりました。特別利益に、米国子会社の固定資産に関してセールアンドリースバック取引が期前解約されたことに伴う、繰延収益の実現益による固定資産売却益6億円、投資有価証券売却益5億円、特別損失に投資有価証券評価損5億円、事業構造改善費用として米国子会社のリストラクチャリングに係る費用3億円等を計上し、法人税等合計で21億円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38億円(同21.3%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期に比べ大きく変動したのは、前連結会計年度において、米国子会社において固定資産売却益45億円と、法人税等調整額13億円を計上したこと、並びに東京国税局による更正処分により、過年度法人税等を11億円計上したことなどが主な要因です。
なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当連結会計年度の対象期間は、2018年1月~12月であります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
ⅰ.日本:売上高451億円(前期比0.4%減)、営業利益36億円(同16.7%減)
物販事業は、7月以降、猛暑の影響や、台風、地震等の自然災害に伴う一部地域店舗の営業休止などにより、インバウンドを含む集客の減少が売上に影響しましたが、10月以降は、ハロウィーン、クリスマスなどのシーズンを強調した店舗環境づくりや、正月の初売りからバレンタイン、ホワイトデー、入園入学といったギフトシーズンに向けた商品提案やプロモーションにより国内需要を獲得することができました。その中でも、バレンタインの「GODIVA」とのコラボレーション商品が好評を博しました。また、店頭においては「当りくじ」が人気を集めました。既存店売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)は前期比 100.3%と前年を上回りました。
ライセンス事業の商品化権ライセンスでは、天候不順によるアパレル関連の不振はありましたが、大手食品メーカーとの取り組みや、海外ブランドとのコラボレーション、サンリオキャラクターのワイド展開などは積極的な推進により順調に推移しました。また、アニメ系コンテンツとのコラボレーションや、大手ゲーム会社との取り組みによるゲームやデジタルコンテンツなどが好調でした。
対企業向け企画では、西日本旅客鉄道株式会社のハローキティ新幹線の運行が始まり、同デザインのお菓子、雑貨類などの商品が一気に拡大したほか、関空特急はるかや大阪環状線のプロモーションにまで大きな広がりを見せました。また、森永製菓株式会社、伊藤ハム株式会社、株式会社カネボウ化粧品、小林製薬株式会社などの大手メーカーの広告宣伝に加え、外食のデニーズ、地方自治体の北秋田市などの新規案件も業績に貢献しました。
テーマパーク事業の、東京都多摩市のサンリオピューロランドでは、入園者数が1,460千人と前期比140千人増(前期比10.6%増)となりました。前年3月からスタートした、松竹株式会社とのコラボレーションによるメルヘンシアターの新作「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎~」が評判となり、さらに6月には、フェアリーランドシアターで前作に続き、株式会社ネルケプランニングとのコラボレーションによる男優だけの新作ミュージカル「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」をスタートしたことが好調の要因となりました。また、夏季のイベントでは、「ピューロ夏フェス」と題し前年と内容を変え実施、9月からの「ピューロハロウィーンパーティ」も好評を博しました。さらに、福利厚生代行サービスなどを行っている企業の会員向けの企画や、当日券、ネット割引、株主優待券、国内及び海外代理店のeチケット販売などによる入園者が増加しました。
大分県のハーモニーランドは、上半期には、西日本豪雨や台風の影響、記録的な猛暑などの影響がありましたが、入園者数は前年同期を13千人上回りました。下半期は、ハロウィーンナイトやクリスマスなどの各イベント開催日の集客も堅調に推移し、春にはイースターイベントや大型の会員企画商品などにより集客が大きく伸長し、前年同期を20千人上回りました。その結果、通期の入園者数は471千人と前期比で33千人増(前期比7.7%増)となりました。
セグメント全体では、主に海外子会社からのマスターライセンス料の低迷が大きく影響し減収減益となりました。
ⅱ.欧州:売上高17億円(前期比18.1%減)、営業損失3億円(同3億円損失増)
欧州では、景気は緩やかな回復基調でありましたが、映画、エンターテイメントキャラクターなど競合IPの影響もあり厳しい状況が続きました。主力の家庭用品、玩具をはじめ、各カテゴリーでのライセンス展開が苦戦しましたが、食品やバックトゥスクール関連のカテゴリーでは新規ライセンシーの貢献などもあり比較的下げ幅を抑えることができました。『ミスターメン リトルミス』に関しては、イギリス、オーストラリアでのライセンス収入は大幅に減収となりましたが、フランスは好調で、中国では新代理店と契約が締結されました。
ⅲ.北米:売上高26億円(前期比12.5%減)、営業損失10億円(同1億円損失増)
米国では、子会社のサンフランシスコの本社、倉庫設備及び賃貸施設の売却に伴い、賃貸収入が無くなりましたが、物販売上では、直営店売上、EC事業売上が好調でした。ライセンス売上では、ConverseやPUMAとのコラボレーションや、コレクタブルな商品を扱うHameeとの取引などが貢献したものの、マスリテーラーとの取引は依然縮小傾向にあり、主要カテゴリーであるアパレルやヘルス&ビューティは前年を大きく下回りました。キャラクター別では、2018年4月からNetflixで配信が始まったことにより『アグレッシブ烈子(Aggretsuko)』が伸長し、ミックスキャラクターの提案も好調でしたが、『ハローキティ』の売上減を補うには至りませんでした。なお、サンフランシスコ事務所と、ロサンゼルス事務所の統合とそれに伴う人員整理等につきましては、順調に完了しております。
ⅳ.南米:売上高5億円(前期比30.6%減)、営業利益16百万円(同82.0%減)
南米地域は、当第4四半期連結会計期間においてはブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどが前年同期比増収で、南米地域全体としても増収となりました。しかしながら、当連結会計年度を通しては、メキシコ、チリ、ペルーといった主要諸国の不調が影響し、カテゴリーでは、アパレルやヘルス&ビューティ、玩具、バッグなどの主要なカテゴリーが前年を大きく下回ったことにより、前期比減収減益となりました。
ⅴ.アジア:売上高89億円(前期比1.0%増)、営業利益35億円(同9.2%増)
香港では、香港・マカオ市場が引き続き好調に推移しました。既存大手ライセンシーとの取引が好調であったのをはじめ、香港の老舗テーマパークとの新規取り組み、ドラッグストア等大手流通との販促キャンペーンや、金融機関との取り組みが貢献しました。前連結会計年度において高成長を遂げたタイにつきましては、ヘルス&ビューティが好調でありましたが、大手メーカーやコンビニエンスストアを中心に企業キャンペーン関連売上の大幅減少により苦戦しました。また、シンガポールでも前年チャンギ空港等の大型案件があったこともあり、イベントプロモーション関連の売上が苦戦しました。フィリピン、ベトナムにつきましては、まだ市場規模は小さいですが、前期実績をクリアしました。
韓国では、アニメ放送による人気向上で『リルリルフェアリル』が好調のほか、テレビ通販向けティッシュペーパーなどが好調であるヘルス&ビューティのカテゴリーや、食品カテゴリーが売上に貢献しましたが、インテリアや文具、前年好調であった企業特販の落ち込み等により、業績が前期を下回りました。
台湾では、前年実績が高かった食品カテゴリーや、家電、スクーター等のライセンスは前期を下回りましたが、主要カテゴリーである、アパレル、家庭用品が好調でした。また、ファミリーマートやセブンイレブン等のコンビニエンスストアとの取り組みが好調でした。
中国では、空間ライセンス事業が堅調に推移しております。商品化権ライセンスでは、アクセサリー関連、コスメ・化粧品関連においての主要ライセンシーの落ち込みにより苦戦しましたが、中国最大手スポーツブランドの子供服を中心にアパレルが好調であり、また銀行などの対企業特販も業績を牽引し、増収となりました。
アジアにおけるキャラクターの多様化に関しては、中国においてアパレルの展開で好調な『バッドばつ丸』や『ぐでたま』に続き、『マイメロディ』や『シナモロール』にも広がりをみせ、韓国ではアニメのヒットにより『リルリルフェアリル』、台湾では『マイメロディ』、その他地域で『ポムポムプリン』『シナモロール』『リトルツインスターズ』が伸び、『ハローキティ』以外のキャラクターの構成比増に貢献しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より15億円減の292億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、48億円の収入(前期比9億円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が60億円(前期比46億円減)、減価償却費が18億円(前期比微減)、売上債権の減少額が11億円(前期比9億円の収入増)であった一方、退職給付に係る負債の減少額が5億円(前期比23億円の支出減)、固定資産処分益が6億円(前期比39億円の収入減)、法人税等の支払額が25億円(前期比微増)であったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、25億円の支出(前期は43億円の収入)となりました。定期預金預入払戻の差である18億円の支出(前期比1億円増)、固定資産の取得による支出9億円(前期比1億円減)などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは30億円の支出(前期比49億円の支出減)となりました。これは主に、配当金の支払額25億円(前期は67億円の支出)、財務活動その他の収支による4億円の支出(前期比微増)などによるものです。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前期比(%) |
日本 | 45,190 | △0.4 |
欧州 | 1,764 | △18.1 |
北米 | 2,661 | △12.5 |
南米 | 561 | △30.6 |
アジア | 8,943 | +1.0 |
計(百万円) | 59,120 | △1.8 |
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、利益の追求のみでは会社は永続しない、“ソーシャル・コミュニケーション・ギフトビジネス”の会社として、すべてのステークホルダーに価値を提供しつつ社会貢献をしていきたいと考えております。しかしながら、ステークスホルダーに十分な価値を提供するには、現在の営業利益では十分ではありません。そこで、全社的な戦略立案、実行管理のマーケティング機能を確立させ、顧客の求める商品・サービスを提供していくことにより業績の回復を目指すべく、2018年5月に中期経営計画を策定しました。当期を含むこの中期経営計画につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標と中期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、国内テーマパークは好調だったものの、欧州セグメント及び北米セグメントにおけるライセンス収入の回復が遅れていることにより、前連結会計年度に比べ10億円減少し、591億円(前期比1.8%減)となりました。売上高に占める報告セグメント別の割合は、日本が76.4%、欧州が3.0%、北米が4.5%、南米が1.0%、アジアは15.1%となりました。なお、報告セグメント別の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における販管費及び一般管理費は、北米セグメントにおける事務所統合により減価償却費等が減少した一方で、日本セグメントにおけるテーマパークに係る手数料の増加等により、前連結会計年度に比べ1億円増加し、330億円(同0.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ9億円減少し、47億円(同16.5%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ4億円増加し、13億円(同43.7%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ3億円減少し、3億円(同52.3%減)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1億円減少し、58億円(同3.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に北米セグメントにおいて固定資産売却益を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ40億円減少し、12億円(同76.5%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に欧州セグメントにおいて無形固定資産の減損損失を計上したこと等により減少した一方、日本セグメントにおいて投資有価証券評価損及び、北米セグメントにおいてリストラクチャリングに係る費用を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ4億円増加し、10億円(同68.6%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益38億円(同21.3%減)となりました。
財政状態の分析
(資産)
総資産は、前連結会計年度末に比べ30億円減少して951億円となりました。
流動資産は、北米セグメントにおいて法人税等の支払いにより現金及び預金が減少し、日本セグメントにおいて受取手形及び売掛金等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ14億円減少し、563億円となりました。
固定資産は、日本セグメント等におけるテーマパークに係る建物及び構築物の除却や、欧州セグメントにおける無形固定資産の償却等により、前連結会計年度末に比べ16億円減少し、387億円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ27億円減少し、427億円となりました。
流動負債は、前連結会計年度に北米セグメントにおいて固定資産売却により発生した課税所得に係る未払法人税等を計上したことと、1年内の有利子負債が6億円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ16億円減少し、228億円となりました。
固定負債は、有利子負債が増加した一方、退職給付に係る負債が9億円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ11億円減少し、198億円となりました。
(純資産)
純資産合計は、配当金25億円の支払いに対し、親会社株主に帰属する当期純利益が38億円となったことにより利益剰余金が13億円増加した一方で、為替換算調整勘定が20億円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3億円減少し、523億円となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金は自己資金、金融機関からの借入及び社債を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は200億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は292億円となっております。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画『Marketing innovation Project 2021』(2019年3月期~2021年3月期)を策定し、最終年度(2021年3月期)の達成目標を営業利益100億円、ROE10%以上としております。中期経営計画の初年度である当連結会計年度については、営業利益47億円、ROE7.4%となっております。特に営業利益の進捗状況に遅れがありますが、今後「ハローキティ45周年」を梃にしたファンとのつながりを強化し、関連グッズの拡大や、ラグビーワールドカップやオリンピックに向けたインバウンド施策を実施することにより、多方面からの利益向上を図り、目標達成に向けて取り組んでまいります。